(1)経営の基本方針・中長期的な経営戦略
当社グループでは、急激に変化する昨今のビジネス環境下、当社グループの持続的成長と企業価値向上を実現すべく、2022年5月13日、中期経営計画「Daylight 2024」(2022年度から2024年度を対象とする3ヶ年計画)を策定し、公表し、以下の基本方針を掲げております。
<定量目標> 2024年度までに以下の定量目標を実現する ・連結売上高 200億円 ・連結営業利益 10億円(営業利益率 5%) ・ROE 20% <定性目標> 1,セグメントを「メディア」「ライブ・コンテンツ」「ソリューション」へ再編 1)「メディア」の収益を可能な限り守りつつ、依存から脱却 2)「ライブ・コンテンツ」、「ソリューション」を成長の重点領域とする 2.働き方改革・経営効率改善に取組むとともに、SDGs・サステナビリティなど、社会的要請への対応を進める 3.M&Aも視野に、デジタル領域のリソースを拡充し、新しく生まれつつあるエンタメテック領域(WEB3、メタバース、NFT等)での事業開発を進める。 |
また、中期経営計画「Daylight 2024」のなかで、創業以来の当社グループのミッションを更新しておりますが、2024年4月1日のSKIYAKIとの経営統合に際し、以下へのさらなるアップデートを致しました。
<当社グループのミッション> EMPOWER ARTISTS & CREATORS, ENRICH FAN EXPERIENCE
我々が住むこの社会を持続可能なものにするために、文化や価値観の多様性を育むことが求められています。 音楽をはじめとしたエンタテインメント業界で活動する当社グループは、さまざまなバックグラウンドを持つアーティストやクリエイターたちと共に、豊穣な文脈をもった良質なコンテンツを提供し、ユーザーの心に感動を生み出すことで、人々の内面世界に彩りを与え、文化・芸術、そして社会の多様性の実現に貢献してまいります。 また、個人へのパワーシフトが進む社会の変化に対応して、幅広いジャンルで活躍するアーティストやクリエイターたちが、豊かにそして長くその活動を続けられるように、利便性の高いソリューションを360°で提供し、表現活動をする人たちの裾野を広げ、その価値を高めていくことが我々の社会的使命だと考えています。 |
AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化によって、エンタテインメント業界では、ビジネスのあり方が今後加速度的に変化していくことが予想され、これまで以上に、テクノロジーとの真摯な向き合いが必要不可欠なものとなってきています。
当社グループは、このような激変する業界環境において、SKIYAKIとの経営統合により実現された、「コンテンツ」と「テクノロジー」を有する数少ない企業体を形成することで、新しいビジネスの地平を切り拓き、エンタテインメント業界の変化を先取りする企業体を目指し、アーティスト・クリエイターへのソリューション提供、ユーザー・ファンへのコンテンツ・感動提供の実現を通じて、当社グループミッションの実現を図ってまいります。
なお、ホールディングス体制下での新たな中期経営計画は、企業結合に関する会計処理の確定に相応の時間を要するため、2024年11月頃の発表を予定しております。
(2)優先的に対処すべき課題
当社グループの属する音楽業界においては、2023年(1月-12月)のライブ・イベントの公演数が、34,545公演(前年同期比6.8%増)、動員数は5,632万人(前年同期比16.5%増)となり、ライブ・イベントについて、コロナ禍以前の実績値を超え、成長を遂げた一年となりました(一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。
また、2023年(1月-12月)の音楽ソフトパッケージ総生産額が 2,207億2千2百万円(前年同期比9%増)、デジタル音楽配信売上は1,164億9千8百万円(前年同期比11%増)、合計金額は 3,372億2千万円(前年同期比10%増)と、音楽ソフトパッケージ市場の増加に加え、デジタル音楽配信市場が堅調に成長したことで、音楽流通市場全体としての成長が継続いたしました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。
一方で、有料多チャンネル放送業界における、2024年3月の衛星放送契約者数(NHK-BSを除く)は、5,207,505件(前年同月比4.2%減)と、減少傾向が続いております(出所:一般社団法人衛星放送協会)。
このような環境のもと当社グループは、2023年11月10日に「株式会社スペースシャワーネットワークと株式会社SKIYAKIとの経営統合契約及び株式交換契約の締結、並びに株式会社スペースシャワーネットワークの吸収分割による持株会社体制への移行、商号変更その他の定款の一部変更及び代表取締役の異動に関するお知らせ」を公表し、2024年4月1日にSKIYAKIとの経営統合が成立いたしました。当社の有するコンテンツ制作能力と、SKIYAKIの有するプラットフォームサービス及びシステム開発の技術力を組み合わせることで、テクノロジーの急速な変化によって加速度的に変化することが予想されるエンタテインメント業界において、「コンテンツ」と「テクノロジー」を有する数少ない企業体を形成し、新たなビジネスの地平を切り拓き、エンタテインメント業界の変化を先取りする企業体を目指してまいります。
当社グループの既存事業であるライブ・イベント市場のコロナ禍以前の水準を超えての成長、デジタル配信市場の堅調な成長に対して、音楽ソフトパッケージ販売の停滞傾向や、継続する有料放送市場の縮小など、先行きの不透明な事業環境において、主に以下の課題があることを認識しております。
① 市場環境の変化への対応
放送市場の減衰が続く一方で、サブスクリプションサービスなどの普及により、音楽や映像を楽しむスタイルが多様化したことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を契機に、音楽ライブの映像配信も一般的となりました。
また、ソーシャルメディアの発展により、コンテンツのマーケティング戦略の複雑さが増しております。さらにはグローバルなプラットフォームの登場によって音楽や映像コンテンツが国境を超えることが容易となりました。国内の音楽ソフトパッケージ市場が低迷し、人口減少の懸念が拡大する一方で、アジアを中心とするグローバル市場におけるニーズの高まりもあり、日本ではまだ無名のアーティストが海外で人気を博すケースも稀ではなくなっております。
これらの変化へ対応するため、グローバル展開力の強化、映像コンテンツ制作機能の高度化、デジタルマーケティング機能のさらなる強化を実現すべく、JVパートナーであるオランダのテクノロジー企業FUGA社との連携を推進することに加え、SKIYAKIの技術開発力の活用や、M&Aや他社とのアライアンスも視野に、新たな収益獲得基盤の構築を目指すことが大きな課題と認識しております。
② 多様化する消費者ニーズへの対応
ミレニアル世代やZ世代と呼ばれる消費者世代が存在感を増し、消費者間の世代差が顕著となるなど、消費者ニーズの多様化が進んでおります。
このような環境下で、音楽配信及び、ライブ・コンテンツにおいて、当社がこれまで取り組んできたJ-ポップやJ-ロックを中心とした音楽ジャンルを超え、HIPHOPやゲーム、アイドルなど多様な音楽ジャンルと向き合い、幅広いユーザーやクライアントの獲得を目指すとともに、放送コンテンツにおいては、高年齢化する有料多チャンネルプラットフォームの視聴者層に対応すべく最適化させて行く必要があります。
また加えて、グループで培った関係性を素地として、新たなジャンル、多様な世代に向けたイベント開発を進め、消費者の支持を拡大させていくことが、重要課題であると認識しております。
③ ヒット作品創出に向けた取り組み
当社グループの音楽ソフト関連事業は、アーティストマネジメント、原盤制作、マーケティング・プロモーション、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信、著作権管理・分配を一気通貫で提供する機能を有しております。当社グループのミッションである「アーティストへのソリューション提供」、「ユーザーへのコンテンツ・感動の提供」の実現に向け、有望アーティストの発掘・育成を継続的に進めるとともに、当社グループの諸機能を駆使したコンテンツマーケティング施策を通した価値の向上、魅力の拡散により、ヒットの創出を目指すことが、重要課題であると認識しております。
④ 独立系・DIYアーティストサポートの拡充
インターネット環境の発展を始めとする技術の進歩により、原盤制作から、SNSを活用したプロモーション、デジタル音楽配信ディストリビューションまでを個人で行う、DIYアーティストが存在感を増しております。当社グループのあらゆる機能を活用し、DIYアーティストのキャリアアップに向けたサポートを拡充することにより、「アーティストとファンが直接結びついていく」という音楽シーンの新しい潮流において、SKIYAKIを含めた当社グループの果たす役割を確立することが、大きな課題となっております。
⑤ 新規事業領域への展開拡大
当社グループはさらなる成長を目指すべく、音楽エンタテインメント企業としての当社独自の強みやポジションを活かし、日本国内はもとより、海外においても人気獲得が期待され、今後も成長が見込まれる、アニメ、アイドル、キャラクター、ゲーム等、ポップカルチャー領域に対しても、積極的に取り組んで行く必要を認識しております。
また加えて、Web3(ウェブスリー)時代の到来に向け、NFT・DAOや、メタバース、XR映像などの新技術の浸透により、今後の成長が予測される市場に対し、当社グループが提供するコンテンツ・ソリューションを高度化させていく必要があります。
これらの事業領域に向けて、当社の独自性や機能と、他社のノウハウとの融合によるコンテンツ・ソリューション提供を目指すべく、M&Aやアライアンスを積極的に検討し、事業規模の拡大に取り組むことが重要な課題であります。
⑥ コーポレート・ガバナンスの推進
持続的な成長と企業価値の向上を実現するにおいては、コーポレート・ガバナンス体制の強化が重要な課題と認識しております。
的確かつ迅速な意思決定および業務執行体制、並びに適正な監督・監視体制の構築を図るとともに、コーポレート・ガバナンスの実効性を一層強化するため、当社グループ全体で、リスク管理、内部統制、コンプライアンスへの取り組みを徹底するとともに、独立社外取締役の活用等を通じ、信頼性の向上と自浄能力の増強に努めてまいります。
加えて、改訂コーポレート・ガバナンス・コードへの対応を適宜進めてまいります。
⑦ 人材育成の強化
以上のような様々な課題に対応し、今後一層の事業拡大を目指すにおいて、当社グループの人材の強化が必須です。当社グループの所属する音楽エンタテインメント業界のみならず、激変する市場環境へも適応でき、今後の企業価値向上に必要な人材の確保を行うとともに、優秀な人材を育成していくことが継続的な課題であります。
当社グループは当社の創業以来、アーティストのクリエイティビティを尊重し、その価値を高め広げる事業を展開してきました。多様性や創造性が重要視されるこれからの未来においても、音楽カルチャーの持続可能な発展と共に、全ての人々が、人種、民族および文化的多様性、ジェンダーの平等を尊重される、公正で、平等で寛容な開かれた世界を目指しております。
なお、当社は、2024年4月1日付で、株式会社SKIYAKIと経営統合を行い、商号をスペースシャワーSKIYAKIホールディングス株式会社に変更し、持株会社体制に移行しました。以下の「(1)ガバナンス」、「(2)戦略」、「(3)リスク管理」、「(4)指標及び目標」の各項目については、経営統合後の新しい体制を踏まえて現在検討を行っている状況であるため、当連結会計年度末における状況を記載しております。当社グループのサステナビリティに関する取組の最新の状況については、下記当社Webサイトをご参照下さい。
(1)ガバナンス
当社グループでは、当社経営会議及び取締役会において検討、策定されたサステナビリティに関する基本方針と戦略に基づき、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視、管理するため、リスク管理委員会においてサステナビリティ関連の個別の課題に対処し、その結果を取締役会に報告する体制の整備を進めております。
(2)戦略
当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するため、当連結会計年度末時点においては、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に寄与すべく「世界を変えるための17の目標」を設定した上で、以下の4つの項目を重要課題として抽出し、当該重要課題に対処するための具体的取組を開始しております。当該取組の最新の状況については、上記当社Webサイトをご参照下さい。なお、当該重要課題は今後随時見直しを行う予定です。
①誰もが働きやすい環境
②社会を良くする
③環境問題
④地方創生
また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
当社グループでは、男女の区別なく、多様な個性や価値観を持った従業員一人ひとりがより活躍できる柔軟な働き方の整備や誰も働きやすい職場環境づくりを推進しております。女性の活躍促進に向け、育休や時短勤務などの制度に加え、リモートワークの環境整備も積極的に行い、子育てや介護とキャリアアップの両立支援に取り組んでおります。
女性・中途採用者の管理職登用につきましては、現時点で複数の実績があり、外国人の管理職登用については実績がないものの、当社グループは国籍、性別等に囚われずその能力・成果に応じた人事評価を行うことを基本方針としております。
また、当社グループでは、誰もが働きやすい職場環境づくりのため、以下の取組を行っております。
・障がい者雇用
障がいのある従業員が活躍できる環境整備の一環として「屋内農園型障がい者雇用支援サービス」を活用し、ハーブティを製造しています。またそのハーブティをノベルティとして使用して、誰もが働きやすい社会の重要性の啓蒙活動を行っています。
・多様なライフスタイルに対応した勤務体制
感染症感染拡大防止の対策としてスピーディに整えた在宅勤務の制度を現在も引き続き採用し、子育てや介護などライフスタイルの変化や、業務内容にあった出社・在宅のハイブリッドな労働環境です。
・女性活躍の促進
ハイブリッド勤務・フレックス勤務など時間や場所にとらわれない働き方を整えて、妊娠・出産などでキャリアを止めることなく働けるよう全面的にバックアップします。出産後の復職率は過去5年で100%、女性管理職比率は当連結会計年度では21.3%となっております。
・職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備
長時間労働を是正するとともに、メリハリの効いた働き方のため全社員の有給休暇取得率を50%以上とすることを目標とし、目標達成のための行動計画を策定しております。
(女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画)
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/planfile/202203251212012932456_1.pdf
(3)リスク管理
当社グループでは、グループ全体のリスク管理の一環として、サステナビリティに関するリスク及び機会の抽出は、各事業の主管部署を中心に行い、その結果をリスク管理委員会で集約し、特定した主要なリスク及び機会については、経営会議において検討した後に、取締役会に報告する体制の整備を進めております。
(4)指標及び目標
サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する当社グループの実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる指標については、当連結会計年度末時点においては、人的資本(人材の多様性を含む。)に関する指標を除き、2023年3月31日に当社取締役会で決議したサステナビリティ基本方針に基づき検討を行っている段階であります。
なお、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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未設定 |
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(注)当連結会計年度の実績値については、当社の集計値を記載しております。
当社グループの事業展開において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると経営者が認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであり、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません
当社グループでは、事業遂行上のリスクの顕在化防止、リスクが重大な危機に転じた際に、その影響を最小限に留めるため、リスクの状況を適時に把握、対応を検討すべく、「リスク管理委員会」、「コンプライアンス室」など、各種リスクマネジメント体制を整備しております。また、当社グループ「コンプライアンスポリシー」の当社グループ従業員への浸透を目的として、「コンプライアンス・プログラム」を制定しております。
(1)各事業セグメントにおける固有のリスク
① ライブ・コンテンツセグメントに関するリスク
1. 当社グループは、野外フェスイベントの主催、所属アーティストのライブ・イベント、ライブハウスやエンタテインメントカフェの運営などを行っておりますが、これらの事業活動は、地震、台風、洪水などの自然災害、事故、テロ、感染症の感染拡大をはじめとした、当社グループがコントロールできない事由によって、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、こうしたリスクに備えて、BCP(事業継続計画)を策定し、各種保険に加入しておりますが、それにより全ての損失を補填できるという保証はありません。
2. 当社グループは、店舗関連事業として、ライブハウス事業やエンタテインメントカフェ事業を展開しております。店舗の出店に際しては、「食品衛生法」に準拠し、保健所の確認により営業許可を受ける必要がありますが、店舗の営業において食中毒の発生等、食品衛生法に違反する事態が生じた場合、営業停止などの処分を受ける可能性があります。
これに対し、当社グループは法定の食品衛生に加え、衛生管理指導専門スタッフによる定期チェックの実施、食品衛生責任者の設置、従業員の健康状態確認や手洗い励行等により、安全な商品をお客様に提供するための衛生管理を徹底しております。
3. 当社グループは、音楽ソフトに関連する事業として、アーティストマネジメントを中核に据え、レーベル・エージェント、音楽出版、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信などアーティストの総合支援やプロデュース事業を推進しております。これらの事業におけるヒットの創出は、消費者の趣味、嗜好、流行の変化に大きく影響を受けます。当社グループは、コンテンツホルダーとして、ヒットアーティストやヒットコンテンツの創出・拡大を目指すとともに、有望アーティストの発掘・育成に努めておりますが、アーティストの人気・契約の継続、新人アーティストの発掘・成長等については予測することが困難であり、これらの不確実性により、当社グループの経営戦略が計画通りに進まない可能性があります。
② ソリューションセグメントに関するリスク
1. 音楽デジタル配信事業においては、引き続き成長が見込まれ、多くの音楽デジタル配信プラットフォーム事業者が存在しますが、デジタル化・ネットワーク化の進展を背景に、世界的規模でいくつかの事業者に発展的に集約される可能性があります。こうした規模を拡大した事業者の価格決定方針などにより、今後、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
また、音楽デジタル配信のソリューションを提供する㈱スペースシャワーフーガにおいては、レーベル顧客との契約獲得が重要な戦略でありますが、グローバルメジャーレーベル系列の音楽デジタル配信ソリューション提供会社などとの競合が激しい環境下にあります。競争の激化やその対策のためのコスト負担などにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、差別化された付加価値の高いサービスを提供し、顧客ロイヤルティを高めるための戦略を強化するとともに、グループ連携やFUGA社との協力により、競争力を高めるためのソリューションの開発、提供に努めます。
2. 当社グループの扱うCD/DVDパッケージを販売する小売事業者は、全国へチェーン展開する大規模事業者が中心となります。音楽ソフトパッケージ市場の縮小が続く環境下において、小売事業者が市場から撤退した場合や、小売事業者との取引条件において、一定の範囲で返品が可能になっており、小売事業者の販売状況によって、想定の見積もりを超える返品が生じた際、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
3.当社グループの運営する、ワンストップ・ソリューションプラットフォーム「Bitfan Pro」及び誰でも無料で使えるオールインワン型ファンプラットフォーム「Bitfan」は、主にインターネットを通じて各種サービスを利用者に提供しており、予期しない要因によるアクセスの増加に伴う一時的な過負荷や、自然災害等によるシステムトラブルによってサービス提供が不可能になった場合、ライツホルダー、各提携先及び利用者の当社グループに対する信用の低下、システムの改修費の増加、ライツホルダーからの損害賠償請求への対処が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、ユーザーに安定的にサービスを提供するために、安全性やセキュリティ等に配慮し、当社グループの開発部門において随時モニタリングを実施しております。また、各ライツホルダーより事前に情報提供を受け、アクセスの集中が予想される場合には事前に監視体制を強化しサーバーの増強を図るなどの対策を実施するとともに、サーバーのスケールアップ等の施策を随時実施しております。
4.当社グループの運営するプラットフォームサービス、「Bitfan Pro」及び「Bitfan」は、主にインターネットを通じて利用者に対する各種サービスの提供を行っております。しかし、従前より当社グループと類似のサービス提供者が存在していることに加え、近年ではいわゆるオープンモデルと言われるファンビジネス関連サービスが増加しているため、提供するサービスの差別化が難しくなってきており、当社グループのサービス利用者であるクリエイター及びユーザーの獲得競争が激化する傾向にあります。したがって、これら他社との競合関係において、当社グループが迅速かつ優位的に事業展開できない場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、取引先企業との戦略的パートナーシップを強化するとともに、付加価値の高いプラットフォーム機能の開発・提供に注力することで、競合他社との差別化を図っております。
5. 当社グループは、放送や音楽を始めとした様々なコンテンツビジネスと連動し、インターネット上でTシャツやオリジナル商品などの通信販売事業を展開しております。通信販売を行う事業者は「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)や「特定商取引に関する法律」(特商法)の規制を受け、虚偽や誇大な商品説明を行わないことに加え、所定の事業者の表示などが細かく規定されております。
当社グループでは、通販事業に伴う商品管理及び物流運用を専門のノウハウを有した第三者に委託しておりますが、当社が法的リスクを負っており、通販事業を展開する上で何らかの瑕疵が生じ関係法令に違反した場合、当社の社会的信用の毀損が生じる可能性があります。
また、販売商品の多くは一般雑貨であり、通常の使用においては人体や他の物品に危害を及ぼすおそれの低いものですが、危害の生じる可能性を完全に否定することはできません。不測の事態に備えて生産物賠償責任保険に加入しておりますが、何らかの事故の発生等により、被害者から「製造物責任法」に基づく損害賠償の請求や訴訟による責任追及を受けた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ メディアセグメントに関するリスク
1. 有料多チャンネル放送業界においては、契約者数が漸減傾向にあり、国内における人口減少が進む中、中長期的に市場縮小の継続が予測され、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
このような市場環境に対応するため、当社グループでは、視聴者に選ばれるコンテンツの制作を強化し、「スペースシャワーTV」ブランドの維持・浸透を図ることで、有料放送プラットフォーム事業者に対する存在感の向上を目指すとともに、スマートフォンやタブレットなど、新たなウィンドウにおけるマネタイズを目指してまいります。
2. 「番組供給事業者」である当社が番組を供給する「放送事業者」は、放送法上のチャンネル全体の編集権や価格決定などの権利及び義務を有しているため、放送事業者の合従連衡が進み、大手MSO(Multiple System Operator)への収益依存度が高まる環境下において、放送事業者の方針が当社にとって不利益な方向に変更されることや、放送関連の法令改正や新たな法規制が制定されることなどにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(2)各事業領域共通のリスク
① コンプライアンスに関するリスク
1. 当社グループは、WEBサービス会員や、プレゼント応募等で寄せられる個人情報、ファンクラブ会員や、エンタテインメントカフェ会員などから、様々な形でお客様の個人情報を収集しております。これらの個人情報の管理につきましては、厳重なセキュリティ対策を講じ、当該情報は利用目的の範囲においてのみ利用し、その管理には細心の注意を払っております。しかしながら、第三者による不正アクセス等予期せぬ事態により、個人情報が流出した場合、法令による処罰や、訴訟の提起の可能性が生じることに加え、顧客の信用や社会的信用低下を招く可能性があります。
また、2015年10月に施行された「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)の下で、当社グループは仕入取引先を中心として、マイナンバー(個人番号)の取得を適時行っておりますが、マイナンバーを含む特定個人情報の取扱いについては、一般の個人情報よりも厳格な安全管理措置が求められております。顧客の特定個人情報の紛失・漏洩・不正利用等が発生した場合、当社グループのレピュテーションリスクが拡大する可能性があります。
これに対し、当社グループは、リスクマネジメント体制の整備や、コンプライアンス・プログラムを通じた従業員啓発の推進により、従業員の法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めております。
2. 当社グループの事業活動において、第三者から意図せずに、著作権、著作隣接権、商標権等の知的財産権を侵害される可能性や第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。このような事態により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
② ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」)による情報拡散リスク
当社グループは、アーティストや番組などの情報を、より多くの方々へ届けするためのツールとして、SNSを活用しております。当社グループでは、当社の発信した情報を見た方々に、誤解を与えるような言動を慎むよう、社員及びアーティスト・クリエイターへの教育の徹底、ならびにガイドラインの設定をしております。しかしながらSNS上においては、アーティスト・クリエイターや当社の情報等が、その真意に関わらずネガティブな情報として受け止められ、拡散される可能性を排除できず、当社グループのレピュテーションリスクが拡大する可能性があります。
③ 感染症の拡大等によるリスク
新型コロナウイルス感染症等の感染症が、国内および海外主要各国において、長期間にわたり拡大が続いた場合、個人消費の冷え込みなどにより、深刻な経済活動の縮小が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
④ アライアンス及び企業買収に関するリスク
当社グループは、既存の事業領域の発展拡張を目指し、第三者との間で、アライアンスや企業買収を実施することがあります。当社グループでは、これらのアライアンスや企業買収にあたって、投資回収や収益性など、様々な側面から検討しておりますが、経営戦略などについてアライアンスや企業買収にかかる関係先との不一致が生じた場合、または当該関係先において事業上の問題が生じた場合に、関係を維持できなくなる可能性があります。また、事業環境の急激な変化や、事業開始以前に予測不可能であった問題等により、当初の期待どおりの目的を達成できない可能性があります。
これに対し、綿密なデューデリジェンスを実施し、アライアンスや企業買収に伴うリスクの事前評価の徹底や、問題発生時の対応策を策定し、柔軟な事業計画を維持する方針であります。
⑤ 人材の確保にかかるリスク
当社グループのミッション達成に向けて、優秀な人材を確保することの重要性を認識しております。しかしながら、当社の求める水準にある優秀な人材は限られているため、かかる人材の獲得に向けた競争は熾烈であり、当社グループが期待する優秀な人材を確保できない可能性があります。
これに対応するため、社内人材の育成プログラムを強化し、福利厚生の充実と、キャリアパスの明確化を図るなど、社員の働きやすい環境を整備することに努めております。
⑥ 繰延税金資産に関するリスク
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積り、その回収可能性を慎重に検討したうえで繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の見積りは、中期業績予測を基礎としており、ライブ・イベント、店舗ビジネスや、デジタル音楽配信事業の成長を主要な仮定として織り込んでおります。将来の業績変動により課税所得の見込み額が増減した場合や、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。また、その結果として、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 減損損失に関するリスク
当社グループは、資産又は資産グループのうち減損の兆候があるものについて、これらが生み出す割引前将来営業キャッシュ・フローがこれらの帳簿価額を下回る場合、有形固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。将来キャッシュ・フローは、中期事業予測の数値を基礎としており、ライブ・イベント、店舗ビジネスや、デジタル音楽配信事業の成長を主要な仮定として織り込んでおります。減損の兆候、割引前将来キャッシュ・フロー、回収可能価額の算定については、事業計画や経営環境等の前提条件に基づき様々な仮定を用いています。そのため、前提条件に変更が生じた結果、減損損失を認識することになった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束により、社会経済活動の正常化やインバウンド需要の回復などが進み、緩やかに持ち直しの動きが見られましたが、ウクライナ情勢の長期化や急激な為替の変動、世界的なインフレの進行とそれを抑制するための金融引き締めによる世界経済の減速懸念などにより、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループの事業に関連する、音楽・エンタテインメント業界においては、各種サービスのデジタルシフトが急速に進み、定額サブスクリプションの音楽配信やライブ・イベント動画配信の普及・定着により、コンテンツのデジタル配信市場が堅調な成長を続けるとともに、デジタルプラットフォームの普及により、グローバルに向けたコンテンツ提供が容易となってきました。一方で、ライブ・イベント市場については、各制限を設けない開催形式が通常となり、動員数においてもコロナ禍以前を上回るなど、市場環境の回復を越え、拡大の傾向にあります。
このような社会・経済環境の急速な変化に対応すべく、2023年11月10日に株式会社スペースシャワーネットワークと株式会社SKIYAKI(以下「SKIYAKI」といいます)との経営統合契約の締結、並びに持株会社体制への移行等に関するお知らせ」を公表いたしました。当社の有するコンテンツ制作能力と、SKIYAKIの有するプラットフォームサービス及びシステム開発の技術力を組み合わせることで、AIをはじめとするテクノロジーの急速な変化によって加速度的に変化することが予想されるエンタテインメント業界において、「コンテンツ」と「テクノロジー」を有する数少ない企業体を形成し、新たなビジネスの地平を切り拓き、エンタテインメント業界の変化を先取りする企業体を目指してまいります。
当連結会計年度においては、当社主催の大型イベントである、5月27日、28日「POP YOURS」、8月25日~27日「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER」のチケット完売での開催や、プロ野球球団「福岡ソフトバンクホークス」、カルチャーショップ「BEAMS」との共催で、福岡 PayPayドーム(2024年4月25日付で「みずほPayPayドーム福岡」に改称)にて「FUKUOKA MUSIC FES. 2024」を、昨年の好評を受け1月20日、21日の2日間へ規模を拡大開催するなど、イベント事業において成長を実現した一年となりました。
加えて、ライブハウス事業が、2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴う各種制限の大幅な緩和により、稼働率や集客数を回復したことや、エンタテインメントカフェ事業において、インバウンド集客のコロナ禍以前の水準への回復や、コロナ禍においても積極的に出店投資を行い、店舗のキャパシティ拡大を図ったことが奏功し、来店者数が過去最高となるなど、店舗ビジネスにおける業績拡大を達成いたしました。
また、2024年3月1日公表の「特別損失(減損損失)の計上及び連結業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、2024年4月1日に効力発生となったSKIYAKIとの経営統合に関連した一時費用増加があったものの、イベント制作受託案件や、店舗ビジネスなどの売上増加、放送事業に関連する販売促進費の抑制などの全社的なコスト削減を実施したことにより、当初想定をしていた一時費用増加を吸収し、業績予想を上回る着地となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は16,362,679千円と前期比981,546千円増(同6.4%増)、営業損益は営業利益618,120千円と前期比464,672千円増(同302.8%増)、経常利益は619,861千円と前期比56,097千円増(同10.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は280,166千円と前期比68,094千円減(同19.6%減)と、増収減益となりました。
当社グループの最近5連結会計年度に係る主な連結業績は以下のとおりであります。
回次 |
第26期 |
第27期 |
第28期 |
第29期 |
第30期 |
決算年月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
売上高(千円) |
15,739,944 |
11,763,964 |
13,864,433 |
15,381,132 |
16,362,679 |
営業利益又は営業損失(△)(千円) |
104,920 |
△453,176 |
△135 |
153,447 |
618,120 |
経常利益又は経常損失(△)(千円) |
166,877 |
△202,028 |
551,517 |
563,763 |
619,861 |
親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△)(千円) |
78,121 |
△210,815 |
573,604 |
348,260 |
280,166 |
売上高経常利益率(%) |
1.1 |
△1.7 |
4.0 |
3.7 |
3.8 |
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a.メディア セグメント
有料放送事業において、番組販売売上が減少したことなどにより、前年同期比で減収減益となりました。映像制作事業においても、ミュージックビデオの制作案件等の受注減少により、前年同期比で減収減益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は4,072,749千円と前期比874,067千円減(同17.7%減)となり、セグメント損益(経常損益)につきましてはセグメント利益(経常利益)179,572千円と前期比93,253千円減(同34.2%減)となりました。
当セグメントの最近2連結会計年度に係る主な業績は以下のとおりであります。
(単位:千円) |
回次 |
第29期 |
第30期 |
決算年月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
売上高 |
|
|
外部顧客への売上高 |
4,946,816 |
4,072,749 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
47,023 |
49,736 |
計 |
4,993,840 |
4,122,486 |
セグメント利益 |
272,826 |
179,572 |
b.ライブ・コンテンツ セグメント
ライブハウス事業やエンタテインメントカフェ事業など店舗ビジネスにおいては、コロナ禍からの回復が続いたことにより、前年同期比で増収増益となりました。また、イベント事業においては、第3四半期連結会計期間に新たなライブ・イベントの立ち上げによるコスト増があったものの、第1四半期連結会計期間に開催した国内最大規模のヒップホップフェスティバル「POP YOURS」のチケット完売となる約3万人動員や、第2四半期連結会計期間に開催の「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2023」の全日程・全券種完売による約8万人動員の達成などを中心とする既存ライブ・イベントの開催により、前年同期比で増収増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は7,578,503千円と前期比1,664,465千円増(同28.1%増)となり、セグメント損益(経常損益)につきましては、セグメント利益(経常利益)586,095千円と前期比211,912千円増(同56.6%増)となりました。
当セグメントの最近2連結会計年度に係る主な業績は以下のとおりであります。
(単位:千円) |
回次 |
第29期 |
第30期 |
決算年月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
売上高 |
|
|
外部顧客への売上高 |
5,914,038 |
7,578,503 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
583,568 |
588,369 |
計 |
6,497,606 |
8,166,872 |
セグメント利益 |
374,182 |
586,095 |
c.ソリューション事業
ディストリビューション事業において、受託契約のあったヒットアーティストの移籍に伴い、下半期における音楽配信売上が減少したものの、上半期の音楽配信売上の好調な推移や、ファンクラブ事業における有料会員数の増加とEC/MD事業における大型案件の獲得により、前年同期比で増収増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は4,711,427千円と前期比191,149千円増(同4.2%増)となり、セグメント損益(経常損益)につきましてはセグメント損失(経常損失)87,964千円と前期比3,087千円増(前期はセグメント損失(経常損失)91,051千円)となりました。
当セグメントの最近2連結会計年度に係る主な業績は以下のとおりであります。
(単位:千円) |
回次 |
第29期 |
第30期 |
決算年月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
売上高 |
|
|
外部顧客への売上高 |
4,520,277 |
4,711,427 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
9,791 |
14,132 |
計 |
4,530,069 |
4,725,559 |
セグメント利益又はセグメント損失 (△) |
△91,051 |
△87,964 |
②生産、受注及び販売の実績
生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては生産に相当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(単位:千円)
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比(%) |
メディア セグメント |
1,176,805 |
70.4 |
(注)金額は、制作原価で記載しております。
受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては受注に相当する事項がないため、受注状況に関する記載はしておりません。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
メディア セグメント |
1,213,574 |
65.4 |
66,706 |
62.2 |
(注)受注高については、売上金額で記載しております。また、受注残高については、金額が確定していないため、当連結会計年度末までに発生している制作原価で記載しております。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比(%) |
メディア(千円) |
4,072,749 |
83.3 |
ライブ・コンテンツ(千円) |
7,578,503 |
128.1 |
ソリューション(千円) |
4,711,427 |
104.2 |
合計(千円) |
16,362,679 |
106.4 |
(注)1、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上となる相手先がいないため記載を省略しております。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、主に現金及び預金が456,118千円、その他(流動資産)が261,047千円、建物及び構築物が196,161千円、ソフトウエアが212,290千円、敷金及び保証金が261,026千円増加した一方で、受取手形及び売掛金が587,538千円、リース資産が81,750千円、ソフトウエア仮勘定が99,166千円減少し、また減価償却累計額及び減損損失累計額が244,953千円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ360,164千円増加し、8,164,794千円となりました。
負債は、主に未払金が96,892千円、未払法人税等が88,394千円、その他(流動負債)が262,877千円増加した一方で、買掛金が328,305千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ110,095千円増加し、4,222,953千円となりました。
純資産は、主に譲渡制限付株式報酬付与のため自己株式を処分したことにより自己株式が13,637千円減少し、利益剰余金が196,552千円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ250,069千円増加し、3,941,841千円となりました。
当社グループの最近5連結会計年度に係る主な財政状態は以下のとおりであります。
(単位:千円) |
回次 |
第26期 |
第27期 |
第28期 |
第29期 |
第30期 |
決算年月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
総資産 |
7,811,162 |
7,159,093 |
7,264,907 |
7,804,630 |
8,164,794 |
負債 |
3,414,628 |
3,066,427 |
3,903,822 |
4,112,858 |
4,222,953 |
純資産 |
4,396,533 |
4,092,666 |
3,361,085 |
3,691,772 |
3,941,841 |
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、456,118千円の獲得となり、資金の期末残高は3,123,253千円となりました。これは、営業活動により1,156,091千円獲得した一方で、投資活動により609,546千円、財務活動により90,426千円使用したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の獲得は、1,156,091千円(前連結会計年度は891,609千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益により454,704千円、減価償却費により245,984千円、無形固定資産償却費により106,275千円、減損損失により154,077千円、売上債権の減少により587,538千円、その他の流動負債の増加により262,822千円資金を獲得した一方で、その他の流動資産の増加により328,383千円、仕入債務の減少により328,305千円、法人税等の支払により85,020千円資金を使用したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の使用は、609,546千円(前連結会計年度は124,143千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により146,200千円、無形固定資産の取得により228,679千円、敷金及び保証金の差入により238,484千円資金を使用したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の使用は、90,426千円(前連結会計年度は97,725千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払により83,614千円資金を使用したことによるものであります。
当社グループの最近5連結会計年度に係るキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(単位:千円)
回次 |
第26期 |
第27期 |
第28期 |
第29期 |
第30期 |
決算年月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
389,916 |
347,464 |
845,814 |
891,609 |
1,156,091 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△272,018 |
19,816 |
△308,979 |
△124,143 |
△609,546 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△126,678 |
△107,235 |
△1,364,728 |
△97,725 |
△90,426 |
現金及び現金同等物の期末残高 |
2,565,242 |
2,825,288 |
1,997,394 |
2,667,134 |
3,123,253 |
キャッシュ・フロー関連指標の推移
回次 |
第26期 |
第27期 |
第28期 |
第29期 |
第30期 |
決算年月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
自己資本比率(%) |
56.3 |
56.9 |
46.2 |
47.3 |
48.1 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
60.1 |
71.1 |
48.7 |
46.5 |
50.7 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) |
0.1 |
0.1 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) |
520.8 |
623.5 |
2,028.2 |
3,582.5 |
16,519.4 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※ キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費のほか、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は主に、設備投資やシステム投資等によるものであります。また、株主還元につきましては、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当社グループは、イベント事業、店舗事業、プラットフォーム事業、有料放送事業などにより、事業運営上必要なキャッシュ・フローを安定的に確保し、それを原資として新たなイベント・コンテンツの開発や、新規事業の資金を賄うこと、株主還元を実施することを基本方針としており、経営計画に照らして、必要な資金(銀行借入)を調達するようにしております。なお、当連結会計年度末時点の借入金はありません。
(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、前述の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の、2022年度から2024年度(2025年3月期)を対象期間とする中期経営計画「Daylight 2024」の対象期間最終年度となる2024年度までに、連結売上高20,000百万円、連結営業利益1,000百万円(営業利益率5%)、ROE 20%の実現を目標としております。当連結会計年度においては、連結売上高16,362百万円、連結営業利益618百万円、ROE 9.9%でありました。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社は、2023年11月10日開催の取締役会において、株式会社SKIYAKI(以下「SKIYAKI」といいます)との経営統合契約及び株式交換契約の締結、並びに当社の吸収分割の方法による持株会社体制への移行を行うことを決議し、同日付で経営統合契約及び株式交換契約を締結しました。株式交換契約は2024年1月26日開催の当社及びSKIYAKIの臨時株主総会において承認されました。
また、当社は、2023年12月22日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社スペースシャワーネットワーク分割準備会社(以下「分割準備会社」といいます)に対し、グループ経営管理事業、資産管理事業及び不動産賃貸事業を除く当社の営む一切の事業に関する権利義務を承継させることを決議し、2023年12月22日付で分割準備会社との間で吸収分割契約を締結しました。吸収分割契約は2024年1月26日開催の当社臨時株主総会において承認されました。
上記の契約の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」の「(当社と株式会社SKIYAKIとの経営統合及び当社の持株会社体制移行の完了)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。