当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績の分析
当中間連結会計期間においては、売上高は前年同期を上回りました。
「電子・情報」の分野においては、ディスプレイ事業は、市況の回復により出荷が増加し、販売価格も上昇したことから、売上高は前年同期を上回りました。電子デバイス事業は、半導体向け製品の需要が好調に推移したほか、その他の製品も需要が緩やかに回復し、売上高は前年同期を上回りました。
「機能材料」の分野においては、複合材事業は、自動車部品向け高機能樹脂用途を中心に製品需要が回復しつつあるものの、厳しい競争環境が続いていることから、売上高は前年同期を下回りました。医療事業は、需要が低迷しており、売上高は前年同期並みに留まりました。耐熱事業は、需要が軟調なことから、売上高は前年同期を下回りました。建築事業は、需要が堅調なことから、売上高は前年同期を上回りました。
これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は1,547億17百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
損益面においては、原材料及びエネルギーの価格の高止まりや物流費用の高騰により製造原価が上昇した一方、ディスプレイ事業の稼働率上昇を中心とした製造原価低減の効果がありました。この他、半導体向け製品の好調な販売により、営業利益は28億75百万円(前年同期は営業損失57億42百万円)となりました。営業利益に加えて、営業外収益として海外子会社の借入に係る債権債務の評価替えによる為替差益等があったことから、経常利益は102億76百万円(前年同期は経常損失30億66百万円)となりました。また、前年同期は多額の事業構造改善費用を計上したこともあり親会社株主に帰属する中間純損失157億11百万円を計上しましたが、当中間連結会計期間においては、中期経営計画「EGP2028」に沿ってノンコア資産の処分と政策保有株式の縮減を行い、固定資産売却益、投資有価証券売却益を特別利益に計上したこと等から、親会社株主に帰属する中間純利益302億2百万円を計上しました。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)のセグメントは、ガラス事業単一です。
(2)財政状態の分析
〔総資産〕
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して434億10百万円増加し、7,473億28百万
円となりました。流動資産では、有形固定資産及び投資有価証券の売却等により現金及び預金が増加しました。
また、売上高の増加により受取手形、売掛金及び契約資産が増加し、商品及び製品が減少しました。固定資産で
は、設備投資等により有形固定資産が増加しました。
〔負債〕
当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比較して28億81百万円増加し、2,166億68百万円
となりました。流動負債では、税金等調整前中間純利益を計上したことから、未払法人税等が増加しました。ま
た、返済期限が1年以内の長期借入金を振り替えたことにより、流動負債が増加し、固定負債が減少しました。
〔純資産〕
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比較して405億29百万円増加し、5,306億59百万
円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益を計上したこと等により利益剰余金が増加しました。また、
主要な通貨において円安に振れたことから、為替換算調整勘定が増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ441億6百万円増加し、1,191億89
百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
当中間連結会計期間は、税金等調整前中間純利益を計上したことに加え、棚卸資産が減少したこと等によ
り、258億47百万円の収入となりました(前年同期は92億36百万円の支出)。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
ディスプレイ事業や電子デバイス事業において固定資産を取得した一方、ノンコア資産の処分や韓国拠点の清
算により固定資産を売却しました。また、投資有価証券の売却を進めました。これらの結果、当中間連結会計期
間において投資活動で取得した資金は330億37百万円(前年同期は207億28百万円の支出)となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
自己株式の取得や株主への配当金の支払い、短期借入金の返済を行ったこと等から、当中間連結会計期間にお
いて財務活動に使用した資金は183億50百万円(前年同期は57億97百万円の収入)となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループは、「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」という企業理念を実現することを目的に研究開発活動に取り組んでいます。また、材料開発・プロセス開発・製品開発の一体的な開発体制構築により製品開発と事業化のスピードアップを目指し、その成果を当社の中長期の成長のための経営戦略に反映させていきます。
当社の研究開発活動は、研究開発部門と製造部門が密接に連携をとりながら行っています。また、研究開発活動を支援するため、企業戦略部が中長期の事業戦略の企画立案を、マーケティング部が市場、製品、技術に係る情報の収集や分析、製品や技術のプロモーション、顧客獲得のための情報発信等を、知的財産部が知的財産の調査、権利化、活用等を担っています。
研究開発部門には基盤技術部、研究開発本部、プロセス技術本部があります。基盤技術部は、ガラスの基礎研究(ガラス構造解析、強度、高温融体等)に取り組んでいます。研究開発本部及びプロセス技術本部は、科学的なアプローチに基づき、材料並びにプロセスの設計や開発、特性評価を行っています。また、これらのコア技術をベースに、ガラスの特徴を最大限に活かしてより高い機能を引き出し、中長期に亘り社会や産業界のニーズに応える次世代ガラスによる新製品を創出していきます。
これらの研究開発には、計算科学(ICTやAI等を活用したデータ解析を含む)を用いるとともに、特定の領域で高い専門知識や技術を有する国内外の大学や研究機関、企業との共創を推進することで、開発の強化を図っています。
製造部門では、製造プロセス技術の維持や改善、その技術を活かしたガラスの高機能化を主たる目的に各事業分野の発展につながる製品及び製造プロセス技術の研究開発を、研究開発部門と密接に連携をとりながら行っています。
当中間連結会計期間における当社グループの研究開発費は38億96百万円となりました。これは、研究開発部門において20億21百万円、製造部門において18億74百万円を使用したものです。
当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。