第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について変更及び追加がありました。

 以下の内容は、当該「事業等のリスク」を一括して記載したものであり、変更及び追加箇所については___罫で示しております。

 また、2023年7月に主要株主であった野村キャピタル・パートナーズ株式会社は当社株式の全ての売出しを実施したため、前事業年度の有価証券報告書に記載した「(15)大株主がファンドであること等について」は消滅しております。

 

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループといたしましては、これらのリスクを認識し、リスクの予防、回避及び発生時の適切な対応に努める所存であります。なお、文中における将来に関する事項については、当第3四半期連結会計期間末において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 以下の各事項において、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化したときに当社グループの経営成績等の状況に与える影響について合理的に予見することが困難な場合には、その可能性の程度や時期・影響についての記述は行っておりません。なお、当社グループはリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、リスク管理の基盤としての内部統制システムと代表取締役を委員長とするリスク・コンプライアンス管理委員会において、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスク顕在化の予防を図っております。

 

(1)市場動向について

 当社グループが提供するクラウドを利用したSaaS型サービスについては、現在、企業が業務の自動化や効率化を進めており、それらを後押しするシステム投資へのマインドが上向いていることから、企業規模を問わず高い需要が継続しております。このような環境の中、当社グループでは、複数の事業領域へ参入することにより、外部環境の変動に強いビジネスモデルの構築を推進しております。しかしながら、今後経済情勢や景気動向等が変化し、顧客企業の投資マインドが減退するような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合について

 当社グループは、大量の情報を簡易な操作で分析・可視化できるSaaS型サービスを複数の領域で展開しております。当社グループでは、独自の可視化技術の活用により顧客ニーズに合わせたサービスを展開するほか、これまでの経験・実績及び社内ノウハウ等を強みとして製品力を強化することで差別化を図り優位性を高めております。しかしながら、事業展開する領域によっては、資金力、ブランド力を有する競合事業者が存在するほか、新規に参入者が出現する可能性があります。これらの企業との競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)技術革新への対応について

 当社グループがサービスを提供するインターネット業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われ、変化の激しい業界となっております。当社グループでは、新しいトレンドには柔軟に対応していく必要があるため、最新の技術動向や環境変化を把握できる体制を構築するほか、優秀な人材の獲得及び社員教育等に努めております。しかしながら、何らかの理由で技術革新等への対応が遅れた場合、当社グループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また予定していない開発費等の投資が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)システムトラブルについて

 当社グループのサービスはインターネット経由で提供されており、サービス基盤は社内外のネットワークやシステムに依存しております。このため当社グループでは、安定的なサービス提供のため、サーバー設備の増強や情報セキュリティの強化を行うなどのシステム管理体制を強化しております。

 しかしながら、自然災害や事故等により、電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因により、ネットワークやシステムが停止した場合には、サービスを提供することが不可能となる場合があります。またアクセスの一時的な増加による負荷増大で当社グループのサーバーが停止する場合や大規模なプログラム障害でサービス提供に支障が出る場合があります。さらに、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や当社グループの担当者の過誤等によって、当社グループのシステムに重大な影響が出る場合があります。これらの場合、当社グループのサービスへの信用度が著しく低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)新規事業への投資について

 当社グループでは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するため、新規事業を開発するための取り組みを積極的に進めていく方針であります。

 新規事業が安定して収益を生み出すまでには、一定期間、研究開発等への投資を要することが想定され、全社の利益率を低下させる可能性があるため、新規事業への投資については市場動向を充分に観察・分析し、事業計画等を慎重に検討した上で実行判断をするほか、既存事業の収益とのバランスを勘案しながら、許容できるリスクについて判断しております。しかしながら、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当初の計画どおりに推移せず、投資に対して十分な回収を行うことができなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)特定サービスへの依存によるリスクについて

 当社グループは、見える化エンジン事業、カスタマーリングス事業、タレントパレット事業の3つのセグメントによる事業展開を行っており、複数の事業領域へ参入することにより、外部環境の変動に強いビジネスモデル構築を推進しております。しかしながら、タレントパレット事業における売上が相対的に大きく(2022年9月期の売上比率60.2%、2023年9月期第3四半期の売上比率67.9%)、上昇傾向となっております。このためタレントパレット事業における事業環境の変化等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)M&A、組織再編について

 当社グループは、M&Aの実施にあたり、企業の財務内容や契約関係等の事前調査を十分に行っておりますが、対象会社の業績が悪化し、のれんの残高について、相当の減額を行う必要が生じることで当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお2023年6月末におけるのれんの残高は1,199百万円であります。

 

(8)広告宣伝費について

 当社グループでは、マス媒体やオンライン媒体等に広告を掲載し、サービス認知を高めることが効率的な集客につながることから、積極的な広告宣伝活動を実施しております。広告宣伝活動の実施にあたっては、蓄積した知見を基に広告宣伝効果を分析し、最適な効果を得られるよう努めておりますが、市場動向等により広告宣伝費に対する費用対効果を期待通り得られない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)内部管理体制について

 当社グループでは、継続的な成長のために適切なコーポレート・ガバナンスを整備し、内部管理体制の充実を図ることが重要であると認識しております。このため業容拡大や従業員の増加に合わせ、内部管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図る方針となっております。しかしながら、当社グループの事業成長に比べて内部管理体制の構築が遅れるなど、適切な経営管理がなされない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)人材の確保について

 当社グループでは、今後更なる業容拡大に対応するため、優秀な人材を確保し、継続して育成・定着させることが重要な課題であると考えております。このため採用活動を強化するほか、入社後の研修等の充実を図るなど、各種施策を推進しております。しかし、当社グループが求める人材を十分に確保できず、また社内における人材育成が計画通りに進まない場合、適正な人員配置が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である三室克哉及び取締役副社長である鈴村賢治は、当社の主要株主であるとともに、当社グループ事業に関する豊富な経験と知識を有しており、当社グループの経営方針や事業戦略の決定などの事業活動全般において重要な役割を果たしております。

 当社グループでは、業容拡大とともに権限委譲を進め、両名に過度に依存しない経営体制の整備や人材の育成など、リスクの軽減に努めております。しかしながら、何らかの理由により両名による当社グループ業務の遂行が困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)情報管理体制について

 当社グループは、提供するサービスに関連して顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。当社グループでは、個人情報の取り扱いに関する重要性を十分に認識しており、「個人情報の保護に関する法律」や「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」の要求事項の遵守に努めております。これらの情報資産を保護するため、プライバシーマーク、ISO/IEC 27001:2013及びISO/IEC 27017:2015を取得しているほか、情報セキュリティに関する方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。

 また、個人情報の取り扱いについては、国内の法令のみならず、EU一般データ保護規則(GDPR)をはじめとする海外における法令や規則(以下、「海外法令等」という)の適用を受けることがあります。当社グループでは適用可能性のある地域について現地法律事務所等を通じて必要な調査を実施し、加えて海外法令等の動向調査レポート等を利用する等して、海外法令等の情報を適宜収集し、これらを踏まえた必要な対策を講じております。

 しかしながら、このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)知的財産権について

 当社グループは、当社グループが開発した知的財産については適切に登録等を行い当社財産の保全を図っております。また当社グループが他社の保有する知的財産を侵害しないよう、サービスの開発段階において採用する技術等について、必要に応じて弁理士等を通じて調査を行うこととしております。

 しかしながら、万が一、当社グループが第三者の特許権や著作権等の知的財産を侵害した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(14)訴訟等について

 当社グループは、法令及び契約等の順守のため「コンプライアンス規程」を定めて社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めており、本書提出日現在において訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟提起を受ける可能性があります。その訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績、並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)自然災害について

 当社グループの事業活動に必要なサービス基盤については、自然災害等が発生した場合に備え、データセンターやクラウドを利用しております。

 これらサービスの利用にあたっても、自然災害や事故等に備え、システムの二重化、定期的なバックアップ、稼働状況の監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めております。しかしながら、火災、地震等の災害によりサービス基盤が被害を受け、情報資産の消失又はサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)新型コロナウイルス感染拡大のリスク

 新型コロナウイルス感染症拡大により、経済の先行きに対する不透明感が高まっております。当社グループでは、衛生管理の徹底や、時差出勤、在宅勤務の導入、職場における三密回避の徹底等、感染防止策を講じております。

 しかしながら、今後感染がさらに拡大し、終息までの期間が長期化した場合、当社グループ事業において、企業の投資行動が慎重化すること等による新規契約獲得ペースの鈍化、コンサルティング案件による売上高の減少、オフラインの集客イベントの開催ができないことによる見込み顧客数や商談数の減少により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社では、役員及び従業員に対するモチベーション向上等を目的として新株予約権を付与しており、当第3四半期連結会計期間末現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は3.8%となっております。また今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。これらの新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社グループは第1四半期連結会計期間より四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較分析は行っておりません。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 あらゆる情報がデジタル化されビッグデータ化する中で、当社グループは「見える化プラットフォーム企業」のビジョンのもと、先進的なテクノロジー活用によるデータを可視化する技術を武器に、ビッグデータ活用による企業の業務効率化や意思決定を支援するサービスを展開しております。

 

 当第3四半期連結累計期間においては、企業のデジタル化シフトや働き方の見直しに伴う業務の自動化・効率化などへの取り組みが続いており、それらを支援するソフトウェアについては高い需要が維持されております。特に当社グループが手掛けるSaaS型クラウドサービスは、イニシャルコストを抑えて短期での導入が可能であることや、システム更新などの運用負荷を軽減できることから導入へのハードルが低く、企業規模や業種を問わず投資意欲が高く、市場成長をけん引しております。

 

 当社グループでは、2008年5月にスタートした見える化エンジンにより高収益を確立しながら、2011年7月に立ち上げたカスタマーリングスでは安定成長を継続し、2016年9月に参入したタレントパレットは高成長を続けております。いずれも継続収益が大部分を占めるSaaS型サービスであり、それぞれの事業による収益が上乗せされる形で成長を継続しております。全ての事業は黒字化しており、高収益の安定事業、安定成長事業、高成長事業の組み合せにより、全社ベースで高い成長率と利益率を同時に実現しております。

 また2022年10月より株式会社グローアップが子会社となり、タレントパレットとの連携を図りながら、グループの成長に寄与しております。

 

 新規顧客を獲得するための活動としては、マス広告やWeb広告等によるオンラインマーケティング、展示会やWebセミナー等へのイベントへの参加により、当社グループのサービスに関心をもつ顧客を集客し、導入を検討する企業にはサービス説明やデモを実施しながら受注を獲得してまいりました。またインサイドセールスやアウトバウンドなどの手法も活用し、潜在的な顧客に対して積極的に提案を行うことで、新たな顧客層の開拓を推進しております。

 

 足元では新型コロナウイルス感染対策に伴う行動制限が緩和される中で、リアル会場での展示会やイベントなどの機会が増加してきており、参加者にデモや分析手法の紹介を行う機会を活用しながら顧客の導入意欲を高めております。

 

 以上の取り組みの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は8,047,632千円となり、前年の高成長を継続しております。また将来の大きな市場獲得を見据えて人員採用やマーケティング投資などの積極的な成長投資を継続した結果、営業利益は2,565,263千円、経常利益は2,568,014千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,792,031千円となっております。

 

 セグメント別の経営成績は次の通りであります。

 

<見える化エンジン事業>

 見える化エンジン事業は、コールセンターやマーケティング部門に集まる顧客の声に加え、近年拡大してきたソーシャルメディア上での口コミを分析できるツールを提供しております。

 当事業では「顧客体験フィードバック」のコンセプトのもと、企業が顧客に提供したい顧客体験と、顧客の感じ方のギャップを分析する仕組みを提供しており、企業の商品・サービスの改善に対するソリューションとして事業展開を図っております。

 主力顧客の製造業の受注は引き続き堅調であるほか、金融業などのサービス業等でも顧客の声をマーケティングに活かす取り組みは着実に浸透しつつあること、コロナ禍で抑制されていた観光・レジャー業等の活動が回復しつつあることなどにより、当サービスへの引き合いは堅調に推移しております。またツール単体としての提供だけでなく、分析ノウハウや分析結果の活用方法等をコンサルティングサービスとして提供しつつ、顧客内の幅広い部門での活用を促す取り組みを強化した結果、受注案件の大型化が進んでいるほか、既存顧客についても活用シーンの拡大とともに顧客単価は上昇傾向にあります。

 足元では、ソーシャルメディアでの消費者ニーズの把握やコールセンターやコンタクトセンター等での顧客の声の分析、社内のナレッジ蓄積と業務効率化等を目的としたサービス導入が好調に推移しております。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は1,350,269千円、セグメント利益は731,047千円となりました。

 

<カスタマーリングス事業>

 カスタマーリングス事業は、主にEC事業者や通信販売事業者向けに、顧客の属性、購入履歴、メール配信への反応等の情報に基づき、最適なキャンペーンを実施できる統合マーケティング・ツールを提供しております。

 当事業では「実感型デジタルマーケティング」のコンセプトのもと、データの効率的な活用にとどまらず、オンライン施策が顧客行動に与える影響を分析・見える化することで、次の施策決定を支援し、また分析した結果を直接マーケティング施策に活用できるソリューションとして事業展開を図っております。

 電子商取引市場の拡大により、顧客とのデジタル接点から収集した情報をマーケティング施策に活かす取り組みが広がってきている一方で、デジタル・マーケティング分野は成長市場であることから新規参入も多く、競争環境は厳しくなってきております。そのような環境の中で、当社グループは、多様な条件設定によりリアルタイムに有望顧客を抽出・可視化することで顧客に合わせたきめ細かなマーケティング・シナリオ構築と最適アクション実施を実現できるツールとして差別化を図っております。

 当サービスへの引き合いは堅調に推移しており、顧客数の増加に加え、既存顧客の利用度拡大に伴うプランアップや従量課金の増加により顧客単価は上昇傾向にあり、収益拡大に寄与しております。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は1,236,362千円、セグメント利益は369,683千円となりました。

 

<タレントパレット事業>

 タレントパレット事業は、企業内に散在している社員スキル、適性検査結果、職務経歴、人事評価、従業員アンケート、採用情報などの人材情報を集約して分析・見える化できるプラットフォームを提供しております。働き方改革や労働人口減を背景とした人材活用プロセス(採用、教育、配置、評価)の質的向上や効率化を目指した人材管理のソフトウェア市場は急拡大しております。当社グループでは、顧客基盤の拡大に向け、先行的に積極的な人員採用やマーケティング投資を実施しており、導入社数は急速に増加しております。

 当事業では、人材情報をデータで見える化し、分析的視点での人事戦略を実現する「科学的人事」のコンセプトのもと、継続的にサービスの機能強化を図っているほか、導入企業へのコンサルティングを通じて蓄積された分析ノウハウや活用方法などをサービス強化に結び付けております。足元では「ジョブ型雇用機能」「健康経営機能」「人的資本管理機能」などのサービス強化を図るほか、展示会への出展やセミナー開催等、リアルな場を活用したマーケティング施策により、引き合いが増加しております。新規に導入する顧客については、従業員数が多い大手企業が増えており、オプション機能の導入やプランアップによるアップセルが進んでいることから、全体の顧客単価が上昇傾向にあり、収益拡大に寄与しております。

 また、株式会社グローアップが提供するサービス「キミスカ」では、企業と学生を結びつけるプラットフォームを提供しております。学生は無料でデータベースにプロフィールを登録し、利用企業は登録された学生プロフィールを閲覧しながら求人ニーズにマッチする候補者に直接アプローチする「逆求人」型のサービスを展開しております。利用企業にとっては、就職ナビ等を経由して企業に応募する「エントリー型」の応募では出会えない学生へのアプローチが可能となるほか、学生にとっては、自分の強みやスキル、価値観、経験などを評価してくれる企業からのオファーを得られるサービスとなっております。タレントパレットの導入企業がキミスカを通じて効率的に新卒学生とのマッチングが図れるための連携機能を強化しており、グループ連携を図りながら利用企業の開拓を推進しております。少子化に伴う労働力不足で採用の難易度が高まる環境下で、本サービスに対する引き合いは堅調に推移しております。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は5,461,000千円、セグメント利益は2,166,836千円となりました。

 

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は8,100,521千円となりました。

 主な内訳は、現金及び預金が6,747,537千円、受取手形及び売掛金が1,080,281千円であります。

 また、固定資産は2,376,928千円となりました。主な内訳は、有形固定資産が167,776千円、M&A により発生

したのれん1,199,916千円を含めた無形固定資産が1,555,842千円、投資その他の資産が653,308千円であります。

 以上の結果、資産合計は10,477,449千円となりました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は2,006,925千円となりました。

 主な内訳は、未払法人税等が352,645千円、買掛金が174,458千円であります。

 また、固定負債は繰延税金負債であり、118,416千円となりました。

 以上の結果、負債合計は2,125,342千円となりました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は8,352,107千円となりました。

 主な内訳は、資本金が313,812千円、資本剰余金が303,812千円、利益剰余金が7,729,958千円であります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

 当社グループは、各事業部による既存サービスの新機能開発活動を推進しております。また、各セグメントに関連付けられない全社共通の研究開発活動として、情報技術・イノベーションセンターによるテキストマイニング技術及びAI活用に関する研究開発活動、経営企画部主催の全社員を対象とした新規事業開発活動に取り組んでおります。毎年、新規事業創発のためのコンテストを開催しており、事業現場、技術部門、企画部門が連携することで、テキストマイニング、CRM・MA、タレントマネジメントに続く、「世の中を「見える化」する新サービス」の開発に努めております。

 

<見える化エンジン事業>

 顧客内での幅広い利用者による情報活用を可能とするためのプラットフォーム構築や大量データを可視化するための機能開発を行っております。

 

<カスタマーリングス事業>

 市場変化に迅速に対応するため、業務の自動化、高速化、機能追加及びシステム安定化など、サービス基盤を強化するシステム開発を行っております。

 

<タレントパレット事業>

 時代変化が顧客にもたらす課題を解決するための新機能開発やサービス品質向上を図るためのシステム開発を行っております。

 

<全社共通>

 大量の日本語を分析処理するテキストマイニングの基盤技術である自然言語処理エンジン「Waters」の機能強化や精度向上のためのシステム開発を行っております。また新規事業創造への取り組みとして、新規事業開発活動を行っております。

 当第3四半期連結会計期間末における当社グループの研究開発体制は、見える化エンジン事業2名、カスタマーリングス事業2名、タレントパレット事業4名、情報技術・イノベーションセンター1名であります。

 

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は90,565千円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。