当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、前連結会計年度末において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前中間連結会計期間に係る各指標については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における世界経済は、新型コロナウイルスの影響からの回復を見せていたものの、インフレの拡大に伴う金融政策の引き締めにより緩やかな減速傾向が継続しています。米国では消費は底堅いものの、家賃の高騰や賃金上昇率の低下により個人消費は所得格差が拡大しており、長期金利の低下や景気拡大の鈍化がみられています。欧州ではインフレ圧力の緩和を受け、個人消費が持ち直し、景気は底打ちの見通しを見せています。中国では不動産不況等の影響を受け個人消費は低迷しています。我が国経済は、円安による企業の景況感は回復しているものの、金利上昇や物価高の影響に賃金の上昇が追い付かず、個人消費は足踏み状態が続いています。
当社グループが属する楽器関連機器業界においては、コロナ特需が終了し、世界的なインフレに伴う特に若年層の可処分所得の減少や製品価格の値上げに加え、金利差を背景とする急激な為替レートの変動により市況感が低迷していることから、需要が減少しており、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、前述の市況感の低迷、インフレによる若年層の可処分所得の減少及びスエズ運河の運航不能に伴う海外子会社への商品の輸送遅延から、海外市場の売上について外貨ベースでは減少したものの、円安により売上高は前年同期と比較して微減に留まりました。営業利益は、前年同期に計上した新規連結に伴う一時費用の解消により売上総利益が増加したものの、新製品開発に伴う研究開発費の増加及び海外子会社における販売費及び一般管理費が円安に伴い増加したこと等から、前年同期と比較して減少いたしました。
以上の結果、当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は8,226,131千円(前年同期比1.1%減)、営業利益は58,589千円(前年同期比79.6%減)、経常利益は14,010千円(前年同期比94.8%減)となりました。課税所得の減少に伴い繰延税金資産を一部取り崩したため法人税等は206,244千円となり、非支配株主に帰属する中間純利益72,185千円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する中間純損失は264,420千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失3,740千円)となりました。
当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。製品カテゴリー別の説明は以下のとおりであります。
(ハンディオーディオレコーダー)
ハンディオーディオレコーダーは、新製品である主力機種H-essentialシリーズについては、国内では予想以上の好調な販売を見せた一方、海外では旧製品の在庫処理に時間がかかり、市場への浸透が遅れています。全体的には、円安の影響もあり、当中間連結会計期間の売上高は1,892,479千円(前年同期比7.7%増)となりました。
(デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー)
デジタルミキサー/マルチトラックレコーダーは、半導体不足の解消から前年同期に売上が急増したLシリーズの反動減があったものの、円安に加え、北米地域でのPシリーズの売上増及びR4の新製品効果により、当中間連結会計期間の売上高は899,764千円(前年同期比1.7%増)となりました。
(マルチエフェクター)
マルチエフェクターは、新製品であるMS+シリーズの売上が予想を上回る売れ行きを示しましたが、前年同期は新製品効果で好調であったG2 Fourシリーズが苦戦したことから全体の売上は伸び悩みました。しかしながら円安の影響もあり、当中間連結会計期間の売上高は725,790千円(前年同期比0.6%増)となりました。
(プロフェッショナルフィールドレコーダー)
プロフェッショナルフィールドレコーダーは、市況感の悪化から高価格帯製品の需要が低迷している中、当カテゴリーの製品もその影響を受けて売上が減少いたしました。その結果、当中間連結会計期間の売上高は651,160千円(前年同期比29.8%減)となりました。
(ハンディビデオレコーダー)
ハンディビデオレコーダーは、北米での売上増があったものの、中欧及び南欧においては販売が伸び悩んだことから、当中間連結会計期間の売上高は279,673千円(前年同期比4.6%減)となりました。
(マイクロフォン)
マイクロフォンは、北米でポッドキャスト用のマイクパックの売上が増加したため、当中間連結会計期間の売上高は200,319千円(前年同期比21.2%増)となりました。
(ボーカルプロセッサー)
ボーカルプロセッサーは、北米及び南欧では売上が伸び悩んだものの、円安により当中間連結会計期間の売上高は126,956千円(前年同期比4.7%増)となりました。
(オーディオインターフェース)
オーディオインターフェースは、新製品が無く販売は低調であったものの、円安により当中間連結会計期間の売上高は80,039千円(前年同期比2.1%増)となりました。
(Mogar取扱いブランド)
Mogar取扱いブランドは、南欧の楽器市場における市況感の悪化により、現地通貨ベースでは対前年同期比減となったものの、円安により当中間連結会計期間の売上高は599,437千円(前年同期比8.3%増)となりました。
(フックアップ取扱いブランド)
フックアップ取扱いブランドは、主要ブランドでの新製品の発売及びセールの実施により、当中間連結会計期間の売上高は785,293千円(前年同期比5.8%増)となりました。
(Sound Service取扱いブランド)
Sound Service取扱いブランドは、中欧の楽器市場における市況感の悪化により、当中間連結会計期間の売上高は1,768,057千円(前年同期比5.1%減)となりました。
また、財政状態の状況は以下のとおりであります。
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ751,917千円増加し、20,012,189千円となりました。これは主に、円安の影響により商品及び製品が833,178千円増加したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ128,570千円増加し、11,465,328千円となりました。これは主に、その他流動負債に含まれる未払金が321,424千円、長期借入金が238,329千円減少した一方、買掛金が257,618千円、運転資金の調達により短期借入金が405,960千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ623,346千円増加し、8,546,860千円となりました。これは主に、配当金の支払129,769千円があった一方、非支配株主持分が200,024千円、円安により為替換算調整勘定が786,360千円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の34.6%に対し、当中間連結会計期間末は35.4%と0.8ポイント増加しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ354,282千円増加し、3,180,451千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は399,067千円(前年同期は598,339千円の増加)となりました。これは主に、棚卸資産の増加額279,471千円、貸倒引当金の減少額191,818千円があった一方、売上債権の減少額616,294千円及びのれん償却額235,752千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は119,997千円(前年同期は2,266,305千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出91,468千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は108,013千円(前年同期は2,583,451千円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額308,235千円があった一方、長期借入金の返済による支出249,695千円及び配当金の支払額129,713千円があったことによるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は490,299千円であります。
(6) 従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数は2名増加し193名となっております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。