当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、過年度から実施しております不採算店舗の撤退や商品仕入れの精度向上、コスト削減策など収益改善策の効果で緩やかに業績は回復しております。しかしながら、過年度から継続して連結営業損失を計上していること及びマイナスの連結営業キャッシュ・フローを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象または状況が存在しております。
このような状況のもと、これらを解消するため、以下の対応策を進めてまいります。
1.事業収益の改善、運営体制及び収益見通し
シーズメンにおいては、各種販売施策を実施する事で来店頻度を高め、ブランド力及び知名度の向上を図ると同時に固定客拡大の施策を継続的に実施する事で、収益構造の改善を目指してまいります。
レディス中心のチチカカにおいては、時代のニーズにあった商品構成を拡充する事により新規顧客の獲得を目指してまいります。
運営体制においては、グループ一体での販売体制の強化、販売物流センターの統合効果や、グループ間での事務管理体制の効率化を推進するなどの施策で販売体制の強化及びコストの削減を進めてまいります。
なお、当連結会計年度における連結営業利益は20百万円の黒字を見込んでおり、当第1四半期累計期間における実績は、計画から大きな乖離はない進捗であります。
2.運転資金の確保
当第1四半期連結会計期間末の現金及び預金5億87百万円を保有しております。また、2024年3月に第三者割当増資及び新株予約権の発行により5億15百万円の資金調達を実施したことで、十分な運転資金を確保しているものと考えております。
以上より、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象または状況が存在しているものの、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
当社グループは、こうした経営課題について迅速な対策を実施し、健全経営に努めることによって企業価値の一層の向上を図ってまいります。また、役員及び従業員は、法令、社会規範、社内規則等を遵守し、公正かつ誠実に行動してまいります。
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間のわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善、訪日観光客の増加などにより、緩やかな回復傾向が見られました。一方で円安の継続による原材料価格の上昇、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や資源・エネルギー価格の高騰に伴う物価上昇などの要因により、経済の先行きは不透明な状況が続いております。
衣料品小売業界におきましては、訪日観光客の回復によるインバウンドの消費は増加傾向にあるものの、物価上昇による節約志向の高まりから消費に対して慎重な状況は継続しており、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、下記の取り組みを実施してまいりました。
(株式会社シーズメン)
郊外ショッピングセンターやモールでミドルプライス衣料品の販売を主たる事業として展開する第1事業部では、商品面においては、販売単価の向上を図るためにブランド商品の投入強化と店頭での商品展開を拡充しました。また、雑貨の品揃えを強化し新入学の需要の取り組みを図りました。
販売面におきましては、「春の大予約会」の商品投入による常連のお客様の来店促進を図り、春物新規商品のコーディネート提案を取り組むとともに、ブランド商品の定価販売を強化いたしました。
店舗展開におきましては、当第1四半期連結累計期間における出店及び退店はなく、当第1四半期連結会計期間末の店舗数は「METHOD」17店舗、「流儀圧搾」9店舗、「AGIT POINT」1店舗、「G-LAND」1店舗、「FACETASM」1店舗の合計29店舗となりました。
都心部ファッションビルや百貨店でハイプライス衣料品の販売を主たる事業として展開する第2事業部では、商品面におきましては、ブランドの強みを生かした商品群を増やし、固定客へのアプローチ及び自ブランドのファン作りを強化いたしました。また引き続き一部商品の価格の見直しを行い、クオリティ向上と1点単価の向上を図りました。
販売面におきましては、高ランクの会員様向けにシーズンカタログの投函を行い、ブランドフェアに向けての集客を強化いたしました。また、4月からPRAMS ORDER(店舗欠品在庫をEC在庫からお客様の自宅へと配送する仕組み)を一部店舗に導入し、店舗販売時の売り逃しを減らす取り組みを図り、売上の向上及び在庫の効率化に努めました。
店舗展開におきましては、当第1四半期連結累計期間における出店は1店舗、退店はなく、当第1四半期連結会計期間末の店舗数は「TORNADO MART」12店舗、「TORNADO MART WORLD」4店舗、「HIGH STREET」7店舗、「BLUE TORNADO」1店舗、「TORNADO MART OUTLET」2店舗の合計26店舗となりました。
(株式会社チチカカ)
郊外ショッピングセンターやモールでエスニックカジュアル衣料品・雑貨の販売を主たる事業として展開するチチカカでは、商品面におきましては、価格高騰に対応できる新カテゴリー「RICO」の設立、気温上昇に伴うアイテムの充実、ビックシルエットニーズに対応するユニセックス商品のバリエーションの拡充を図りました。
販売面におきましては、値引き販売の抑制を図り好調店舗の販売活動の事例を店舗間で共有することを徹底しました。また、店舗特性を踏まえ、アパレルを中心とした店舗群と生活雑貨を中心とした店舗群に区分けし在庫の効率化を図りました。
店舗展開におきましては、当第1四半期連結累計期間における出店はなく、退店は1店舗、当第1四半期連結会計期間末の店舗数は「チチカカ」32店舗、「アウトレット」1店舗の合計33店舗となりました。
上記の施策を実施した結果、第1事業部では客単価の向上と粗利の改善、第2事業部では顧客売上高の改善、チチカカでは客単価の向上などの成果はみられたものの、全体としては物価上昇による低調な消費マインドの影響により、客数減少をカバーするには至らず、売上高は前年を下回る結果となりました。今後は集客イベントの実施やPRAMS ORDERの展開店舗拡大などの、客数増加に向けた対応を強化し、改善を目指してまいります。
以上の結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上高は12億62百万円(前年同期比15.9%減)、営業損失は1百万円(前年同四半期は36百万円の利益)、経常損失は17百万円(前年同四半期は39百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は28百万円(前年同期四半期は60百万円の利益)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産は24億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億73百万円増加いたしました。主に、現金及び預金2億37百万円、売掛金1億16百万円、商品1億92百万円、その他の流動資産66百万円、建物及び構築物5百万円等の増加及び敷金及び保証金43百万円等の減少であります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は15億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ86百万円増加いたしました。主に、買掛金1億78百万円、賞与引当金5百万円の増加及び未払法人税等29百万円、借入金14百万円、未払費用4百万円、資産除去債務39百万円等の減少であります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は9億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億86百万円増加いたしました。主に、第三者割当による新株式発行4億48百万円、第4回新株予約権の発行67百万円による増加及び利益剰余金28百万円の減少であります。
なお、2024年5月24日に開催された第35回定時株主総会において、資本準備金の額の減少及び剰余金の処分の件が決議されたため、会社法第448条第1項の規定に基づき、資本準備金の額を2億54百万円減少し、これをその他資本剰余金に振替えるとともに、会社法第452条の規定に基づき、振替後のその他資本剰余金4億65百万円を繰越利益剰余金へ振替える処理を、当第1四半期連結累計期間において実施しております。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。