当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間における日本経済は、社会経済活動の正常化が進み、企業活動や個人消費に持ち直しの動きがみられる等、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、緊迫した世界情勢に加え、不安定な円相場やインフレによる経済停滞が懸念され、依然として不透明な事業環境が続いております。
当社を取り巻く事業環境は、紙の出版市場が縮小している一方で、電子出版市場は継続的に拡大しており、インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2024」によると、2024年度の成長率は5%程度になると予測されており、今後も電子書籍及び電子コミックの市場規模は緩やかな拡大が続くことが予想されております。
このような市場環境の中で、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては、継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行いたしました。
これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は9,467,721千円(前中間連結会計期間比0.4%増)、営業利益は872,270千円(前中間連結会計期間比19.0%増)、経常利益は845,322千円(前中間連結会計期間比19.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は441,276千円(前中間連結会計期間比29.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(プラットフォームセグメント)
プラットフォームセグメントの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」においては、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、お得感を訴求するキャンペーンや幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行いました。課金意欲が高いユーザーへの訴求が奏功した一方で、ライトユーザーの定着・育成に一定の時間を要す状況が続きました。その結果、「まんが王国」の売上高は前中間連結会計期間比1.7%減となりました。
また、2023年6月に提供を開始した北米向けコミック配信サービス「yomoyo(ヨモーヨ)」においては、コンテンツの許諾交渉を推進いたしました。
総合エンターテインメント事業を展開する株式会社アミューズとの協業においては、2023年7月から10月に開催した『目指せメディアミックス!「現代恋愛×ファンタジー」小説コンテスト』の結果を発表し、受賞作品のコミカライズを推進いたしました。また、2024年3月には、音楽と漫画を融合させた次世代コンテンツを生み出すクロスメディアプロジェクト「Project CO-MUSIX」を立ち上げ、第1弾となるオムニバス作品を「まんが王国」ほか、動画プラットフォームやSNS等で展開いたしました。
利益面においては、売上高が前期並みとなった一方で、広告宣伝費を中心とした営業費用が前中間連結会計期間比で減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は6,118,773千円(前中間連結会計期間比1.4%減)、営業利益は274,335千円(前中間連結会計期間比13.6%増)となりました。
(コンテンツセグメント)
コンテンツセグメントにおいては、デジタルコンテンツを中心に、発刊点数の増加、電子書店ごとの特性や読者ニーズに沿った販売促進活動を積極的に行いました。また、紙出版においては、紙出版市場の縮小を鑑み、配本部数の管理及び価格設定等のコストコントロールを実施いたしました。
デジタル出版においては、読者の嗜好性に合わせたコンテンツの創出とジャンルの拡大を推進し、SNSや動画プラットフォームを活用したプロモーションを強化した結果、ぶんか社が得意とするBL、TLジャンルを中心とした女性向けコミックジャンルの作品や近年創刊したデジタルコミック誌からの作品の売上が堅調に推移いたしました。これにより、売上高は前中間連結会計期間比12.9%増となりました。また、新たな取り組みとして、2024年4月にライトBLレーベル「GUSHgem」を創刊いたしました。
紙出版においては、配本部数のコントロール及び雑誌の隔月化や休刊を実施した結果、売上高は前中間連結会計期間比11.4%減となりました。
このほか、2024年1月にはぶんか社と海王社から2作品がテレビドラマ化し、『消せない「私」~炎上しつづけるデジタルタトゥー~』が日本テレビにて放送、「好きやねんけどどうやろか」が読売テレビにて放送されました。また、2024年2月から累計発行部数21万部を超える人気BL作品「パーフェクトプロポーズ」を原作としたドラマがフジテレビ公式動画配信サービス「FOD」で配信され、2024年7月には「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」がMBS毎日放送にて放送されました。
利益面においては、紙出版収益が減少したものの、デジタル出版収益が前中間連結会計期間比で増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は3,445,523千円(前中間連結会計期間比4.7%増)、営業利益は597,634千円(前中間連結会計期間比21.6%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
① 資産の部
当中間連結会計期間末における資産合計は18,168,446千円となり、前連結会計年度末に比べ216,511千円減少しました。
流動資産は9,190,068千円となり、前連結会計年度末に比べ180,871千円増加しました。これは主に、現金及び預金が310,458千円増加した一方で、売掛金が97,453千円減少したことによるものです。
固定資産は8,978,378千円となり、前連結会計年度末に比べ397,383千円減少しました。これは主に、無形固定資産が397,848千円減少したことによるものです。
② 負債の部
当中間連結会計期間末における負債合計は10,858,303千円となり、前連結会計年度末に比べ573,412千円減少しました。
流動負債は8,430,311千円となり、前連結会計年度末に比べ36,193千円減少しました。これは主に、未払消費税等が87,616千円増加した一方で、返金負債が59,478千円、その他が55,467千円減少したことによるものです。
固定負債は2,427,991千円となり、前連結会計年度末に比べ537,218千円減少しました。これは主に、長期借入金が510,000千円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
当中間連結会計期間末における純資産合計は7,310,142千円となり、前連結会計年度末に比べ356,900千円増加しました。これは主に、利益剰余金が349,272千円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、40.2%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は5,135,956千円となり、前連結会計年度末に比べ310,458千円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における営業活動においては、税金等調整前中間純利益845,322千円から、主な加算項目として、減価償却費200,250千円、のれん償却額295,324千円、売上債権の減少額94,867千円、未払又は未収消費税等の増減額87,616千円等がありました。これに対して主な減算項目として、返金負債の減少額59,478千円、その他の減少額45,271千円、法人税等の支払額378,449千円等がありました。
この結果、獲得した資金は1,004,001千円(前中間連結会計期間は490,279千円の獲得)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における投資活動においては、主な資金減少要因として、無形固定資産の取得による支出82,367千円等がありました。
この結果、使用した資金は90,606千円(前中間連結会計期間は83,016千円の使用)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における財務活動においては、主な資金減少要因として、長期借入金の返済による支出510,000千円、配当金の支払額90,318千円等がありました。
この結果、使用した資金は602,936千円(前中間連結会計期間は578,080千円の使用)となりました。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。