第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営の基本方針

相鉄グループは、純粋持株会社体制のもと、運輸業・流通業・不動産業・ホテル業を中心とした企業グループとして、「快適な暮らしをサポートする事業を通じてお客様の喜びを実現し、地域社会の豊かな発展に貢献します」という相鉄グループ「基本理念」に則り、「経営姿勢」として(1)徹底したお客様視点の実践 (2)グループ連結利益の最大化 (3)活力ある企業風土の醸成 (4)よりよい社会への貢献、の4つを掲げています。

各社の自己責任に基づく自立経営及び相互の連携強化により、生活に密着したサービスやお客様のニーズを的確に捉えた各種サービスを提供し、地域社会の発展に貢献することを目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社では収益性指標として営業利益、健全性指標として有利子負債/EBITDA倍率、自己資本比率、効率性指標としてROAを重視しています。

なお、中期経営計画「第6次中期経営計画(2022年度~2024年度)」及び「長期ビジョン”Vision2030”」を2021年11月25日に公表し、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等を設定しております。

 

2024年度

(中期経営計画)

(※参考)

2024年度(計画)

2030年度

(長期ビジョン)

営業利益

305億円

318億円

370億円程度

親会社株主に帰属する当期純利益

177億円

191億円

EBITDA

620億円程度

有利子負債/EBITDA倍率

7.4倍

7.3倍

7倍未満

ROA(総資産営業利益率)

4.1%

4.1%

4.5%

ROE(自己資本利益率)

11.1%

11.2%

自己資本比率

22.3%

23.0%

20%台後半

(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

2.有利子負債は、借入金+社債により算出しております。

3.「-」については、未設定のため記載しておりません。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

少子高齢化や市場の成熟、競争の激化等に加え、新型コロナウイルス感染症によるライフスタイルの変化、エネルギー価格の上昇や各種原材料高騰などにより、相鉄グループを取り巻く環境は厳しさを増しています。そのような事業環境を踏まえ、2021年11月に策定した「長期ビジョン“Vision2030”」では、「稼ぐ力の強化」「不動産事業の抜本的な強化」「選ばれる沿線の創造」「新たな事業領域の拡大」などを重点戦略に設定いたしました。2019年11月にJR線、2023年3月に東急線との相互直通運転が実現いたしましたが、引き続き、沿線開発に積極的に取り組むとともに、沿線外や海外での事業展開の拡充に取り組んでまいります。

また、相鉄グループではサステナビリティ経営を推進すべく、2024年2月に「環境方針」及び「環境ビジョン」を策定して温室効果ガス排出量の削減目標を設定しました。今後も持続可能な社会の実現と企業価値向上の両立を企図した事業活動を推進すべく、以下の項目に取り組んでまいります。

 

長期ビジョン“Vision2030”で推進する6つの重点戦略

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1.既存事業における「構造改革の断行」と新たな「稼ぐ力の強化」

テレワークの普及やECの定着など新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化を踏まえ、各事業の固定費削減や事業ポートフォリオ見直しを主とする構造改革の断行を図るとともに、Withコロナにおける新たなニーズの把握や付加価値の創出により稼ぐ力の強化を推進してまいります。

 

2.収益の柱としての「不動産事業の抜本的な強化」

開発・投資対象として幅広いマーケットの捕捉に取り組んでいくとともに、機能強化を目的とした不動産開発に係るグループベースでの組織体制の強化に取り組んでまいります。

 

3.「選ばれる沿線」の創造

都心への相互直通を契機とし、沿線の開発・活性化の推進に取り組み、豊かな沿線の実現を目指してまいります。

 

4.沿線外・海外への展開拡充と新たな事業領域への拡大

引き続き沿線外や海外における事業の強化を推し進めるとともに、新たな事業領域への進出の取り組みとしてグループ内外との積極的な連携に取り組んでまいります。

 

5.グループベースでの人財/DX/組織・経営管理の整備・強化

グループ横断的なデジタル基盤の構築等により、DX(Digital Transformation)を促進し、新たな価値を創造するとともに、人財の育成・活用、組織・経営管理体制の見直し・構築を進めてまいります。

 

6.ESG/SDGsへの取組み強化

「相鉄グループサステナビリティ方針」に基づき、グループ一体となってサステナビリティ経営を推進してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般

① サステナビリティ共通

 当社グループは、持続可能な社会の実現と相鉄グループのさらなる企業価値向上を目指し、事業戦略とESGへの取り組みを連動させたサステナビリティ経営に取り組んでおります。

 

(ア)サステナビリティ方針

「お客様の喜びを実現し、地域社会の豊かな発展に貢献するために」

相鉄グループは、様々なステークホルダーとの協働のもと、事業活動を通じた何世代にも亘り、暮らし続けられるまちづくりを起点とし、相鉄グループを取り巻く環境・社会課題の解決に向けた取り組みを通じて、持続的な社会の実現に貢献できる企業を目指します。

サステナビリティ経営の推進に取り組むことの意義を役員・社員が十分に認識し、安全・環境・社会・ガバナンスの観点に基づいた事業及び活動を行います。

安全・環境・社会・ガバナンスの観点に基づいた事業及び活動を行うため、相鉄グループ役員・社員行動原則及びサステナビリティに関する方針を社外に開示するとともに、サステナビリティ取り組みの実効性を担保するため、グループ共通の非財務目標KPIを設定し、達成に向けた計画の実行と役員・社員に理解促進を図ります。

企業倫理を重視する風土を醸成し、相鉄グループ役員・社員行動原則に従い、常に主体的に適切な判断を行います。

サステナビリティ取り組みを相鉄グループ全体の活動と位置づけて継続的に取り組むとともに、相鉄グループ各社が行うグループ共通取り組みを設け、共通取り組みを優先的に行います 。

情報開示やコミュニケーションを積極的かつ戦略的に実践し、ステークホルダーとの信頼関係を醸成します。

 

(イ)理念体系

 相鉄グループは、基本理念とサステナビリティ方針に基づき、グループが目指す姿を示した「グループビジョン」及びグループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略(中期経営計画など)」によって構成されます。

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② ガバナンス

 持続可能な社会の実現への貢献と、相鉄グループの持続的成長の実現に向けた取り組みをより一層強化するため、2022年4月1日付で、相鉄ホールディングス㈱社長を委員長に、業務執行取締役全員とグループ各社社長を構成メンバーとした「相鉄グループサステナビリティ委員会」を設置しております。

 サステナビリティ委員会は、年2回の定例開催を基本として適宜開催し、以下の内容の協議などを行い、取締役会に上申しております。

 

・サステナビリティに関する経営リスク管理、事業機会の把握及び経営戦略への反映

・グループにおけるサステナビリティ活動方針の構築とそれに基づく各事業会社による実行の総括

・サステナビリティに関する課題の掌握、目標・計画の策定、計画推進・活動状況の評価及び是正・改善

 

 取締役会は、当委員会で協議・決議された事項を受け、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応方針並びに実行計画等について、審議・監督を行っております。

 また、サステナビリティ施策をグループ全体に展開・推進する組織として「相鉄グループサステナビリティ推進会議」を設置し、グループ全体で取り組みを推進しております。

 サステナビリティ推進会議の傘下には、各事業会社実務者レベルで構成する「ダイバーシティ推進分科会」並びに「環境・エネルギー分科会」を設置し、全社横断的な協議推進体制を整備しております。

 

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2023年度の開催実績と討議内容

組織名

実施回数

討議内容

相鉄グループ

サステナビリティ委員会

第5回

2023年5月9日

・2023年度サステナビリティ取組計画

・環境・エネルギー分科会設置

・相鉄グループサステナビリティ基本規程改定

第6回

2023年9月8日

・2023年度TCFDシナリオ分析結果開示

・2024年度サステナビリティ取組方針

第7回

2024年2月6日

・「環境方針」及び「環境ビジョン」策定

第8回

2024年3月1日

・2023年度サステナビリティ取組実績報告

 

③ 戦略

 マテリアリティの特定にあたっては、相鉄グループの経営理念、サステナビリティに対する考え方、経営課題などを踏まえつつ、国際的なガイドラインなどを参照して、課題を抽出・整理いたしました。

 その後、外部有識者との意見交換を通じて、「ステークホルダーにとっての重要度」及び「相鉄グループにとっての重要度」という2軸に基づき課題の整理・評価検証を行い、さらに常務会での議論、取締役会における決議を経て、マテリアリティを特定・決定いたしました。

重点

テーマ

マテリアリティ

主なリスク

主な機会

2023年度の主な実績

安全・安心

①お客様の安全

②従業員の健康と安全

・人為事故による損害・信用低下のリスク

・食品の安全性に関するリスク

-

・インシデントや食品事故防止のための点検・訓練の継続

・従業員の高齢化リスク

・従業員の採用難による事業リスク

-

・グループ各社ごとの従業員エンゲージメント及び満足度調査の強化

環境

③気候変動の緩和と適応

④資源循環への貢献

・自然災害、感染症等リスク

・環境規制強化によるコスト増

・生活様式の変化による新たな商品やサービスの提供機会

・相鉄グループ環境方針及び環境ビジョン策定

・2050年度に向けたカーボンニュートラルチャレンジ

・2030年度に向けたグループ脱炭素目標設定

・資源不足による事業活動への影響

・資源を効率的に利用するビジネスへの需要拡大

・そうてつローゼンにおけるシステムを活用した仕入れロス率の改善

 

 

 

重点

テーマ

マテリアリティ

主なリスク

主な機会

2023年度の主な実績

社会

⑤ダイバーシティ&インクルージョンの推進

・従業員の高齢化リスク

・ダイバーシティが進まないことによる競争力の低下リスク

・多様な人材が集まることによる業務品質と生産性の向上

・ダイバーシティ推進を意識した採用・育成の強化

⑥お客様満足の実現(CS)

・価格競争の激化による収益低下

・業界、業種をまたぐ新規参入激化

・当社ブランドの価値向上による収益機会の獲得

・鉄道の都心乗り入れを契機とした認知度の向上と、各事業における収益機会獲得

⑦地域社会への貢献

・少子高齢化、人口減少

・沿線地域の抱える社会課題、環境課題の解決を通じた事業機会

・国内観光・インバウンド需要獲得

・沿線課題解決のためひとり親家庭に向けた寄付米・奨学金制度の開始

・沿線での観光・人口増加のための開発計画の検討

⑧持続的な生活インフラの整備

・都市インフラの老朽化

・より安全でレジリエンス(強靭性)のある交通・都市インフラの整備による沿線価値向上

・駅、インフラ整備、老朽化物件等改修・更新

⑨技術革新の活用

・業界、業種をまたぐ新規参入激化

・ICTの利活用によるMaaS等の新たなサービス拡充

・「相鉄ポイント」の運用開始

・ICT活用による新サービスの検討深度化

ガバナンス

⑩ガバナンスの充実

⑪コンプライアンス経営の推進

・法的規制

・不祥事の発生

・個人情報漏洩リスクやコンプライアンス違反の発覚による社会的な信頼を損失するリスク

-

・各種開示情報の拡充

・コンプライアンス違反発生防止のためヘルプラインの運用

 

④ リスク管理

 相鉄グループでは、サステナビリティ関連を含む事業運営に関するリスクを適切に把握・管理するようグループ全体でリスクマネジメントに取り組んでおります。さまざまなリスクを予見・分析評価するとともに、損失を予防・軽減するための対策、損害が発生した場合の対応、事後処理対策を講じております。

 事業活動に伴い想定されるリスクは相鉄グループ各社で異なることから、全社において事業活動に伴う重要リスクと重要法令の洗い出し・抽出を定期的に行っております。抽出された重要リスクは外部専門家から、重要法令は顧問弁護士からそれぞれ評価を受け、各社にフィードバックを行うことで、その後の各社の取り組みに反映させております。

 

⑤ 指標及び目標

 当社グループにおけるマテリアリティを特定後、その達成のために非財務目標のKPI及び目標を以下のとおり設定しております。

重点

テーマ

マテリアリティ

KPIと目標値

2023年度実績

安全・安心

①お客様の安全

②従業員の健康と安全

ホームドア全駅設置

2027年度までに全駅設置完了

6駅で設置完了

(全駅設置まであと1駅)

鉄道運転事故など

鉄道運転事故(有責事故)ゼロ、インシデント発生ゼロ

発生件数ゼロ

環境

③気候変動の緩和と適応

④資源循環への貢献

温室効果ガス排出削減

国内連結のCo2排出量を2030年度までに42%削減(2020年度対比)

算出中

鉄道業で使用する電力によるCo2排出量を2030年度までに46%削減(2013年度対比、低圧電力は除く)

Co2排出量44,703 t-Co2

(対2013年度比△2%)

社会

⑤ダイバーシティ&インクルージョンの推進

⑥お客様満足の実現(CS)

⑦地域社会への貢献

⑧持続的な生活インフラの整備

⑨技術革新の活用

女性管理職比率

2024年度までに5%、2030年度までに10%程度

6.8%

新規採用時の女性比率

2024年度までに20%継続、2030年度までに30%程度

23.4%

男性の育休取得率

2024年度までに50%程度、2030年度までに100%

88.3%

ガバナンス

⑩ガバナンスの充実

⑪コンプライアンス経営の推進

独立社外取締役の比率

2030年度まで継続してCGコード以上の水準を維持

CGコード以上の水準を維持

(注) 「Co2排出量」は、自社(拠点)で購入した電力・熱について、契約や電力会社の選択により排出係数を把握し、その係数に基づきCo2排出量を算定する「マーケット基準」を採用しております。

 

(2) 気候変動

① 気候変動に関するガバナンス

 当社グループは、気候変動に係る対応を経営上の重要課題の一つと位置づけ、環境・エネルギー分科会において、気候変動対応を含む環境負荷の低減に向けた対応方針及び実行計画などの審議を行っております。(2023年度は延べ3回実施)

 これらの内容は、相鉄ホールディングス㈱社長を委員長とする相鉄グループサステナビリティ委員会にて実績の総括・評価をしております。また、グループを横断する「相鉄グループサステナビリティ推進会議」を通じてグループ全体で展開・推進されております。

 環境・エネルギー分科会及び相鉄グループサステナビリティ委員会での審議、総括・評価の結果は、取締役会へ報告し、取締役会の監視・監督を受けております。

 

2023年度 環境・エネルギー分科会 主な討議内容

組織名

委員長

主な議題

環境・エネルギー分科会

相鉄ホールディングス㈱

経営戦略室部長

・Co2排出量の現状把握、削減目標設定

・目標達成に向けて対応すべき課題の優先順位の

 検討

・削減施策の取り組み状況共有

 

② 戦略

 事業特性上、環境への影響が大きいと想定される運輸業(鉄道・バス)及び不動産賃貸業を対象としてシナリオ分析を行い、気候変動によるリスクと機会を特定し、財務インパクト評価を実施いたしました。

 シナリオ分析は、低炭素経済へ移行し、「移行リスク」が強まる1.5℃シナリオと、脱炭素に無対応な4℃シナリオを中心に実施いたしました。

 

(ア)重要なリスク

分類

当社への影響

影響度(注)1

顕在時期

(注)2

鉄道業

バス業

不動産

賃貸業

移行リスク(主に1.5℃シナリオ)

政策・

法規制リスク

●温室効果ガス排出価格の上昇による運営コストの増加

(費用増:3事業合計15億円程度)

中期 長期

技術リスク

●既存製品やサービスが排出量の少ないものへの置き換えが必要になることによるコストの増加

-

中期 長期

市場リスク

●お客様の嗜好の変化や気温上昇による輸送人員の増減

-

-

中期 長期

●原材料(電力、軽油、資材)調達コストの増加

短期 中期

長期

評判リスク

●対応遅れによる評価低下によるお客様の流出

中期 長期

物理的リスク

(主に4.0℃シナリオ)

急性的

●災害発生による運行乱れ、運休増加によるお客様の減少

●復旧コストの増加

●営業停止による賃料収入の減少

短期 中期

長期

慢性的

●防災・減災対策コストの増加

-

短期 中期

長期

●気温上昇による空調コストの増加

-

長期

 

(注)1.対象事業ごとに2030年度営業利益を100とし各項目の財務影響の比率を、絶対値で0%以上~5%未満を小、5%~10%未満を中、10%以上を大と分類しております。

「-」 :事業特性上、検討の対象外としたものを示しております。

「※」:影響は考えられるが、現時点での情報では定量化が難しく、今後も継続検討していくものを示しております。

2.短期:3年以内、中期:3年超~10年以内、長期:10年超

 

(イ)重要な機会(主に1.5℃シナリオ)

分類

当社への影響

影響度(注)1

顕在時期

(注)2

鉄道業

バス業

不動産

賃貸業

エネルギー源

温室効果ガス低排出のエネルギー源の使用

●電力調達コストの削減

●省エネ機器などの技術開発が進むことによるコストの削減

-

短期 中期

●新型車両導入による化石燃料使用量の削減

●走行距離の見直しや運転技術の向上

-

-

 

製品とサービス

温室効果ガス低排出商品及びサービスの開発・事業領域拡張/消費者動向

●環境優位性が高い移動手段としてお客様の増加

-

-

中期 長期

●気温上昇の影響により徒歩からバスへの移動手段の切り替え

-

-

●環境性能の高い物件のお客様需要及び賃料の増加

-

-

市場

新しい市場へのアクセス

●新型車両の導入により当社の車体整備・点検技術の向上が図られることによるコストの削減

-

-

中期 長期

●ESG対応及びBCP対策による資金調達コストの低下

レジリエンス

レジリエンスの向上

●災害対策の強化やBCPの見直しによる市場価値の向上

 

●企業輸送の需要が増えることによる収益増加

-

-

中期 長期

(注)1.対象事業ごとに2030年度営業利益を100とし各項目の財務影響の比率を、絶対値で0%以上~5%未満を小、5%~10%未満を中、10%以上を大と分類しております。

「-」 :事業特性上、検討の対象外としたものを示しております。

「※」:影響は考えられるが、現時点での情報では定量化が難しく、今後も継続検討していくものを示しております。

2.短期:3年以内、中期:3年超~10年以内、長期:10年超

 

(ウ)当社グループにおける移行プラン(トランジションプラン)の概要は以下のとおりです。

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(エ)2023年度の取り組み

・対応策については、ハイブリッドバスや当社グループ施設等における太陽光発電設備や省エネ設備の導入をはじめ、再生可能エネルギー由来電力の購入等、様々な取り組みを行っております。

・サステナビリティ・リンク・ローン(2024年3月 270億円)による資金調達を開始いたしました。サステナビリティ・リンク・ローン(以下「SLL」)は、借り手の経営戦略に基づくサステナビリティ目標と連携したサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPT」)を設定し、貸付条件とSPTの達成状況を連動させる借入です。Co2排出量削減(2030年度目標:2020年比42%削減)をSPTに設定いたしました。なお、本件契約締結にあたっては、SLL原則、及び環境省より公表された「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版」の「サステナビリティ・リンク・ローンに期待される事項」に適合していることを、第三者評価機関である株式会社格付投資情報センターよりセカンドオピニオンとして取得しております。

 

③ リスク管理

 当社グループでは気候変動による影響を重大なリスクとして認識し、環境負荷の低減に向けた様々な対応策の検討を「相鉄グループサステナビリティ委員会」と「相鉄グループサステナビリティ推進会議」が中心となり各事業会社と協働して行っております。

 TCFD提言に基づく検討結果についても、グループ全体のサステナビリティの取り組みの基本方針その他重要事項の決議、業務執行の最終決定を行う取締役会に報告され、その内容について議論・検討を行っております。

 

④ 指標及び目標

 温室効果ガス排出削減

 当社グループでは、2024年2月に相鉄グループ「環境方針」及び「環境ビジョン」を策定いたしました。

 環境ビジョンにおいて、「カーボンニュートラルチャレンジ」として、2050年度におけるカーボンニュートラルの達成を目指します。

 また、2030年度に向けては、Co2排出量をグループ連結で42%削減(2020年度対比)、鉄道業で使用する電力によるものを46%削減(2013年度対比、低圧を除く)することを目指します。

 その進捗については、継続的に評価・管理を行うこととし、今後は、運輸業・不動産賃貸業以外の他事業についてもTCFDのシナリオ分析を進め、その結果に基づき、戦略とリスク管理に用いる指標と目標を段階的に設定し、その達成に向けて積極的に取り組みを行ってまいります。

 

目標(対象はScope1、2)

長期:2050年度にCo2の排出量と吸収量を均衡させるカーボンニュートラルを達成することを目指します。

中期:2030年度におけるCo2排出量を、

・グループ連結△42%(2020年度対比) ・鉄道業△46%(2013年度対比) 達成を目指します。

 

(相鉄グループ連結目標)

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(3) 人的資本

① 人財戦略

 相鉄グループの「長期ビジョン”Vision2030”」、「中期経営計画」実現に向け、「事業構造改革の実行」と「新たな成長に向けた基盤整備・拡充」を推進するため、人財面においては、従業員一人ひとりの能力が最大限に発揮できる環境・組織風土づくりに注力するとともに、以下のような人財を戦略的に確保・育成していくことが重要と考え、取り組んでおります。

 

 ・多様な思考を持ち、自ら課題設定し改革できる人財

 ・専門性の追求とグループ横断的視点を持ち、価値創造できる人財

 ・新たな領域に積極的にチャレンジできる人財

 

② 主要な方針

(ア)適正人財の確保

 多様な業種・業態を保有し、また多様なお客様に対してサービスを提供する当社グループが持続的な成長発展を遂げていくためには、多様な人財の確保が重要と考えております。そのため、各事業会社においては事業の競争力向上に向けた高い専門性を持った人財の採用・育成に取り組むとともに、これと並行して、グループ横断的な視点を持ちグループの総合力・相乗効果を高めることができる人財を積極的に育成してまいります。

 

(イ)積極的なジョブローテーション

 グループ横断的な幅広い視野の獲得や能力開発を促進させるとともに、組織の活性化につなげるため、積極的なジョブローテーションを実施しております。若手社員に対しては、本人の適性の発見や活躍の機会を通じて成長を促す育成ローテーションを行うほか、管理職以上には、経営人財への成長を意図した戦略的な配置等も実施しております。

 

(ウ)Off-JTの充実

 各事業会社においては専門教育を実施するとともに、「階層別研修」「スキル研修」「選択型研修」等のグループ合同研修も実施し、グループの横連携やネットワーク構築を促進しております。また将来のグループ経営幹部を積極的に育成するため、相鉄グループの管理職層に対して経営管理に必要な知識・ノウハウに関する体系的な教育を施し、マネジメントのコアスキルを修得させることを目的に外部機関を用いた研修を実施しております。

 提出会社の主要な研修体系は下図のとおりであります。

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 2023年度の公募型研修(グループ横断で実施)は以下のとおりであります。

研修名

開催方法

Excel研修(関数基礎クラス)

集合開催

財務研修(初級クラス)

集合開催

ChatGPTのはじめ方研修

集合開催・オンライン開催

ハラスメント研修(管理監督者編)

事前動画視聴+集合開催

DXリテラシー&アイデア研修

集合開催

ハラスメントセミナー(知識編)

集合開催

ロジカルシンキングセミナー(基礎編)

集合開催

労働法セミナー(基礎クラス)

集合開催

労働法セミナー(管理監督者クラス)

集合開催

チームビルディング研修

集合開催

働く人の法律研修 Ⅱ

集合開催

説明力向上研修

集合開催

財務研修(応用クラス)

集合開催

ファシリテーション研修

オンライン開催

サブスクリプション型eラーニング研修

PC、スマートフォン等で視聴学習

 

(エ)ダイバーシティ&インクルージョン(以下「D&I」)の推進

当社グループの持続的な成長には、変化を続ける事業環境や多様なニーズに対応したイノベーションを常に生み出していくことが必要であり、これを担う人財の育成とそのための環境整備が重要と考えております。多様な価値創造に向け、女性、外国人、様々な職歴を持つキャリア採用者など多様な人財の採用・育成を推進すると同時に、様々な社員が働きやすく、活躍できる制度を整備してまいります。

当社グループでは、サステナビリティ推進体制のもと2022年度に設置した「ダイバーシティ推進分科会」において、グループ一体となってD&Iを推進するために活動しております。2023年度は各社推進員の理解を深めるための「LGBTQをテーマにした講演会」や「2023年度グループ各社D&I推進取組結果報告会」等の活動を行いました。また、グループ全社を対象とした「管理職向けD&I推進セミナー」や「女性社員向けキャリア研修」、「女性リーダー育成プログラム受講者交流会」を行いました。女性社員向けの研修や交流会では、今後の自律的なキャリア形成への気づきや成長意欲、向上心を高めることを目的とし、役員や管理職として活躍する女性社員によるロールモデルセッションを実施いたしました。

 

(オ)健康経営の強化

当社グループでは、人財は企業の貴重な経営資源であると考え、採用や育成の戦略とあわせて、社員が心も体も健康であり、安心・やりがいをもって働ける環境構築をすることが企業のサステナビリティを支える重要な要素と捉え取り組みを進めております。

 

<事例>

・相鉄ホールディングス㈱は、がん患者の治療と仕事の両立環境を整備している企業として、神奈川県より「かながわ治療と仕事の両立推進企業・プラチナ企業」に認定。

・相模鉄道㈱では、鉄道のさらなる安全・安心な運行を目指して、社員の健康維持と増進に取り組む「健康宣言」を制定。経済産業省と日本健康会議が共同で実施している「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定。

・㈱相鉄アーバンクリエイツと㈱相鉄ビルマネジメントは、社員の心身の健康を重要な資源と捉え、戦略的な健康経営を推進するために「健康経営宣言」を制定。横浜市より「横浜健康経営認証クラスAA」に認証。

 

(カ)社内環境整備

当社グループでは、多様な人財の活躍やワークライフバランス、育児と仕事の両立等を実現する環境整備をすすめており、場所・時間にとらわれない多様な働き方を可能とするテレワークやフレックスタイム制を導入するグループ会社が増えているほか、一度離職した社員が再入社できる「カムバック制度」を導入している会社もあります。

 

<事例>

・相鉄グループでは、女性が働きやすい職場環境を整えることを目的とし、相鉄本社ビルの女性用トイレにナプ

 キンを設置。

・相模鉄道㈱では、柔軟な働き方を創出するため、夜間作業後の非番勤務(選択制)を導入。

・相鉄バス㈱では、育児・介護と仕事の両立を目指し、運転士の短時間勤務仕業を作成。

・㈱相鉄ホテルマネジメントでは、育児と仕事の両立支援の一環として、育児のための短時間勤務制度の対象を

 「子供が小学校を卒業するまで」に拡大。

・相鉄不動産㈱では、オフィス改装を実施し、社員が自由にディスカッションできる「ラウンジ」の設置や、フ

 リーアドレス制の導入を通じて社員が働きやすい環境を整備。

 

 

③ 指標及び目標

(提出会社)

指標

2022年度実績

2023年度実績

指標関連項目

中途採用割合

100.0

100.0

(ア)(エ)

管理職複数事業経験率

74.4

74.0

(イ)

若手社員(30代以下)出向経験率

94.7

100.0

(イ)

研修数

(講座)

集合研修(オンライン含む)

34

38

(ウ)

動画配信

8

7

(ウ)

通信教育

159

156

(ウ)

労働者の男女の賃金の差異

すべての労働者

78.1

71.0

(エ)

正規労働者

78.1

71.0

(エ)

非正規労働者

-

-

(注) 労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

差異の要因は、管理職に占める女性労働者の割合が現状低いことによるものです。

現在管理職に占める女性労働者の割合向上を推進しております。

 

(連結会社)

指標

2022年度実績

2023年度実績(注)4

グループ非財務目標

指標関連項目

2024年度

2030年度

管理職に占める女性労働者の割合)(注)1

5.4

6.8

5.0

10.0程度

(エ)

新規採用時の女性労働者の割合

23.2

23.4

20.0継続

30.0程度

(ア)(エ)

男性労働者の育児休業取得率)(注)2

79.5

88.3

50.0程度

100.0

(エ)(カ)

 

育児目的休暇を除く(注)3

68.7

76.7

-

-

(エ)(カ)

年次有給休暇取得率

86.3

81.7

-

-

(オ)(カ)

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

現在管理職に占める女性労働者の割合向上を推進しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児休業目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

4.開示対象となるグループ会社の指標(実績)は「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載しております。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 また、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 なお、下記は当社グループの事業その他について、予想される主なリスクを可能な限り具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

リスク分類

影響のある事業等

リスクの具体的イメージ

主な取り組み

金利変動リスク

主に鉄道業・不動産賃貸業・ホテル業

当社グループは、多額の設備投資を要する事業を営んでおり、必要資金の多くを社債や金融機関からの借入により調達しており、2024年3月末の有利子負債残高は総資産の55.6%に相当する3,978億7千5百万円となっております。当社グループとしては可能な限り有利子負債の固定金利化を進め、金利の変動リスクの抑制に努めておりますが、今後、市場金利が上昇した場合や、格付機関が当社の格付けを引き下げた場合には、相対的に金利負担が重くなったり、資金調達の条件が悪化することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・リスク状況の適切なモニタリングとヘッジの実施

法的規制

鉄道業

鉄道事業者は、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)の定めに従い、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、鉄道事業を休廃止しようとするときは、事前に国土交通大臣に届け出なければならないこととされています(第28条、第28条の2)。また、旅客の運賃及び料金の設定・変更については、原則としてその上限額について国土交通大臣の認可を受けなければならないとされています(第16条)。このため、沿線人口減少、物価の高騰等の事業環境の変化に対して、運賃変更等の対応を素早く行うことは困難であります。よってこれらの事象が発生した場合、事業環境変化に応じた収益の改善が遅れるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・関係法規類の教育

・法律変更等の情報収集の徹底

・内部監査の確実な実施

その他各事業

当社グループが展開する各種事業においても様々な法令・規則等の規制を受けており、これら法的規制が強化されるなどの変更があった場合、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令・規則・開示精度等を遵守するための費用が発生するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・関係法規類の教育

・法律変更等の情報収集の徹底

 

 

 

リスク分類

影響のある事業等

リスクの具体的イメージ

主な取り組み

少子高齢化

主に運輸業

わが国は少子高齢化が進展しており、安全対策、バリアフリー化などの設備投資の増加が見込まれるほか、生産年齢人口減少に伴う就学・就業人口減少によって、運輸業の旅客輸送需要を減衰させ、収益の減少及び経営コストの増加によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・相鉄線沿線居住者と来街者の拡大につながる施策展開

・相互直通運転とのシナジー効果を視野に入れた東京都心での収益不動産投資

・沿線顧客に対する新たな付加価値(新サービス)の提供

自然災害等

全事業

運輸業をはじめ、多岐にわたる事業を展開している当社グループは、事業運営のため駅施設や商業ビルをはじめとする多くの設備・コンピュータシステム等を保有・運営しているとともに、多数の従業員が業務に従事しております。また当社グループが展開する各事業では、不特定多数のお客様を対象顧客としております。地震・台風等の自然災害や事故或いはテロ等の不法行為、さらにそれらに付随する諸事象が発生した場合、当社グループの事業運営に支障をきたし、営業休止やお客様の減少等により売上が減少するほか、施設等の復旧にかかる費用増加が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・事業継続計画(BCP)の策定

・災害・大地震発生時における訓練の実施

・異常気象等の災害による輸送障害への対応力強化

・情報連絡・復旧体制の確立

 

感染症等リスク

全事業

感染症等の流行により、運輸業の輸送人員の減少、ホテル業の客室稼働率低下、不動産業において運営するショッピングセンターの臨時休業や営業時間短縮等の対応などによる売上減少など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・感染拡大防止に向けた取り組みの徹底

食品の安全性

主に流通業

当社グループは流通業などで食品の販売等を行なっており、食品の安全性確保に十分留意しておりますが、当社グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な品質問題が発生した場合、消費者の食料品に対する不安感が高まり、著しく売上が減少するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・品質管理の徹底

・保健所等との平時からの連携、情報収集

個人情報管理

全事業

当社グループでは、各種事業において顧客管理情報等の個人情報を保有しております。個人情報については「相鉄グループ個人情報保護方針」に基づき厳正に管理しておりますが、万が一何らかの理由で情報の漏洩などの事態が生じた場合は、損害賠償請求や信用失墜による売上減少など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・情報漏洩防止に資する周知及び情報漏洩リスク防止のための訓練を継続的に実施

 

 

リスク分類

影響のある事業等

リスクの具体的イメージ

主な取り組み

不動産市況悪化のリスク

不動産に関連する各事業

当社グループが保有する棚卸資産、有形・無形固定資産について、時価の下落や不動産市況の停滞或いは悪化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・アセットマネジメント戦略を策定し、資産価値の維持向上及び保有資産のコスト削減

保有資産及び商品等の瑕疵・欠陥

当社グループが保有する不動産等の資産に、瑕疵や欠陥が生じた場合又は健康や周辺環境に影響を与える可能性等が認められた場合、改善、原状復帰及び補償等にかかる費用が発生する可能性があります。また、当社グループにおいて販売した商品等について瑕疵や欠陥が生じた場合についても、商品等の回収、改善及び補償等に伴う費用の発生や信用低下等に伴い当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・社内・協力会社に対して、周辺環境への配慮の徹底、品質向上に対する施策を実施

海外情勢

主に不動産業・ホテル業

海外における政治経済情勢の大幅な変動、テロや紛争の発生、各国の法的規制の変更等により、海外事業活動の縮小・停止が発生する可能性があります。また市場や為替相場の動向により、原材料価格の高騰、調達遅延、為替差損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・定期的な海外情勢及び為替相場のモニタリング

・外部専門家の活用

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

相鉄グループは、激変する環境に対応した経営体制の構築を図るため、「構造改革の断行」と「稼ぐ力の強化」を推進してまいりました。当期は、2023年3月に開業した相鉄・東急直通線における輸送人員の増加に取り組んだほか、不動産賃貸業における多様なアセットへの新規投資の実施、タイ王国の分譲マンション開発事業2物件への参画、ベトナム及び台湾における新規ホテルの開業等により「事業領域の拡大」に努めてまいりました。また、2024年3月にはグループ共通のポイントサービスである「相鉄ポイント」をスタートしており、引き続き、お客様の利便性及び満足度の向上を図ってまいります。相互直通運転実現後の新たなステージにおいてさらに飛躍するべく、グループ一丸となって「稼ぐ力の強化」に取り組んでおります。

以上のように鋭意業績の向上に努めました結果、当連結会計年度における営業収益は2,700億3千9百万円(前年同期比8.2%増)となり、営業利益は289億6千5百万円(前年同期比101.9%増)、経常利益は269億9千5百万円(前年同期比112.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は160億8千万円(前年同期比130.4%増)を計上するにいたりました。

 

各セグメント別の状況は以下のとおりであります。

 

(運輸業)

鉄道業におきましては、輸送面では、ダイヤ改正を実施し、利便性及び快適性の向上に努めたほか、「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映した東急直通線用新型車両21000系16両を新造いたしました。施設面では、引き続き、海老名駅及びゆめが丘駅改良工事を実施いたしました。安全面では、いずみ中央駅をはじめとする6駅にホームドアを設置したほか、鶴ヶ峰駅付近連続立体交差工事を推進いたしました。営業面では、相鉄線の乗車ポイントサービス「相鉄ポイントマイル」を開始したほか、「相鉄線ミステリートレイン Re」を運行するとともに、相鉄ジョイナス50周年を記念した「おかいもの電車」の運行や記念入場券を販売いたしました。

バス業におきましては、環境に配慮したハイブリッドバス及びドライバー異常時対応システムを装備した車両等23両を導入したほか、安全性を高めたASV(先進安全自動車)仕様の高速バス3両を導入いたしました。また、各営業所において、需要の動向に合わせたダイヤ改定を実施いたしました。さらに、横浜市交通局から一部路線の移管を受けたほか、高速乗合バス「横浜駅西口~東京サマーランド」線を4年ぶりに運行する等、収益力の向上に努めました。そのほか、将来の自動運転の本格化に向け、よこはま動物園正門から北門までを遠隔監視・操作で運行する自動運転の実証実験を実施いたしました。

以上の結果、運輸業全体の営業収益は419億8千9百万円(前年同期比17.7%増)、営業利益は35億9千2百万円(前年同期は営業損失8億9千2百万円)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 増減率

 (%)

鉄道業営業収益

百万円

29,828

35,518

19.1

バス業営業収益

百万円

5,901

6,518

10.5

合計

百万円

35,729

42,037

17.7

消去

百万円

△49

△47

営業収益

百万円

35,679

41,989

17.7

 

(鉄道業)

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

営業日数

365

366

営業キロ

44.4

44.4

客車走行キロ

千㎞

47,909

53,157

1日平均延人キロ

人キロ

5,746,056

6,280,443

輸送

人員

定期

千人

123,961

131,532

定期外

千人

75,129

83,287

合計

千人

199,091

214,819

旅客

運輸

収入

定期

百万円

12,669

14,542

定期外

百万円

14,686

17,737

小計

百万円

27,356

32,279

運輸雑収

百万円

2,472

3,238

収入合計

百万円

29,828

35,518

乗車効率

31.3

30.9

 (注) 乗車効率=延人キロ÷(客車走行キロ×平均定員)

 

(バス業)

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

乗合業

営業日数

365

366

免許キロ

1,009

1,031

走行キロ

千㎞

9,129

9,644

輸送

人員

定期

千人

12,526

13,345

定期外

千人

16,614

17,293

合計

千人

29,140

30,639

旅客

運送

収入

定期

百万円

2,248

2,464

定期外

百万円

3,425

3,806

小計

百万円

5,674

6,271

運輸雑収

百万円

74

80

収入小計

百万円

5,749

6,351

貸切業収入

百万円

114

129

運行管理収入

百万円

36

37

収入合計

百万円

5,901

6,518

 

 

(流通業)

スーパーマーケット業におきましては、商品加工の一元化による品揃え強化のための「生鮮加工センター」の稼働、東京都品川区に23区内初出店となる「そうてつローゼン品川南大井店」を開業したほか、港南台店をはじめとする18店舗において改装等、店舗の活性化を図った一方で、建替え工事のためみろく寺店を、経営効率化のため塚越店及び東寺尾店を閉店いたしました。また、白根店において移動スーパー「ローゼンGO」2号車の展開や、オンラインデリバリーサービス「Uber Eats」を並木店で開始し、販売チャネルの拡大と利便性の向上に努めました。さらに、店内で発生した野菜くずなどを堆肥化し、その堆肥で育てた循環型農業野菜の販売や、横浜市と連携協定を締結し栄養バランスを考えた「ハマの元気ごはん弁当」を販売いたしました。また、外国人技能実習生を受け入れ多様な人材の活用に努めたほか、そうてつローゼン公式Instagram、インストアベーカリー「葉山ボンジュール」公式ホームページを開設し、販売力の強化に取り組みました。

その他流通業におきましても、無人決済店舗を含むコンビニエンスストア3店舗の開業や、地元飲食チェーンと提携した冷凍食品自動販売機を駅構内に展開するなど、積極的な営業活動に努めました。

以上の結果、流通業全体の営業収益は949億7千4百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は4億8千6百万円(前年同期比17.0%減)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 増減率

 (%)

スーパーマーケット業

営業収益

百万円

86,259

86,158

△0.1

その他流通業営業収益

百万円

7,691

8,815

14.6

合計

百万円

93,951

94,974

1.1

消去

百万円

営業収益

百万円

93,951

94,974

1.1

 

 

(不動産業)

不動産分譲業におきましては、横浜市神奈川区の「THE YOKOHAMA FRONT TOWER」、埼玉県川口市の「グレーシア川口 碧の杜」及び横浜市都筑区の「ザ・パークハウス横浜川和町テラス」等の集合住宅並びに横浜市旭区の「グレーシアライフ横浜三ツ境」及び横浜市泉区の「グレーシアライフ横浜いずみ中央」の戸建住宅を中心に、集合住宅及び戸建住宅258戸を分譲いたしました。

不動産賃貸業におきましては、星川駅~天王町駅間高架下の「星天qlay(ホシテンクレイ)」の各ゾーンをオープンしたほか、引き続き横浜駅きた西口鶴屋地区における市街地再開発事業(「THE YOKOHAMA FRONT」)の事務局業務及び大規模集客施設「ゆめが丘ソラトス」の建設工事に注力する等、魅力ある沿線の街づくりを推進いたしました。また、相鉄・東急新横浜線の開業を契機として、横浜市港北区の「相鉄新横浜ビル」、東京都目黒区の「相鉄都立大学駅前ビル」を取得する等、事業基盤の拡充に努めました。さらに、「相鉄ジョイナス」では、開業50周年を記念してプレミアムお買物券の販売やポイントアップキャンペーンを実施する等、収益力及び集客力の向上を図りました。

以上の結果、不動産業全体の営業収益は636億2千5百万円(前年同期比9.6%減)、営業利益は156億4千3百万円(前年同期比3.9%減)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 増減率

 (%)

分譲業営業収益

百万円

34,751

28,883

△16.9

賃貸業営業収益

百万円

35,895

35,421

△1.3

合計

百万円

70,647

64,305

△9.0

消去

百万円

△264

△679

営業収益

百万円

70,383

63,625

△9.6

 

 

(ホテル業)

ホテル業におきましては、新型コロナウイルス感染症の収束による需要回復を受け、急速に業績が回復いたしました。

「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」においては、宿泊部門において宿泊需要の回復により平均客室単価が上昇し、過去最高の売上を達成いたしました。また、開業25周年セレブレーション企画として様々なプランや商品を販売し、集客力及び収益力の向上に努めたほか、臨場感溢れる演出が可能な映像・音響設備を一部宴会場に導入し、多様なニーズに対応できる空間を整えました。宿泊特化型ホテルにおいては、ベトナム・ホーチミン市に「相鉄グランドフレッサ サイゴン」及び台湾・台北市に「相鉄グランドフレッサ 台北西門」の2店舗を開業し、事業基盤を拡充いたしました。また、少子高齢化による要員不足と人材獲得競争を見据え、社員の働きやすさの改善と成長を目的とした「新しい運営体制」を導入いたしました。

以上の結果、ホテル業全体の営業収益は547億3千7百万円(前年同期比52.2%増)、営業利益は77億7千3百万円(前年同期は営業損失26億9千7百万円)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 増減率

 (%)

ホテル業営業収益

百万円

35,965

54,737

52.2

 

 

 種別

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 増減

 増減率

 (%)

客室稼働率(%)

 

 

 

 

 

国内 宿泊特化型

70.6

81.5

10.9pt

 

横浜ベイシェラトン

77.7

83.9

6.2pt

平均客室単価(円)

 

 

 

 

 

国内 宿泊特化型

8,287

11,415

3,128

37.7

 

横浜ベイシェラトン

21,149

23,791

2,642

12.5

 

(その他)

ビルメンテナンス業におきましては、スマートフォン等を活用したクラウド型施設管理ソリューション「Facility Log®」(ファシリティーログ)の導入施設を83施設に拡大したほか、自動清掃ロボット等、ICTの積極的な活用による業務の効率化を推進いたしました。また、積極的な営業活動により新規物件及び既存物件における周辺業務受注拡大を図るとともに、良質かつ安定したサービスの提供に努めました。

その他の各社におきましても、業績の向上を図るべく、積極的な営業活動に努めました。

以上の結果、その他全体の営業収益は259億2千8百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は15億8百万円(前年同期比41.5%増)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 増減率

 (%)

ビルメンテナンス業

営業収益

百万円

17,498

19,180

9.6

その他の営業収益

百万円

7,513

7,568

0.7

合計

百万円

25,012

26,748

6.9

消去

百万円

△744

△820

営業収益

百万円

24,268

25,928

6.8

 

財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (財政状態)」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

36,346

20,555

△15,790

(百万円)

投資活動によるキャッシュ・フロー

△33,572

△58,037

△24,465

(百万円)

財務活動によるキャッシュ・フロー

△4,919

34,922

39,842

(百万円)

現金及び現金同等物の期末残高

20,156

17,664

△2,491

(百万円)

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ24億9千1百万円減少し、176億6千4百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、205億5千5百万円の収入(前年同期は363億4千6百万円の収入)となり、税金等調整前当期純利益が増加したものの、売上債権や営業投資有価証券の増加による支出があったこと等により、前年同期に比べ157億9千万円収入が減少いたしました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、580億3千7百万円の支出(前年同期は335億7千2百万円の支出)となり、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等により、前年同期に比べ244億6千5百万円支出が増加いたしました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、349億2千2百万円の収入(前年同期は49億1千9百万円の支出)となりました。これは、借入れによる収入が増加したこと等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、運輸業、不動産賃貸業などのいわゆる「役務提供」を営業収益の中心としているため、ほとんどが受注生産形態をとっておりません。このため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは適切でないと判断し、生産、受注及び販売の状況は「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

(ア)営業収益及び営業利益

当連結会計年度の営業収益は2,700億3千9百万円(前年同期比8.2%増)となり、営業利益は289億6千5百万円(前年同期比101.9%増)となりました。

各セグメントの営業収益、営業利益及び営業損失の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」にも記載がありますが、次のとおりであります。

運輸業は、相鉄新横浜線の開業や、鉄道駅バリアフリー料金の収受開始に伴い、63億9百万円の増収、44億8千5百万円の増益となりました。

流通業は、コンビニエンスストア事業において既存店の需要増加や新店の開店により増収となりましたが、スーパーマーケット業の減益により、10億2千2百万円の増収、9千9百万円の減益となりました。

 

不動産業は、分譲業において販売戸数が減少したことや、賃貸業において修繕費などが増加したことなどにより67億5千7百万円の減収、6億3千1百万円の減益となりました。

ホテル業は、宿泊需要の増加により稼働率・平均客室単価が上昇し、187億7千1百万円の増収、104億7千万円の増益となりました。

その他の事業は、設備工事業及びビルメンテナンス業の臨時工事の増加により16億6千万円の増収、4億4千2百万円の増益となりました。

 

(イ)営業外収益及び経常利益

当連結会計年度の営業外収益は16億5千万円で、為替差益の増加等により2億9千4百万円の増加(前年同期比21.7%増)となりました。営業外費用は36億2千万円で、サステナビリティ・リンク・ローンにかかるアレンジメントフィーの計上等により6億5千1百万円の増加(前年同期比22.0%増)となりました。

この結果、経常利益は269億9千5百万円(前年同期比112.0%増)となりました。

 

(ウ)特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の特別利益は、補助金5億2千7百万円を主なものとして、総額8億2千5百万円となり、特別損失は減損損失12億4千8百万円を主なものとして、総額30億3百万円となりました。

以上から税金等調整前当期純利益は248億1千8百万円(前年同期比111.6%増)となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は160億8千万円(前年同期比130.4%増)となりました。

 

(財政状態)

総資産は、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて684億3千1百万円増加し、7,153億8千3百万円となりました。

負債は、有利子負債の増加等により494億8千8百万円増加し、5,506億5千万円となりました。なお、有利子負債の残高は、借入金・社債合わせまして3,978億7千5百万円となり、426億4千4百万円増加いたしました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により189億4千2百万円増加し、1,647億3千2百万円となりました。なお、自己資本比率は23.0%、1株当たり純資産は1,680円59銭となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(ア)資金調達

当社グループは、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、生保・銀行等からの長期借入金や社債の発行等により長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、主要な事業である鉄道業の設備投資の調達に当たっては、㈱日本政策投資銀行からの借入を活用しております。社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら資金調達を行っております。

 

(イ)資金の流動性

当社グループは、鉄道業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、グループ会社については、銀行などの外部からの資金の調達は行わず、相鉄ビジネスサービス㈱を通じたキャッシュマネジメントシステム(CMS)の活用により資金の集中管理と資金効率化、流動性の確保を図っております。

 

 

(ウ)設備投資による資本の投下

各セグメントの設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度においては、総額552億4千9百万円の設備投資を実施しました。

引き続きさらなる事業基盤の拡大、将来の収益確保につながる投資を進めてまいります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

自己資本比率(%)

24.5

22.5

22.4

22.5

23.0

時価ベースの

自己資本比率(%)

43.8

39.2

36.0

34.3

37.6

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率(年)

9.5

29.1

14.9

9.8

19.4

インタレスト

・カバレッジ・レシオ(倍)

12.7

4.2

8.9

13.0

7.0

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額

 

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.営業活動によるキャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は借入金+社債により算出しております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、以下のとおりです。また、前提とした主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき見積っております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。