当第3四半期連結累計期間において新たな事業等のリスクの発生、又は、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
① 経営成績の分析
当社は、2024年4月1日に「株式会社USEN-NEXT HOLDINGS」から「株式会社U-NEXT HOLDINGS」に商号を変更いたしました。
2017年12月の㈱USENと㈱U-NEXTの経営統合以来、6年が経過し、㈱USENは、現在においても当社グループが展開する多様なビジネスの経営基盤となっており、㈱U-NEXTは㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパンとの経営統合を行い、強力なユーザー基盤構築、コンテンツ拡充により、国内勢最大のプラットフォームとなりました。
現行の中期経営計画も順調に推移している中で、当社グループが新たな成長フェーズへ移行するにあたっての商号変更となります。
当社グループにおいては事業セグメントを以下の5つに分類するとともに、それぞれのセグメントにおいてその実現に向けた取り組みを行っております。
当社グループの事業セグメントは、個人向け映像配信サービスを提供する「コンテンツ配信事業」、業務店や施設向けに店舗DXサービス、音楽配信サービスや店舗向け集客支援サービスを提供する「店舗サービス事業」、オフィス向けネットワーク、セキュリティサービスの提供やインターネットサービス等の代理販売を行う「通信事業」、医療機関やホテルを中心に、自動精算機やフロントの管理システムを提供する「業務用システム事業」、業務店や商業施設向けに高圧、低圧電力を提供する「エネルギー事業」であります。
また、当社グループは、主軸事業である店舗サービスの提供先である業務店を始め、ホテル・病院・ゴルフ場や中小オフィスといったBtoB市場や映像配信、通信サービスをはじめとするBtoC市場などの様々な顧客が当社グループの最大の資産であると考えております。
当第3四半期連結累計期間においては、訪日外国人が単月で過去最高の300万人を超え、また国内回帰の傾向も相まって観光地には多くの人々が訪れるとともに、業務店の営業や施設の稼働においても、賑わいを呈しております。
一方、恒常的な人手不足、諸物価の高騰、物流の2024年問題や為替相場の影響等、当社顧客を取り巻く環境は一層不透明な状況となっております。
このような状況下、当社グループでは様々な事業活動を通して社会のニーズや課題を一気通貫で対応し、業務店やサービス利用者の方々をサポートするとともに、個人ユーザーに対して、人々の自由な時間を最高なものとするために、誰もが使いやすいサービスを開発し、更に幅広いジャンルのコンテンツを提供し続けるための取り組みを行ってまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高235,537百万円(前年同四半期比16.5%増)、営業利益23,533百万円(前年同四半期比51.2%増)、経常利益23,006百万円(前年同四半期比56.9%増)、また親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては13,014百万円(前年同四半期比55.5%増)となりました。
当社グループの各セグメント別の売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)及び営業利益は以下のとおりであります。
なお、店舗サービス事業を中心にサービス軸で組織を再編、役割を明確化したより機動的な事業展開を通じてグループ全体の成長拡大へ繋げていくため、2024年9月1日付でグループ組織再編を行う予定です。詳細は、2024年6月19日付IRリリースをご参照ください。
また、第1四半期連結会計期間から一部報告セグメントを変更しております。変更の内容については、「第4 経理の状況 1.四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<コンテンツ配信事業>
コンテンツ配信事業は、連結子会社の㈱U-NEXTが運営しており、映像配信サービス『U-NEXT』の提供・販売を行っております。
『U-NEXT』では、豊富な見放題作品を用意しており、2024年6月時点で映画やドラマなどの動画作品はレンタルも含めて37万本以上、漫画や書籍などの電子書籍は105万冊以上、雑誌は190誌以上をそろえ、1つのアプリで「観る」「読む」をシームレスに楽しめる、ジャンルを超えたエンタメ体験をお届けしています。
当第3四半期連結累計期間においては、経済社会活動の正常化により、外出機会の増加、ライブ、コンサートやスポーツ等のリアルイベントが活況となり、映像配信サービスは消費者による選択と集中が行われてきております。また、為替相場は円安基調に戻りつつありコンテンツの調達コストに一定の影響を与えております。
このような状況下において、『U-NEXT』は、海外や韓流の人気コンテンツの配信をはじめ、TBS、テレビ東京の放送中ドラマやバラエティ、ラ・リーガなどの欧州サッカー、国内外の格闘技、ゴルフツアー、バレーボール ネーションズリーグなどのスポーツ、音楽、ライブ配信、電子書籍とラインアップの充実化を図っております。
また、月額会員の方には追加料金なしで約1,300冊の児童書が読み放題で楽しめる「キッズ読み放題」をスタートしております。
有料会員数は2024年5月末日時点で430万人を超え、その後も順調に会員数を伸ばしております。
なお、IP戦略の一環としてオリジナル書籍やオリジナルコミックの出版にも注力しておりますが、この度2022年に発行した芥川賞作家・藤野千夜氏の長編小説『団地のふたり』がドラマ化され、NHK BSにて放送されることが決定いたしました。引き続き、魅力あるコンテンツラインアップを拡充しサービス向上につとめてまいります。
その結果、コンテンツ配信事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は80,197百万円(前年同四半期比35.6%増)、営業利益は6,538百万円(前年同四半期比33.4%増)となりました。
<店舗サービス事業>
店舗サービス事業は、連結子会社の㈱USEN、キャンシステム㈱、㈱USEN Media、㈱USEN FB Innovation、㈱USENテクノサービス、USEN-NEXT Design㈱、㈱ユーズミュージック、WannaEat㈱、㈱USEN TRUSTが運営しており、音楽配信・店舗DXサービスを始めとする店舗ソリューションの提供・販売・施工、飲食店向け集客支援、フードライセンスシェアリングサービス、音楽著作権の管理・開発等を行っております。
音楽配信サービスは、全国の業務店、チェーン店や個人のお客様に最適なインフラを経由し、専用の受信端末機を通じて音楽・情報等を提供しております。
また、店舗DXサービスは、POSレジ『USENレジ』、キャッシュレス決済『USENPAY』、飲食店向けの集客支援サービス、Wi-Fi、IPカメラ、デジタルサイネージなどのIoTサービス、家賃保証サービス、損害保険サービスなど、店舗運営に必要なソリューションを提供しております。
また、㈱USEN Mediaは自社グルメサイトとして『ヒトサラ』及び訪日外国人向け『SAVOR JAPAN』を展開、『食べログ』の取り扱いも含めた飲食店向け集客支援サービスを提供しており、WannaEat㈱はフードライセンスシェアリングサービスを行っております。
当第3四半期連結累計期間においては、㈱USENでは、「お店の未来を創造する」をミッションに掲げ、引き続き店舗運営に必要な店舗DXをトータルサポートすることに注力し、顧客の課題解決に向けた取り組みを推し進めております。2024年3月には、北海道奈井江町が地方公共団体では初めて『USEN MUSIC Enterprise』を用いて公共施設や駅前広場で、場所・時間帯に応じた音楽の提供を開始しました。年齢や立場を問わず、誰もが音楽を通じてつながることができるまちづくりの取り組みをサポートしております。
また、USEN音楽配信サービスにおいて、音楽アーティストの「推し活」の一環としてだれでも参加できる楽曲投票サービス『USEN推し活リクエスト』を開始し、このサービスを通じて若年層に対し認知向上を図っております。
その結果、店舗サービス事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は52,047百万円(前年同四半期比10.4%増)、営業利益は8,246百万円(前年同四半期比10.9%増)となりました。
<通信事業>
通信事業は、連結子会社の㈱USEN NETWORKS、㈱U-NEXT、㈱USEN ICT Solutions、㈱USEN Smart Works、㈱USEN-NEXT LIVING PARTNERS、㈱TACT、㈱U-MX、㈱Next Innovation、Y.U-mobile㈱が運営しております。
法人向けには、主に㈱USEN ICT Solutionsが、「USEN GATE02」ブランドでサービスを提供しており、ネットワーク、セキュリティ、クラウドサービスを総合的に提案できる強みを活かし、ICTソリューションの「マルチサービスベンダー」としてICT環境構築の提案・販売を行っております。
また、㈱USEN Smart Worksでは、従業員の働き方をサポートするため、様々なクラウドサービス(SaaSサービス)を取りそろえて企業に提供しており、導入後のきめ細やかな対応にも留意いたしております。
業務店向けには、主に㈱USEN NETWORKSが自社で提供する光回線「USEN光plus」、ISP「USEN NET」や次世代IP電話サービスなど、お客様のニーズに合わせて様々なサービスの提供を行っております。
個人向けには、主にY.U-mobile㈱がMVNOサービス『y.u mobile』の提供を行っており、シンプルな料金プランによりサービス提供開始以降お客様に好評をいただいております。
当第3四半期連結累計期間においては、法人向けサービス、回線取次や自社光回線サービスが引き続き堅調に推移いたしました。
㈱USEN NETWORKSでは、自社で提供する法人向け光回線『USEN光plus』の新規獲得が引き続き安定的に増加しており、ワンショット型の手数料獲得モデルからランニング収益獲得モデルへのシフトが図れ、顧客数も着実に増加しております。また、社会貢献の取り組みとして、一般社団法人日本シングルマザー支援協会と連携し、対象の方々に対して割安な価格で光回線の提供を開始いたしました。
その結果、通信事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は47,703百万円(前年同四半期比10.2%増)、営業利益は5,491百万円(前年同四半期比13.3%増)となりました。
<業務用システム事業>
業務用システム事業は、連結子会社の㈱アルメックスが行っております。
㈱アルメックスは「テクノホスピタリティ(Technology×Hospitality)を世界へ」をミッションに、最新のテクノロジーを駆使した製品やサービスによって、お客様とその先にいるエンドユーザーの方々へ「究極のホスピタリティ」を提供することを目指しており、ビジネスホテル・シティホテル、レジャーホテル、総合病院やクリニック、ゴルフ場等向けに、自動精算機、ホテル管理システム、受付機・案内表示機等の開発・製造・販売・メンテナンスを行っております。また、飲食店向けには、オーダー端末やオペレーティングシステムの販売等も行っております。
当第3四半期連結累計期間においては、2024年7月に新紙幣が発行開始されることを受けて、新紙幣に対応した自動精算機等の機器への入れ替え及び新規導入が引き続き堅調に推移し、売上は大きく伸長いたしました。
病院・クリニックにおいては、人手不足や働き方改革から十分な受付窓口スタッフの配置が難しい状況にあることから、受付と健康保険証の確認を一体で行えるように、オンライン資格確認対応顔認証付カードリーダー『Sma-paマイナタッチ』と次世代型多機能受付機『Sma-paTERMINAL』、自動再来受付機『APS-3300』との連携を開始いたしました。これにより受付時の保険資格確認業務の負担軽減に寄与しております。
その結果、業務用システム事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は20,441百万円(前年同四半期比48.0%増)、営業利益は4,896百万円(前年同四半期比168.9%増)となりました。
<エネルギー事業>
エネルギー事業は、連結子会社の㈱U-POWER、㈱USENが運営しており、『U-POWER』『USENでんき』『USENGAS』を提供しております。
㈱U-POWERでは、企業のESG経営・SDGs対応を支援するためグリーンエネルギー比率が異なる3プランを提供し、店舗・施設で消費するエネルギーのグリーン化を推進しております。
㈱USENは東京電力グループとの業務提携による業務店向けの低圧電力、商業施設向けの高圧電力、更に都市ガスサービスの取次販売、省エネルギー施策提案などのエネルギー・コンサルティング・サービスを提供しています。
当第3四半期連結累計期間においては、冬季の需要期が終わって非需要期に入り、電源調達コストは低下基調になっております。
㈱U-POWERでは、企業向け実質再生可能エネルギーの高圧・低圧電力に加え、2023年11月より家庭向けの実質再生可能エネルギー電力プラン「GREENホーム」の販売を開始しております。環境に配慮した電気を利用したいという需要の高まりと、グループ内外の販売代理店を活用した獲得強化により、2024年5月末時点の供給口数は7万件を超え、その後も順調に契約数を伸ばしております。
引き続き実質再生可能エネルギーの販売を強化し、今後も日本国内の再生可能エネルギーの普及に貢献し、持続可能な社会の実現に向けて社会的責任を果たしてまいります。
その結果、エネルギー事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は38,766百万円(前年同四半期比7.0%減)、営業利益は5,048百万円(前年同四半期比133.1%増)となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて20,077百万円増加し、220,601百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金が2,622百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が3,400百万円増加したこと、棚卸資産が1,707百万円増加したこと、前払費用が13,118百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて20,829百万円増加し、142,054百万円となりました。
固定資産は、有形固定資産が338百万円増加したこと、無形固定資産が1,176百万円減少したこと、投資その他資産が85百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて751百万円減少し、78,547百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて10,825百万円増加し、66,352百万円となりました。
固定負債は、長期借入金が2,250百万円減少したこと、退職給付に係る負債が45百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて2,730百万円減少し、64,558百万円となりました。
(純資産)
純資産は、利益剰余金が11,361百万円増加したこと、非支配株主持分が674百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて11,983百万円増加し、89,690百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間において、販売の実績に著しい増減がありました。その内容については「(1)業績の状況」に記載しております。
該当事項はありません。