当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書(上場子会社含む)に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は、次のとおりであります。
(移動体通信関連事業のリスクの消滅)
2023年4月1日付で移動体通信関連事業における運営店舗の事業譲渡および閉店が完了したことに伴い、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクのうち、移動体通信関連事業に関する事項は消滅しております。
なお、急激な円安の進行及びウクライナ情勢等による当社グループの事業等への影響は、今後状況の経過により当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、ウクライナ情勢等の影響はあるものの、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、経済のさらなる回復が期待されております。
当社グループでは、「おもてなしテクノロジーで人を幸せに」をコアバリューに据え、「企業と顧客をつなぐDXクラウドサービス」をコンセプトに事業を推進しています。
昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、リモートワーク等の働き方改革、デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」という)、不正口座利用問題によるオンライン本人確認(eKYC等)やマイナンバーカードを利用した公的個人認証サービス、多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)ニーズ等を受け、非対面取引に関する市場が急拡大しております。
当社グループが事業展開する主要マーケットの1つである、国内デジタルマーケティング市場は、2020~2025年にCAGR(年平均成長率)7.2%の6,102億円(※1)と高い成長率が見込まれます。また、国内DX市場規模は、2030年には6兆5,195億円に拡大する見通しです。(※2)
今後も、これらの成長市場に対して、当社グループの培ったユーザビリティの高い技術を活用し、社会の「不」を解消する価値の高いサービスを積極的に提供してまいります。
なお、連結子会社は投資関連事業を行う株式会社Showcase Capitalと情報通信関連事業を行う日本テレホン株式会社(東証スタンダード:9425 以下、「日本テレホン社」という。)の2社となります。
※1:IDC 国内デジタルマーケティング関連サービス市場 セグメント別/産業分野別予測、2020~2025年より
※2:富士キメラ総研『2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』より
このような状況のもと、当第2四半期連結累計期間における売上高は3,393,940千円(前年同四半期比55.8%増)、営業損失は124,688千円(前年同四半期は営業損失158,557千円)、経常損失は130,690千円(前年同四半期は経常損失168,215千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は47,338千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失140,073千円)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間において、報告セグメントを変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「2.報告セグメントの変更等に関する事項 (報告セグメントの変更)」をご参照ください。
① DXクラウド事業
2021年11月にリリースした戦略商品「おもてなしSuite」は、順調に販売を拡大しております。現在は、AIチャットボット・有人チャット機能のほか、マウス一つでフォームを作成できる機能を提供しており、複数の自治体や大手製造業にご利用頂いております。2022年12月に「おもてなしSuite」は、サイボウズ株式会社(東証プライム:4776 以下、「サイボウズ社」という。)が提供する「kintone(キントーン)」との連携実績が認められ、サイボウズオフィシャルパートナー(プロダクト)に認定されました。今期の注力事項としてアライアンス戦略を掲げており、サイボウズ社との連携はその核となる部分であると捉えております。2023年3月のサイボウズ社の元常務執行役員である中原裕幸氏の社外取締役登用に引き続き、6月には「おもてなしSuite for kintone View」をリリースいたしました。このサービスは、kintone内のデータを描画・編集できるサービスです。当社が強みとしているUI/UXのノウハウを活用し、kintoneアプリから表示させたいデータを見やすく描画できるようになりました。更に、選択されたユーザーにのみデータを表示する認証機能なども有しています。引き続き、おもてなしSuiteとkintoneの連携を強化し、専門的な知識がなくてもDXを進められるtoB向けプラットフォームをサイボウズ社とともに提供してまいります。
「ナビキャストシリーズ」やオンライン本人確認/eKYCサービス「ProTech ID Checker(プロテック アイディー チェッカー)」は、引き続き堅調に推移しております。当第2四半期連結累計期間においては、株式会社 DTS(東証プライム:9682)との連携を開始いたしました。司法書士事務所や中古商品販売、EC等に新規に導入されるなど、契約社数を伸ばしています。また、6月にはProTechシリーズの新機能として、「マイナンバーIC認証」をリリースいたしました。マイナンバーカードの有効申請件数は運転免許証の発行枚数を超え、人口の70.0%(約8,800万枚)に達しています(※3)。企業と顧客を「より安全に」「よりカンタンに」つなぐために、公的個人認証を使ったオンライン手続きサービスを提供してまいります。2023年6月末時点で、すでに導入済み企業が1社、金融機関等からの利用内諾社数は5社となっております。引き続き、導入企業の増加と売上拡大を目指してまいります。
2023年7月より、「ナビキャストシリーズ」「ProTechシリーズ」の一部の製品において、価格改定を行うことを決定いたしました。対象ユーザーには6月に告知を行い、7月以降の契約更新分から順次新価格が適用されます。価格改定の影響として、当社としては2~5%程度の解約を見込んでいるものの、年末時点でのMRR(Monthly Recurring Revenue、月次経常収益)は昨年よりも成長すると想定しております。
DX支援開発案件につきましては、堅調に業績に貢献しております。防災事業を手掛ける株式会社WAVE1(東京都杉並区)との、防災DXを推進するVertical SaaSの共同開発は、開発が順調に進み業績に貢献いたしました。また、消防防災に関する国内最大級の展示会「東京国際消防防災展2023」に共同出展いたしました。金融×DXや広報×DXの案件に関しても堅調に成長をしております。
※3:総務省 マイナンバーカードの交付・保有枚数等について(令和5年6月末時点)より
以上の結果、DXクラウド事業全体における売上高は667,125千円(前年同四半期比30.1%増)、セグメント利益(営業利益)は252,178千円(前年同四半期比25.1%増)となりました。
② 広告・メディア事業
(広告関連サービス)
広告関連サービスについては、従来から提供してきた運用広告関連サービスに加え、顧客のニーズに合わせたSNS広告運用サービス等の提供により、安定的に売上貢献をしております。
(オウンドメディア)
主力となるスマートフォン関連ニュース系メディア「bitWave」・「スマホのススメ」、昨年開始した新メディアであるプログラミングスクール紹介メディア「cody」が業績に貢献しております。売上は昨年には及ばなかったものの、当社が重要視している営業利益においては前年を大きく上回る結果となりました。
選択肢が多くてどれを選んだらいいかわからないという「不」を解決するために、当社が得意としている情報比較メディアを複数リリースしております。今四半期においてはマッチングアプリをわかりやすくガイドする「MATCH×MATCH」と、スマホ・iPhone・キャリア・格安SIMの情報を発信するWebメディア「スマホ365」を新たにリリースいたしました。「スマホ365」は兼松コミュニケーションズ株式会社(東京都渋谷区、以下「兼松コミュニケーションズ社」という。)との共同メディアとなります。兼松コミュニケーションズ社は、当社子会社である日本テレホン社と2019年に業務提携契約を締結しております。スマホに関するメディアを共同運用することで、グループでのシナジー最大化を図ることを目的として、今回のサービスリリースに至りました。「MATCH×MATCH」ではスマホ関連メディア以外のテーマも取り扱うことで、新たなユーザーとのタッチポイントを増やしてまいります。
以上の結果、広告・メディア事業全体における売上高は164,769千円(前年同四半期比17.5%減)、セグメント利益(営業利益)は31,924千円(前年同四半期比33.5%増)となりました。
③ 投資関連事業
投資関連事業を手掛ける株式会社Showcase Capitalは、スタートアップと事業会社やVC・CVCをオンラインでマッチングするプラットフォーム「SmartPitch(スマートピッチ)」等を通じて、スタートアップ・エコシステムの形成の一助となる活動に取り組んでおります。本書提出日現在、登録数はスタートアップ企業側が460社超、事業会社等の投資家側も200社以上が登録されています。7月にはシリコンバレー発の世界トップレベルのイノベーションプラットフォームであるPlug and Play Japan株式会社(東京都渋谷区)と、スマートシティに関するハイブリッド型ピッチイベント「Smart City Innovation Pitch」を共催いたしました。
以上の結果、投資関連事業全体における売上高は20,568千円(前年同四半期比68.4%減)、セグメント損失(営業損失)は6,110千円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)222千円)となりました。
④ 情報通信関連事業
情報通信関連事業を手掛ける日本テレホン社におきましては、中古スマートフォンの販売を中心としたリユース関連事業を展開しております。
リユース関連事業は、これまで主力だったスマートフォンの他に、PCやタブレットの販売も開始しております。拡販施策として商品保証付き認定リユース品を新たに展開し、MVNO事業者に対する提供を開始いたしました。加えて、端末のオンライン買取サービスをプラットフォームとして提供することで、既存パートナー企業との連携を更に強化してまいりました。すでに日本テレホン社の業務提携先である兼松コミュニケーションズ社や、九州電力100%子会社である株式会社QTnet(福岡県福岡市)をはじめとする複数のパートナーとの連携を開始しております。
個人向けオンラインチャネルにおいては、当社が持つオンライン領域での強みを活かし、自社運営サイトのリニューアルを行ったほか、楽天、Amazon、メルカリといったECモールにおける販売チャネルの拡充と商品ラインナップの強化を実施してまいりました。その他の新たな取り組みとして、LCM(ライフサイクルマネジメント)&グローバル事業を本格稼働いたしました。過去に日本テレホン社で進出経験のある香港と、中古端末の中心となっているドバイでの販売を開始します。グローバルでの販売は円安の恩恵を受けやすいだけでなく、日本よりもリユース品への関心が高いことから、今後のさらなる成長の鍵であると考えております。当社代表取締役社長と日本テレホン社の代表取締役会長CEOを務めている永田豊志氏が管掌役員となり、事業を推進してまいります。
また、2023年7月28日にお知らせいたしましたとおり、日本テレホン社のサービス名及び会社名の変更をし、リブランディングを行ってまいります。新サービス名である「ReYuu(リユー)」は、① 「リユー」ス(再利用)の輪を広げる、② 選ばれる「理由」がある、③ 「Re(何度も)」+「Yuu(結う=繋げる)」という意味が含まれており、これまでにリユース商品に触れる機会が少なかったユーザーを獲得する意図で、名称を刷新いたします。サービス名称は2023年8月より変更され、会社名は2024年1月の定時株主総会の決議をもって、2024年2月に変更予定です。
2023年4月には、事業の選択と集中による収益基盤の安定化を目的として、移動体通信関連事業の譲渡及び閉店を完了いたしました。同事業の譲渡に伴い譲渡益135百万円を特別利益として計上しております。
以上の結果、情報通信関連事業全体における売上高は2,548,843千円(前年同四半期比82.0%増)、セグメント損失(営業損失)は84,274千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)35,697千円)となりました。
(財政状態)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ131,367千円増加し、4,134,223千円となりました。この主たる要因は、のれんが50,365千円減少した一方で、現金及び預金が111,044千円、売掛金及び契約資産が56,269千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ134,856千円増加し、1,862,034千円となりました。この主たる要因は、長期借入金(1年内返済予定を含む。)が155,854千円減少した一方で、短期借入金が300,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,489千円減少し、2,272,189千円となりました。この主たる要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が47,338千円減少した一方で、非支配株主持分が43,174千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は37.5%(前連結会計年度末は39.9%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ111,044千円増加し、1,746,494千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、174,762千円(前年同四半期は92,943千円の使用)となりました。主な増加要因は、のれん償却額50,365千円、減価償却費48,960千円であります。主な減少要因は、事業譲渡益135,431千円、棚卸資産の増加額83,459千円、売上債権及び契約資産の増加額56,489千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、148,691千円(前年同四半期は641,081千円の獲得)となりました。無形固定資産の取得による支出122,576千円等により資金を使用した一方で、事業譲渡による収入248,615千円等により資金を獲得したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、137,346千円(前年同四半期は203,370千円の獲得)となりました。長期借入金の返済による支出155,854千円等により資金を使用した一方で、短期借入金の純増加額300,000千円等により資金を獲得したことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は906千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
日本テレホン株式会社(連結子会社)の事業譲渡契約
連結子会社である日本テレホン社は、2022年11月25日開催の取締役会において、リユース関連事業に経営資源を集中させることを目的に、日本テレホン社の運営する移動体通信事業者ブランドによる3店舗の専門ショップにつき、ITXコミュニケーションズ株式会社に対してauショップ2店舗を事業譲渡すること、株式会社テレックス関西に対してドコモショップ1店舗を事業譲渡することを決議いたしました。
このうち、ITXコミュニケーションズ株式会社に対するauショップ2店舗の事業譲渡については、2023年2月1日に事業譲渡契約を締結し、事業譲渡を行いました。また、株式会社テレックス関西に対するドコモショップ1店舗の事業譲渡については、2023年4月1日に事業譲渡契約を締結し、事業譲渡を行いました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
重要な契約の解除及び株式譲渡契約(特定の株主からの自己株式の取得)
1.重要な契約の解除
当社は、2023年7月20日開催の取締役会において、AI inside株式会社との資本業務提携を解消することを決議いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
2.株式譲渡契約(特定の株主からの自己株式の取得)
会社法第156条第1項及び第160条第1項の規定に基づき、相対取引による自己株式の取得(以下、「本自己株式取得」といいます。)を行うものであり、本自己株式取得が2023年9月20日開催予定の臨時株主総会で承認されること等を条件として、AI inside株式会社(以下、「AI inside社」という。)と本自己株式取得に関する株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。