当中間会計期間(2024年2月1日~2024年7月31日)において、新たな事業等のリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
当中間会計期間の世界経済は、ロシア・ウクライナ戦争並びにイスラエルにおける武力衝突が長期化する中、資源・エネルギー価格の高騰、中国経済の停滞など、先行き不透明な状況が続いております。
国内経済をみると、日銀がマイナス金利を解除したものの世界的な金融引き締めの中で円安が進行、原材料価格の高騰等によるコスト負担の高まりで景気の下押し要因になる一方、インバウンド需要の増加、賃上げによる所得環境の改善を背景に緩やかな景気回復が期待される状況になりました。また、人流の回復は、外食需要の増加、内需の押し上げに寄与しております。
他方で、企業の倒産件数は増加傾向にあり、人手不足や「ゼロゼロ融資」等コロナ関連融資の返済開始や助成金・補助金の縮小・打ち切りに伴う企業の倒産・廃業件数は上昇しており、飲食店においては食材・光熱費等のコスト上昇も倒産の主な要因の一つに挙げられ、買い手企業・売り手企業ともにコストダウンによる利益確保は喫緊の課題となっています。
然しながら、現在の流通の現状は旧態依然としてメーカーからテールの店舗まで従来通りで、その間のコストをテールの店舗、或いは消費者が支払うことになっています。かつて産業革命時のイギリスでは、綿織物(高級衣料)の価格が機械織で90%値下がりした一方で、需要は150倍に増えましたが、まさにそのようなことが昨今の情報革命でも起ころうとしているにも関わらず、eマーケットプレイスの活用でコストが不要になり利益が増えることを十分に認識できず、売上高だけを見てそのような価格では赤字になるという思考停止状態に陥りがちであり、意識改革が必要な状況と考えられます。
このような事業環境のもと「流通変革のためのインフラを創る」ことを使命とする当社は、今期計画の中でDXを実現するため管理、営業、システム部門の幹部候補採用を進めており、一時的に給与及び人材紹介会社に対する手数料負担が先行する状況にあります。他方、運営サイトは売り手・買い手双方のニーズを的確に捉えた施策を、引き続き矢継ぎ早に実行しています。
具体的には、売り手企業の出品商品の一元管理等を可能とするUX/UI改善を「Mマート」「Bnet」をはじめ各売り場で継続的に行っており、食材の販売サイトでは売り手企業の利便性向上策として、対話型AI (ChatGPT)を活用した出品・販売支援ツールを実用化しました。創業以来の「売り手よし、買い手よし、世間よし」の理念に基づき、出店社と協働し共に成長する支援・コンサル活動の強化にも努めております。
2023年9月の継続ワンクリック発注の大幅リニューアルで利用者が拡大し、2024年1月には、急激に増えつつある世界各国の飲食店、レストラン向けに、イスラムの人達のハラル食品も含め各国の食品を集めた「国別食品市場」を展開しています。2024年2月に、eマーケットプレイスの最大の弱点であるワンプライス(増量割引不能で、食材仕入れにおいて、1回10㎏前後でしか仕入れない、50㎏、100㎏、500㎏以上等、買い手の規模により、仕入量が違うにも関わらず同一単価でしか売買できない)を克服し、規模の違う買い手層すべてに対処できるよう、同じ商品をロット数に応じて異なる価格設定にする「複数ロット販売」を開始し、購買機会拡大を通じ利用拡大に寄与しました。また、当社eマーケットプレイスでは毎月新規買い手会員に1000社~1300社の方が参入しておりますが、最初は何とどれを仕入れていいか迷われるという状況に対応して、買い手会員による評価が5回以上かつ平均4.8点以上(5点満点)の商品だけをセレクトし、品質が高く、選び易くする「Mマートセレクション」を開設し、大変好評で伸長しています。
また、インターネットへの知識が乏しく、ノーリスク(固定費なし)なら参加したいというメーカーや卸売業者に向け、販売と集金と価格設定を当社で行い、販売額の一定金額をシステム利用料として頂く委託販売を「Mマート」市場で開始しました。この仕組みは、2024年11月より「Bnet」にも採り入れる予定です。なお、2024年6月からは、食材以外の食器・厨房機器をはじめとする各種商品を扱う「Bnet」の活性化を目的に、サイト改修を開始しUX/UI改善に努めました。
以上のような取り組みの結果、買い手会員数は当中間会計期末で221,449社(前期末比6,480社増(3.0%増))と、2023年1月に20万社を超えた後も毎月1千社超の増加ペースは衰えておりません。売り手企業側は前期末対比0.6%増加しました。
これに伴い、当中間会計期間における運営サイトの総流通高は、主に「Mマート」市場の伸びが貢献し、6,079百万円となりました(前年同期比10.9%増)。
このように、出店社数・出品社数が増加し総流通高も増加したことにより、出店料収入(月額固定)、マーケット/システム利用料収入(取引高比例)等による営業収益(売上高)は、623,306千円(同12.0%増)と増収となりました。
営業費用(販売費及び一般管理費)は、システム技術部門、営業部門等の人員採用に伴う人件費や採用費の増加などから、全体では22.4%の費用増加になり、営業利益は223,674千円(同2.8%減)、経常利益は223,154千円(同3.0%減)、中間純利益は145,217千円(同6.8%減)と前年を若干下回りました。
利益率は、営業利益率35.9%(前年同期比5.5ポイント低下)、経常利益率35.8%(同5.5ポイント低下)、純利益率23.3%(同4.7ポイント低下)と、いずれも高い水準を維持しています。
なお当社はeマーケットプレイス事業のみの単一セグメントのため、セグメント業績の記載を省略しています。
(2) 財政状態の分析
当中間会計期間末の総資産は2,437,861千円となり、前事業年度末に比べて129,958千円増加しました。順調なビジネスの拡大により、流動資産において営業未収入金等の営業債権と手元キャッシュが増加したことが、主な要因です。
負債合計は824,759千円となり、前事業年度末に比べて72,768千円増加しました。主として、営業未払金等の営業債務が増加したことによります。
純資産合計は1,613,101千円と、前事業年度末対比57,190千円増加しました。利益剰余金の増加が主な要因です。
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ43,687千円増加し、1,747,550千円となりました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
営業活動により得られた資金は146,618千円となりました。主な内容は、税引前中間純利益223,154千円の計上、預り金41,887千円の増加、法人税等の支払101,650千円です。
投資活動に使用した資金は15,005千円となりました。主な内容は、定期預金の預入15,000千円です。
財務活動に使用した資金は87,925千円となりました。主な内容は、配当金の支払による支出87,925千円です。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。