当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、感染症による影響も弱まり、経済活動の正常化やインバウンドの回復、所得・雇用環境の改善などにより持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ・中東地域をめぐる情勢や米中関係の地政学的リスク、主要各国での金融引き締めによる金利上昇等により、資源・エネルギー価格の高騰や円安基調の為替変動、物価上昇などの影響が見られ、引き続き先行きには十分に注意する必要があります。
当社グループを取り巻く環境においては、引き続き開発依頼は高い需要を維持しております。産業分野では自動車や産業機器製造業向けの売上が大きく伸びております。技術分野ではシミュレータ・仮想空間技術の売上が落ち込んだものの、主力であります組込みソフトウェアをはじめ、セキュリティ及びセーフティの技術分野が好調に推移しました。さらに、第2四半期連結会計期間においてイーガー社を、当第3四半期連結会計期間においてテスコ社を新たに連結子会社とした影響もあり、売上高は前年同期比増収となりました。
営業利益においては、売上高が前年同期比で大幅に増収となったものの、増収に向けて外部リソース活用割合を増加させている他、給与水準の引き上げ、設立や株式取得による子会社の増加、新規事業の推進、事業の拡大、営業活動の強化などに向けた人員の増強や拠点の整備、コロナ関連の制限緩和による出張経費の増加、人材確保に向けた採用関連コストの増加等により売上総利益率の低下と販管費が増加した結果、前年同期比で微増となりました。なお、テスコ社においては、事業の特性上9月及び3月付近に売上が集中し利益貢献する傾向にあり、当第3四半期連結会計期間に取り込まれたテスコ社の財務数値は4月及び5月の業績になるため、粗利額に比して販管費が多く、連結売上高の増加には貢献しておりますが、営業利益に対しては減少の影響となっております。
経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益においては、Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)に係る補助金収入及び助成金収入等が減少したものの保険解約返戻金が増加した結果、前年同期比増益となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高2,438,400千円(前年同期比27.8%増)、営業利益209,916千円(同1.3%増)、経常利益264,478千円(同13.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益165,156千円(同20.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当第3四半期連結累計期間と前年同期の一方若しくは両方がマイナスの金額である場合は、前年同期比増減率の記載に代えて、前年同期額を記載しております。また、「センシング事業」は、当第3四半期連結会計期間より新たに報告セグメントとして追加したため、前年同期額、増減額及び前年同期比(%)は記載しておりません。
1. ソフトウェア開発事業
当セグメントにおいては、自動車・産業製品向けの制御ソフトウェアの受託、自動車関連のシミュレーション及びモデルベース開発技術の提案・開発・提供、近年の電子機器装置の安全性を担保するために必要なコンサルティング・安全性分析支援などを行っております。なお、連結子会社である株式会社スクデット・ソフトウェア及び第2四半期連結会計期間に株式取得し、新たに連結子会社としたイーガー社は当セグメントに含めております。
経営成績の状況といたしましては、シミュレータ・仮想空間の技術分野の売上が落ち込んだものの、組込みソフトウェアの技術分野で自動車及び産業機器向けの売上が好調に推移し、売上高は前年同期比増収となりました。
一方で、一部の人材リソースをサービスデザイン事業に異動させるとともに、増収に向けて外部リソースの活用割合を増加させている他、給与水準の引き上げなどにより粗利率の低下があり、営業利益は減益となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間において、売上高は2,082,134千円(前年同期比14.4%増)、セグメント利益(営業利益)は540,457千円(同4.5%減)となりました。
2. サービスデザイン事業
当セグメントにおいては、組込みシステム開発を通じて獲得した中核技術のノウハウを積極活用した新たな 商品及びサービスの提供などを行っております。なお、連結子会社である株式会社イマジナリー及び第1四半期連結会計期間に新たに設立した子会社であるクリスタライト社は当セグメントに含めております。
経営成績の状況といたしましては、事業の開始から間もなく、また、サービス事業創出のための投資を行っている段階でありますが、製造業DXであるデジタルツインなどの提供や自律製品の安全性に関する支援サービスなどにより、シミュレータ・仮想空間やセキュリティ及びセーフティの技術分野で自動車産業や産業機器製造業向けの売上が増加し、売上高及び営業利益は前年同期比増収増益となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間において、売上高は245,124千円(前年同期比438.4%増)、セグメント利益(営業利益)は57,803千円(前年同期は841千円のセグメント損失)となりました。
3.センシング事業
当セグメントにおいては、X線透過・CT装置の製造・販売・保守などを行っております。なお、当第3四半期連結会計期間に株式取得し、新たに連結子会社としたテスコ社は当セグメントに含めております。
経営成績の状況といたしましては、事業の特性上9月及び3月付近に売上が集中し利益貢献する傾向にあり、当第3四半期連結会計期間に取り込まれたテスコ社の財務数値は4月及び5月の業績になるため、粗利額に比して販管費が多く、連結売上高の増加には貢献しておりますが、営業利益に対しては減少の影響となっております。
この結果、当第3四半期連結累計期間において、売上高は79,378千円、セグメント損失(営業損失)は13,328千円となりました。
4. その他
当セグメントにおいては、株式会社アトリエ、株式会社ヴィッツ沖縄が含まれております。
経営成績の状況としましては、組込みソフトウェア、セキュリティ及びセーフティの技術分野で自動車産業や産業機器製造業向けの売上が好調に推移したため、売上高及び営業利益は前年同期比増収増益となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間において、売上高は222,187千円(前年同期比43.9%増)、セグメント利益(営業利益)は39,067千円(同63.6%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
流動資産は、2,359,771千円(前期末比4.6%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金1,782,628千円(同7.1%減)、受取手形、売掛金及び契約資産325,794千円(同81.4%増)、仕掛品135,456千円(同33.4%増)であります。
固定資産は、1,066,483千円(同60.0%増)となりました。主な内訳は、投資有価証券299,012千円(同48.3%増)、のれん232,101千円(同167.8%増)、保険積立金121,864千円(同23.2%減)、有形固定資産56,998千円(同35.4%増)であります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末における総資産は、3,426,255千円(同17.2%増)となりました。
(負債)
流動負債は、710,365千円(前期末比102.4%増)となりました。主な内訳は、賞与引当金111,743千円(同15.9%減)、買掛金91,776千円(同104.4%増)、未払法人税等66,695千円(同113.0%増)であります。
固定負債は、287,868千円(同10.5%増)となりました。主な内訳は、退職給付に係る負債196,255千円(同18.6%増)、長期未払金87,855千円(同4.0%減)であります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、998,233千円(前期末比63.3%増)となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、2,428,021千円(前期末比5.0%増)となりました。主な内訳は、資本金612,524千円(前期末同額)、資本剰余金547,013千円(前期末比0.0%減)、利益剰余金1,343,521千円(同10.8%増)であります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
なお、当第3四半期連結累計期間より、企業価値の向上に向けて、資本コスト及び資本効率を意識した経営を推進するために、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標に自己資本利益率(ROE)を追加しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)従業員数
第2四半期連結累計期間において、2023年12月1日付で、イーガー社の全株式を取得して連結子会社としたことに伴い、当社グループの従業員数が増加いたしました。これにより、報告セグメントの「ソフトウェア開発事業」において従業員数が19名増加しております。
当第3四半期連結累計期間において、2024年3月29日付で、テスコ社の全株式を取得して連結子会社としたことに伴い、当社グループの従業員数が増加いたしました。これにより、報告セグメントの「センシング事業」において従業員数が9名増加しております。
なお、従業員数は就業人数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、上記には臨時従業員数は含んでおりません。
(7)主要な設備
a 主要な設備の状況
当第3四半期連結累計期間において、完成した主要な設備の新設はありません。
b 設備の新設、除却等の計画
当第3四半期連結累計期間に新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
会社名 事業所名 |
|
セグメントの名称 |
設備の内容 |
投資予定金額 |
資金調達 方法 |
着手及び完了予定年月 |
完成後の増加能力 |
||
所在地 |
総額 (千円) |
既支払額 (千円) |
着手 |
完了 |
|||||
名古屋 本社 |
名古屋市 中区 |
全社 (共通) |
内装設備工事 及び敷金等 |
130,000 |
82,925 |
自己資金 |
2024年 5月 |
2024年 7月 |
(注) |
(注)完成後の増加能力については、計数的把握が困難であるため、記載を省略しております。
(8)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、50,808千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(9)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが認識している経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結会計期間末における資金の残高は1,482,628千円(前連結会計年度末1,318,611千円)となり、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。また、当社の経営戦略の1つである“次世代事業の創生”のための研究開発資金を十分に確保できているものと認識しております。
また、当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、主に営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としております。
当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
テスコ社の株式譲渡契約の締結
当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、テスコ社の全株式を取得し、子会社化することについて決議いたしました。また、2024年3月28日付で株式譲渡契約を締結し、2024年3月29日付で全株式を取得いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)取得による企業結合」に記載のとおりであります。