第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当社グループは、「すべての人を、創造する人に。」のミッションのもと、勤怠管理、工数管理、経費精算、電子稟議など、従業員が毎日使う社内業務システムを一元化したクラウドサービス「チームスピリット(注1)」を提供しております。

 

 当社グループが提供するサービス領域における短期的な事業環境といたしましては、新型コロナウイルスの感染拡大を契機にして、フルリモートワークやハイブリッドワーク等の多様な働き方への対応が求められるようになったことで、高度な「勤怠管理」への需要は継続的に高い関心を集めております。また、最近では、労働時間の正確な把握だけでなく、仕事の見える化によるチームの活性化や非対面でのマネジメントの最適化を可能にする「工数管理」への需要も高まっています。

 

 中長期的な事業環境といたしましては、人的資本経営に対する関心の高まりを背景に、多様で生産性の高い働き方の実現や、従業員エンゲージメントの向上に注力する企業がますます増加することが予想されます。また、特にエンタープライズ企業(注2)では、2000年頃に一斉導入されたERP並びに、それに付随したデータのエントリー機能を担う「勤怠管理システム」や「経費精算システム」といったERPのフロントウェアシステムのリプレイス需要が高まっています。従来、エンタープライズ企業では、これらのシステムは各社独自の仕様で構築されるケースが一般的でしたが、昨今は更新投資やシステム保守費をかけることなく最先端のサービスを利用することができるSaaS(注3)への関心が高まっています。

 

 このような事業環境の下で、当社グループは、「エンタープライズ市場開拓(注4)」を成長戦略の柱に据えて、製品開発、セールス&マーケティング、サポートの各領域に積極的な投資を行い、エンタープライズ企業を中心に幅広い企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)ニーズに応えてまいりました。最近では、「勤怠」や「工数」データといった「ワークログ(業務における活動ログ)」を収集・分析し、それらを人的資本経営に生かすソリューションについても関心が高まってきております。

 

 当第1四半期連結累計期間の経営成績は以下のとおりです。

 

 ライセンス受注状況に関して、当第1四半期連結累計期間における契約ライセンス数の純増は、大手人材派遣会社の受注もあり、18,426ライセンスとなり、累計の契約ライセンス数は475,142ライセンス(前年同期比21.7%増)となりました。ARR(注5)は3,461百万円(同16.5%増)となりました。また、当第1四半期連結累計期間における契約社数の増加は35社となり、累計で1,835社となりました。

 

 当第1四半期連結累計期間における売上高の合計は1,043百万円(同17.0%増)と概ね計画どおりの進捗となりました。売上高の内訳として、ライセンス売上高は854百万円(前年同期比16.2%増)、プロフェッショナルサービス売上高は188百万円(同20.8%増)となりました。営業損失は、展示会への積極的な出展による広告宣伝費の計上、新規事業開発に関連した業務委託費の増加、採用の進展に伴う人件費の増加等により48百万円(前年同四半期は営業損失23百万円)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は、35百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失12百万円)となりました。

 

 なお、当社グループはSaaS事業の単一事業であるため、事業セグメント別の記載を省略しております。

 

(注1)チームスピリット:大企業向けの「TeamSpirit EX」及び、幅広い企業規模で利用可能な「TeamSpirit」の2つの製品で構成。

 

(注2)企業規模毎の定義は以下のとおり。

名称

定義

エンタープライズ企業

従業員が1,000名以上の企業

ミッド企業

従業員が200~999名の企業

スモール企業

従業員が199名以下の企業

 

(注3)SaaS:Software as a Serviceの略称で、サービスとしてのソフトウェアを指す。クラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネットを経由して利用できるサービス。

 

(注4)エンタープライズ市場戦略:エンタープライズ企業におけるERPのフロントウェア(勤怠管理、工数管理、経費精算、ワークフロー等)は、手組みのスクラッチシステムやオンプレ型のパッケージシステムなどの利用が大半であり、それらのシステムをリプレイスしていく戦略。

 

(注5)ARR:Annual Recurring Revenueの略で、集計基準日時点の「チームスピリット」(関連製品を含む)のライセンス収入から得られる月間収益の合計を12倍したもの。

 

(2)財政状態の分析

 当第1四半期連結会計期間末における総資産は3,643百万円となり、前連結会計年度末から126百万円増加しました

 

(流動資産)

 当第1四半期連結会計期間末における流動資産は3,019百万円となり、前連結会計年度末から144百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加によるものであります。

 

(固定資産)

 当第1四半期連結会計期間末における固定資産は623百万円となり、前連結会計年度末から17百万円減少しました。これは主に、旧本社の敷金の一部が返還されたことにより減少したものです。

 

(流動負債)

 当第1四半期連結会計期間末における流動負債は2,285百万円となり、前連結会計年度末から160百万円増加しました。これは主に、繰延収益の増加によるものであります。

 

(固定負債)

 当第1四半期連結会計期間末における固定負債はありません。

 

(純資産)

 当第1四半期連結会計期間末における純資産は1,358百万円となり、前連結会計年度末から33百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことによる利益剰余金の減少によるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)従業員の状況

①連結会社の状況

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの業容拡大に伴う採用により当社グループの従業員数は8名増加し204名になりました。

 

②提出会社の状況

 当第1四半期累計期間において、業容拡大に伴う採用により当社の従業員数は8名増加し183名になりました。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。