当第1四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
(1) 業績の状況
当第1四半期累計期間における当社の経営成績は、次の表のとおりです。
当社は当第1四半期累計期間において、主力商品の『ほぼ日手帳2024』を例年通り2023年9月1日より販売開始しました。『ほぼ日手帳』はこれまでもブランド、IPやアーティストとのコラボレーションを実施してきました。当第1四半期累計期間においては前年大きな反響があった「ONE PIECE magazine」と引き続きコラボレーションを実施し、1日1ページの手帳本体やカバー、オリジナル文具を発売しました。今後も取組み先と当社の双方が新たなお客様に出会えるような多様なコラボレーションを目指していきます。また、国内ではより多くのお客様の手にとってもらえるように、自社ECサイト「ほぼ日ストア」以外の外部ECサイトでの販売を強化しています。
欧米でのほぼ日手帳への関心も引き続き高く、ほぼ日手帳関連のコンテンツやSNSの英語対応の強化、海外での展示イベントの実施により認知の拡大を進めています。2024年版では主に海外に向けた新商品として、『手帳本体オリジナル英語版』や張り手帳タイプの『ほぼ日手帳HON英語版』を発売し、手帳本体のラインナップを拡充しました。また「ほぼ日ストア」に言語、通貨、決済手段の対応範囲を広げるDtoC越境EC向けサービスを導入し、お客様が日常で利用している決済手段で購入できること、関税・税金込みの価格で事前決済が可能になることで、より安心して購入していただけるようになりました。これらの結果、海外売上高の前年同期比は直販売上で27.9%増、卸売上で25.1%増と北中米、ヨーロッパを中心に大きく伸長し、『ほぼ日手帳』における海外売上高の構成比率は53.5%(前年同期比3.9pt増)と上昇しました。今後も世界各国での販路の拡大や購入時の利便性向上を推進し、海外売上高の伸長を図っていきます。
結果として『ほぼ日手帳』全体の売上高は国内外ともに手帳本体・カバーが好調に推移し、前年同期比18.4%増(国内9.2%増、海外27.6%増)となりました。
手帳以外の商品については、前年同期比3.0%減となりました。ファッション関連商品が好調に推移した一方で、AR地球儀「ほぼ日のアースボール」などの生活雑貨の売上が減少しました。
これらの結果、売上高は2,922,512千円(前年同期比9.6%増)となりました。
売上原価については、『ほぼ日手帳』の売上構成比率が上昇した結果、売上原価率37.0%(前年同期比0.5pt減)となりました。販売費及び一般管理費については、海外直営販路での売上増加により販売費用が増加しました。
その結果、当第1四半期累計期間の営業利益は730,335千円(前年同期比6.5%増)、経常利益は732,462千円(前年同期比6.3%増)、四半期純利益は506,428千円(前年同期比6.3%増)となりました。
その他の事業活動としては、動画サービス「ほぼ日の學校」(アプリ及びWEBで提供)では、「人に会おう、話を聞こう。」をコンセプトに、新しい学びの「場」をつくることを目指し、有名無名問わず様々なジャンルの講師による授業を配信しています。最近では、動画配信に加えてリアルイベントの開催も活性化しており、漫画『BLUE GIANT』の作者との鼎談付きの映画上映会や、村上春樹さん原作の舞台『ねじまき鳥クロニクル』とコラボレーションしたミニワークショップ付きのトークショー、タレントの伊集院光さんと糸井重里の対談などのイベントを開催しました。また、全日本空輸株式会社(以下ANA)とは業務提携を続け、ANAのお客様への動画コンテンツも提供しています。ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」では俳優の松重豊さんとフードスタイリスト飯島奈美さんの「飯島食堂へようこそ。」やマンガ編集者の林士平さんとの対談「マンガ編集者、林士平の即答。」が多くの方に読まれました。また、ほぼ日のさまざまな商品を生配信で紹介する「ほぼ日LIVEコマァ~ス」や、LINEアカウントメディアなどの外部媒体でアーカイブの人気記事などの配信をしています。活字以外のメディアでもたくさんの方に楽しんでもらえるよう、オーディオブック「聞く、ほぼ日。」やYouTubeチャンネル「ほぼべりTUBE」など、音声や動画としてのコンテンツ提供にも力を入れています。
渋谷PARCO「ほぼ日曜日」では、ファッションブランド「ANREALAGE」と体験型の展覧会「6DOORS」を9月から10月初旬まで開催したほか、前年も好評だった多品種のりんご狩りを室内で楽しめるイベント「りんご狩りかもしれない展」を11月に開催しました。「TOBICHI」ではフォトグラファーの矢嶋修さんの写真展などを開催しました。
このように、当社は運営する「場」において、生活のたのしみとなるような「いい時間」を過ごしていただけるよう、コンテンツを作り、編集し届けています。こうしたすべての活動の結果が当社の業績につながっています。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
(2) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)
流動資産は、4,307,657千円と前事業年度末に比べて52,666千円の減少となりました。これは主に商品の減少515,375千円、現金及び預金の増加449,403千円、売掛金の増加11,576千円、その他に含まれる前払費用の増加17,324千円によるものです。
有形固定資産は、285,404千円と前事業年度末に比べて5,924千円の減少となりました。これは主に減価償却による減少13,031千円、工具、器具及び備品の取得による増加3,498千円、その他に含まれる車両運搬具の取得による増加3,608千円によるものです。
無形固定資産は、413,401千円と前事業年度末に比べて4,339千円の減少となりました。これは主に「ほぼ日の學校」のソフトウエア取得による増加38,951千円、その他に含まれるソフトウエア仮勘定の減少21,827千円、減価償却による減少22,664千円によるものです。
投資その他の資産は、758,427千円と前事業年度末に比べて19,730千円の減少となりました。これは主に投資有価証券の時価評価額の増加6,730千円、その他に含まれる繰延税金資産の減少32,117千円によるものです。
(負債の部)
流動負債は、930,349千円と前事業年度末に比べて500,520千円の減少となりました。これは主に買掛金の減少751,128千円、賞与引当金の減少94,659千円、未払金の増加174,276千円によるものです。
固定負債は、227,589千円と前事業年度末に比べて11,205千円の増加となりました。これは主に退職給付引当金の増加9,683千円によるものです。
(純資産の部)
純資産の部は、4,606,952千円と前事業年度末に比べて406,652千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加402,026千円その他有価証券評価差額金の増加4,453千円によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
当第1四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。