当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
(1) 業績の状況
当第3四半期累計期間における当社の経営成績は、次の表のとおりです。
当社は当第3四半期累計期間において、主力商品の『ほぼ日手帳2024』を例年通り2023年9月1日より、4月はじまり版の『ほぼ日手帳2024 spring』を2024年2月1日より販売開始しました。また1月にはより多くの方に商品をお試しいただく機会を増やすために自社ECサイト「ほぼ日ストア」で3年ぶりのセールをおこないました。
『ほぼ日手帳』はこれまでもブランド、IPやアーティストとのコラボレーションを実施してきました。当第3四半期累計期間においては前年も大きな反響があった「ONE PIECE magazine」と引き続きコラボレーションを実施し、1日1ページの手帳本体やカバー、オリジナル文具を発売しました。今後も取組み先と当社の双方が新たなお客様に出会えるような多様なコラボレーションを目指していきます。また、国内ではより多くのお客様の手にとってもらえるように、「ほぼ日ストア」以外の外部ECサイトでの販売を強化しています。
欧米でのほぼ日手帳への関心も引き続き高く、ほぼ日手帳関連のコンテンツやSNSの英語対応の強化、海外での展示イベントの実施により認知の拡大を進めています。2024年版では主に海外に向けた新商品として、『手帳本体オリジナル英語版』や張り手帳タイプの『ほぼ日手帳HON英語版』を発売し、手帳本体のラインナップを拡充しました。また「ほぼ日ストア」に言語、通貨、決済手段の対応範囲を広げるDtoC越境EC向けサービスを導入し、お客様が日常で利用している決済手段で購入できること、関税・税金込みの価格で事前決済が可能になることで、より安心して購入していただけるようになりました。これらの結果、海外売上高の前年同期比は直販売上で31.4%増、卸売上で23.3%増と北中米、ヨーロッパを中心に大きく伸長し、『ほぼ日手帳』における海外売上高の構成比率は54.4%(前年同期比5.2pt増)と上昇しました。今後も世界各国での販路の拡大や購入時の利便性向上を推進し、海外売上高の伸長を図っていきます。
結果として『ほぼ日手帳』全体の売上高は国内外ともに手帳本体・カバーが好調に推移し、前年同期比18.3%増(国内6.2%増、海外30.8%増)となりました。当第3四半期累計期間までの2024年版の販売部数は2023年版の総販売部数を超え87万部となり、2001年10月に初版部数12,000冊からスタートしたほぼ日手帳の累計販売部数は1,000万部を突破しました。
手帳以外の商品については、前年同期比5.7%減となりました。セールによる売上増加の一方で、暖冬の影響もありアパレルや寝具などの冬物商品の動きが低調となったほか、前期はさまざまなお買い物企画や催しが集まるコンテンツのフェスティバル「生活のたのしみ展」を4月29日より開催していましたが、今期は開催がないことにより売上が減少しています。次回は2025年1月の開催を予定しています。
これらの結果、総売上高は5,998,306千円(前年同期比8.7%増)となりました。
売上原価については、『ほぼ日手帳』の売上構成比率が上昇した結果、売上原価率40.3%(前年同期比1.0pt減)となりました。販売費及び一般管理費については、新たなジャンルのコンテンツや販路の開拓を目的として行った「大開拓採用」による人員増加の結果、人件費が増加しました。また、海外直営販路での売上増加により販売費用が増加しました。
その結果、当第3四半期累計期間の営業利益は689,435千円(前年同期比1.5%増)、経常利益は689,238千円(前年同期比3.0%増)、四半期純利益は473,905千円(前年同期比2.9%増)となりました。
その他の事業活動として、動画サービス「ほぼ日の學校」(アプリ及びWEBで提供)では、「人に会おう、話を聞こう。」をコンセプトに、新しい学びの「場」をつくることを目指しています。今期はエジプト考古学者の河江肖剰さん、漫画家のあだち充さん、俳優の佐藤二朗さんなどの動画を配信しました。また解剖学者の養老孟司さんを皮切りに「老いと死」をテーマにした特集を年間企画として開始しました。春休みには、植物観察家の鈴木純さんと街なかを一緒にお散歩しながら学ぶ授業や、子ども向けの公開収録も開催し、リアルな交流の場も増やしています。
ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」ではプロフィギュアスケーターの羽生結弦さんと糸井重里の対談「いつ世界が終わっても。」が大きな反響を呼びました。また、「ほぼ日の學校」と連動した養老孟司さんとの対談「生死については、考えてもしょうがないです。」を読みものコンテンツとしても公開しました。ほぼ日のさまざまな商品を生配信で紹介する「ほぼ日LIVEコマァ~ス」や、LINEアカウントメディアなどの外部媒体でのアーカイブの人気記事の配信、活字以外のメディアでもたくさんの方に楽しんでもらえるように、オーディオブック「聞く、ほぼ日。」の配信など、音声や動画としてのコンテンツ提供にも力を入れています。
渋谷PARCO「ほぼ日曜日」では、スピッツの草野マサムネさんと画家のjunaidaさんが作った絵本『ひみつストレンジャー』の原画展「ひみつストレンジャー展」を開催し、12,000人を超えるお客様にご来場いただきました。また「TOBICHI」では靴やアクセサリーなどの販売イベントや原画展などを開催しました。
このように、当社は運営する「場」において、生活のたのしみとなるような「いい時間」を過ごしていただけるよう、コンテンツを作り、編集し届けています。こうしたすべての活動の結果が当社の業績につながっています。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
(2) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)
流動資産は、3,944,027千円と前事業年度末に比べて416,296千円の減少となりました。これは主に商品の減少864,732千円、売掛金の減少588,714千円、その他に含まれる前渡金の減少42,368千円、現金及び預金の増加1,036,171千円、仕掛品の増加53,062千円によるものです。
有形固定資産は、273,717千円と前事業年度末に比べて17,611千円の減少となりました。これは主に減価償却による減少40,160千円、建物の取得による増加10,219千円、工具、器具及び備品の取得による増加7,769千円によるものです。
無形固定資産は、563,674千円と前事業年度末に比べて145,933千円の増加となりました。これは主に「ほぼ日の學校」などのソフトウエア取得による増加45,516千円、ソフトウエア仮勘定の増加167,112千円、減価償却による減少67,896千円によるものです。
投資その他の資産は、811,865千円と前事業年度末に比べて33,706千円の増加となりました。これは主に投資有価証券の時価評価額の増加54,545千円、その他に含まれる長期前払費用の増加20,501千円、その他に含まれる繰延税金資産の減少41,411千円によるものです。
(負債の部)
流動負債は、748,614千円と前事業年度末に比べて682,255千円の減少となりました。これは主に買掛金の減少765,068千円、未払法人税等の減少74,754千円、賞与引当金の減少36,031千円、その他に含まれる未払消費税等の増加195,657千円によるものです。
固定負債は、237,409千円と前事業年度末に比べて21,025千円の増加となりました。これは主に退職給付引当金の増加20,708千円によるものです。
(純資産の部)
純資産の部は、4,607,262千円と前事業年度末に比べて406,962千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加369,502千円、その他有価証券評価差額金の増加37,389千円によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。