文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは企業理念を次のとおり定めております。
創業企業 つねに社会にとって必要な事業を創造しつづける
日々創業・・・初心を大切に日々創業精神で仕事をする
歴代創業・・・代々初代の志を持って新事業を創造する
全員創業・・・全社員が自分に合う第一人者の道を拓く
循環企業 助け合い、活かし合い、分かち合う喜びの環を回しつづける
快 労・・・助け合い、補い合って気持ちよく働く
活 財・・・あらゆるもののいのちを活かして使い回す
還 元・・・利益や喜びを共に生きる人たちと分かち合う
求道企業 永遠につづく企業の道、人の道を追求しつづける
選難の道・・・安易な道を選ばず求められる道を歩む
独自の道・・・特質を生かし人のやらないことをやる
感謝の道・・・生かされていることに感謝し慢心をしない
社会にとって求められている事業を創造し続け、顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えることはもとより、事業活動を通じて良い世の中を作ることを目指してまいります。
当社グループの事業環境においては、2050年のカーボンニュートラル達成に大きな役割を持つサーキュラーエコノミー(循環経済)の概念がサプライチェーン全般に及び始めており、極めて低炭素なリサイクル原料(グリーンマテリアル)への需要が一層高まるものと考えております。グリーンマテリアルの供給は、当社グループが長年に渡り培ってきた技術やノウハウを活かすことのできる領域であり、最近頓に当社グループの役割の重要さを実感しております。
このような環境の中、当社グループではカーボンニュートラル実現に向けた課題解決を事業機会に、戦略コンセプトを「サーキュラーエコノミー(CE)をリードする」とし、それを「モノづくりを支えるCE」と「地域を支えるCE」に分けて対応を始めております。その上でベースメタルはもちろんのこと、レアメタル、レアアース、プレシャスメタルに加え、ポリマー(ゴム、プラスチック)の再生素材製造にも挑戦していきます。また、静脈サプライチェーン機能として必要なトレーサビリティを付加した回収の仕組みや、新たなリサイクル技術の開発にも注力し、ハイレベルなサーキュラーエコノミーの具体的事例を数多く実現してまいります。
この度当社は、昨年度に続いてローリング方式で2029年6月期を最終年とする5カ年の中期経営計画を策定しました。今後当社グループが、当該中期経営計画に基づいて事業を推進していく上での課題は下記のとおりです。
①資源循環事業領域の課題
・拠点間での連携強化及び営業部門、生産部門、管理部門における機能別の生産性を高めるため、金属資源循環3社を統合及びポリマー資源循環2社を統合しております。スケールメリットを活かした意思決定により、拠点展開及び原材料確保、再生素材の生産量拡大、新たなCE製品及びサービス開発に取り組んでまいります。
・原材料を安定的に確保することは当社グループにとって重要な課題であります。解体工事においてはアライアンス強化及び全国規模での鉄スクラップなどの原材料集荷体制を強化し、グリーンスチールの循環に取り組んでまいります。また自治体との連携強化により、焼却灰等からの金銀滓回収の取り組みを拡大してまいります。加えて物流パートナーとの連携は回収網を構築し、不安定かつ不均一に発生する原材料を安定的に確保することにつながります。これらの取り組みはCEを実現し、社会課題の解決は新たな付加価値提供となり、当社グループの集荷力をより一層強化するものと考えております。
・廃プラスチック及びゴムの再資源化においては、サーマルリサイクル、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルを組み合わせた高度な資源循環の仕組みが求められています。当社グループでもRPF等の低炭素燃料の生産によるサーマルリサイクルに加え、再生素材の製造・販売等、マテリアルリサイクルにも取り組んでおります。
②グローバルトレーディング事業領域の課題
・鉄スクラップ価格が国内高、海外安である事業環境に対応するため、国内電炉メーカーとの連携による国内販売量の拡大及び集荷ヤードの活用による効率的な輸送スキームを提供してまいります。
・より成長スピードを高めるためには、国内のみならず海外での事業展開を進める必要があります。今後、鉄スクラップの需要が見込まれる東南アジア市場において、国内で培ったビジネスモデルを展開すべく、マーケットリサーチ、アライアンス強化に取り組み、現地での事業構築を目指してまいります。
・物流代行サービスにおいては、成長のキードライバーはまさに人材です。人的資本投資等の先行投資を行い、事業成長を目指してまいります。
③リチウムイオン電池リサイクル事業領域の課題
・リチウムイオン電池リサイクルにおいて工程廃材及び使用済み電池の回収は、一段と競争が激化することが予想されます。この環境で競争優位性を構築すべく、ブラックマス製造工場の国内拠点の拡充及び付加価値の高い製品を安定的に生産するための安全で効率的な製造プロセスを確立すべく取り組んでまいります。
・産業用や家庭用の蓄電池等に使用されるリチウムイオン電池は、レアメタルの含有量が多い三元系から含有量が少ないリン酸鉄系の活物質が使用される割合が増加しております。これらは資源価値が低く廃棄物として流通しており、再資源化ニーズが増加することが予想されます。この流れに対応するため、産業廃棄物の中間処理業許可を活用し、有価物に加えて産業廃棄物の受入れを一括で行うワンストップサービスの体制を構築することで、競争力強化による収益源の多様化を目指してまいります。
・リチウムイオン電池のサプライチェーンにおけるクローズドループを構築することが求められる中、工程廃材及び使用済み電池をリサイクルし、再生素材としてのニッケル、コバルト、リチウムを電池メーカーへ戻す必要があります。この役割を担うために、自社での研究室における研究開発に加え、他社との資本・業務提携等を模索し、湿式製錬事業への参入可能性を検討しております。
④その他の事業領域の課題
・環境経営コンサルティング事業においては、同領域における当社グループの優位性を強化するために、既存のカーボンニュートラルコンサルティングサービスの拡大に加えて、DX推進により事業領域を広げ、資源循環事業と連携したサーキュラーエコノミーのソリューション&コンサルティングサービスの拡大に注力してまいります。
・障がい福祉サービス事業においては、事業基盤を強化するために、専門性の強化、既存事業所におけるサービス品質の向上に取り組んでおります。また、環福連携、農福連携を推進し、当社グループの各種事業とのシナジーを高める取り組みを実施しております。
⑤経営基盤と成長基盤の課題
・良い組織風土の醸成と強い企業文化の形成を通じた戦略遂行能力としての現場力・組織力の向上は経営にとって最重要テーマの一つであります。当社グループのカルチャーを戦略の礎と位置づけ、人材獲得競争が激化する中、採用、育成、定着とそれぞれの課題に対し、ベースアップなどの待遇改善、目標達成に向けた制度設計、成長できる環境の構築に注力してまいります。
・ROEが株主資本コストを下回っていることが課題と認識しております。ROE向上に向けて利益率の改善に向けたKPIを明確化して注力することにより、既存事業の収益性改善と新規事業創出による付加価値の向上を実現してまいります。
・限界利益の伸びが固定費の増加を下回っていることが課題と認識しております。安全、快適かつ効率的な職場環境を実現すべく、AI等の活用を含めIT化に取り組んでまいります。また再生素材(グリーンマテリアル)の提供による新たな付加価値増大に向けたトレーサビリティを構築すべくDX推進部を設置し、様々な業務プロセスにおいて収益改善に取り組んでまいります。
企業理念(「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針」に記載)は当社グループの価値観、信念、志です。一つの事象が発生した際に組織としてどのように感じ、捉え、解釈し、行動すべきかを明確にしています。この企業理念をベースとして組織風土と企業文化を形成し、事業活動を通じて各現場がそれぞれ自分の意思と力で変革、挑戦していく環境を作ることこそが、経営におけるもっとも重要なテーマと位置付けています。
そして、つねに社会にとって必要な事業を創造しつづける(創業企業)、助け合い、活かし合い、分かち合う喜びの環を回しつづける(循環企業)、永遠につづく企業の道、人の道を追求しつづける(求道企業)に取り組み続けます。
企業理念の背景 -企業理念は最も大切にする価値観でありDNA-
2000年頃になると循環型社会や環境問題に関する意識の高まりから、リサイクルに対するニーズ、各種法令の整備など事業環境が大きく変化しはじめました。当社グループにおいても、成長するスピードは高まり、変化の度合いは大きく、人材は増加し、地域を越えて活躍しはじめました。同時に何か漠然とした不安を感じるようになりました。
会社が順調に発展しはじめているのにもかかわらず、これまでの長い間何かが足りないと探し続けていたものを再認識しました。木が成長し、幹は伸びますが、それを支える根を大きく張る必要があると。表面の変化に左右されない、確固たる思想、理念が確立されていない事によるものだと強く感じ、2004年、私たちは企業理念を制定しました。
創業者の人生観、理念や口癖、幹部社員の人生観、想いなど会社に内在している考え方を紡ぎだし、約1年間かけて明文化しました。どんなに私たちをとりまく環境が変化しても、決して揺らぐことなく、また今後2,000年間でも通用するような永続性を持ち、全ての行動の規範となる企業理念、「最も大切にする考え方」はこうして作り上げられました。
① ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ戦略に関する方針・施策について推進すべく、当社の代表取締役社長をはじめ、常勤取締役をメンバーとするサステナビリティ委員会を設置しています。当社グループと社会の持続的発展を同時に実現させるための戦略である中期経営計画(サステナビリティ戦略)の推進を目的とし、代表取締役の意思決定の補助機関として、戦略の推進状況及び新規事業、M&Aなどを含めた将来的な方向性を、長期的な視野に立ち、フレキシブルかつ活発に毎月議論・検討を行っています。また、協議された事項については業務執行の意思決定機関である経営会議にて決議又は協議が行われ、その後の取締役会へ上申されます。取締役会の監督体制のもと、ガバナンスの維持とサステナビリティ戦略の推進を図ります。これら当社のコーポレート・ガバナンスの状況は「
② 戦略
当社グループの事業の中心は循環型社会実現に向けた課題解決なので、会社の目的と事業の成長が社会貢献と同期しています。「持続可能社会実現の一翼を担う」というミッションを掲げ、戦略コンセプトを「サーキュラーエコノミー(CE)をリードする」としました。その上で、「モノづくりを支えるCE」と「地域を支えるCE」の2つに分けて取り組んでいきます。
「モノづくりを支えるCE」では、使用済み製品の広域回収から保管、高度なリサイクル、環境データの見える化まで行い、その具体的事例を他社に先駆けて数多く実現していきます。
一方「地域を支えるCE」はいわば都市ごみのCEで、最終的に地方自治体のごみ行政に深く関与し、その効率的かつ環境への貢献度が高い運営を実現していきます。
③ リスク管理
当社グループでは、事業のリスクは内部統制委員会で評価・検討され、全社的なリスク管理プロセスとして統合されています。気候変動関連のリスクについてはサステナビリティ委員会で評価・検討を行っています。また、機会についても、関連部署が特定の上、具体的な施策を検討し、必要に応じて提言しています。サステナビリティ委員会は提言内容を評価し、対応策を推進していきます。リスク・機会いずれにおいても特に重要な事項は取締役会に報告または上申されます。
④ 評価及び目標
(注)金銀滓:金・銀・プラチナ・パラジウムなどの混合物
(2) 人的資本に関する項目
良い組織風土の醸成と、強い企業文化を形成し、そこから戦略を実行するための卓越した組織能力を育てることは経営において最も重要なテーマの一つです。
そのための組織イメージは「創発的能力を備えた、自律した個人の規律ある集団」とし、自分の力で考え、自らの意志で進み、自らの規範で律する、そのような個の集団が連携することにより組織能力は最大化すると考えています。
① ガバナンス
人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、「(1)当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
持続的な企業価値向上と成長を実現するためには、健全な組織風土を醸成し、独自の企業文化を形成することを根底に置きながら、卓越した組織能力を構築することが重要だと認識しています。そして卓越した組織能力は、現場、本部で働くスタッフ一人一人が自ら課題を見つけ、その課題解決のために主体的かつチームで知恵を出し合い、工夫を重ね、改善に取り組んでいる環境が必要です。私たちはこの環境こそが、従業員のやりがいと幸福を感じる「生き生きと働く場」であると考えています。
私たちは以下の取り組みで、人的資本経営における戦略を推進していきます。
・企業理念の浸透
良い組織風土、強い企業文化を作り上げることが成長の原動力につながると信じ、「企業理念浸透への執念」の取り組みの一つとして、毎日の組織としての考え方を掲載した経営計画書の読み合わせに加え、毎月3回ほど少人数制にてグループトップ自らによる説明会を開催しています。
・事業推進人材
当社グループにとって必要な人材は、組織風土と企業文化の重要性を理解し、ビジョンに向かって、組織の課題を認識し、変わり続ける実行力とエネルギー、忍耐、覚悟を有した人材です。
その重要性を自分の言葉として伝え続ける伝道師である事業推進人材、いわゆる経営幹部の育成は、当社グループが永続的に成長するための基盤を構築します。当社グループは事業推進人材を2030年6月期までに100人創出することを目標としています。
・多様性
組織風土の醸成には多様性を尊び、透明性の高い組織マネジメントを志向することは重要な要素です。また新たな価値を生み出すには、私たちに染みついている固定観念や常識を否定すること、発想の柔軟性や意識の壁を超えることが重要です。さまざまな観点から学ぶために多様性を尊重し、建設的な対立を厭わず率直に発言することを心理的安全性と位置づけて連帯感を生みだしていくことが重要と考えています。
そのための位置づけとして女性が働きやすい職場環境を構築し、そのうえで女性管理職比率を20%とすることを目標としています。
・実行計画と改善活動
組織能力には現在のオペレーションを遂行する「業務遂行能力」に加え、新たな価値の創出は経営的な課題であり、「新しいものを生み出す能力」が必要です。ただし新しいものを生み出すには、日常のオペレーションを「狭く、深く、強く」掘り下げる「業務改善能力」が必要不可欠でありその延長線に「新しいものを生み出す能力」があると考えています。
当社グループはグループトップが期初にビジョンを発表する経営計画発表会を、各社各部署が課題を認識し、目標を定め、アクションプランを発表する実行計画発表会を開催しています。発表会を通じて、目標達成への覚悟と情報共有により組織能力の向上に取り組んでいます。
また各部署では目標達成に向けたアクションプランを記載した実行計画書を運用しています。社長以下全役員と経営幹部が週次報告を作成し、実行計画の進捗状況の確認と、自身の思考を整理し、日々発生する課題を全社員で共有することで組織として新たな気づきとコミュニケーションを得る取り組みを推進しています。
加えて課題解決の仕組みとして「改善活動」として改善した結果の見える化を進め、さらには失敗の許容と組織としての事例蓄積を目的に「なぜなぜ活動」に取組んでいます。
・教育研修
当社グループでは「一番の学びの場は誰かに教えること」として、各事業および各業務に必要、かつ伝えたいと思うことを、内部人材が講師を務め、グループの管理職を中心としたメンバーへ「エンビプロビジネススクール」として開催しています。人に教える経験を通じて、「教える」ことの難しさや面白さを経験し、自ら学ぶ姿勢や態度に大きく影響するものと考えております。
一方で一部のパートでは外部講師を活用しています。「自主性、創造性の風土の程度で全ての有効性が決まる」として、各現場の課題を主体的に改善することを現場力と位置づけ、この組織能力が戦略を推進するためのエンジンとなります。その現場力を引き出すための組織マネジメントの一つとして「傾聴」は重要な要素と考え、深い知識と豊富な実践経験がある講師を採用し、これまでに19回の管理職研修を実行しました。
③リスク管理
人的資本に関するリスク管理は、サステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、「(1)当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針 ③リスク管理」をご参照ください。
④評価及び目標
(3) GHG排出量削減への取り組み
当社グループでは、TCFD提言に賛同し、適切な情報開示を進めています。また、2018年にRE100を宣言し、2020年には2050年までに当社グループで扱うスクラップや廃棄物の処理およびリサイクルを含む、すべての事業から排出されるGHG排出量実質ゼロを目指すことを決定しています。
資源問題と気候変動問題は、個別の問題ではなく相互に密接に関連しており、地球規模の社会課題です。際限のない資源採掘や温室効果ガスの排出は、持続可能性を損なうものであり、私たちが共有している地球の資源と自然環境を未来に残すためにはその解決が望まれます。サプライチェーンの最後に位置する資源循環事業を担う当社グループは、この重要な社会課題の両方に事業を通じて取り組むことができる事業特性を有しており、まさに当社グループが果たすべき社会的責任であると考えています。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、「(1)当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当社グループでは、気候変動がもたらすリスクと機会および当社グループへの影響を検証するため、シナリオ分析を実施しています。シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)公表の「Representative Concentration Pathways(RCP8.5)」および国際エネルギー気候(IEA)公表の「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」などを用いて、今世紀末の気温上昇を1.5℃に抑えた場合と4℃上昇した場合の想定で、当社グループの事業活動へのインパクトを検証しました。
③リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、「(1)当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針 ③リスク管理」をご参照ください。
④評価及び目標
○Scope1、2排出量、基準年2018年6月期に対する削減率、使用電力の再生可能エネルギー比率
(注)2050年6月期のScope1、2の排出量はネットゼロを「±0」として表記しております。
Scope1については、技術進化の動向にあわせて、適宜電化等に切り替えを検討していきます。Scope2については、再生可能エネルギー電力の契約や太陽光発電設備の設置を検討しています。RE100の目標達成に向け、事業で使う電力を再生可能エネルギー100%にしていくことは今後も継続して推進していきます。
○Scope3排出量、基準年2023年6月期に対する削減率
当社グループでは、2023年6月期よりScope3のすべてのカテゴリーの把握を開始しましたが、基準年(2023年6月期)における排出量算定時には、期中に新設した株式会社サイテラスの物流代行事業の一部が含まれておらず、2024年6月期より算定に含めております。加えて、2024年6月期は当該事業が好調であったことも起因し、排出量が増加しております。
本年度の集計結果を踏まえ、より正確な算定を行い、効果的な削減戦略を策定するために、現行の基準年度の見直し等も検討していきます。その上で、目標達成に向けた具体的かつ実行可能な取り組みを進めていく方針です。
本書に記載した当社グループにおける事業概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でおりますが、記載内容及び将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在していること、並びに投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。
当社グループにおける原材料、製・商品である鉄スクラップや非鉄金属の価格は、鉄鉱石や銅鉱石といった資源価格や金属製品価格等の影響を受けます。
当社グループの原材料、製・商品の仕入価格と販売価格は、基本的には相場に連動いたしますが、相場の急激な変化の影響を受けて、契約内容によっては利益の減少や損失が発生する場合があります。また、同様に製・商品在庫価値についても相場の影響を受ける可能性があります。
1トン当たりの鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格の平均)の推移は、下表のとおりであります。
(注) 鉄スクラップ価格は、東京製鐵田原海上特級の日々の価格を合計し各四半期会計期間の日数で除して算出しております。
当社グループにおける原材料・商品は、主に工場の生産工程から発生する金属スクラップ及び産業廃棄物や市中発生の老廃屑(解体工事や工場ライン撤去に伴い発生する鉄スクラップや非鉄金属)となり、工場の生産動向、最終製品の消費動向等の影響により発生が減少する可能性があります。こうした原材料・商品の減少は、売買数量、生産設備の稼働率に影響を与え当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、原材料、製・商品の相場変動、為替変動、原材料・商品の増減等、各種要因により業績が大きく変動する可能性があります。
当社グループの業績は、下表のとおりであります。
(注) 比率は、通期に対する四半期の割合であります。
当社グループの2024年6月期の売上高に占める上位三社である国内及び韓国の鉄鋼メーカーを合わせた売上高比率は27.62%であります。各社とは円滑な取引関係を継続しておりますが、取引先の個別の事情や相手国の事情、法規制や関税率の変化といった理由により、取引条件の悪化や取引関係の解消又は契約内容の大幅な変更等が生じる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは鉄スクラップ等の調達、加工、販売の流通において主に車両及び船舶を利用しております。原油価格や人件費の高騰、需給逼迫等による配車、配船難等により物流コストが上昇する可能性があります。また、船舶会社から傭船し販売する場合、一船当たりの販売量は1,500トンから5,000トン単位となり、売上高は数千万円から1億円以上となります。船舶を利用した販売において、悪天候等の不測の事態により適時に傭船が行えない可能性があります。これらにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動の前提となる事項に係る主要な法規制は以下に記載のとおりであります。
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
・使用済自動車の再資源化等に関する法律
・フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律
・古物営業法
・特定家庭用機器再商品化法
・使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律
・建設業法
・建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
・労働安全衛生法
・消防法
・道路交通法
・貨物自動車運送事業法
・外国為替及び外国貿易法
・輸出入取引法
・安全保障貿易管理におけるキャッチオール規制
・計量法
・特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
・各種環境法令
等
当社グループが事業活動を営むにあたり、事業会社又は役員等が廃棄物処理法等で定める欠格要件等に該当し、事業の停止命令や許認可が取り消されることになった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、その廃棄物の中間処理等で、様々な環境関連法令に対応していますが、異常気象などの不測の事態により廃棄物の飛散、流出などが起きてしまった場合に、賠償責任が発生する可能性があります。
この他、外国との貿易取引においては、バーゼル法の規制や、その国の許認可を要する場合もあり、大幅な法改正、制度変更があった場合など、既存事業がこれらの規制に抵触してしまう可能性があります。
当社グループは、海外売上高比率が高く、輸入や三国間貿易を実施しております。また、チリ現地子会社、オランダ支店、ベトナム及びイギリス駐在所等が存在することから、取引先の各国の経済情勢に加え、貿易・通商規制、税制、予期しない法律又は規制の変更並びにそれらの解釈の相違、あるいは政変、戦争、感染症の流行等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの貿易取引では、円建のほか外貨建も含めて取引を行っている子会社も存在することから、取引、在庫価値並びに外貨預金残高について為替変動の影響を受けております。
このため外貨取引については、為替予約規程により為替予約等を利用することを規定し運用することで、為替変動リスクの低減に努めております。また、連結財務諸表を作成するにあたって在外子会社の財務諸表を円換算しており、現地通貨における価値に変動がなくても、円換算後の価値が影響を受けます。しかしながら、事業活動において為替変動リスクを完全に排除することは困難でありますので、今後著しい為替変動があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業の拡大を図る手段としてM&Aを実施してまいりました。対象企業については、当該企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するよう努めております。しかしながら、M&Aを行った後に偶発債務や未認識債務が判明する場合等が考えられます。
また、M&Aの対象会社が外部環境の変化等各種の要因により、当初の期待どおりの成果をあげられない可能性もあります。これらの場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業分野には大きなシェアを持つ全国的な企業が存在せず、地域別に中小企業が多数存在し、それぞれの得意分野・地域を持ち、価格、サービスを競っております。
今後は、法的規制を背景にした環境対応や廃棄物リサイクルへの社会的ニーズの高まりにより、より高度な廃棄物処理と再資源化が求められることから、全国一括受託のためのサービス提供地域の拡大や大規模な設備等を設置できる財務的な体力、ノウハウ、あるいは廃棄物の排出事業者から廃棄物由来のリサイクル品やリユース品を利用する企業までをも巻き込んだ総合的な廃棄物の循環処理サービス体制を構築することが重要になってくると予想しております。
当社グループではこれらの社会的ニーズを取り込んだ事業展開を目指しておりますが、海外企業や異業種からの新規参入や業界再編成といった事業環境の変化によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
2024年6月期末において、当社グループの有利子負債は8,939百万円、総資産に対する割合は26.5%となっております。引き続き財務バランスを総合的に勘案してまいりますが、今後の経済情勢・金融環境の変化・市中金利動向等によって当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、役員の退職慰労金の目的並びに役員と従業員等へのインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。2024年6月末現在における潜在株式数は1,232,400株であり、2024年6月末の発行済株式総数の4.1%に相当いたします。この新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、株式市場で同時期に大量に売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、企業価値向上に向けて優秀な人材の確保・育成が不可欠であると考えております。そのためには企業理念と組織イメージ「創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団」に向けて、各個人が組織の目指す高い理念を理解し、自分の力で考え、自らの意志で進み、自らの規範で律するカルチャーをベースとした良い組織風土の醸成、強い企業文化を形成することが重要な経営テーマであると認識しています。その上で内部統制委員会の下部組織である人事労務改革委員会が事業会社と連携し、外部人材の積極的な採用と教育に取り組んでおります。しかしながら、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合、当社グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、多くの生産設備、重機等を使用して業務を行っており充実した安全管理が不可欠であると認識しております。そのため、内部統制委員会の下部組織として環境安全推進委員会を設置し、従業員への安全教育、危険予知活動といった啓発活動並びにチーム活動等による点検パトロールの継続的な実施を通じ、事故を防止するための安全管理を徹底しております。しかしながら、万一、重大な事故・労働災害等が発生した場合、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社並びに当社グループの中核企業である株式会社エコネコルの資源リサイクル工場は、静岡県富士宮市の富士山の麓に位置しており、富士山が噴火した場合、火山弾等による社屋や設備の損壊、周辺道路の寸断による孤立化及び電気や水道等の供給停止による操業停止の可能性があります。また、静岡県や愛知県においては南海トラフ巨大地震の発生、全世界的には気候変動に伴う異常気象の発生が懸念されております。当社グループの株式会社NEWSCON、株式会社クロダリサイクル並びに株式会社サイテラスにおいては、船積みヤード(在庫保管基地)を有しておりますので、地震による津波や気候変動に伴う異常気象等による風水害により製・商品在庫においても大きな被害が出る可能性があります。
また、当社グループの主要生産設備であるシュレッダー(大型破砕機)は、破砕資材からの発火等による爆発や火災のリスクが比較的高い設備であるため、自動消火装置や24時間自動監視システム等のセキュリティ対策を施しておりますが、同主要設備の稼動が火災や重大な事故損傷により長期間停止した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこのような自然災害、火災、重大事故、損傷といった非常事態に備え、グループ各社において災害・事故発生時の緊急体制・手順を整備し被害を最小限にとどめる対応を準備しております。しかしながら有事の際の被害状況は想定を超える場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、産業廃棄物等を扱っており、中間処理過程で騒音、振動、粉塵、排水が発生いたしますが吸音、防振、集塵、水質浄化設備等の環境対策設備を設置し環境汚染を防止しております。しかしながら、不測の事態により流出漏洩等の事態が生じた場合、汚染防止、汚染除去等の環境汚染防止のための改修費及び損害賠償や設備の修復等に多額の支出が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、主要ITシステムであるスケールシステム(計量システム)については、各拠点にサーバーを設置しておりバックアップデータをクラウドサーバに保存しています。また、会計、人事、給与、就業、通関書類作成等のサブシステムについては、関東某所のクラウドサーバにて集中管理し総合的な対策を講じている状況にあります。
しかしながら自然災害等により関東拠点が壊滅的な被害を受けた場合には当社グループの事業が停止することとなりますので、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、今後も引き続き、積極的に新規事業に取り組んでいく考えであります。これにより先行した設備投資、人件費やその他の経費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新サービス、新規事業を開始した際には、そのサービス、事業固有のリスク要因が加わると共に、予測とは異なる状況が発生する等により新サービス、新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19)情報セキュリティにおけるリスク
当社グループは、事業の過程で入手した個人情報や取引先等の機密情報を保有しています。そのため、内部統制委員会の下部組織としてデジタル化推進委員会を設置し、これらの情報管理に関する規程の整備や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。しかしながら何らかの理由で紛失、破壊、漏洩等が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下や失墜、損害賠償責任の発生等と、社内情報システムへの外部から想定した防御レベルを上回る技術によるサイバー攻撃等により、社内システム停止等が引き起こされる可能性もあります。これらの事態が起きた場合には、適切な対応を行うための費用負担が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(20)固定資産の減損損失リスク
当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化により事業の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合や時価が著しく下落した場合には、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(21)債権回収リスク
当社グループの事業活動の中で発生する売掛債権等については与信管理の強化に努めておりますが、取引先の財政状態が悪化し、支払遅延や売掛債権等の回収が行えない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(22)知的財産に関するリスク
当社グループは、焼却灰やASRからの高度な選別技術による金銀滓回収事業や、スクラップ等から再生原料を製造するリマニュファクチャリング事業などを推進しており、その推進の過程で成した発明その他知的財産を保護するために、知的財産権の取得に努めております。当社グループでは、他者の知的財産権を侵害しないように技術開発その他知的財産の創出に努めておりますが、見解の相違等により他者の知的財産権を侵害する可能性があります。一方、他者が当社グループの知的財産権を侵害する場合には、その保護のため訴訟提起等をすることがあります。
(23)ダスト処理費に関するリスク
当社グループの資源リサイクルの処理工程において、受け入れた廃棄物等の原料は価値ある資源と当社グループでは再生処理することのできない廃棄物(ダスト)に分かれます。市場環境の悪化によりダストの出荷先である管理型最終処分場、又は焼却処分場において受け入れが制限される場合には、処理費の上昇や、遠隔地の処分場への輸送が必要となり費用が増加する場合があります。また、当社グループ事業場のダストの保管容量の関係から生産量が制限される場合もあり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(24)気候変動に係るリスク
世界各国で脱炭素に向けた取り組みが進められる中、当社グループではTCFD提言に沿ったリスクと機会の特定及び、適切な情報開示に努めております。気候変動による自然災害の増加などの物理的リスクのみならず、炭素税の導入や再生可能エネルギー電力への切り替えに伴う経費の増大なども、脱炭素社会への移行に係るリスク要因となりえます。今後、気候変動課題に関連した様々な分野で新たな規制が導入された場合や、気候変動に伴う市場や情勢の変化があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(25)感染症流行のリスク
感染症等の流行があった場合には、サプライチェーンの停滞や事業環境の悪化により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。感染症の拡大時期や収束の予測は非常に困難と考えられます。移動の制限や就業の規制に伴う生産体制の縮小、直接対面での営業活動の制約などによる事業への影響を最小限にとどめるため、当社グループでは、テレワーク、フレックスタイム制、WEB会議等の活用に取り組んでおります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループの事業領域においては、中国不動産の低迷の長期化、不安定な世界情勢、世界的なインフレ長期化に伴う景気後退の懸念等により、先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況において、鉄スクラップ平均価格(東京製鐵田原海上特級価格)は、当期首から高位安定で推移し、当連結会計年度の鉄スクラップ平均価格は50,916円と、前期の49,082円を上回りました。
またリチウムイオン電池の主原料においては、コバルト、ニッケル、及びリチウム等のレアメタルの平均価格は前期を下回りましたが、銅の平均価格は前期を上回って推移しました。
このような環境下で、当連結会計年度においては、「サーキュラーエコノミー(CE)をリードする」という戦略コンセプトのもと、「モノづくりを支えるCE」、「地域を支えるCE」という2つの戦略に分類し、CEの具体的事例を他社に先駆けて数多く実現していくべく、事業を推進してまいりました。人的資本、設備等への積極的な投資、安全管理等の推進に加え、不採算事業からの撤退と新規事業の拡大によるポートフォリオの組み換えも進めてまいります。
一方で輸出販売取引における税務当局との見解相違、及び火災の影響等により、特別損失1,012百万円を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は52,214百万円(前期比6.1%増)、営業利益は1,409百万円(前期比8.6%減)、経常利益は1,782百万円(前期比6.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は537百万円(前期比56.5%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
セグメント別業績の概要
≪売上高≫ (単位:百万円)
≪セグメント利益≫ (単位:百万円)
(注)セグメント利益は連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業
高度選別工場の稼働に伴う新規設備投資によるコスト増、及び待遇改善による人件費の増加が利益を圧迫しました。一方で日東化工株式会社のグループ化、焼却灰の回収量増加に伴う金銀滓回収量の増加、および好調な片付け・解体工事が利益に貢献しました。
以上の結果、資源循環事業の売上高は21,254百万円(前期比12.7%増)、セグメント利益は1,621百万円(前期比3.6%増)となりました。
②グローバルトレーディング事業
リサイクル資源の流通においては、国内販売の強化、機動的な営業活動により出荷量は増加し、為替等の影響もあり増収増益となりました。しかしながら製鋼原料における輸出環境は依然として厳しい状況が続くものと想定され、引き続き商材開発、拠点展開、機能強化を推進し、ビジネスモデルを転換すべく取り組んでまいります。
物流代行サービスにおいては内陸国向けの好調な出荷に加え、大量仕入れによるコスト減、及び通関業の内製化によるコストダウン等が利益を増加させました。
以上の結果、グローバルトレーディング事業の売上高は34,955百万円(前期比1.4%増)、セグメント利益は411百万円(前期比86.5%増)となりました。
③リチウムイオン電池リサイクル事業
電池材料の需要が軟調に推移する中で積極的な営業により取扱量を増加させました。一方で電池材料であるレアメタルの需給が緩和したことで相場は低迷しました。
以上の結果、リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は1,570百万円(前期比4.0%減)、セグメント利益は218百万円(前期比62.0%減)となりました。
④その他
TNFD対応支援、サーキュラーエコノミー関連コンサルティングが増加した事に加えカーボンニュートラル関連コンサルティングも順調に増加し収益に貢献しました。GHG算定システム及びサーキュラーエコノミートレーサビリティーシステムの開発も進展しております。
障がい福祉サービス事業は、障害者総合支援法の報酬改定により就労継続支援B型の報酬基準の見直しがありました。また新規利用者及び延べ利用人数が増加しました。
以上の結果、その他事業の売上高は491百万円(前期比6.2%増)、セグメント利益は108百万円(前期比8.5%増)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は33,786百万円(前連結会計年度末比99百万円の増加、前連結会計年度末比0.3%増)となりました。流動資産は18,366百万円(前連結会計年度末比721百万円の減少、前連結会計年度末比3.8%減)となりました。これは、商品及び製品が1,130百万円が増加したものの、その他流動資産が1,311百万円、現金及び預金が475百万円、受取手形が198百万円減少したこと等によります。固定資産は15,419百万円(前連結会計年度末比821百万円の増加、前連結会計年度末比5.6%増)となりました。これは、建物及び構築物が210百万円減少したものの、機械装置及び運搬具が474百万円、投資有価証券が327百万円増加したこと等によります。
当連結会計年度末の負債合計は16,747百万円(前連結会計年度末比113百万円の減少、前連結会計年度末比0.7%減)となりました。流動負債は11,090百万円(前連結会計年度末比674百万円の増加、前連結会計年度末比6.5%増)となりました。これは、短期借入金が660百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が679百万円、その他流動負債が504百万円、未払法人税等が108百万円増加したこと等によります。固定負債は5,657百万円(前連結会計年度末比788百万円の減少、前連結会計年度末比12.2%減)となりました。これは、長期借入金が727百万円減少したこと等によります。
当連結会計年度末の純資産合計は17,038百万円(前連結会計年度末比213百万円の増加、前連結会計年度末比1.3%増)となりました。これは、非支配株主持分が112百万円減少したものの、自己株式の処分により131百万円、利益剰余金が121百万円増加したこと等によります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ474百万円減少し、6,771百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増減額1,157百万円、持分法による投資利益469百万円等の支出があったものの、減価償却費1,267百万円、税金等調整前当期純利益816百万円、仕入債務の増減額673百万円等の収入により、2,940百万円の収入(前期は2,332百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入92百万円等の収入があったものの、有形固定資産の取得による支出1,578百万円等の支出により、1,560百万円の支出(前期は3,838百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入による収入301百万円等の収入があったものの、長期借入金の返済による支出1,005百万円、短期借入金の純減少額660百万円、配当金の支払額415百万円等の支出により、1,931百万円の支出(前期は92百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当社は、主に基準在庫量及び販売の実需見込に基づいた生産方式を採用しておりますので、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
「(経営成績等の状況の概要)(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手元流動性資金を勘案の上不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手元資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び無担保社債による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入に比較して有利な条件に限り社債発行を行うこととしております。また、株式の発行に関しては、資本政策に基づき株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。
資金の流動性については、財務部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに手元流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。なお、当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 (経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、