第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①財政状態

当第1四半期連結会計期間末の資産は、4,165億円となりました。棚卸資産の増加などがあった一方、配当金の支払及び自己株式の取得による現金の減少、並びに営業債権の減少などにより前連結会計年度末と比べ47億円減少しました。

資本は、3,002億円となりました。自己株式の取得などがあった一方、利益剰余金の増加及びその他の資本の構成要素の増加などにより前連結会計年度末と比べ69億円増加しました。

負債は、1,163億円となりました。営業債務及びその他の債務の減少、法人所得税等の支払による未払法人所得税等の減少、並びに賞与の支払いによるその他の流動負債の減少などにより前連結会計年度末と比べ116億円減少しました。

以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ2.4ポイント増加し、72.2%となりました。

なお、SantenグループではROE(親会社所有者帰属持分利益率)を最重要指標に、キャッシュ・フローの最大化と資本コストの低減の両面から株主価値最大化に取り組んでいます。キャッシュの源泉としては営業活動から得られるインフローを基本としつつ、キャッシュ・コンバージョン・サイクル管理により運転資本の効率を高めることでキャッシュ創出力の最大化に取り組みます。

 

②経営成績

(ア)コアベース ※1

(単位:百万円)

 

前第1四半期

連結累計期間

当第1四半期

連結累計期間

対前年同期増減率

売上収益

65,533

72,389

10.5%

コア営業利益

10,600

15,542

46.6%

コア四半期利益

7,744

12,792

65.2%

親会社の所有者に帰属する

コア四半期利益

7,762

12,800

64.9%

 

[売上収益]

前年同期と比べ10.5%増加し、724億円となりました。

主力の医療用医薬品事業は、日本では薬価改定の影響等があったものの主力製品の拡大に注力、中国では前年の新型コロナウイルス感染症の再拡大からの市場の回復、アジア・EMEAでも主力製品が堅調に推移し、前年同期と比べ9.9%増加し、672億円となりました。

 

 

売上収益の内訳は次のとおりです。

上段:金額

 

 

 

 

 

 

下段:対前年同期増減率、( )は為替影響を除いた対前年同期増減率

(単位:百万円)

 

日本

中国

アジア

EMEA

米州

合計

医療用医薬品

37,126

6,491

5,869

17,022

675

67,183

 

△4.4%

80.8%

7.4%

37.0%

△14.5%

9.9%

 

(-%)

(80.8%)

(4.2%)

(31.5%)

(△19.0%)

(8.5%)

一般用医薬品

2,628

64

194

2,886

 

22.7%

101.8%

△5.9%

21.3%

医療機器

870

18

10

779

208

1,884

 

△2.3%

501.0%

22.1%

124.9%

16.1%

その他

393

9

33

435

 

△3.7%

56.5%

188.6%

2.4%

合計

41,016

6,583

6,106

17,802

883

72,389

 

△3.0%

81.3%

7.5%

36.3%

0.1%

10.5%

 

(-%)

(81.3%)

(4.3%)

(30.6%)

(△5.5%)

(9.0%)

(注)外部顧客に対する売上収益を表しています。

 

 

   顧客の所在地をもとに国又は地域に分類しています。なお、アジアには中国を含んでいません。

   EMEAは、欧州、中東及びアフリカです。

 

<医療用医薬品>

◇日本

2022年11月に販売を開始したジクアスLX点眼液等の主力製品の拡大に注力したものの、2%台半ばの薬価改定の影響や前連結会計年度末のアレジオン点眼液※2好調の反動により、前年同期と比べ4.4%減少し、371億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

20億円

(対前年同期増減率 △ 13.2%)

「タプコム配合点眼液」

7億円

(対前年同期増減率 △  9.4%)

「コソプト配合点眼液」

11億円

(対前年同期増減率 △ 21.8%)

「エイベリス点眼液」

11億円

(対前年同期増減率 +  3.8%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ジクアス点眼液※3

55億円

(対前年同期増減率 + 41.0%)

・抗アレルギー点眼剤領域

「アレジオン点眼液※2

28億円

(対前年同期増減率 △ 42.4%)

・網膜疾患治療剤領域

「アイリーア硝子体内注射液※4

185億円

(対前年同期増減率 +  1.2%)

 

◇中国

市場は前年の新型コロナウイルス感染症の再拡大から回復し、主力製品が好調に推移した結果、円換算並びに現地通貨ベースで前年同期と比べ80.8%増加し、65億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

3億円

(対前年同期増減率 +152.8%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ジクアス点眼液」

11億円

(対前年同期増減率 + 64.8%)

「ヒアレイン点眼液」

20億円

(対前年同期増減率 +123.1%)

・眼感染症治療剤領域

「クラビット点眼液」

16億円

(対前年同期増減率 +123.4%)

 

◇アジア(中国除く)

主要国で主要製品が堅調に推移し、円換算ベースで前年同期と比べ7.4%増加し(為替影響を除いた成長率は+4.2%)、59億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

5億円

(対前年同期増減率 +  3.3%)

「タプコム配合点眼液」

3億円

(対前年同期増減率 + 23.4%)

「コソプト配合点眼液」

16億円

(対前年同期増減率 + 12.6%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ジクアス点眼液」

5億円

(対前年同期増減率 +  2.2%)

「Ikervis(アイケルビス)」

4億円

(対前年同期増減率 +  5.6%)

・眼感染症治療剤領域

「クラビット点眼液」

6億円

(対前年同期増減率 + 25.7%)

 

◇EMEA

現地での領域別市場シェア一位の緑内障製品を中心に伸長し、当第1四半期連結累計期間にIkervis(アイケルビス)の保険償還の精算額の見直しを行った影響もあり、円換算ベースで前年同期と比べ37.0%増加し(為替影響を除いた成長率は+31.5%)、170億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

21億円

(対前年同期増減率 +  4.0%)

「タプコム配合点眼液」

14億円

(対前年同期増減率 + 21.8%)

「コソプト配合点眼液」

35億円

(対前年同期増減率 + 12.5%)

「トルソプト点眼液」

9億円

(対前年同期増減率 +  7.4%)

・角結膜疾患治療剤領域

「Ikervis(アイケルビス)」

41億円

(対前年同期増減率 +181.3%)

「Cationorm(カチオノーム)」

8億円

(対前年同期増減率 + 13.7%)

・抗アレルギー点眼剤領域

「Verkazia(ベルカジア)」

3億円

(対前年同期増減率 + 91.3%)

 

◇米州

円換算ベースで前年同期と比べ14.5%減少し(為替影響を除いた成長率は△19.0%)、7億円となりました。

 

<一般用医薬品>

前年同期と比べ21.3%増加し、29億円となりました。

「サンテメディカルシリーズ」「サンテボーティエシリーズ」「ソフトサンティアシリーズ」などの高価格帯品に加え、スイッチOTC製品「ヒアレインS」、「サンテFXシリーズ」、「ウェルウォッシュアイ」に注力しています。

 

<医療機器>

EMEAでのプリザーフロ マイクロシャントの販売が好調に推移し、前年同期と比べ16.1%増加し、19億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

「レンティス コンフォート」

3億円

(対前年同期増減率 △  0.1%)

「プリザーフロ マイクロシャント」

9億円

(対前年同期増減率 + 42.2%)

 

<その他>

その他の売上収益は4億円となりました。サプリメント製品の販売、株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。

 

[コア営業利益]

売上総利益は、前年同期と比べ14.3%増加し、424億円となりました。

販売費及び一般管理費は、前年同期と比べ6.3%増加し(為替影響を除いた対前年同期増減率は+3.3%)、207億円となりました。

研究開発費は、前年同期と比べ12.4%減少し(為替影響を除いた対前年同期増減率は△14.6%)、62億円となりました。

 

以上により、コアベースの営業利益は、前年同期と比べ46.6%増加し(為替影響を除いた対前年同期増減率は+46.7%)、155億円となりました。

 

※1 Santenグループでは2015年3月期のIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益及び費用を控除した「コアベース」での財務情報を事業活動自体の収益性を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益及び費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。

 

・製品に係る無形資産償却費

・その他の収益

・その他の費用

・金融収益

・金融費用

・持分法による投資損益

・企業買収に係る費用、並びに再成長のための生産性向上及び合理化等に係る費用

 

※2 アレジオンLX点眼液を含みます。

 

※3 ジクアスLX点眼液を含みます。

 

※4 製造販売元であるバイエル薬品株式会社とのコ・プロモーション製品です。

 

(イ)IFRS(フル)ベース

(単位:百万円)

 

前第1四半期

連結累計期間

当第1四半期

連結累計期間

対前年同期増減率

売上収益

65,533

72,389

10.5%

営業利益

8,333

12,750

53.0%

四半期利益

6,695

10,412

55.5%

親会社の所有者に帰属する

四半期利益

6,663

10,414

56.3%

 

[売上収益]

コアベースからの調整はありません。

 

[営業利益]

売上総利益について、前年同期と比べ14.1%増加し、424億円となりました。

販売費及び一般管理費は、前年同期と比べ8.4%増加し(為替影響を除いた対前年同期増減率は+5.2%)、211億円となりました。

研究開発費は、前年同期と比べ11.2%減少(為替影響を除いた対前年同期増減率は△13.4%)、63億円となりました。

コアベースからの調整内容として、米州の合理化に関する費用が、売上原価に1億円、販売費及び一般管理費に4億円、研究開発費に1億円それぞれ発生しました。

製品に係る無形資産償却費は、前年同期と比べ8.8%減少し(為替影響を除いた対前年同期増減率は△11.1%)、23億円となりました。これは主に、2014年にMerck & Co., Inc.(米国)から譲り受けた眼科製品及び2016年のInnFocus, Inc.(米国)買収に伴い取得したプリザーフロ マイクロシャントに関する無形資産、並びに2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」及び2023年より欧州で販売を開始した「Rhopressa / Rocklatan」に関する無形資産の償却によるものです。

 

その他の収益は、3億円となりました。

その他の費用は、2億円となりました。

 

これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は前年同期と比べ53.0%増加し(為替影響を除いた対前年同期増減率は+54.3%)、127億円となりました。

 

[四半期利益]

金融収益は、11億円となりました。

金融費用は、2億円となりました。

持分法による投資損失は、8億円となりました。これは主にVerily Life Sciences LLC(米国)との合弁会社であるTwenty Twenty Therapeutics LLC(米国)の損益のうち、当社の持分に帰属する金額を計上したものです。

法人所得税費用は、前年同期から1億円増加し、25億円となりました。

 

これらにより、四半期利益は前年同期と比べ55.5%増加し、104億円となりました。

 

[親会社の所有者に帰属する四半期利益]

親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期と比べ56.3%増加し、104億円となりました。売上収益に対するその比率は、14.4%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、25億円の収入(前年同期は24億円の収入)となりました。主に四半期利益104億円、減価償却費及び償却費40億円、営業債権及びその他の債権の減少48億円並びに法人所得税の支払額62億円などによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、27億円の支出(前年同期は62億円の支出)となりました。主に有形固定資産の取得による支出25億円及び無形資産の取得による支出5億円などによるものです。また政策保有株式の見直しを継続して実施しており、当第1四半期連結累計期間は1銘柄の投資の売却による収入が4億円ありました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、138億円の支出(前年同期は138億円の支出)となりました。主に自己株式の取得による支出70億円及び配当金の支払額59億円などによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末と比べ124億円減少し、455億円となりました。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新中期経営計画(2023~2025年度)及び目標とする経営指標

2022年9月に代表取締役社長兼CEOに伊藤毅が就任して以来、「収益性の改善」、「成長の柱の構築」、「最適なオペレーション・組織体制の構築」という3つの観点から再成長に向けた施策に着手してきました。新CEO体制のもと、2023~2025年度までの新中期経営計画を策定しました。

 

1.新中期経営計画策定の狙い

Santenの強みである医療用医薬品事業の最大化に注力します。医療用医薬品事業における生活者・患者様への貢献価値最大化に向けて、戦略・組織運営体制を抜本的に見直します。

 

2.成長に向けた基本方針

2025年度までは構造改革と地域事業の売上最大化の2軸で収益最大化を図ります。明確な地域戦略に基づく売上拡大を図り、かつ、グローバルにコマーシャルエクセレンスを強化します。また、各地域事業の売上拡大に資する事業開発及び、医療用医薬品事業へのシナジーが得られる新規事業に取り組んでいきます。2026年度以降は、強化した組織力を梃子に、近視や眼瞼下垂など大型のパイプライン製品による生活者・患者さんへの新しい価値貢献機会の創出を図り、さらなる成長局面へと発展させていきます。一方で本中期経営計画を確実に遂行していくために、戦略立案・実行を担うリーダーシップチームの強化に加え、オペレーションモデルとそれを支える経営管理・人材育成の仕組みを変革していきます。

 

■構造改革の推進

・米州の最大限合理化:赤字継続・パイプラインの現状を踏まえて最適化

・財務規律に基づく投資見直し:IT等大型投資案件を精査

・コスト最適化:各費用を "ゼロベース" で精査

・生産性向上:各組織機能の生産性をレビュー

 

■3つの柱を通じた地域事業売上の最大化

・グローバルにコマーシャルエクセレンスを強化

・各地域事業の売上拡大に資する事業開発(他社上市品、リージョン品を含む)

・医療用医薬品事業の売上最大化に資する新規事業

 

■大型パイプライン上市による新領域での売上創出(2026年度以降)

・特に、近視・眼瞼下垂などの自由診療で新しい価値貢献機会を創出

・研究開発及び事業開発への十分な投資による開発・新規パイプラインの探索

 

 

3.2025年度 全社数値目標・KPI(重要業績評価指標)

海外一人当たり売上高の成長を含めて収益性の確実な改善と安定配当を実現します。

 

売上高

2,800億円

コア営業利益額

560億円

コア営業利益率

20%

海外一人当たり売上高成長率

(為替影響除く)

7%以上の成長

(2022年度~2025年度の年平均成長率)

コアROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)

13%

コアEPS(1株当たり当期利益)の成長率

10%以上

(2022年度~2025年度の年平均成長率)

 

4.資本配分・株主還元

財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。

新中期経営計画(2023~2025年度)においては収益性の拡大、効率性の追求、健全性の確保を柱にしROE(親会社所有者帰属持分利益率)の向上に取組んでまいります。特に資本コストに対する超過収益力を最大化することによりROE上昇を図ります。

特に、収益改善と同時にキャッシュの創出力を高め、その原資を将来の成長への投資として資本コストを上回るリターンが見込める設備、研究開発、事業開発に優先的に投下いたします。一方で、有望な投資機会が無ければ、株価の状況を鑑みながら自社株買いによる利益還元を実施します。

また、配当については、現行32円/年を配当下限値として、中長期的な利益成長に合わせて増配していく累進配当方針を継続してまいります。

 

5.ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み

眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、事業を通じて、患者さんや社会への貢献を追求してまいります。

 

■13のマテリアリティ

(1)社会的意義のある製品・サービスの開発・安定的供給

①社会的意義のある製品の市場浸透

②サプライチェーンの評価・管理

③品質・安全性の確保と適切な供給体制の確立

④製品・サービスに関する適切な情報提供

(2)価値創造を促進する組織風土の醸成

⑤ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

⑥高付加価値で生産性の高い職場環境の構築

⑦人材の育成・登用

(3)ガバナンス強化・公正公平な社会実現への貢献

⑧コーポレート・ガバナンス

⑨コンプライアンス

⑩リスクマネジメント

⑪人権の尊重

(4)地球環境保全

⑫気候変動対策

⑬環境負荷低減

 

上記のマテリアリティのうち、特に本中期経営計画の実現とその先の持続的な成長につながっていく「①社会的意義のある製品の市場浸透」と、事業成長を支え牽引していくための「⑦人材の育成・登用」を最重要と定義し、取り組みを強化してまいります。

 

(3)研究開発活動

<緑内障・高眼圧症領域>

プロスタグランジンF₂α誘導体及びβ遮断剤の配合剤STN1011101(DE-111A、一般名:タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩)は、中国で2022年12月に販売承認を申請しました。

FP/EP3受容体デュアル作動薬STN1012600(DE-126、一般名:sepetaprost)は、米国で2021年12月に追加の第Ⅱ相試験を終了しました。日本では2022年8月から第Ⅲ相試験を実施しています。欧州では第Ⅱ相試験(探索的試験)を終了しました。

プロスタグランジンF₂α誘導体の乳化点眼剤STN1013001(DE-130A、一般名:ラタノプロスト)は、アジアで2022年3月に第Ⅲ相試験を終了しました。欧州では2022年9月に販売承認を申請しました。

ROCK阻害剤STN1013900(AR-13324、一般名:ネタルスジルメシル酸塩)は、日本で2020年11月から第Ⅲ相試験を実施しています。欧州では販売承認を取得しており、スウェーデンで2023年2月に発売しました。アジアでは順次販売承認を申請しており、タイで2023年1月に販売承認を取得しました。

ROCK阻害剤及びプロスタグランジンF₂α誘導体の配合剤STN1014000(PG-324、一般名:ネタルスジルメシル酸塩/ラタノプロスト)は、欧州で販売承認を取得しており、ドイツで2023年1月に発売しました。アジアでは順次販売承認を申請しており、タイで2023年1月に販売承認を取得しました。

 

<角結膜疾患(ドライアイを含む)領域>

春季カタルを対象とするSTN1007603(DE-076C、一般名:シクロスポリン)は、既に承認・販売されている欧州、アジア、カナダなどに続き、中国で2022年4月に販売承認を取得し、米国で2022年5月に発売しました。2023年7月に米国・カナダにおける製造・商業化の独占的権利をHarrow Health, Inc.(米国)へ供与しました。

ドライアイを対象とするSTN1008903(DE-089C、一般名:ジクアホソルナトリウム)は、日本で2022年11月に発売しました。アジアでは、2023年3月に韓国で販売承認を申請しました。

ドライアイを対象とするSTN1014100(一般名:オロダテロール塩酸塩)は、日本で2023年1月に第Ⅰ相/前期第Ⅱ相試験を開始しました。

フックス角膜内皮ジストロフィを対象としてアクチュアライズ株式会社と共同開発契約を締結しているSTN1010904*(一般名:シロリムス)は、米国、フランス、インドで2022年5月から前期第Ⅱ相試験を実施しています。(*開発コード(STN1010904)は、第Ⅱ相試験終了時に当社が独占的実施権を獲得した後に附番予定のコードです。)

マイボーム腺機能不全を対象とするSTN1010905(一般名:シロリムス)は、日本で2022年8月に前期第Ⅱ相試験を終了し、今後の開発計画を検討中です。

アレルギー性結膜炎を対象とするSTN1011402(一般名:エピナスチン塩酸塩)は、日本で2023年3月に製造販売承認を申請しました。

 

<屈折異常領域>

小児における近視を対象とするSTN1012700(DE-127、一般名:アトロピン硫酸塩)は、日本で2019年8月から第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施しています。中国では2022年6月から第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施しています。アジアでは2020年4月に第Ⅱ相試験を終了しました。

小児における近視を対象とするSTN1012701(SYD-101、一般名:アトロピン硫酸塩)は、導入元であるSydnexis Inc.(米国)により欧州及び米国で第Ⅲ相試験が実施されています。当社は、欧州、中東及びアフリカ地域における独占ライセンス権を保有しています。

近視を対象とするSTN1013400(化合物名:AFDX0250BS)は、日本で2023年5月に前期第Ⅱ相試験を開始しました。

老視を対象とするSTN1013600(一般名:ウルソデオキシコール酸)は、米国で2022年12月に前期第Ⅱ相試験を開始しました。日本では2022年4月に第Ⅰ相試験を終了しました。

 

<その他の領域>

眼瞼下垂を対象とするSTN1013800(一般名:オキシメタゾリン塩酸塩)は、日本で2022年10月に第Ⅲ相試験を開始しました。

 

※開発コードの附番方法変更に伴い、新開発コード(STNXXXXXXX)及び既存開発コード(DE-XXX)を併記しています。なお、AR-13324及びPG-324はAlcon, Inc.(スイス)、SYD-101はSydnexis Inc.(米国)での開発コードです。

※STN1011700(DE-117、一般名:オミデネパグ イソプロピル)は、日本、アジアで製品名エイベリスとして販売しています。米国では製品名OMLONTIとして販売承認を取得しており、2023年7月に米国における製造・商業化の独占的権利についてVisiox Pharmaceuticals, Inc.(米国)へ供与しました。

 

当第1四半期連結累計期間のコアベースの研究開発費の総額は、62億円です。なお、IFRS(フル)ベースの研究開発費の総額は、米州の合理化に関する費用が1億円発生し、63億円です。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において終了した経営上の重要な契約等は以下のとおりです。

 

販売契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

対価の支払

ヤンセン

ファーマ

株式会社

日本

レボカバスチン塩酸塩

(抗アレルギー剤)

国内販売権

2000年9月~

発売日から10年後の12月

(以後1年毎の自動更新)

契約一時金支払