(はじめに)
当社は、2009年5月に株式会社フリーセル(現ブランディングテクノロジー株式会社(東京都渋谷区南平台町15番13号、代表取締役社長 木村裕紀)以下、株式会社フリーセルとする。)の100%子会社として設立された株式会社ファインズを前身とし、その後、モバイルFlash(注1)サイト制作の販売を開始しました。さらにMEO(注2)・SEO(注3)サービスや、スマートフォンサイト制作を新たに販売し、順調に事業を拡大させてまいりました。その過程において、2013年12月27日に旧株式会社ファインズの代表取締役社長武吉広大及び武吉広大の資産管理会社である株式会社タケショーが株式会社フリーセルより全株式を取得し、資本関係を解消しております。
(注)1.モバイルFlashサイト:Macromedia社(現Adobe社)が開発した、音やグラフィックのアニメーションを組み合わせてWebコンテンツを作成するソフト(Flash)を使用して、作成されたモバイルサイト。
2.MEO:Map Engine Optimizationの略。Googleマップを対象とした地図エンジンにおいて検索順位の最適化を図ることを指す。
3.SEO:Search Engine Optimizationの略。Googleなどの検索エンジンの自然検索結果において、特定のウェブサイトが上位に表示されるよう、ウェブサイトの構成などを調整すること。また、その手法の総称。
当社(新株式会社ファインズ)の設立経緯について
実質上の存続会社である株式会社ファインズ(以下、「旧株式会社ファインズ」といいます。)の取締役武吉広大及び同氏の資産管理会社である株式会社タケショーから株式売却の意向があり、当社(形式上の存続会社)は、2019年3月15日に、旧株式会社ファインズの代表取締役社長三輪幸将によるレバレッジド・バイ・アウト(以下、LBOといいます。)の受け皿会社として、株式会社エスピーシーの商号で、資本金1,000万円で設立されました。株式会社エスピーシーを設立した背景として、代表取締役社長三輪幸将個人が株式譲渡に係る売買代金を調達することができず、金融機関からの融資の条件としてエスピーシー(特定目的会社)を設立し、旧株式会社ファインズを吸収合併し、新株式会社ファインズの営業キャッシュ・フローから返済をするというスキームであれば融資が受けられたことから、2019年3月29日に金融機関から融資を受けております。同日に旧株式会社ファインズの既存株主から旧株式会社ファインズの発行済株式総数の100%を取得し子会社化した後、2019年6月30日に旧株式会社ファインズを吸収合併し、同日に商号を株式会社エスピーシーから株式会社ファインズに変更しております。
上記の変遷を図示いたしますと、次のとおりです。
LBOについて
旧株式会社ファインズは、設立以降、順調に売上高を伸ばしてきたものの、2015年3月期に経常損失を計上するに至りました。この状況を打開するために、株式会社光通信との間で、EPARK事業に係る契約が成約するごとに支援金を受ける内容とする業務提携契約を締結しました。その結果、2016年3月期、2017年3月期及び2018年3月期においては業績が一時的に回復したものの、2017年3月期及び2018年3月期においては、支援金を除いた場合は損失を計上するような不安定な状況が続いており、持続的・安定的に利益を計上し、発展していくためには、事業の選択と集中を含む経営方針の見直しが必要でありました。
当社の代表取締役社長三輪幸将が、2018年6月に旧株式会社ファインズの代表取締役社長に就任してから、当時の主たる事業であった店舗クラウド事業の前身である予約事業からVideoクラウド事業の前身である動画事業へ注力し、業績が悪く損失を計上するに至っていた子会社の株式譲渡、並びに不採算事業の譲渡を行い、業績の回復に貢献しました。
このような経緯から、代表取締役社長三輪幸将がオーナーシップを持って経営していくことが経営判断のスピードを早め、さらなる事業拡大及び企業価値の最大化につながると旧株式会社ファインズ取締役会が判断し、M&Aによる買収も検討しましたが、LBOを選択したものであり、被合併会社である旧株式会社ファインズの営業活動を全面的に承継しました。合併後はLBOに関する一連の取引として、当社の業績及び企業価値を中長期的に向上させることを目的に、2019年7月に株式会社光通信の子会社である株式会社EPARK、当社の取締役白木政宏に当社の代表取締役社長三輪幸将が保有する株式の一部を譲渡する方針でありました。
また、旧株式会社ファインズ取締役武吉広大においては、LBO後も当社の株式を一部保有していきたい意向があったため、同様に2019年7月に当社の株式の一部を譲渡する方針でありました。しかし、旧株式会社ファインズ取締役の武吉広大との間で、株式保有方針について慎重に協議を重ねていたことにより、結果として株式保有比率を確定させることが遅れたため、旧株式会社ファインズ取締役武吉広大及び当社の取締役白木政宏への譲渡時期は2020年2月となっております。
なお、LBOによる借入金増加に伴い、総資産に占める有利子負債の割合が66.5%(注1)になりましたが、その後、当社の業績は順調に推移し、LBOに伴う借入金については、2022年4月をもって全額返済しております。
一方、当社の代表取締役社長三輪幸将は、現株式会社ファインズ・旧株式会社ファインズのいずれにおいても代表取締役社長の地位にあることから、LBOを実行する必要性、手段としての相当性を含め、代表取締役社長三輪幸将が得る経済的利益(注2)について十分に協議、検討する必要がありましたが、この点について検討するための基準や指針、検討をする仕組みが不十分でありました。当社はガバナンス体制の強化を図るため、2020年9月に監査役会を設置し、2022年3月に開催した臨時株主総会において、社外取締役を1名増員し、従前に増してコーポレート・ガバナンスないし内部管理体制を充実させることができたと考えております。
当社取締役会において、過去のLBOの一連の経緯によって代表取締役社長三輪幸将が得た経済的利益について協議した結果、当社の経営を再建させ、企業価値の向上に貢献していることから妥当な利益であると評価しました。
さらには、2022年5月に開催した取締役会において、取締役の指名・報酬等に関する手続の公正性・透明性・客観性を担保することを目的として、任意の指名・報酬委員会を設置しました。2022年6月、7月に開催した指名・報酬委員会において、今後の経営陣並びに社外取締役の構成、報酬方針・報酬制度の設計について協議し、2022年8月に開催した指名・報酬委員会において、各取締役の評価を、9月には報酬制度に基づく具体的な報酬額について協議いたしました。その後、2022年9月29日開催の定時株主総会において、経営陣の選解任を、同日開催の取締役会において、報酬制度に基づく具体的な報酬額について決議いたしました。
(注)1.吸収合併前の旧株式会社ファインズと、吸収合併後の当社における有利子負債の状況(2019年6月30日現在)を示すと以下のとおりであります。
吸収合併前(千円) |
割合 (%) |
吸収合併後(千円) |
割合 (%) |
||
長期借入金 |
102,988 |
10.7 |
長期借入金 |
602,988 |
58.7 |
社債 |
80,000 |
8.3 |
社債 |
80,000 |
7.8 |
負債合計 |
523,983 |
54.3 |
負債合計 |
1,024,484 |
99.7 |
純資産合計 |
441,789 |
45.7 |
純資産合計 |
3,273 |
0.3 |
負債純資産合計 |
965,772 |
100.0 |
負債純資産合計 |
1,027,757 |
100.0 |
2.時価総額に持分比率を乗じた評価額と出資金1,000万円の差分となります。
回次 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
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決算年月 |
2020年6月 |
2021年6月 |
2022年6月 |
2023年6月 |
2024年6月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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当期純利益 |
(千円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後 1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
△ |
△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:東証グロース指数) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
最高株価 |
(円) |
- |
- |
- |
2,970 |
1,150 |
最低株価 |
(円) |
- |
- |
- |
1,023 |
450 |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
3.当社は、2020年12月15日開催の取締役会決議に基づき、2021年2月1日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割、2021年9月29日開催の取締役会決議に基づき、2021年11月1日付で普通株式1株につき40株の割合で株式分割を行っております。第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
5.第2期、第3期及び第4期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。
6.当社は、2022年9月28日付で東京証券取引所グロース市場に上場したため、第5期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新規上場日から第5期末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
7.第2期から第4期までの株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
8.従業員数は就業人員であり、平均臨時雇用者数については、当該臨時従業員数(アルバイト、人材会社からの派遣社員)の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
9.2022年9月28日付をもって東京証券取引所グロース市場に株式上場いたしましたので、第2期から第5期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。
10.最高株価及び最低株価は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。なお、2022年9月28日付で同取引所に株式上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
「第一部 企業情報 第1 企業の概況 (はじめに)」に記載したとおり、当社は2019年3月に設立され、その後、2019年6月に旧株式会社ファインズを吸収合併し、同社の営業活動を承継しております。そこで以下では、旧株式会社ファインズの設立から吸収合併までと、当該吸収合併から現在に至るまでの2つに表を分けております。
<株式会社ファインズ(旧株式会社ファインズ、実質上の存続会社)の沿革>
年月 |
事項 |
2009年5月 |
株式会社フリーセル(現 ブランディングテクノロジー株式会社)の100%子会社として東京都渋谷区南平台町に株式会社ファインズを設立 |
2009年7月 |
モバイルFlashサイト制作の提供開始 |
2010年2月 |
MEO・SEOサービスの提供開始 |
2010年9月 |
スマートフォンサイト制作の提供開始 |
2012年10月 |
事業拡大に伴い、本社所在地を渋谷区道玄坂1丁目へ移転 |
2013年7月 |
大阪営業所を開設 |
2013年8月 |
予約システム「TSUNAGU」「いつあき」の提供開始 |
2014年8月 |
名古屋営業所を開設 |
2014年9月 |
事業拡大に伴い、本社所在地を渋谷区道玄坂2丁目へ移転 |
2015年1月 |
動画サービスの提供開始 |
2015年8月 |
福岡営業所を開設 |
2015年10月 |
株式会社EPARKと業務提携契約を締結し、予約システム「PeakManager」の販売を開始 |
2016年2月 |
デジタルマーケティング支援サービスの提供開始 |
2016年9月 |
仙台営業所を開設 |
2016年11月 |
事業拡大に伴い、本社所在地を渋谷区渋谷2丁目へ移転 |
2017年8月 |
広告配信レポーティングシステム「Raise」の提供開始 |
|
札幌営業所を開設 |
2017年12月 |
自社メディア「manga factory」を公開 |
2019年6月 |
株式会社エスピーシーが旧株式会社ファインズを吸収合併 |
<当社(形式上の存続会社)の沿革>
2019年3月 |
特別目的会社である株式会社エスピーシーを設立(現当社) |
|
株式会社エスピーシーが旧株式会社ファインズの株式をLBOにより取得し完全子会社化 |
2019年6月 |
株式会社エスピーシーが旧株式会社ファインズを吸収合併し、同日、商号を株式会社ファインズ(新株式会社ファインズ)に変更 |
2019年11月 |
動画配信プラットフォームサービス「Videoクラウド」の提供開始 |
2022年9月 |
東京証券取引所グロース市場に株式を上場 |
2022年11月 |
金沢営業所を開設 |
2023年7月 |
株式会社No.1と業務提携契約を締結し、セキュリティ商材の販売を開始 |
2024年1月 |
事業拡大に伴い、本社所在地を港区芝浦1丁目へ移転 |
2024年6月 |
中小企業向けマーケティングデータ一元管理ツール「Raise」の提供開始 |
当社は、「誰からも必要とされる会社になる」という経営理念のもと、事業を通じてすべてのステークホルダーのみなさまから必要とされる会社を目指しております。顧客、従業員、株主、取引先企業、地域社会に対して1人でも多くの人に喜びや感動、幸せを分かち合い、価値ある商品やサービスを提供し続けることを目指しております。事業内容としましては、創業以来、中小企業事業者や個人事業主などのSMBの領域向けに、モバイルサイトや予約管理システムなどのデジタル化を推進していくサービスを提供しておりました。また、2015年から動画事業に先行投資を行い、動画を制作するだけでなく、視聴データの分析・改善ができるカスタマーサクセス体制を構築してまいりました。現在では動画を活用したDX(注)を提供しております。その結果、当社の累計取引社数は、22,444社(2024年6月末現在)となっております。事業セグメントは、動画を起点に企業のマーケティングDXを支援するVideoクラウド事業の単一セグメントであり、Videoクラウド事業の売上構成比は2024年6月期で96.9%となります。また、当社は、「すべての中小企業のDXをサポートする」を新しいミッションとする中期経営計画(2024年6月期~2026年6月期)を策定いたしました。これまでの「動画を起点としたマーケティングDX」を多くの中小企業・個人事業主の皆様にご提供し、活動の支援を行っていくとともに、DXを実現するためのソリューションを拡大させてまいります。これに伴い、当社の今後の経営実態をより適切に反映するため当事業年度より「店舗クラウド事業」について報告セグメントから「その他」に変更しております。
(注)DX:デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称。データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
当社の主たる事業であるVideoクラウド事業では、主に①動画制作サービス、②動画配信プラットフォームサービス(Videoクラウド)、③DXコンサルティングの3つのサービスを提供しております。
動画制作サービス取引社数は、10,795社(2024年6月末現在)となっております。動画には「短時間で多くの情報を伝えられる」「記憶定着の効果が高い」「知覚情報を伝えられる」という3つの強みがあり、さらに、情報や視聴データを蓄積して資産化することが可能となっています。そのため、コロナ禍を経てテレワークが普及する中、「付加価値の向上(広告・プロモーション、営業資料、サービス紹介、ブランディング、社員総会、展示会、導入事例紹介、ウェビナー等)」と「業務の効率化(マニュアル・ナレッジ共有、カスタマーサクセス、社内報・コミュニケーション、教育・研修、インターンシップ、会社説明、工場・社内バーチャルツアー、IR・株主総会等)」の両面で動画の活用シーンが広がりを見せております。
そして、当事業の特長は、動画制作を行うだけでなく、専用のプラットフォーム上での配信、分析・改善、データ活用からDXの推進に至るまで、一気通貫したサービス提供を行うことができる点にあります。
特に、動画の価値を最大限に発揮することができるVideoクラウドに注力しており、2021年4月に本格リリースしてからサービス導入社数は4,945社(2024年6月末現在)となっております。
当社が提供する動画配信プラットフォームのVideoクラウドは主に3つの特徴があります。
1つ目は動画を配信する。お客様のwebサイトや採用サイトなど、オウンドメディア上に当社独自の再生ビューアを設け、お客様のPR動画や採用動画を配信いたします。
2つ目は動画を分析する。当社独自の再生ビューアを介して動画を視聴していただくことで、50種類を超える視聴データの取得が可能となっております。ユーザーの興味関心の可視化や動画の投資対効果の算出が可能となります。
3つ目は動画を拡張させる。拡張機能としてインタラクティブ動画や360°動画にも対応しており、動画で新たな顧客体験をもたらすことが可能となっております。You Tubeなどでは、動画にインタラクションを付けることができず、VR動画の視聴には不向きであることから、当社のVideoクラウドは差別化を図ることが可能となっております。
さらには、当事業では、Videoクラウドから抽出できる動画の視聴データ及び顧客のマーケティングデータを活用したDXコンサルティングサービスを行っております。
当社では「動画を起点としたマーケティングDX」を標榜し、動画制作を起点としたバリューチェーン展開を行っております。Videoクラウドで取得した視聴データをもとに顧客の課題を可視化し、クロスセルを行います。クロスセルでは、例えばwebサイトへの流入が少ない場合は、デジタルマーケティングを活用しアクセス数を増やすなど、お客様の課題に応じた提案を行っております。また、会社全体のDXを促進したいお客様へは、SFAやCRMの導入・運用支援なども行っております。
SMBの多くの企業では、マーケティング領域における動画の活用に関してのノウハウはもちろん、DX推進においても「何から始めていいのかわからない」「データを活用できずに放置されている」などの課題を持たれているものと認識しております。
そのため、データの活用コンサルティングを中心に、サイト制作、デジタルマーケティング、採用支援におけるDX推進のためのコンサルティングサービスを展開しております。Videoクラウドの強化に加え、今後も多様なソリューションで複合的なDXを実現すべく、新たなソリューションの企画開発を進めて参ります。また、SMBの領域では事業規模が限られているという性質上、一つの課題を解決していく過程において、周辺領域の課題解決需要まで発展するケースもあります。そのため、カスタマーサクセス部門を構え、顧客と継続的な関係性を構築することで顧客のDX化を推進することに努めております。
Videoクラウド事業を実施しDXの導入支援を行っていくうえで、当社の優位性は、以下のとおりであります。
① データを活用し、ニーズが潜在的なSMB領域から安定して案件を獲得できる体制構築
当社では、主に中小企業がメインのターゲットであり、案件の獲得を代理店やパートナーに依存することなく、見込み顧客へアプローチ、その後リードナーチャリング(注1)を行い、案件化に至るまで、自社のみで行える直販体制を構築し、安定的に案件を獲得することが可能となっていると考えております。
まず、マーケティング専門チームが、RPA(注2)を活用して効率的に見込み顧客を抽出・リスト化しております。そして、国内7拠点(札幌、仙台、金沢、東京、名古屋、大阪、福岡)(2024年6月末現在)において、150名以上のノウハウを持ったコンサルタントが在籍し、付加価値の高いコンサルティング提案を行うことで、潜在的なニーズの顧客層から案件を獲得できる直販体制を有しております。また、失注した案件についても、企業ごとにスコアリングを行い、スコアに合わせたリードナーチャリングを行うことによって、再度アプローチを図るための仕組みを構築しております。このように、当社は見込み顧客のセグメントに応じたマーケティングを行うことで、リスクを分散するとともに、規模・業種・業態を問わず幅広い企業にアプローチすることが可能です。
また、当社では豊富な取引実績から得られた顧客の経営課題やクリエイティブのデータベースを蓄積・分析しております。この取り組みにより、ナレッジを共有でき付加価値の高い提案の再現性を持たせることや、属人化しにくい早期教育体制の構築にもつながっており、今後セールスコンサルタント人員が増加していったとしても、継続的に案件獲得ができる体制を構築しております。
上記の体制を構築することによって、競合の少ない潜在ニーズ層からの案件獲得が可能になっていると認識しております。
(注)1.リードナーチャリング:見込み顧客(リード)に対してメルマガやセミナー、Webコンテンツなどを通して有益な情報を中長期的かつ適切なタイミングで提供し、自社の製品やサービスへの購買意欲を高め、将来的な受注につなげるためのマーケティング手法
2. RPA:ロボティック・プロセス・オートメーションの略称。これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みの総称
② 一気通貫したサービス提供による高収益体制
当社では、機能別の分業体制を構築することで、営業活動から制作、その後のDXを推進するサポートまで、一気通貫したサービス提供を行っております。コンサルタントは顧客の課題に合わせたソリューション提案に専念し、クリエイティブ部門では、ディレクションや制作などそれぞれの専門分野の知識やノウハウを深化させることに専念できるようにしております。また、カスタマーサクセス部門では、Videoクラウドに蓄積された視聴データだけでなく、顧客のWebサイトなどのマーケティングデータをもとに課題の共有と改善を繰り返し続けることで、顧客のDXを推進することに専念しております。さらに、顧客のニーズや課題は独自のデータベース上でリアルタイムに共有できるようになっており、社内の部門間でも仮説検証のサイクルを回しながらナレッジ共有を行うことで、高品質なサービス提供とコンサルタントによる付加価値の高い提案を実現させることが可能と考えております。加えてクリエイティブ部門においては、独自のデータベース内にディレクションから制作まで、豊富な実績によるノウハウが蓄積されており、高品質化と内製化を推進することで、収益性の向上に努めております。
当社のポジションに新規企業が参入するためには、直販体制の構築から模倣する必要があるため、参入障壁は高いものと考えております。
[事業系統図]
当社の事業系統図は以下のとおりであります。
該当事項はありません。
(1)提出会社の状況
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2024年6月30日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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事業の名称 |
従業員数(人) |
Videoクラウド事業 |
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全社(共通) |
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合計 |
|
(注)1.従業員数は就業人員であります。
2.臨時従業員数(アルバイト、人材会社からの派遣社員)の総数が従業員数の100分の10未満のため、平均臨時従業員数の記載は省略しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門等に所属しているものであります。
(2)労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
(4)労働者の一月当たりの平均残業時間・有給休暇取得率
当事業年度 |
|
労働者の一月当たりの平均残業時間 |
有給休暇取得率 |
21.2 |
76.4 |