第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当四半期報告書提出日(2023年8月7日)現在において判断したものであります。

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(2)財政状態及び経営成績の状況

① 当第1四半期連結累計期間の経営成績の概況及び分析

 当第1四半期連結累計期間につきましては、行動制限の解除に伴う人流の増加やインバウンドの回復等、景気は緩やかに回復しております。一方、ウクライナ情勢等の影響を受けた原材料価格やエネルギー価格の変動等、当社グループを取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような中、当社グループは、小麦粉をはじめとする「食」の安定供給を確保し、各事業において安全・安心な製品をお届けするという使命を果たすとともに、昨年策定した「日清製粉グループ 中期経営計画

2026」の達成に向けて、当期は、事業ポートフォリオの再構築によるグループ成長力の促進、食糧インフレへの対応、豪州製粉事業の業績回復、環境政策、デジタル戦略を最優先課題として取り組んでおります。

 本年5月には、事業ポートフォリオの再構築によるグループ成長力の促進の一環として、製粉事業の子会社である日清製粉株式会社において、国際競争に対応できるローコスト生産体制構築に向け、水島工場の建設に着手しました。当工場は最新の自動化及びデジタル技術を導入し、環境配慮型のスマート工場とする予定であり、2025年5月頃の稼働を目指しております。また、これに伴い、同社岡山工場及び坂出工場を閉鎖する予定です。

 当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は、製粉事業における国内の麦価改定に伴う小麦粉価格改定の実施、熊本製粉株式会社の連結子会社化及び食品事業における加工食品事業等での製品価格改定の実施等により、2,081億91百万円(前年同期比110.0%)となりました。営業利益は、食品事業において医薬品原薬等の出荷減やインドイースト事業の立上げ費用の発生等があったものの、製粉事業において、国内における副産物のふすま販売価格の堅調な推移、豪州製粉事業の前期の減損損失計上に伴うのれん等の償却費の減少、中食・惣菜事業の堅調な業績等により、118億60百万円(前年同期比133.9%)、経常利益は、130億99百万円(前年同期比132.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、87億42百万円(前年同期比138.6%)となりました。

 

(前年同期比較)                                   (単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

前年同期差

前年同期比

売上高

189,296

208,191

18,895

110.0%

営業利益

8,859

11,860

3,000

133.9%

経常利益

9,919

13,099

3,179

132.1%

親会社株主に

帰属する

四半期純利益

6,306

8,742

2,435

138.6%

 

 セグメント別の経営成績及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

1) 製粉事業

(単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

前年同期差

前年同期比

売上高

96,949

111,672

14,723

115.2%

営業利益

3,727

6,870

3,143

184.3%

 

 国内製粉事業につきましては、行動制限の解除に伴う人流の増加やインバウンドの回復等により、外食需要等が回復傾向にある中、拡販の取組みを進めたものの、製品価格改定に伴う需要の減退等により出荷は前年を下回りました。また、本年4月に輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で5.8%引き上げられたことに加え、エネルギー価格や物流費等が上昇していることも踏まえ、6月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。

 海外製粉事業につきましては、豪州における製品価格改定及び米国子会社における為替換算の影響等により売上げは前年を上回りました。

 この結果、製粉事業の売上高は、国内において昨年6月に実施した業務用小麦粉の価格改定、本年1月に連結子会社化した熊本製粉株式会社の新規連結効果等も加わり、1,116億72百万円(前年同期比115.2%)となりました。営業利益は、国内製粉事業において、出荷が前年を下回ったものの、副産物のふすま販売価格の堅調な推移、熊本製粉株式会社の新規連結効果及び豪州製粉事業の前期の減損損失計上に伴うのれん等の償却費の減少等により、68億70百万円(前年同期比184.3%)となりました。

 

2) 食品事業

(単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

前年同期差

前年同期比

売上高

46,736

49,756

3,020

106.5%

営業利益

2,896

2,281

△614

78.8%

 

 加工食品事業につきましては、国内、海外ともに出荷は前年を下回りましたが、国内において原材料等のコスト上昇に伴う対応として、昨年から製品価格改定を継続して実施したことで、売上げは前年を上回りました。

 酵母・バイオ事業につきましては、国内では、原材料価格やエネルギー価格の高騰を受け、昨年7月と11月及び本年4月にイーストの価格改定を実施したこと、海外では、昨年8月にインドイースト事業を開始したことにより、売上げは前年を上回りました。

 健康食品事業につきましては、医薬品原薬等の出荷減により、売上げは前年を下回りました。

 この結果、食品事業の売上高は、497億56百万円(前年同期比106.5%)となりました。営業利益は、医薬品原薬等の出荷減、インドイースト事業の立上げ費用の発生等により、22億81百万円(前年同期比78.8%)となりました。

 

3) 中食・惣菜事業

(単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

前年同期差

前年同期比

売上高

35,414

37,370

1,956

105.5%

営業利益

652

1,438

785

220.4%

 

 中食・惣菜事業につきましては、行動制限の解除に伴う人流の増加やインバウンドの回復等による需要の回復、製品価格改定等により、売上高は、373億70百万円(前年同期比105.5%)と前年を上回りました。営業利益は、製品価格改定や生産性改善等により、14億38百万円(前年同期比220.4%)と前年を上回りました。

 

4) その他事業

(単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

前年同期差

前年同期比

売上高

10,195

9,391

△804

92.1%

営業利益

1,609

1,154

△455

71.7%

 

 エンジニアリング事業につきましては、主力のプラントエンジニアリングにおける大型工事の減少により、売上げは前年を下回りました。

 メッシュクロス事業につきましては、太陽光パネル向けスクリーン印刷用資材の出荷増により、売上げは前年を上回りました。

 この結果、その他事業の売上高は、93億91百万円(前年同期比92.1%)、営業利益はエンジニアリング事業における大型工事の減少等により、11億54百万円(前年同期比71.7%)となりました。

 

② 当第1四半期連結会計期間の財政状態の概況及び分析

                                    (単位:百万円)

 

2023年3月期

2023年6月期

前期末差

流動資産

330,069

333,178

3,109

固定資産

383,805

408,947

25,142

資産合計

713,874

742,126

28,251

流動負債

150,262

146,788

△3,474

固定負債

125,112

131,812

6,699

負債合計

275,375

278,600

3,225

純資産合計

438,499

463,525

25,025

負債純資産合計

713,874

742,126

28,251

 

 当第1四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況及び分析は以下のとおりです。

 

 流動資産は3,331億78百万円で、原材料価格の上昇等による棚卸資産の増加等に伴い、前期末に比べ31億9百万円増加しました。固定資産は4,089億47百万円で、保有している投資有価証券の時価評価の増加等に伴い、前期末に比べ251億42百万円増加しました。この結果、資産合計は7,421億26百万円となり、前期末に比べ282億51百万円増加しました。

 また、流動負債は1,467億88百万円で、未払法人税等の減少等に伴い、前期末に比べ34億74百万円減少しました。固定負債は1,318億12百万円で、繰延税金負債の増加等により、前期末に比べ66億99百万円増加しました。この結果、負債合計は2,786億円となり、前期末に比べ32億25百万円増加しました。純資産合計は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加、配当金の支出による減少、その他の包括利益累計額の増加等により、前期末に比べ250億25百万円増加し、4,635億25百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、記載しておりません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 また、当社は株式会社の支配に関する基本方針を定めておりますが、当第1四半期連結累計期間において重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、19億10百万円であります。

 

(6)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「1 事業等のリスク」に記載のとおり、当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

  当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。