第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、エネルギーや原材料価格の高騰の影響が継続するとともに、世界的な金融引き締めに伴う景気後退リスクの懸念、中国経済における不動産市場低迷等による下振れリスク等、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 半導体・液晶関連事業(当社等)におきましては、半導体需要減少の在庫調整及び中国に対する先端半導体関連装置等に対する輸出規制の影響による半導体業界の設備投資の鈍化は続いているものの、半導体の用途拡大により半導体市場の成長が予測されるとともに、高まる地政学リスクに対応するため、世界各国において半導体工場の新設・増設計画が進められております。

 当社等においては、スマートフォン等のディスプレイ向け成膜装置メーカーからの受注を獲得するとともに、半導体製造装置メーカーの主たる国内顧客は依然として変化の兆しがなかったものの、米国・中国などの海外顧客において引き合いが出てくるなど、当社等を取り巻く環境が徐々に改善に向けて動き出しました。

 このような状況の中、一部顧客において製品出荷調整は続いているものの、半導体製造装置向けでは海外顧客の受注が堅調に推移し、成膜装置向けの出荷も重なったことから、生産稼働率も改善いたしました。

 また、ベトナム子会社で完成した第2工場に製造設備の搬入を進め、生産活動を開始するとともに、一部板金加工の内製化に取り組んでまいりました。

 さらに、これまで取り組んでまいりました高速RF制御システムをリリースし、CPUの通信がフルデジタルとなり高速処理が行えることから、より安定・微細なプロセスにも対応できる製品となっており、多様化する半導体製造装置への当社製品の採用に向けて、順次、顧客における製品評価を進めてまいります。

 研究機関・大学関連事業(IDX)におきましては、シリコンウエハ引上用装置向け電源及び研究機関向けの超電導電磁石用電源の出荷等があったものの、定期点検等の保守サービス案件は少なく、売上高は低調に推移いたしました。

 この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高8,107百万円(前年同期比13.6%減少)、営業利益1,041百万円(前年同期比36.6%減少)、経常利益1,355百万円(前年同期比13.8%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益909百万円(前年同期比21.1%減少)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 半導体・液晶関連事業(当社等)におきましては、売上高7,490百万円(前年同期比12.3%減少)、営業利益1,016百万円(前年同期比35.3%減少)となりました。

 研究機関・大学関連事業(IDX)におきましては、売上高616百万円(前年同期比27.2%減少)、営業損失30百万円(前年同期は営業利益29百万円)となりました。

 

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、次のとおりであります。

単位:百万円

項目

前第3四半期連結累計期間

(自 2022年9月1日

至 2023年5月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年9月1日

至 2024年5月31日)

売上高

9,385

8,107

売上総利益

3,764

3,110

営業利益

1,642

1,041

経常利益

1,572

1,355

親会社株主に帰属する四半期純利益

1,153

909

 

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

単位:百万円

項目

前第3四半期連結累計期間

(自 2022年9月1日

至 2023年5月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年9月1日

至 2024年5月31日)

売上高

営業利益

売上高

営業利益

半導体・液晶関連事業(当社等)

8,538

1,571

7,490

1,016

研究機関・大学関連事業(IDX)

847

29

616

△30

合計

9,385

1,600

8,107

986

(注)1.売上高は、各セグメントの外部顧客に対する売上高を表しております。

2.営業利益は、各セグメントの営業利益を表しております。

② 財政状態

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は26,444百万円であり、前連結会計年度末と比較して806百万円減少しております。

 これは、現金及び預金の減少(267百万円)、受取手形、売掛金及び契約資産の減少(379百万円)、仕掛品の減少(260百万円)、原材料及び貯蔵品の増加(249百万円)等によるものであります。

 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は14,780百万円であり、前連結会計年度末と比較して1,598百万円減少しております。

 これは、短期借入金の減少(1,050百万円)、未払金の減少(564百万円)等によるものであります。

 当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は11,663百万円であり、前連結会計年度末と比較して792百万円増加しております。

 これは、利益剰余金の増加(721百万円)等によるものであります。

 

(注)文中表記について

(当社等)

当社、Adtec Technology, Inc.、Adtec Europe Limited、ADTEC Plasma Technology Vietnam Co., Ltd.、

ADTEC Plasma Technology Korea Co., Ltd.、ADTEC Plasma Technology Taiwan Ltd.、ADTEC Plasma Technology China Ltd.及びAdtec Healthcare Limitedを表しております。

(IDX)

株式会社IDXを表しております。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、売上高経常利益率及び1株当たり当期純利益を指標等として選定しており、2024年7月12日付で2024年8月期の目標値は以下のとおり変更しております。

 

売上高(百万円)

経常利益(百万円)

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

1株当たり当期純利益(円)

変更前

10,800

1,000

690

80.62

変更後

11,600

1,800

1,200

140.21

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、520百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

(6)主要な設備

 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に完成したものは次のとおりであります。

会社名

事業所名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

完了年月

ADTEC Plasma Technology Vietnam Co., Ltd.

ベトナムバクニン省

半導体・液晶関連事業

第2工場棟

2023.9

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。