当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復傾向にあります。しかしながら、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場停滞の継続、さらには物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動などにより、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属するインターネット業界・オンラインゲーム業界においては、需要の面では、大手企業を中心に「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」と呼ばれるデジタル技術の活用による変革の流れが引き続き力強いものとなっており、企業や政府・自治体における旺盛なIT投資が継続しております。また、供給の面では、デジタル人材の不足が依然として深刻な状況にあり、需給ギャップの拡大とそれに伴う人材獲得競争の激化が見られ、ソフトウェア等の開発単価は上昇傾向にあります。
このような経営環境において、当社グループは「ザ・インターネットカンパニー」というビジョンのもと、「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」をミッションに掲げ、その実現に向けてWebソリューション事業・デジタル人材育成派遣事業・オンラインゲーム事業を展開し、DX化に伴う需要拡大や開発単価の上昇等の追い風の下、収益拡大を図っております。
また、前連結会計年度末に掲げた中期ビジョンである「アピリッツVISION2030」の取り組みを推進しております。当社グループには若手エンジニアを始めデジタル人材が多数在籍しており、今後も採用を強化する方針であることから、長期的な人材への投資・教育が必要であると考えております。従業員1人1人の成長が事業成長及び社会貢献へ繋がる事を鑑み、人と事業が継続して成長できる環境作りを行うことを目的としております。具体的には、組織における横串のコミュニティを活性化し、相互理解や助け合い文化の促進を行う「共創・共学」、学びの継続ができる環境構築によりデジタル人材の育成を行う「人材育成」、学びを継続することによる「生産力向上」の3つの要素により実現できるものと考えており、最終的には多くのサービス開発を通して、事業・収益拡大を実現させ、社会に多数のデジタル人材を輩出することで「豊かな社会」の実現を目指してまいります。
さらに、当社グループが成長戦略として掲げるM&A戦略の面では、2022年1月にファンコミュニティサイトの企画・開発・運営事業を手掛ける株式会社ムービングクルーを、2022年7月にIT人材派遣事業及びWEB制作事業を手掛ける株式会社Y’sを、2024年6月にWebサービスのシステム開発・構築、運用・保守、コンサルティング等を手掛けるBee2B株式会社をそれぞれ完全子会社化し、デジタル人材の確保・育成と事業領域の拡大に取り組んでおります。引き続き、デジタル人材の確保・育成と事業領域の拡大へ向けて、積極的なソーシングを行ってまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。
売上高 4,221,237千円(前年同期比 2.0%増)
営業利益 13,262千円(前年同期比94.9%減)
経常利益 10,681千円(前年同期比95.9%減)
親会社株主に帰属する中間純損失 16,163千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益151,203千円)
当中間連結会計期間におけるセグメント別の業績は次のとおりです。
なお、セグメント間取引消去前の金額を記載しております。
Webソリューション事業においては、顧客のニーズに合わせたサービス設計から開発・保守までの一連の業務を請け負うことによるロイヤリティループの形成、若手に責任あるポジションを経験させ開発エンジニアとしての技能の向上を図りそれをまた新たな若手に繋げていくことによる成長スパイラルの形成から、継続的な案件受注や新規案件のタッチポイントの増加を企図しております。
当中間連結会計期間においては、当第1四半期連結会計期間から継続して発生している大型案件の納期遅延の収束に向けて注力しました。当該案件への大幅な人員投下等による当該案件の不採算化、人員投下に伴うリソース不足の発生による新規案件獲得の低下が見られました。これを鑑みた今後の方針として、プロジェクト管理体制の強化、ひいては収益基盤の改善に努めてまいります。
なお、これにより、業績予想の修正を行っております。詳細につきましては、2024年9月9日に公表しました「2025年1月期 第2四半期(中間期)及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください。
その結果、当中間連結会計期間における売上高は1,626,459千円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は171,958千円(前年同期比69.7%減)となりました。
② デジタル人材育成派遣事業
デジタル人材育成派遣事業においては、急速に進むデジタルビジネスの進展とそれを支えるデジタル人材の需給ギャップが構造的に問題となっており、質の高いデジタル人材に対するニーズが依然として高まっております。
当社グループでは、未経験に近い人員の採用を行い、過去から積み上げた質の高い教育を積極的に行うことで、質の高いデジタル人材を顧客に提供しております。当中間連結会計期間においてもデジタル人材の派遣の需要は引き続き堅調に推移しており、それに伴って稼働人数も増加しました。
その結果、当中間連結会計期間における売上高は1,089,201千円(前年同期比19.6%増)、セグメント利益は99,641千円(前年同期比299.4%増)となりました。
③ オンラインゲーム事業
オンラインゲーム事業は、運営移管タイトルにおいて、『けものフレンズ3』では、令和6年能登半島地震により甚大な被害を受けた「のとじま臨海公園水族館」に対して寄付が行える期間限定アイテムを販売し、その売上金額(Apple Inc.等のプラットフォーム提供会社に対して当社が支払う手数料を控除した後の金額)について、当社から一般社団法人日本水族館協会が主宰するクラウドファンディングを通して、5月に寄付を行いました。『UNI’S ON AIR(ユニゾンエアー)』では、6月から7月にかけて開催した大型キャンペーン「UNIFES」が好評を博し、売上に貢献いたしました。また、運営移管後に運営体制の効率化や外注の内製化を継続して行っていることで、原価は低減傾向にあります。
受託開発・運営においては、他社開発ゲームの受託開発及び運営保守並びに共同運営を行ってまいりました。自社ゲームタイトルや運営移管タイトルの開発で獲得したノウハウを活かし、他社ゲーム開発の受注が安定的に推移しました。また、4月には株式会社ブシロードが提供する『新テニスの王子様 RisingBeat』の運営に参画するなどを行いました。
自社ゲームタイトルにおいて、『ゴエティアクロス』では、各種イベントの開催や新キャラクターの追加等を行い、売上維持に努めてまいりました。また、開発中の「式姫Project」の新作ゲームタイトルについては、2024年秋のリリースを予定しておりましたが、ゲーム体験及び品質のさらなる向上が必要と判断し、リリース時期の延期を決定いたしました。
その結果、当中間連結会計期間における売上高は1,544,302千円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は108,674千円(前年同期比820.4%増)となりました。
当中間連結会計期間末の資産合計は、4,840,124千円と前連結会計年度末に比べて254,282千円の増加となりました。流動資産は133,316千円増加し、3,515,026千円となりました。これは主に、前払費用の増加154,249千円等によるものです。固定資産は120,965千円増加し、1,325,097千円となりました。これは主に、のれんの増加65,290千円、建設仮勘定の増加54,342千円等によるものであります。
当中間連結会計期間末の負債合計は、2,394,750千円と前連結会計年度末に比べて277,283千円の増加となりました。これは主に、長期借入金が199,370千円、買掛金が116,997千円、それぞれ増加した一方で、未払消費税等が60,568千円減少したこと等によるものであります。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、2,445,373千円と前連結会計年度末に比べて23,000千円の減少となりました。これは主に、新株予約権が17,011千円増加した一方で、親会社株主に帰属する中間純損失の計上により16,163千円、配当金の支払により24,759千円、利益剰余金が減少したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,700,269千円と前連結会計年度末に比べて41,891千円の減少となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は81,992千円(前年同期は15,513千円の収入)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益10,681千円、減価償却費33,216千円、のれん償却額37,247千円、売上債権及び契約資産の減少16,835千円、棚卸資産の増加10,762千円、前払費用の増加150,788千円、仕入債務の増加116,968千円、未払消費税等の減少67,009千円、法人税等の支払額89,443千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は139,092千円(前年同期は434,762千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出56,342千円、差入保証金の差入による支出25,553千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出57,646千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は179,190千円(前年同期は231,733千円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入300,000千円があった一方で、短期借入金の減少21,000千円、長期借入金の返済による支出75,986千円、配当金の支払額24,735千円があったこと等によるものであります。
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は74,485千円です。なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、2024年5月31日に会社法第370条及び当社定款第25条第2項の規定による決議によって、Bee2B株式会社の全株式を取得し、完全子会社化することを決議いたしました。
また、同日付で株式譲渡契約を締結し、2024年6月1日に全株式を取得いたしました。
詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。