当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
<当中間連結会計期間(2024年1月~6月)連結業績の概要>
(単位:百万円)
当社グループは「すべての人にインターネット」をコーポレートキャッチのもと、1995年の創業以来一貫して、インターネットのインフラ・サービスインフラの提供に経営資源を集中してきました。インターネットの普及とともにインターネット上のデータ量・トランザクション量は級数的に増加し、当社グループの事業機会も拡大し続け、ストック型収益モデルのインターネットインフラ事業が業績を牽引してまいりました。昨今の、新型コロナウイルス感染症拡大を機にDXの進展やオンライン消費の定着は不可逆的なトレンドとなり、当社グループのサービスに対するニーズの高まりとともに当社グループの事業機会はより一層拡大しているものと考えています。
このような事業環境のもと、(1)No.1サービスの集合体となっているインターネットインフラ事業は、ドメイン事業を中心に顧客基盤が拡大する中、キャッシュレス化の潮流を受けて引き続き好調の決済事業を中心に業績を牽引しました。(2)インターネット広告・メディア事業は、広告事業で一部業種の広告予算縮小があった一方、メディア事業では自社商材を介した送客支援が好調に推移しました。(3)インターネット金融事業における店頭FX取引では、為替が円安一方向に進行したことにより市場のボラティリティが低下し収益は軟調に推移しました。CFD取引は、世界的な株高を追い風に株価指数の取引高が拡大し堅調に推移しました。一方、当中間連結会計期間においてはタイ証券事業での貸倒引当金繰入額約45億円の計上があり減益となりました。(4)暗号資産事業は、暗号資産市場が復調基調に戻り、取引高が活発に推移したことで黒字となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間における売上高は136,480百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は24,010百万円(同16.4%増)、経常利益は25,238百万円(同12.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は7,722百万円(同21.7%増)となりました。
<当中間連結会計期間(2024年1月~6月)セグメント毎の売上高・営業利益の状況>
(単位:百万円)
各セグメントの事業の内容は、以下のとおりです。
当中間連結会計期間のセグメント別の業績は以下のとおりです。
①インターネットインフラ事業
当該セグメントにおいては、インターネットビジネスを手掛けるお客様のビジネス基盤となるサービスをワンストップで提供しています。主な商材は、インターネットにおける住所となる「ドメイン」、データを保管するための「サーバー」、ネットショップ導入のためのプラットフォームを提供する「EC支援」、決済システムを提供する「決済」、これら取引の安全を図る「セキュリティ」です。これら5大商材すべてを自社グループ内で開発・提供しており、いずれも国内トップシェアを有しています。この他、個人向けにインターネット接続サービスを提供するアクセス事業を運営しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。
1)ドメイン事業
当該事業は、他のインフラ商材の起点と位置づけており、当社やGMOペパボなどで低価格戦略により顧客基盤の拡大が継続しています。当中間連結会計期間におけるドメイン登録・更新数は455万件(前年同期比36.0%増)となり、当中間連結会計期間末の管理累計ドメイン数は1,001万件(同32.1%増)となりました。これらの結果、売上高は5,185百万円(同10.8%増)となりました。
2)クラウド・ホスティング事業
当該事業では、お客様の利用ニーズの多様化に対応するため、当社やGMOグローバルサイン・ホールディングスならびにGMOペパボなどが共用サーバー、専用サーバー、VPS、クラウドの各サービスにおいて多ブランド展開を行っています。一部の個人向けサーバーの需要が軟調に推移し当中間連結会計期間末の契約件数は111.4万件(前年同期比0.1%減)と微減となりましたが、法人向け需要の増加により、売上高は10,544百万円(同7.0%増)となりました。
3)EC支援事業
当該事業では、GMOペパボ、GMOメイクショップなどがネットショップ導入のためのプラットフォームを提供するECプラットフォーム、CtoCハンドメイドマーケット『minne』、オリジナルグッズ作成・販売サービス『SUZURI』、O2O支援サービスなどを展開しています。当中間連結会計期間末のECプラットフォームにおける有料店舗数は5.0万件(前年同期比6.4%減)と減少しましたが、高価格帯プランへの転換が順調にすすみ、当中間連結会計期間の流通総額は2,565億円(同7.0%増)となりました。一方、『minne』では、低価格帯作品の流通規模の縮小が続いており流通金額は59億円(同14.6%減)となりました。これらの結果、売上高は7,234百万円(同10.0%減)となりました。
4)セキュリティ事業
当該事業では、GMOグローバルサイン・ホールディングスを中核として展開するSSLサーバー証明書、電子契約サービス『電子印鑑GMOサイン』などの暗号セキュリティ、GMOサイバーセキュリティbyイエラエおよびFlatt Securityで展開するサイバーセキュリティ、そしてGMOブランドセキュリティで展開するブランドセキュリティなど、すべてのひとに安心安全なインターネットを提供するセキュリティサービスを展開しています。GMOブランドセキュリティによる収益貢献や、『電子印鑑GMOサイン』の契約数・送信件数がともに好調に推移した影響もあり、売上高は9,313百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
5)決済事業
当該事業では、GMOペイメントゲートウェイを中核として、総合的な決済関連サービスおよび金融関連サービスを提供しています。決済関連サービスは、オンライン課金・継続課金分野におけるEC市場の順調な成長に加え、対面においてもキャッシュレス決済市場の拡大とともに次世代決済プラットフォーム『stera』端末等の取扱いが好調に推移しました。これらの結果、決済処理件数・決済処理金額が順調に増加し、売上高は35,902百万円(前年同期比13.3%増)となりました。
6)アクセス事業
当該事業では、当社が個人向けのインターネット接続サービスを提供しています。自社固定回線が好調に推移したもののセールスミックスの変化により当中間連結会計期間末の契約回線数は224万件(前年同期比1.2%減)と減少しました。その結果、売上高は20,146百万円(同0.3%減)となりました。
以上、これらを含めたインターネットインフラ事業セグメントの売上高は90,696百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は18,665百万円(同43.6%増)となりました。
②インターネット広告・メディア事業
当該セグメントにおいては、インターネットビジネスを手掛けるお客様の集客支援サービスを提供しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。
1)インターネット広告事業
当該事業では、GMOアドパートナーズ、GMO TECHなどが広告代理、アドプラットフォームの提供など総合的なネット広告サービスを提供しています。広告代理では自社商材の拡販が好調に推移しましたが一部業種の広告予算縮小がありました。これらの結果、売上高は8,276百万円(前年同期比9.5%減)となりました。
2)インターネットメディア事業
当該事業では、GMOメディアなどが自社メディアの運営を通じた広告枠の提供、サービスを提供しています。自社商材を介した送客支援が引き続き好調に推移しました。これらの結果、売上高は6,503百万円(前年同期比15.1%増)となりました。
以上、これらを含めたインターネット広告・メディア事業セグメントの売上高は17,210百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は1,310百万円(同27.7%増)となりました。
③インターネット金融事業
当該セグメントにおいては、GMOフィナンシャルホールディングスの連結子会社であるGMOクリック証券を中核として、個人投資家向けのインターネット金融サービスを展開しています。当中間連結会計期間末における店頭FX取引口座数は、152.1万口座(前年同期比4.5%増)、証券取引口座が53.0万口座(同2.8%増)と増加しています。店頭FX取引については、円安が一方向に進行したことにより市況のボラティリティが低下し収益は軟調に推移しました。一方CFD取引では、世界的な株高を受け株価指数が活況に推移したことにより収益が拡大しました。
以上、インターネット金融事業セグメントの売上高は21,823百万円(前年同期比12.9%減)、タイ王国での証券事業において貸倒引当金繰入額約45億円を計上し、営業利益は2,849百万円(同62.5%減)となりました。
④暗号資産事業
当該セグメントにおいては、暗号資産の「マイニング」、「交換」、「決済」に関わる事業を展開しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。
1)暗号資産マイニング事業
当該事業では、マイニングセンターの運営を行っています。現在、マイニングセンターの稼働が停止しており、売上高は0百万円(前年同期比100.0%減)となりました。なお、固定費は抑制されており業績の下振れリスクは限定的です。
2)暗号資産交換事業
当該事業では、GMOフィナンシャルホールディングスの連結子会社であるGMOコインなどが、暗号資産の現物取引、レバレッジ取引などを提供しています。当中間連結会計期間末における取引口座数は、64.5万口座(前年同期比12.2%増)と、顧客基盤が順調に拡大しました。売買代金についても、市況の盛り上がりを受けて好調に推移しました。これらの結果、売上高は3,950百万円(前年同期比131.0%増)となりました。
以上、これらを含めた暗号資産事業セグメントの売上高は4,100百万円(前年同期比89.7%増)、営業利益は1,339百万円(前年同期は823百万円の営業損失)となりました。
⑤インキュベーション事業
当該セグメントにおいては、GMOベンチャーパートナーズを中核として、キャピタルゲインを目的とした国内外のインターネット関連企業への投資、事業拡大への支援、企業価値向上支援を行っています。保有する投資有価証券の売却および評価損の計上があり、売上高は1,004百万円(前年同期比54.0%増)、営業利益は139百万円(同24.7%増)となりました。
<資産、負債及び純資産の状況>
(資産)
当中間連結会計期間末(2024年6月30日)における資産合計は、前連結会計年度末(2023年12月31日)に比べ167,405百万円増加し、1,925,041百万円となっております。主たる変動要因は、現金及び預金が23,915百万円増加、利用者暗号資産が77,453百万円増加、有形固定資産が16,751百万円増加、投資有価証券が26,344百万円増加、証券業等における顧客資産の変動により諸資産(証券業等における預託金・証券業等における信用取引資産・証券業等における有価証券担保貸付金・証券業等における短期差入保証金・証券業等における支払差金勘定)が14,141百万円増加したことであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ148,145百万円増加し、1,732,943百万円となっております。主たる変動要因は、借入金が58,693百万円増加、預り暗号資産が77,453百万円増加、契約負債が1,247百万円増加、証券業等における顧客資産の変動により諸負債(証券業等における預り金・証券業等における信用取引負債・証券業等における受入保証金・証券業等における受取差金勘定・証券業等における有価証券担保借入金)が10,722百万円増加したことであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ19,259百万円増加し、192,098百万円となっております。主たる変動要因は、利益剰余金が1,979百万円増加(親会社株主に帰属する中間純利益の計上により7,722百万円の増加、配当金の支払いにより3,333百万円の減少、自己株式の消却により2,410百万円の減少)、自己株式が消却により2,410百万円減少、為替換算調整勘定が3,162百万円増加、非支配株主持分が12,655百万円増加したことであります。
当中間連結会計期間末(2024年6月30日)における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末(2023年12月31日)に比べ26,390百万円増加し、415,307百万円となっております。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、17,296百万円の資金流入(前年同期は483百万円の資金流出)となりました。これは主に、法人税等の支払により10,931百万円、未払金の減少により6,648百万円の資金流出があった一方、税金等調整前中間純利益の計上により26,338百万円、減価償却費の計上により6,289百万円、貸倒引当金の増加により4,554百万円の資金流入があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、48,273百万円の資金流出(前年同期は10,704百万円の資金流出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却により16,890百万円の資金流入があった一方、投資有価証券の取得により42,445百万円、有形固定資産の取得により17,305百万円の資金流出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、52,382百万円の資金流入(前年同期は32,252百万円の資金流入)となりました。これは主に、社債の償還により10,110百万円の資金流出があった一方、長短借入金の増減により56,345百万円、社債の発行により10,913百万円の資金流入があったことによるものです。
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は152百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)インターネット金融事業に関する契約について
(2)GMOアドパートナーズ株式会社(連結子会社)との吸収分割