当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。また、当社グループの事業は雑貨事業並びにこれらの付帯事業の単一事業であり、その事業が単一セグメントであるため、以下の事項はセグメント別に区別しておりません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用、所得環境の改善やインバウンド需要の回復等により持ち直しの動きが見られました。一方、ロシア・ウクライナ及び中東地域をめぐる情勢や、デフレからインフレに移行する兆しが見られたことによる金融資本市場の変動など、先行きに対する不透明感が継続いたしました。
このような環境のもと、当社グループは、第4次中期経営計画において掲げた5つの重点戦略の優先度を見直し、当期においては、「eコマースの強化」を軸として、「SDGs推進から生れる製品需要」「リオープンから生れる製品需要」「コト消費から生れるモノ消費」「国内自社製造の強化」を推進し、社会環境や消費動向の変化を逃すことなく適時適切に捉え、新製品の投入や顧客企業の開拓、関係強化に努めました。
■独自のビジネスモデル
当社グループの独自のビジネスモデルは、今までにない発想で、「あると便利なモノ」「流行を先取りしたモノ」「市場にない(不足している)必要なモノ」などを、短期間で製品を企画・提案する力、海外サプライヤーを通して、製品を無地の状態で、安価で大量に生産・調達し国内に保有する力、これらの無地製品に印刷・加工などの高品質な付加価値を加え、数量に関わらず、低価格・短納期で提供する力を有しております。加えて、一連の過程をeコマースにより効率化することで、他社との差別化を図りビジネスを展開しております。独自のビジネスモデルは、eコマース事業の強化を目指し開発された仕組み、「MARKLESS Connect※」の仕組みを顧客企業に提供することで、当社グループ及び顧客企業における受発注業務の無駄が排除され、業務プロセスが効率化されることで、両社の業績を効果的に伸長させる仕組みです。
※当社製品の在庫状況(在庫数量、欠品及び次回納品日)の確認、受発注業務、デザイン入稿、決済などの顧客企業間との取引をすべてECで完結させる仕組みで、人の手を介さず効率化を図ることが可能です。
■eコマース事業
eコマース事業においては、重点戦略「eコマースの強化」を掲げ、2025年8月期に連結売上高に占める割合を30%以上とする目標に向けて、BtoB及びDtoC※サイトの売上拡大のための取り組みを強化いたしました。当社グループが構築したECプラットフォームは、リアルタイムでの在庫情報の確認や受発注など一連のやり取りを自動化し人的な関与を削減しております。この仕組みは、当社グループの売上増加や生産性向上、効率化に留まらず、顧客企業においても同様に効果を発揮しております。当第1四半期は、前期に続きリアルとeコマースを融合したハイブリッド型の営業活動に注力した結果、eコマースの売上拡大が連結売上高の伸長に寄与し、利益確保に繋がりました。主力のBtoBサイト「MARKLESS STYLE」においては、引き続き「MARKLESS Connect」の売上が大きく伸長いたしました。主力のDtoCサイト「販促STYLE」では、登録製品の拡充やユーザビリティを向上するなどの施策により会員数が増加、リピート率が向上いたしました。また、物販・OEM向けの「オリジナルグッズプレス」や企業のオリジナル物販品や記念品などを製作する「オリジナルドットコム」においても、施策の成果が徐々に現れております。オリジナルブランドサイトでは、ペットウェア・関連製品を取り扱う「Calulu ONLINE STORE」や、トラベル関連製品を取り扱う「gowell」のサイトにおいて、SNSを効果的に活用することで、これまで対応しきれていなかった顧客層へのアプローチに努めました。
この結果、eコマースの売上は前年同期比で4億23百万円、41.0%の増収となり、売上構成比も前年同期より4.7ポイント拡大し22.0%となりました。
※「Direct to Consumer」の略で、メーカーが自社で企画・製造した商品を、卸売業者や店舗などの中間業者を介さず、直接最終顧客に販売するビジネスモデル
「エコプロダクツ」
エコプロダクツは、素材にオーガニックコットンや再生素材、バイオマスプラスチック、天然素材などを原材料とした繰り返し使える製品や、廃棄資源にアイデアやデザインなどの付加価値を与え、より価値の高い製品に生まれ変わらせたアップサイクル製品などです。これらの製品は、素材にこだわることでCO2の削減・抑制に貢献し、SDGs達成に向けた取り組みを意識している顧客企業から評価と支持を得ております。
エコプロダクツにおいては、重点戦略「SDGs推進から生れる製品需要」を掲げ、環境に配慮した製品カテゴリーの拡充に努めました。当第1四半期においても、エコバッグやタンブラー・サーモボトルなどの主力製品が好調に推移いたしました。これらの製品は、高い汎用性と優れたデザイン性を兼ね備えた「無地製品」であることから、セールスプロモーション用のノベルティやイベントで物販品として活用され、エンドユーザーや代理店等に対する売上に加え、eコマースの強化により「MARKLESS STYLE」や「販促STYLE」の売上も増加いたしました。物販・OEM向けの「オリジナルグッズプレス」においては、オリジナルショップグッズとしての利用が増加いたしました。また、当社グループのエコプロダクツにおけるフェアトレード推進活動への取り組みが評価され、第1回フェアトレード・ジャパンアワード「ソーシャルムーブメント部門 優秀賞」を受賞いたしました。小売り向けに展開している「MOTTERU」では、4度目となる2023年度グッドデザイン賞を受賞したほか、環境省主催の「選ぼう!3Rキャンペーン2023」の対象製品に3年連続で選出されました。
この結果、エコプロダクツの売上は、前年同期比で1億90百万円、6.8%の増収となりました。
「ライフスタイルプロダクツ」
ライフスタイルプロダクツにおいては、「リオープンから生れる製品需要」「コト消費から生れるモノ消費」を掲げ、好調業界やセールスプロモーションの需要拡大が見込まれる業界に対して、製品・サービスメニューを拡大し、リアルとeコマースを融合した効率的かつ効果的な営業活動を展開いたしました。当第1四半期においても、ライフスタイルプロダクツの売上拡大をけん引しているゲーム・アニメ業界やVTuberなどの業界に対する売上が伸長したほか、2.5次元やスポーツイベントなどの業界においても、ECによる物販品やリアルイベントによる会場での物販品の需要が増加いたしました。これらの物販品は、多様化しかつ高いクオリティも求められるため、新たなカテゴリー製品の投入や、国内自社工場に新規設備を導入し鮮明なフルカラー印刷を施した製品の提供により顧客企業の要望に対応いたしました。また、新たなカテゴリー製品の認知度向上のため、展示会にピクチャースタイルタオルやアクリル製品などを数多く出展し、エンドユーザーや代理店等の顧客企業から好評を得ました。セールスプロモーションにおいても、キャンペーン需要の回復に合わせてIPを活用した企画提案を強化し売上拡大に努めました。ペットウェア・関連製品では、販路拡大と通年販売が可能な新製品の開発に取り組みました。トラベル関連製品では、人気キャラクターとのコラボ製品を一新しインバウンド需要に対応したほか、今後の海外旅行需要に向けた販路拡大に加え大手専門店やホームセンターなどの売り場獲得に注力いたしました。
この結果、ライフスタイルプロダクツの売上は、前年同期比で4億74百万円、17.2%の増収となりました。
「ウェルネスプロダクツ」
マスクや除菌スプレーなどの衛生用品を中心に一定の需要となり、前年同期比で5百万円、1.7%の減収となりました。
生産面においては、複数の生産拠点の確保及び為替変動や原材料価格の高騰に対応した機動的な生産地の切り替え、物流経路の最適化を図り、継続した安定供給の実現と価格競争力の強化に努めました。また、海外サプライヤーの工場への視察頻度を高め、製品の品質向上と製品ロスの低減を推進しました。加えて、新たな海外サプライヤーや国内の仕入先を開拓することで、価格競争力の更なる強化により利益率の維持・向上に努めました。国内自社工場においては、新規設備の導入や生産に対応する人員の増強により、内製化率が高まり、生産性の向上に繋がりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、66億24百万円(前年同期比6億55百万円、11.0%の増加)、営業利益は、売上高の伸長による売上総利益の確保、販売費及び一般管理費の計画的支出により14億87百万円(前年同期比2億25百万円、17.9%の増加)となり、経常利益は15億18百万円(前年同期比2億62百万円、20.9%の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億2百万円(前年同期比1億84百万円、22.5%の増加)となりました。
当第1四半期連結累計期間における販売経路別及び製品分類別の販売実績は、以下のとおりであります。
<販売経路別販売実績>
販売経路 |
売上高 |
増減 |
||
前第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
エンドユーザー企業向け |
2,959 |
3,129 |
169 |
5.7 |
卸売事業者向け |
1,977 |
2,039 |
61 |
3.1 |
eコマース |
1,032 |
1,456 |
423 |
41.0 |
合計 |
5,969 |
6,624 |
655 |
11.0 |
<製品分類別販売実績>
製品分類 |
売上高 |
増減 |
||
前第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
エコプロダクツ |
2,801 |
2,991 |
190 |
6.8 |
ライフスタイルプロダクツ |
2,759 |
3,234 |
474 |
17.2 |
ウェルネスプロダクツ |
329 |
323 |
△ 5 |
△ 1.7 |
デザインその他 |
79 |
75 |
△ 4 |
△ 5.3 |
合計 |
5,969 |
6,624 |
655 |
11.0 |
(注) デザインその他は、グラフィック・プロダクト・WEBデザインの受託業務や印刷業務等の雑貨製品に該当しないものであります。
②財政状態の分析
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ14億14百万円減少し、137億75百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少22億15百万円、製品の減少14百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加9億22百万円によるものであります。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ4億86百万円増加し、58億95百万円となりました。主な要因は、投資その他の資産の増加3億25百万円、有形固定資産の増加1億49百万円、無形固定資産の増加11百万円によるものであります。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ7億86百万円減少し、26億39百万円となりました。主な要因は、未払法人税等の減少7億27百万円によるものであります。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ55百万円減少し、8億81百万円となりました。主な要因は、長期借入金の減少49百万円によるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ86百万円減少し、161億50百万円となりました。主な要因は、繰延ヘッジ損益の減少38百万円、その他有価証券評価差額金の減少37百万円によるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は10百万円であります。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。