当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、以下に記載の(継続企業の前提に関する重要事象等)を除き、重要な変更はありません。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは、前連結会計年度において連結子会社TEN Events, Inc.(旧Xyvid, Inc.)ののれんの減損等により、親会社株主に帰属する当期純損失を計上いたしました。これにより純資産が減少し、金融機関と締結した借入契約における財務制限条項に抵触いたしました。当該財務制限条項が適用され、期限の利益喪失請求権が行使された場合、資金繰りに影響が生じるため、当中間連結会計期間末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在しております。
このような事象又は状況を解消するために、主に下記の施策を推進し、収益性をより一層改善した経営基盤の再構築を目指してまいります。
・主にイベントDX事業における外注費の削減を中心とした原価改善
・自社開発プロダクトの選択と集中による開発投資の適正化
・2023年に実施した経営合理化施策の延長として更なる全社費用の削減
また、財務体質の改善施策の一環として、第三者割当による新株式及び第19回の新株予約権の発行の他、プロフェッショナルワーク事業の事業譲渡を進めております。当該事業譲渡に関する詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」をご参照ください。
更に、当社は金融機関との連携を強めており、上記の施策に加えて、金融機関と協議の上で財務体質の改善に向けた施策を実行してまいります。これにより、今回の財務制限条項への抵触に関しても、期限の利益の喪失の権利行使をしない旨の同意を得ております。以上により、当面の資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間の業績は以下のとおりです。
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率 |
売上高 |
5,751,389 |
5,619,366 |
△132,023 |
△2.3 |
営業利益 |
117,313 |
229,004 |
111,691 |
95.2 |
経常利益 |
91,009 |
191,582 |
100,573 |
110.5 |
親会社株主に帰属する中間純利益又は親会社株主に帰属する中間純損失(△) |
4,393 |
△212,861 |
△217,254 |
- |
当中間連結会計期間においては、主に企業向けの防音型個室ブースの設置販売が好調、かつ、米国連結子会社TEN Events, Inc.(旧Xyvid, Inc.)の回復が継続した一方で、国内の製薬業界の講演会の市場縮小等の影響により、売上高は前年同期比で2.3%減の5,619,366千円となりました。
営業利益については、主に前連結会計年度で実施した国内及び米国での構造改革におけるコスト削減により、前年同期比95.2%増の229,004千円となりました。
営業外損益及び特別損益においては、主に今後十分な収益性が見込まれない一部のソフトウエアについて減損損失165,296千円を計上したほか、支払利息27,728千円(前年同期比19.5%増)を計上いたしました。また、当中間連結会計期間において、繰延税金資産の一部を取崩したこと等により法人税等調整額181,874千円を計上し、親会社株主に帰属する中間純損失は212,861千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益4,393千円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
なお、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、当中間連結会計期間より、当社グループ内の一部のセグメント区分の変更及び全社費用の配賦基準の変更を行っております。前中間連結会計期間のセグメント情報については、新しい方法により作成しており、以下の前年同期比については、新しい方法により組み替えた数値で比較しております。
Ⅰ.エンタープライズDX事業
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率 (%) |
売上高 |
2,156,491 |
2,131,606 |
△24,885 |
△1.2 |
セグメント利益 |
416,219 |
353,419 |
△62,800 |
△15.1 |
エンタープライズDX事業は、主に企業や官公庁等を対象に、社内外のコミュニケーションにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するサービスを提供しております。
具体的には、自社開発の汎用Web会議システム「V-CUBE ミーティング」や「Zoom」の販売のほか、ディスカッションテーブル「V-CUBE Board」などの災害対策ソリューションやウェアラブルデバイスなど、企業向けのリモートコミュニケーションプロダクトを提供しております。また、顧客企業において映像組み込み型サービスの開発を容易にする「V-CUBE Video SDK」の提供やサービス開発及び運用支援をすることで、顧客企業におけるソリューション開発を支援しております。
当中間連結会計期間のセグメント売上高は、前年同期比1.2%減の2,131,606千円となりました。これは、SDKの従量課金やZoomの販売などが堅調に推移しているためであります。また、収益性の高い自社製品比率の低下に加え、円安に伴う海外製品の仕入価格の上昇によりセグメント利益率は19.3%から16.6%に減少し、セグメント利益は前年同期比15.1%減の353,419千円となりました。
Ⅱ.イベントDX事業
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率 (%) |
売上高 |
2,319,913 |
2,073,818 |
△246,095 |
△10.6 |
セグメント損失(△) |
△110,275 |
△23,529 |
86,746 |
- |
イベントDX事業は、様々な分野におけるイベント、セミナーのリモート化を支援する事業であります。
具体的には、Webセミナー配信サービス「V-CUBE セミナー」や「EventIn」などのセミナー配信プロダクトを提供するほか、イベント配信に係る運用設計、当日の配信サポートや後日のイベントデータ解析などの運用支援サービスを提供しております。
当中間連結会計期間のセグメント売上高は、前年同期比10.6%減の2,073,818千円となりました。これは、主に米国連結子会社TEN Events, Inc.(旧Xyvid, Inc.)の回復が継続した一方で、内の製薬業界の講演会の市場縮小等の影響によるものであります。また、セグメント損失は23,529千円(前年同期はセグメント損失110,275千円)と損失幅が縮小しました。これは、主に新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行の影響により、ハイブリッドイベントの増加に伴う会場費等の増加によって利益率が低下した一方、前連結会計年度で施した国内及び米国における構造改革におけるコスト削減によるものです。
Ⅲ.サードプレイスDX事業
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率 (%) |
売上高 |
1,274,984 |
1,413,941 |
138,957 |
10.9 |
セグメント利益 |
383,127 |
469,546 |
86,419 |
22.6 |
サードプレイスDX事業は、自宅や職場とは異なるサードプレイス(第3の場所)の提供や運用支援を行うことで、昨今日本に浸透しつつあるテレワークを1つのワークスタイルとして定着させることを目的とする事業であります。
具体的には、企業及び公共空間への「テレキューブ」の提供、公共空間における防音型個室ブースの管理運営システムの開発、「テレキューブ」において提供する関連サービスの開発を行っております。
当中間連結会計期間では、セグメント売上高は前年同期比10.9%増の1,413,941千円となりました。これは、主に企業向けの防音型個室ブースの多様な販売モデルを通じた提供が堅調に推移したことによるものであります。
また、セグメント利益は前年同期比22.6%増の469,546千円となりました。これは、主に公共向けに提供しているテレキューブの販売台数が増加したためであります。
(2)財政状態の状況
(単位:千円)
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前連結会計年度 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
資産 |
12,329,168 |
12,400,895 |
71,727 |
負債 |
11,583,111 |
11,173,748 |
△409,363 |
純資産 |
746,056 |
1,227,146 |
481,090 |
①資産
当中間連結会計期間末において、資産残高は前連結会計年度末比71,727千円増の12,400,895千円となりました。これは、主に売掛金残高が増加したこと、第三者割当増資に係る株式交付費16,853千円を計上したことによるものであります。
②負債
負債残高は、前連結会計年度末比409,363千円減の11,173,748千円となりました。これは主に長期借入金の返済により残高が減少したことによるものであります。
③純資産
2024年3月22日付及び2024年6月13日付で第三者割当増資の払込みを受けたため、純資産残高は前連結会計年度末比481,090千円増の1,227,146千円となりました。この純資産増加の影響により、自己資本比率は8.7%(前連結会計年度末は5.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
807,729 |
623,352 |
△184,377 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,447,922 |
△688,620 |
759,302 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
799,723 |
△126,054 |
△925,777 |
現金及び現金同等物の中間期末残高 |
1,914,060 |
1,240,977 |
△673,083 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動により得られた資金は前年同期比184,377千円減の623,352千円となりました。これは主に、非資金項目である減損損失の計上による増加があった一方で、前年同期と比較して税金等調整前中間純利益が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動の結果支出した資金は688,620千円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入があった一方で、無形固定資産の取得による支出を反映したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動の結果支出した資金は126,054千円となりました。これは主に、第三者割当増資に伴う株式の発行による収入があった一方で、短期借入金の純増減額の減少及び長期借入金の返済による支出を反映したことによるものであります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間において研究開発費の発生はありません。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当中間連結会計期間末における当社グループの従業員数は、前連結会計年度末に比べて59名減少し、414名になりました。これは主に全社セグメントにおいて、経営合理化策の一環として実施した希望退職者募集に伴う退職等によるものであります。
なお、従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であります。
当社は、2024年5月10日付の取締役会において、エンタープライズDX事業の一部である緊急対策とフィールドワークの専門領域に特化したDX支援を行うプロフェッショナルワーク事業を、テクノホライゾン株式会社に譲渡することについて決議し、同日付で基本合意書を締結、2024年5月24日付で事業譲渡契約を締結し、2024年6月30日付で譲渡いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。