第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間における、本四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、景気の持ち直しの動きが見られました。しかしながら、国際情勢の不安定化や円安進行を背景に原材料価格及びエネルギー価格の上昇が続いており、先行きは不透明な状態が継続しております。

 このような状況下、当社グループは、社会的価値と経済的価値創出の両立を経営の基本方針として、社会貢献性が高く、付加価値の高い事業を複数展開するポートフォリオ経営を推進しております。また、その中でも優良な顧客基盤を有し、高い成長が期待できる「障がい者雇用支援サービス」、「環境経営支援サービス」、「広域行政BPOサービス」を重点注力分野と定め事業拡大に注力しております。

 ビジネスソリューション事業においては、主力の障がい者雇用支援サービスが好調に推移しました。繁忙期となる新年度を迎えたことで設備販売が大幅に増加し、増収増益を達成することができました。一方、広域行政BPOサービスは、営業活動を強化したことで、下期以降の案件の積み上げは進んだものの、当第2四半期連結累計期間は、国策案件の反動減により大幅な減収減益となりました。環境経営支援サービスは、新たに開始した自治体向けのコンサルティングサービスが順調に立ち上がり、売上を伸ばしましたが、利益率の高い企業向けのコンサルティングサービスの納品が下期に集中しているほか、人員強化など事業拡大に向けた先行投資を進めたことで、利益面では減益となりました。

 人材派遣サービスを主力とする人材ソリューション事業においては、回復の遅れが続きました。コールセンター業務の新型コロナ関連の売上減少の影響が大きく、また、年度末は例年退職者が増加する時期となっていることから、大幅な減収減益となりました。

 以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上収益は12,093百万円(前年同四半期比7.9%減)、営業利益は741百万円(前年同四半期比50.8%減)、税引前四半期利益は650百万円(前年同四半期比55.2%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は684百万円(前年同四半期比29.3%減)となりました。

 

 当第2四半期連結累計期間のセグメント経営成績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。

 

①ビジネスソリューション事業

[事業概要]

 ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者の就労に適した農園を企業に貸し出し、主に知的障がい者の採用・教育から定着までを支援するサービスを行っています。株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを企業の経営課題や業務課題の解決に役立てるサービスを提供しています。

 後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販商品の発送を代行する物流サービスを行っています。株式会社エスプールリンクは、アルバイトやパートの採用業務の一部を代行するサービスを提供しており、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得業務や販売促進業務を行っています。ブルードットグリーン株式会社は、温室効果ガス排出量の算定や環境情報の開示に関するコンサルティング、カーボンオフセット仲介など、企業の環境経営を支援するサービスを提供しています。株式会社エスプールグローカルでは、複数の自治体の行政業務を一括で受託する広域行政BPOサービスを行っています。

 

[当第2四半期連結累計期間の経営成績]

 障がい者雇用支援サービスでは、2024年4月の法定雇用率の引き上げに伴い、企業からの引き合いは新規・既存ともに活発な状況が続きました。新年度に合わせて農園利用を開始する企業が集中する時期となり、設備販売が大きく増加したほか、新農園に就労する障がい者の採用・教育も順調に進んだことで、前倒しでの納品も進めることができました。広域行政BPOサービスは、国策案件の終了に伴い大幅な減収減益となりましたが、下期以降の案件獲得に向けた営業活動は順調に進んでおり、売上回復に向けた足掛かりを作ることができました。環境経営支援サービスでは、新たに開始した自治体向けコンサルティングサービスの受注が27自治体に達し、売上は順調な伸びとなりました。一方、利益面では、利益率の高い企業向けのコンサルティングサービスの納品が下期に集中しているほか、人員強化など事業拡大に向けた先行投資を進めたことで減益となりました。その他のサービスでは、採用支援サービスは、生産性の向上等により利益面を中心に堅調な伸びとなりましたが、ロジスティクスアウトソーシングサービスは、物流センターの運営業務からの撤退等の影響により減収減益となりました。その結果、当第2四半期連結累計期間の売上収益は6,577百万円(前年同四半期比10.2%増)、営業利益は1,182百万円(前年同四半期比27.3%減)となりました。

 

②人材ソリューション事業

[事業概要]

 人材ソリューション事業は、人材派遣サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンター等のオフィスサポート業務とスマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務、ホテル業など接客業務に関する人材サービスを展開しています。サービスの特徴は、フィールドコンサルタント(FC)と呼ばれる同社の従業員と派遣スタッフをチームで派遣する「グループ型派遣」の形態を採用している点になります。派遣先に常駐するFCが派遣スタッフを現場で手厚くフォローすることで、未経験者を短期間で育成できるだけでなく定着率の向上にもつながり、顧客満足度の向上とシェア拡大につながっています。

 

[当第2四半期連結累計期間の経営成績]

 主力のコールセンター向けの人材派遣サービスにおいては、新型コロナ関連の業務縮小による売上減少はようやく止まりましたが、当第2四半期は年度末に合わせて退職者が増加する時期となり、売上の減少が続きました。販売支援業務については、人手不足が深刻なインバウンド関連の業務に注力したことにより、ホテルや空港関連の案件の獲得が進みましたが、コールセンター業務同様、年度末の退職者増加の影響を受け、売上は前年とほぼ同水準にとどまりました。その結果、当第2四半期連結累計期間の売上収益は5,556百万円(前年同四半期比22.9%減)、営業利益は424百万円(前年同四半期比33.6%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

①資産

 当第2四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末から218百万円減少し、6,906百万円となりました。人材ソリューション事業の売上減少に伴い営業債権及びその他の債権が275百万円減少しております。

 当第2四半期連結会計期間末の非流動資産は、前連結会計年度末から4,478百万円増加し、30,732百万円となりました。障がい者雇用支援サービス拡大のため、株式会社エスプールプラスにて、新規農園の建設や既存農園の増設をしており、有形固定資産1,497百万円、使用権資産2,758百万円増加しております。

 

②負債

 当第2四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末から1,309百万円増加し、10,470百万円となりました。短期借入金の追加借入及び1年内返済予定の長期借入金の振替により借入金(流動)が800百万円増加しております。

 当第2四半期連結会計期間末の非流動負債は、前連結会計年度末から3,037百万円増加し、18,761百万円となりました。新規農園の開設等による土地及び建物の賃貸によりリース負債(非流動)が2,474百万円増加しております。

 

③資本

 当第2四半期連結会計期間末の資本は、親会社の所有者に帰属する四半期利益により684百万円増加し、一方、第24期期末配当により790百万円減少し、8,407百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物は前連結会計年度末から146百万円増加し、3,525百万円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同四半期比328百万円増加の2,431百万円の収入(前年同四半期は2,103百万円の収入)となりました。これは、税引前四半期利益が650百万円、減価償却費及び償却費が1,623百万円、営業債権及びその他の債権の減少が275百万円、その他の増減が231百万円、法人所得税の支払額が366百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同四半期比270百万円減少の2,051百万円の支出(前年同四半期は2,321百万円の支出)となりました。これは、主に株式会社エスプールプラスの新農園建設等による有形固定資産の取得による支出1,878百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、233百万円の支出(前年同四半期は1,498百万円の収入)となりました。これは、長期借入による収入1,500百万円、長期借入金の返済による支出432百万円、リース負債の返済による支出1,013百万円、配当金の支払額787百万円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(8)従業員数

 当第2四半期連結累計期間において、連結会社及び提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(9)生産、受注及び販売の実績

 当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

 

(10)主要な設備

 当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定、または締結等はありません。