銘柄 |
アサヒグループホールディングス株式会社第24回無担保社債 |
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(社債間限定同順位特約付) |
記名・無記名の別 |
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券面総額又は振替社債の総額(円) |
金20,000,000,000円 |
各社債の金額(円) |
金100万円 |
発行価額の総額(円) |
金20,000,000,000円 |
発行価格(円) |
各社債の金額100円につき金100円 |
利率(%) |
年0.854% |
利払日 |
毎年4月24日および10月24日 |
利息支払の方法 |
1 利息支払の方法および期限 |
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(1)本社債の利息は、払込期日の翌日から償還期日までこれをつけ、2025年4月24日を第1回の支払期日としてその日までの分を支払い、その後毎年4月24日および10月24日の2回に各々その日までの前半か年分を支払う。ただし、半か年に満たない期間についての利息は、その半か年の日割をもってこれを計算する。 |
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(2)利息を支払うべき日が銀行休業日にあたるときは、その前銀行営業日にこれを繰り上げる。 |
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(3)償還期日後は利息をつけない。 |
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2 利息の支払場所 |
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別記「(注)13 元利金の支払」記載のとおり。 |
償還期限 |
2029年10月24日 |
償還の方法 |
1 償還金額 |
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各社債の金額100円につき金100円 |
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2 償還の方法および期限 |
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(1)本社債の元金は、2029年10月24日にその総額を償還する。ただし、本社債の買入消却に関しては本項第(3)号に定めるところによる。 |
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(2)償還すべき日が銀行休業日にあたるときは、その前銀行営業日にこれを繰り上げる。 |
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(3)本社債の買入消却は、法令または別記「振替機関」欄記載の振替機関が業務規程その他の規則に別途定める場合を除き、払込期日の翌日以降いつでもこれを行うことができる。 |
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3 償還元金の支払場所 |
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別記「(注)13 元利金の支払」記載のとおり。 |
募集の方法 |
一般募集 |
申込証拠金(円) |
各社債の金額100円につき金100円とし、払込期日に払込金に振替充当する。申込証拠金には利息をつけない。 |
申込期間 |
2024年10月11日から2024年10月23日まで |
申込取扱場所 |
別項引受金融商品取引業者の本店および国内各支店 |
払込期日 |
2024年10月24日 |
振替機関 |
株式会社証券保管振替機構 |
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東京都中央区日本橋兜町7番1号 |
担保 |
本社債には担保ならびに保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。 |
財務上の特約(担保提供制限) |
1 担保提供制限 |
(1)当社は、本社債の未償還残高が存する限り、本社債発行後、当社が既に発行したもしくは今後発行する他の社債のために、担保提供(当社の資産に担保権を設定する場合、当社の特定の資産につき担保権設定の予約をする場合および当社の特定の資産につき当社の特定の債務以外の債務の担保に供しない旨を約する場合をいう。以下担保提供という。)を行う場合には、本社債のために当該資産の上に担保付社債信託法に基づき同順位の担保権を設定する。 |
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(2)本項第(1)号の規定に基づき設定した担保権が本社債を担保するに十分でない場合、当社は、本社債のために担保付社債信託法に基づき社債管理者が適当と認める担保権を設定する。 |
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2 担保提供制限の例外 |
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当社が、合併により担保権の設定されている被合併会社の社債を継承する場合には、本欄第1項は適用されない。 |
財務上の特約(その他の条項) |
1 担保付社債への切換 |
(1)当社は、社債管理者と協議のうえ、いつでも本社債のために担保付社債信託法に基づき社債管理者が適当と認める担保権を設定することができる。 |
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(2)当社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項または本項第(1)号により本社債のために担保権を設定する場合には、当社は、直ちに登記その他必要な手続を完了し、かつ、その旨を担保付社債信託法第41条第4項の規定に準じて公告する。 |
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2 特定資産の留保 |
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(1)当社は、社債管理者と協議のうえ、いつでも当社の特定の資産(以下留保資産という。)を本社債以外の債務に対し担保提供を行わず本社債のために留保することができる。この場合、当社は社債管理者との間にその旨の特約を締結する。 |
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(2)本項第(1)号の場合、当社は社債管理者との間に次の①ないし⑦についても特約するものとする。 |
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① 留保資産のうえに本社債の社債権者(以下本社債権者という。)の利益を害すべき抵当権、質権その他の権利またはその設定の予約等が存在しないことを当社が保証する旨。 |
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② 当社は、社債管理者の書面による承諾なしに留保資産を他に譲渡もしくは貸与しない旨。 |
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③ 当社は、原因の如何にかかわらず、留保資産の価額の総額が著しく減少したときは直ちに書面により社債管理者に通知する旨。 |
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④ 当社は、社債管理者が必要と認め請求したときは、直ちに社債管理者の指定する資産を留保資産に追加する旨。 |
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⑤ 当社は、本社債の未償還残高の減少またはやむを得ない事情がある場合には、留保資産の一部または全部につき社債管理者が適当と認める他の資産と交換し、または留保資産から除外することができる旨。 |
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⑥ 当社は、社債管理者が本社債権保全のために必要と認め請求したときは、本社債のために留保資産のうえに担保付社債信託法に基づき担保権を設定する旨。 |
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⑦ 本号⑥の場合、留保資産のうえに担保付社債信託法に基づき担保権を設定できないときは、当社は本社債のために社債管理者が適当と認める他の資産のうえに担保付社債信託法に基づき担保権を設定する旨。 |
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(3)本項第(1)号の場合、社債管理者は、本社債権者保護のために必要と認める措置をとることを当社に請求することができる。 |
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(4)当社が、合併により担保権の設定されている、または留保資産提供が行われている被合併会社の社債を継承する場合には、本項第(1)号および本項第(2)号は適用されない。 |
(注)1 信用格付業者から提供され、もしくは閲覧に供された信用格付
(1)株式会社日本格付研究所(以下JCRという。)
本社債について、当社はJCRからAA-(ダブルAマイナス)の信用格付を2024年10月10日付で取得している。
JCRの信用格付は、格付対象となる債務について約定どおり履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
JCRの信用格付は、債務履行の確実性の程度に関してのJCRの現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性の程度を完全に表示しているものではない。また、JCRの信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するものではない。JCRの信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外の事項は含まれない。
JCRの信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。また、JCRの信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCRが格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
本社債の申込期間中に本社債に関してJCRが公表する情報へのリンク先は、JCRのホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「ニュースリリース」右端「一覧を見る」をクリックして表示される「ニュースリリース」(https://www.jcr.co.jp/release/)に掲載されている。なお、システム障害等何らかの事情により情報を入手することができない可能性がある。その場合の連絡先は以下のとおり。
JCR:電話番号 03-3544-7013
(2)株式会社格付投資情報センター(以下R&Iという。)
本社債について、当社はR&IからA+(シングルAプラス)の信用格付を2024年10月10日付で取得している。
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定どおりに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見である。R&Iは信用格付によって、個々の債務等の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見を表明するものではない。R&Iの信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の表明ではない。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、またはその他の意見についての正確性、適時性、完全性、商品性、および特定目的への適合性その他一切の事項について、いかなる保証もしていない。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じているが、これらの情報の正確性等について独自に検証しているわけではない。R&Iは、必要と判断した場合には、信用格付を変更することがある。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格付を取り下げることがある。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付または保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがある。
一般に投資にあたって信用格付に過度に依存することが金融システムの混乱を引き起こす要因となり得ることが知られている。
本社債の申込期間中に本社債に関してR&Iが公表する情報へのリンク先は、R&Iのホームページ(https://www.r-i.co.jp/rating/index.html)の「格付アクション・コメント」および同コーナー右下の「一覧はこちら」をクリックして表示されるリポート検索画面に掲載されている。なお、システム障害等何らかの事情により情報を入手することができない可能性がある。その場合の連絡先は以下のとおり。
R&I:電話番号 03-6273-7471
2 振替社債
(1)本社債は、社債、株式等の振替に関する法律(以下社債等振替法という。)の規定の適用を受け、別記「振替機関」欄記載の振替機関の振替業にかかる業務規程等の規則に従って取り扱われるものとする。
(2)社債等振替法に従い本社債権者が社債券の発行を請求することができる場合を除き、本社債にかかる社債券は発行されない。
3 担保提供制限にかかる特約の解除
当社が、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項または別記「財務上の特約(その他の条項)」欄第1項第(1)号により本社債のために担保権を設定した場合、または別記「財務上の特約(その他の条項)」欄第2項により本社債のために留保資産を留保した場合で、社債管理者が承諾したときは、以後、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項および本(注)6(2)は適用されない。
4 期限の利益喪失に関する特約
当社は、次の各場合には、本社債について期限の利益を失う。ただし、当社が本社債権保全のために、担保付社債信託法に基づき社債管理者が適当と認める担保権を設定したときは、本(注)4(2)は適用されない。
(1)当社が別記「利息支払の方法」欄第1項または「償還の方法」欄第2項の規定に違背したとき。
(2)当社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項の規定に違背したとき。
(3)当社が別記「財務上の特約(その他の条項)」欄第1項第(2)号、本(注)5ないし本(注)7または本(注)10に定める規定、条件に違背し、社債管理者の指定する期間内にその履行または補正をしないとき。
(4)当社が本社債以外の社債について期限の利益を喪失し、または期限が到来してもその弁済をすることができないとき。
(5)当社が社債を除く借入金債務について期限の利益を喪失したとき、または当社以外の社債もしくはその他の借入金債務に対して当社が行った保証債務について履行義務が発生したにもかかわらず、その履行をすることができないとき。ただし、当該債務の合計額(邦貨換算後)が5億円を超えない場合は、この限りではない。
(6)当社が破産手続開始、民事再生手続開始もしくは会社更生手続開始の申立てをし、または取締役会において解散(合併の場合を除く。)の議案を株主総会に提出する旨の決議をしたとき。
(7)当社が破産手続開始、民事再生手続開始もしくは会社更生手続開始の決定、または特別清算開始の命令を受けたとき。
(8)当社がその事業経営に重大な影響をおよぼす財産に対し差押もしくは競売(公売を含む。)の申立てを受け、または滞納処分を受けたとき、またはその他の事由により当社の信用を毀損する事実が生じ、社債管理者が本社債の存続を不適当であると認めたとき。
5 社債管理者に対する定期報告
(1)当社は、随時社債管理者にその事業の概況を報告し、また、毎事業年度の決算および剰余金の配当(会社法第454条第5項に定める中間配当を含む。)については書面をもって社債管理者にこれを通知する。ただし、当該通知については、当社が本(注)5(2)に定める社債管理者への書類の提出または通知を行った場合はこれを省略することができる。当社が会社法第441条第1項に定められた一定の日において臨時決算を行った場合も同様とする。
(2)当社は、金融商品取引法に基づき有価証券報告書、半期報告書、臨時報告書、訂正報告書およびそれらの添付書類(以下報告書等という。)を財務局長等に提出した場合には遅滞なくその写しを社債管理者に提出する。ただし、当社が金融商品取引法第27条の30の3に基づき報告書等の電子開示手続を行う場合は、これら報告書等を財務局長等に提出した旨の社債管理者への通知をもって社債管理者への報告書等の提出に代えることができる。
6 社債管理者に対する通知
(1)当社は、本社債発行後、社債原簿に記載すべき事由が生じたときならびに変更が生じたときは、遅滞なく社債原簿にその旨の記載を行い、書面によりこれを社債管理者に通知する。
(2)当社は、本社債の未償還残高が存する限り、本社債発行後、当社が既に発行したもしくは今後発行する他の社債のために担保提供を行う場合には、あらかじめ書面によりその旨ならびにその事由、社債の内容および担保物その他必要な事項を社債管理者に通知する。
(3)当社は、次の場合には、あらかじめ書面により社債管理者に通知する。
① 当社の事業経営に不可欠な資産を譲渡または貸与しようとするとき。
② 当社が、事業の管理を他に委託しようとするとき、および事業の全部もしくは重要な部分を休止、廃止または譲渡しようとするとき。
③ 当社が、資本金または準備金の額の減少、組織変更、合併、会社分割、株式交換または株式移転(いずれも会社法において定義され、または定められるものをいう。)をしようとするとき。
(4)当社は、次の場合には、直ちに書面により社債管理者へその旨を通知する。
① 支払停止になったとき、または手形交換所もしくはこれに準ずる電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき。
② 社債を除く借入金債務について期限が到来してもその弁済をすることができないとき。
③ 事業経営に不可欠な資産に対し強制執行、仮差押もしくは仮処分の執行または担保権の実行としての競売(公売を含む。)の申立て、または滞納処分を受けたとき。
④ 当社または第三者により、当社について破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立てがあったとき。
7 社債管理者の調査権限
(1)社債管理者は、社債管理者の権限を行使し、または義務を履行するために必要であると判断したときは、当社ならびに当社の連結子会社および持分法適用会社の事業、経理、帳簿書類等に関する報告書の提出を請求し、または自らこれらにつき調査することができる。
(2)本(注)7(1)の場合で、社債管理者が当社ならびに当社の連結子会社および持分法適用会社の調査を行うときは、当社は、これを拒まない。
8 社債権者の異議手続における社債管理者の権限
社債管理者は、会社法第740条第2項本文の規定にかかわらず、同条第1項に定める異議の申立てに関し、社債権者集会の決議によらずに本社債権者のために異議を述べることは行わない。
9 社債管理者の辞任
(1)社債管理者は、以下に定める場合その他正当な事由があるときは、社債管理者の事務を承継する者を定めて辞任することができる。
① 本社債権者と社債管理者との間で利益が相反する場合(利益が相反するおそれがある場合を含む。)。
② 社債管理者が、社債管理者としての業務の全部または重要な業務の一部を休止または廃止しようとする場合。
(2)本(注)9(1)の場合には、当社ならびに辞任および承継する者は、遅滞なくかかる変更によって必要となる行為をしなければならない。
10 社債権者に通知する場合の公告
本社債に関して本社債権者に対し通知する場合の公告は、法令に別段の定めがあるものを除いては、当社の定款所定の電子公告の方法によりこれを行うものとする。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告によることができない場合は、当社の定款所定の新聞紙ならびに東京都および大阪市において発行する各1種以上の新聞紙への掲載または社債管理者が認めるその他の方法によりこれを行う。また、社債管理者が本社債権者のために必要と認めて公告する場合には、法令所定の方法によるほか、社債管理者の定款所定の方法または東京都および大阪市において発行する各1種以上の新聞紙に掲載する方法によりこれを行う。ただし、いずれの場合も重複するものがあるときはこれを省略することができる。
11 社債要項の公示
当社は、その本店に本社債の社債要項および本社債にかかる管理委託契約証書の謄本を備え置き、その営業時間中、一般の閲覧に供するものとする。
12 社債権者集会
(1)本社債の社債権者集会は、本社債と同一の種類(会社法第681条第1号に定める種類をいう。以下同じ。)の社債(以下本種類の社債という。)の社債権者により組織され、当社または社債管理者がこれを招集するものとし、社債権者集会の日の3週間前までに、社債権者集会を招集する旨および会社法第719条各号に掲げる事項を公告または社債管理者が認めるその他の方法により通知する。
(2)本種類の社債の社債権者集会は、東京都においてこれを行う。
(3)本種類の社債の総額(償還済みの額を除き、当社が有する当該本種類の社債の金額の合計額は算入しない。)の10分の1以上にあたる本種類の社債を有する社債権者は、社債等振替法第86条第1項および第3項に定める書面を社債管理者に提示のうえ、社債権者集会の目的である事項および招集の理由を記載した書面を当社または社債管理者に提出して、社債権者集会の招集を請求することができる。
13 元利金の支払
本社債にかかる元利金は、社債等振替法および別記「振替機関」欄記載の振替機関の業務規程その他の規則に従って支払われる。
14 発行代理人および支払代理人
株式会社三井住友銀行
引受人の氏名又は名称 |
住所 |
引受金額 (百万円) |
引受けの条件 |
野村證券株式会社 |
東京都中央区日本橋一丁目13番1号 |
5,000 |
1.引受人は、本社債の全額につき、共同して買取引受を行う。 2.本社債の引受手数料は各社債の金額100円につき47.5銭とする。 |
みずほ証券株式会社 |
東京都千代田区大手町一丁目5番1号 |
5,000 |
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大和証券株式会社 |
東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 |
4,500 |
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SMBC日興証券株式会社 |
東京都千代田区丸の内三丁目3番1号 |
4,500 |
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岡三証券株式会社 |
東京都中央区日本橋室町二丁目2番1号 |
500 |
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水戸証券株式会社 |
東京都文京区小石川一丁目1番1号 |
500 |
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計 |
- |
20,000 |
- |
社債管理者の名称 |
住所 |
委託の条件 |
株式会社三井住友銀行 |
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 |
1.社債管理者は、本社債の管理を受託する。 2.本社債の管理手数料については、社債管理者に、期中において年間各社債の金額100円につき金1.0銭を支払うこととする。 |
払込金額の総額(百万円) |
発行諸費用の概算額(百万円) |
差引手取概算額(百万円) |
20,000 |
111 |
19,889 |
上記差引手取概算額19,889百万円については、全額を2024年10月23日償還予定のユーロ建普通社債を償還することにより一時的に減少する手元資金に充当する予定であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照すること。
事業年度 第100期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) 2024年3月27日関東財務局長に提出
事業年度 第101期中(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日) 2024年8月7日関東財務局長に提出
上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書及び半期報告書(以下有価証券報告書等という。)に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書等の提出日以後、本発行登録追補書類提出日(2024年10月10日)までの間において生じた変更その他の事由はありません。以下の内容は、当該「事業等のリスク」を一括して記載したものであります。
また、当該有価証券報告書等には将来に関する事項が記載されておりますが、当該事項は本発行登録追補書類提出日(2024年10月10日)現在においてもその判断に変更はなく、新たに記載する将来に関する事項もありません。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
[事業等のリスク]
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当年度末現在においてアサヒグループが判断したものであります。
1.アサヒグループのリスクマネジメント体制
アサヒグループは、グループ全体を対象に、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)を導入しております。この取り組みの中で、グループ理念「Asahi Group Philosophy」の具現化、並びに「中長期経営方針」の戦略遂行及び目標達成を阻害しうる重大リスクを、戦略、オペレーション、財務、コンプライアンス等全ての領域から特定及び評価し、対応計画を策定、その実行及びモニタリングを継続的に実施することで、効果的かつ効率的にアサヒグループのリスク総量をコントロールします。
ERMを推進するにあたり、代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及び委員長が指名するFunctionのHeadで構成される、リスクマネジメント委員会を設置しています。ERMはグループ全体を対象とし、リスクマネジメント委員会の委員長である代表取締役社長兼Group CEOが実行責任を負います。
アサヒグループ各社は、事業単位毎にERMを実施し、リスクマネジメント委員会に取組内容を報告します。同委員会はそれらをモニタリングするとともに、委員自らがグループ全体の重大リスクを特定、評価、対応計画を策定、その実行及びモニタリングを実施します。これらの取り組みは取締役会に報告され、取締役会はこれらをモニタリングすることで、ERMの実効性を確認します。
2.アサヒグループ リスクアペタイト
アサヒグループは、ERMを推進するとともに、「中長期経営方針」の目標達成のために、「とるべきリスク」と「回避すべきリスク」を明確化する、「アサヒグループ リスクアペタイト」を制定しております。
「アサヒグループ リスクアペタイト」は、アサヒグループのリスクマネジメントに関する「方針」です。ERMの運用指針及び意思決定の際のリスクテイクの指針となるものであり、リスクに対する基本姿勢を示す「リスクアペタイト ステートメント」と、実務的な活用を想定した、事業遂行に大きく影響する主要なリスク領域に対する姿勢(アペタイト)を示す「領域別リスクアペタイト」で構成されます。グループ戦略、リスク文化とリスク状況、及びステークホルダーの期待をもとに検討し、取締役会にて決定、グループ全体に適用され、実施状況はリスクマネジメント委員会でモニタリング、取締役会へ報告されます。本取り組みを通じて、アサヒグループ全体で適切なリスクテイクを促進してまいります。
3.アサヒグループのクライシスマネジメント体制
アサヒグループでは、ERMにおけるグループ全体の重大リスクの中でも、人・モノ・カネ・情報等の経営資源遮断の危機があり「即時対応」する領域を「クライシスマネジメント」の対象としております。
クライシスマネジメントの実効性を上げるため、平時から「事前の想定」を行い、クライシス時に混乱なく速やかに対応できるよう「緊急時の即応体制」を構築しております。事前の想定については、経営資源遮断の危機を想定した「リスクシナリオ」を作成し対応を準備しております。
また、緊急時の即応体制については、クライシス類型に応じた対応主体を予め明確にし、危機発生時の初動における事実確認と重大性の評価を迅速・的確に実施し対応する体制を構築しております。
4.主要リスク
当社グループでは、「1.アサヒグループのリスクマネジメント体制」に記載の通り、代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及び委員長が指名するFunctionのHeadで構成されるリスクマネジメント委員会で、中長期経営方針の事業遂行及び目標達成を阻害しうる特に重大なリスクを特定及び評価し、以下の「(2)個別戦略リスク」として認識しております。
加えて、それ以外に考えられる当社グループの事業等のリスクについても、「(1)全体リスク」及び「(3)その他リスク」に記載しております。但し、以下に記載したリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。
また、前述の、当社グループリスクマネジメントの取り組みの中で、以下に記載する各リスクに対する対応策を含む種々の対応策をとりますが、それらの対策が有効に機能しない等によりリスクが解消できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)全体リスク
1)中長期経営方針について
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指して、2019年に「Asahi Group Philosophy(AGP)」を制定し、2022年、それに基づいて、また、その後のグループ内外の環境変化も踏まえて中長期経営方針を更新しました。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、本方針では、3年程度を想定した主要指標のガイドラインや、財務・キャッシュ・フロー方針を示しておりますが、これらのガイドライン・方針は、策定時に当社グループが入手可能な情報や適切と考えられる一定の前提に基づき、将来の事象に関する仮定及び予想に依拠して策定されたものです。そのため、本「3 事業等のリスク」に記載の各リスク等を含む様々な要因により変更を余儀なくされるものであり、当社グループの事業や業績が中期経営方針内の同ガイドライン・方針等を達成できない可能性があります。
2)事業環境について
当社グループの売上収益において日本の占める割合は約49.2%(2023年12月期決算)となっております。今後の日本国内での景気の動向によって、酒類・飲料・食品の消費量に大きな影響を与える可能性があり、人口の減少、少子高齢化が進んでいくと、酒類・飲料・食品の消費量が減少する可能性があります。また、原材料・エネルギー価格の高騰やインフレの影響などにより、国内での競争環境がさらに激化することで当社売上数量・金額が低下するとともに、コスト構造の悪化を招き、当社グループ事業の収益性が想定より損なわれる可能性があります。
日本の売上収益のうち、ビール類は4割を超えます。このような状況は、当社グループのビール類商品に対するお客様の信頼を反映したものであり、当社グループ国内酒類事業での効率的な利益創出に寄与しておりますが、消費者の嗜好性の変化、世代交代等により、お客様の支持を失ってしまうと、本商品群の売上が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは海外での事業領域を拡大しており、2023年12月期決算での売上収益における欧州、オセアニア、東南アジアの占める割合は、約50.5%となっております。今後、欧州、オセアニア地域を中心とする当社グループが事業を展開する各国における景気の悪化、当該各国での競争環境の激化、消費者の嗜好の変化等、市場の需要動向が変化すること等により、当該地域における当社グループの売上収益の低下、利益率の悪化が生じる可能性があります。
当社グループは、中長期経営方針に『ビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大』を掲げ、『アサヒスーパードライ』や『Peroni Nastro Azzurro』などのグローバルブランドをはじめとした高付加価値ブランドの価値向上や新市場の創造を目指すとともに、今後の環境変化も見据えた収益構造改革を加速することで、本リスクが顕在化した場合の業績及び財政状態への影響の低減を図っていきます。また、ビール類以外にも酒類全般における商品のラインアップを充実させることで売上収益を増加させるとともに、飲料、食品事業において、消費者の健康志向の高まり及び高齢化社会に対応する領域へ挑戦することで、事業拡大を図っていきます。
当社グループは、テクノロジーの発展が、人類に新たな技術力と自由な時間を与え、気候変動・資源不足といった地球規模の課題を抱える中、社会・経済だけではなく人類の幸福(Well-being)のあり方も変化していくものと想定しています。そうしたメガトレンドを踏まえて更新した「おいしさと楽しさで“変化するWell-being”に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」という方針のもと、変化しつつあるWell-beingへの迅速な対応、市場環境の変化を先取りした事業戦略の立案と展開、ならびに新たなオペレーティングモデルの構築を通じて、当社グループの戦略及び事業の競争力を強化してまいります。
(2)個別戦略リスク
当社リスクマネジメント委員会は、中長期経営方針の事業遂行及び目標達成を阻害しうる特に重大なリスクを以下の通り認識しております。その中で、中長期的に顕在化が懸念されるリスクを①、短中期的に顕在化が懸念されるリスクを②、及び継続的に顕在化を留意すべきリスクを③、とそれぞれ分類し記載しました。
① 中長期的に顕在化が懸念されるリスク
1)事業拡大について
当社グループは、Schweppes Australia社の買収(2009年、買収額1,185百万豪ドル(適時開示の際に公表した金額、以下同じ))、カルピス社の買収(2012年、買収額920億円)、旧SAB Miller社の西欧ビール事業の取得(2016年、買収額2,550百万ユーロ)、中東欧ビール事業の取得(2017年、買収額7,300百万ユーロ)及びCUB事業の買収(2020年、買収額160億豪ドル)をはじめとして、国内外での事業領域拡大のため、積極的に外部の経営資源を獲得してきました。2020年6月には、CUB事業を取得する手続きを完了することで、日本、欧州に加え、オセアニア地域での事業を盤石にし、日本、欧州、オセアニアの3極を核としたグローバルプラットフォームを構築、成長基盤の拡大を実現しました。ここ数年は財務基盤の強化を優先し大型の買収は控えておりましたが、今後条件が揃えば、成長のために、外部の経営資源を活用していきます。
外部の経営資源獲得にあたっては、慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ実行します。しかしながら、営業、人員、技術及び組織の統合ができずコスト削減等の期待したシナジー効果が創出できなかった場合、アルコールや砂糖の摂取に対する社会の価値観の変化や人口動態の変化等により、買収した事業における製品に対する継続的な需要を維持できない場合、買収した事業における優秀な人材を保持し又は従業員の士気を維持することができない場合、高付加価値ブランドの育成不振等、効果的なブランド及び製品ポートフォリオを構築することができない場合、並びに異なる製品ラインにおける販売及び市場戦略の連携(クロスセルの拡大)ができない場合等により、当社グループの期待する成果が得られない可能性があります。
当社グループは、買収に伴い、相当額ののれん及び無形資産を連結財政状態計算書に計上しており、2023年12月末現在、のれん及び無形資産の金額はそれぞれ、連結総資産の40.6%(21,471億円)及び21.5%(11,368億円)を占めております。
当社グループは、当該のれん及び無形資産につきまして、それぞれの事業価値及び将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が将来にわたって大きく損なわれると判断された場合、又はカントリーリスクの顕在化による金利高騰や市場縮小等により適用される割引率や長期成長率が大きく変動した場合等は、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、AGP及び中長期経営方針に基づいた価値創造経営により、事業の持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指しており、『ビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大』、や『持続的成長を実現するためのコア戦略の推進』とともに、『長期戦略を支える経営基盤の強化』の一環としてグループガバナンスの更なる実効性向上に向けた取り組みを実施することで、グループ戦略の実行と期待成果をより確実なものとします。
2)アルコール摂取に対する社会の価値観
アルコールの摂取は人々の生活を豊かにしてきた一方で、その不適切な摂取は健康面あるいは社会的悪影響が指摘されています。世界保健機関(WHO)においては世界的な規模での酒類販売に関する規制が推奨されており、当社グループの予想を上回る規制強化が行われる可能性があります。新型コロナウイルス感染症の拡大時には、アルコールの製造販売の禁止や制限を含む行動規制が世界各国で布かれ、このような規制が消費者のライフスタイルの見直しに直結することを体験しました。将来、不適切な飲酒による酒類業界や当社グループのレピュテーション及びブランド価値を毀損する可能性や、行政による行動規制が重なると、アルコールに対する消費者の需要が縮小する可能性もあります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、アルコール飲料を製造・販売する企業としての社会的責任を果たすため、WHOが2022年5月に新たに採択したグローバルアルコールアクションプラン2022-2030の中で掲げたグローバル目標「有害なアルコール使用20%低減」の達成に貢献する戦略の方向性を経営の中で議論し、地域ごとに具体的なアクションプランの策定に取り組んできています。責任ある飲酒の取り組み促進のためにグループスローガン「Responsible Drinking Ambassador」を打ち出し、不適切な飲酒の撲滅に向けた活動を強化するとともに、社員に対する「責任ある飲酒」の研修の取り組みを推進してきました。今後更に社会インパクトを創出する取り組みを強化していきます。更に、新しい飲用機会の創出に向けた取り組みとして、2030年までにアサヒグループにおけるノンアルコール・低アルコールの販売構成比20%を新たな目標に掲げ、アルコール起因の課題解決にも取り組んでいます。アサヒビール株式会社は2020年に「スマートドリンキング宣言」を発表し、商品ごとの純アルコール量の積極的な開示を開始。多様な飲み方に対応すべく、様々な度数の低アルコール飲料による飲み方提案や、ノンアルコール飲料の強化などを進めています。2022年にはノンアルコールや低アルコール飲料のメニューを100種提供し、飲む人も飲まない人も楽しめる『SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバー シブヤ)』を、2023年には、酔わなくても楽しめる新しい大人の嗜好品を提供するバー『THE 5th by SUMADORI-BAR』を展開するなど、新たな飲食店のカタチを提案しています。
アルコールの有害な使用の低減による健康被害の予防を更に推進するためには産業界が協力し合って課題解決に取り組むことも重要になります。酒類事業を行う各地の関連法令遵守のほか、IARD※をはじめとする業界団体や他業種の業界と協力・連携して販売や広告に関する自主基準を設け、責任あるマーケティングに取り組んでいます。2020年1月に、IARDに加盟する企業のCEOによる未成年飲酒防止に向けた取り組みを推進する共同声明を公表しました。2021年にはIARDとしてeコマースのプラットフォームなどと共にeコマースにおける世界基準を策定し実践を開始したほか、インフルエンサーマーケティングの世界基準を新たに策定し広告代理店やPR代理店などと共に取り組むことを宣言しています。
※ IARD=International Alliance for Responsible Drinking(責任ある飲酒国際連盟)の略称。不適切な飲酒の撲滅と、責任ある飲酒を促進するという共通の目的のもとに、世界のビール、ワイン、スピリッツの製造業者である大手企業15社の加盟企業で構成される非営利団体。
3)技術革新による新たなビジネスモデルの出現
当社グループが国内外で事業を展開する、酒類・飲料・食品業界は、その製造販売に関して、技術革新による競争環境の変化が比較的少ない安定した業界でしたが、最近では、低アルコール飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料、成人向け清涼飲料などのビール隣接カテゴリー(BAC:Beer Adjacent Categories)による新たな飲用シーンの提案ができるようになり、最新デジタル技術を活用して“変化するWell-Being”に応えることで新たな価値の提供、AI活用による各種業務の効率化、あるいはアルコール代替品等、技術革新による新たなビジネスモデルの可能性も示されております。更に、2020年以降世界中へ拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークの急激な普及や、EC等のオンラインチャネル利用の加速等、それまで将来的に発生すると想定されていた変化が前倒しで出現しています。
こうした環境変化や新たなビジネスモデルの出現により、当社グループ事業がコスト構造や顧客体験で劣後し、業界での主導権喪失や競争力の低下につながり、売上収益、事業利益の低下等、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。その一方で、当社グループがこのようなイノベーションを先導することによって、市場優位性獲得や、新規市場創出につなげることが期待できます。
当社グループは、このような状況に対して、単なるリスク対応に留まることなく技術革新を先取りすることを目指して、中長期経営方針において「DX=BX※と捉え、3つの領域(プロセス、組織、ビジネスモデル)でのイノベーションを推進」及び「R&D(研究開発)機能の強化による既存商品価値の向上・新たな商材や市場の創造」を掲げ、領域を特定した戦略的DX及びR&D投資を推進していきます。
DX領域においては、グローバル調達プラットフォーム、グローバルデータマネジメント、環境負荷の予測と見える化といった生産性を向上するグローカル基盤を構築するとともに、新たな消費者データ、多様化・細分化する顧客ニーズの把握と新しい素材や製法による新ビジネスモデルの開発、及びこれらのイノベーションを実現するためのデジタルネイティブ組織への変革、インキュベーション機能の強化、アジャイル型働き方の組み込みを推進します。
R&Dにおいては、中長期的な社会環境や競争環境の変化を見据え、メガトレンドからバックキャストで導いた未来シナリオとこれまでの研究で蓄積してきた技術・知見・ノウハウを踏まえ、変化するアルコールに関する価値観に対応した新たな価値創造、消費者の身体と心の健康の実現、サステナビリティ実現に向けた環境・気候変動リスクの軽減、及び新規事業につながる非凡なシーズの開発を重点領域と位置づけ、新たな価値創造やリスク軽減に向けた商品・技術開発への投資を推進します。
また、米国サンフランシスコに投資運用会社を設立し、2023年1月から運用を開始したスタートアップ投資ファンドは、低アルコール飲料やノンアルコールビールテイスト飲料、成人向け清涼飲料など、将来大きく成長する可能性のある魅力的なブランドや、新たな販売手法や製造手法に繋がるテクノロジーを持った米国のスタートアップ企業にマイノリティ出資を行い、当社グループの市場優位性獲得や、新規市場創出につながるイノベーションに貢献することが期待できます。
※ DX=BX:デジタル・トランスフォーメーション=ビジネス・トランスフォーメーション
4)気候変動に関わるリスク
地球温暖化により、これまで経験したことのない気候の変化や熱波による干ばつ、台風や豪雨による洪水など異常気象が世界各地で発生し、生命や財産に大きな被害をもたらしています。この気候変動問題は、「自然の恵み」を享受して事業を行うアサヒグループにとってきわめて重要な環境課題です。
当社グループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」の中で、「Beyondカーボンニュートラル」を2050年の世界のあるべき姿として掲げています。脱炭素社会に向けて、事業の枠を超えた社会全体におけるカーボン排出量が削減され、生物多様性が保全された世界を目指すため、バリューチェーンのCO2削減と生態系の保全の両立、CO2の排出量削減・吸収・回収の技術開発・展開などに取り組んでいきます。
将来的な気候変動が業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性がある物理リスクとして、以下の通り認識しています。海外の生産拠点における干ばつが深刻化し、水需給が逼迫、水価格の高騰による操業コストが上昇する可能性があります。気温上昇(生育環境や労働環境の変化)・天候・自然災害・CO2濃度等が需給バランスや品質に影響し、主要な原材料価格が変動する可能性があります。更に、必要な水資源が確保できない場合、操業停止による機会損失と工場移転費用が発生する可能性があります。異常気象の激甚化により、深刻な風水害及び土砂災害が発生することで生産ラインや物流が停止し、設備被害や機会損失、製品廃棄による損失が発生する可能性があります。
また、将来的な気候変動を見据えた脱炭素社会への移行リスクを以下の通り認識しています。炭素税が導入され、特にPETボトル等の製品原材料への価格転嫁や生産拠点の操業コストが上昇する可能性があります。水ストレスの高い地域の生産拠点において取水制限を受けて操業が停止、機会損失が発生する可能性があります。エシカル志向の高まりにより、環境配慮が不十分な製品があった場合、その需要が低下し、当社グループの売上に影響を与える可能性があります。
当社グループは、脱炭素社会の速やかな実現を目指し、CO2排出量ゼロを目指す中長期目標「アサヒカーボンゼロ」を改訂しました。「アサヒカーボンゼロ」の中期目標として、Scope1,2※においては、2025年に40%削減、2030年に70%削減の脱炭素目標を設定しています。Scope3※においても、2030年に30%削減(ともに2019年比)を設定しています。その上で、長期目標として掲げていたScope1,2,3におけるCO2排出量ネットゼロの目標年を2050年から2040年へ上方修正し、今後更なる省エネルギー化や再生可能エネルギーの活用を推進していきます。また、グループ全体で水使用量削減に向けた取り組みを進めて、水リスクに対応していきます。
将来的な気候変動リスクに関連する経営のレジリエンスと持続性を高めるために、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言への対応を行っています。シナリオ分析によって明確化された重要なリスクと機会に対してそれぞれの対策を講じ、リスクの低減と機会の確実な獲得につなげていきます。特に、炭素税による生産コストなどへの影響を軽減するため、「アサヒカーボンゼロ」に基づくCO2排出量削減施策として、2030年までに500億円以上を投資していきます。
※ Scope1は、自社(工場・オフィス・車など)での燃料の使用によるCO2の直接排出、Scope2は、自社が購入した電気・熱・蒸気の使用によるCO2の間接排出、Scope3は、自社のバリューチェーンからのCO2の排出を指します。
5)プラスチック使用
近年、廃棄プラスチックの規制強化の動きが加速しています。同時に、プラスチックを大量に使用する製品に対する社会の目は厳しくなってきており、容器包装をプラスチック素材に依存している当社グループの飲料・食品製品の需要が著しく低下し、売上に影響を与えるだけでなく、対応不十分とのことで、当社グループに対するレピュテーションが低下する可能性があります。また、リサイクル費用の負担が増加することや、バイオマス素材等の代替素材を使用した場合の材料費が増加すること等で、製造原価が増嵩する可能性があります。
当社グループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」の中で、「容器包装廃棄物のない社会」を2050年の世界のあるべき姿として掲げています。容器包装の中でも海洋汚染や生態系への影響が世界的に喫緊の課題となっている海洋プラスチック問題への対応については、2020年、グループの戦略の方向性として「3R+Innovation」を定め、2022年に目標を上方修正してグローバル統一の新たな目標として2030年までにPETボトルを100%リサイクル素材、バイオ由来の素材等に切り替えることを設定しました。それに基づき、グループ各社において様々な取り組みを進めています。
国内では、アサヒ飲料株式会社がリサイクルPET等リサイクル素材の使用、リデュースの推進、環境への配慮を前提とした新容器開発等に関する目標「容器包装2030」の達成に向けた取り組みを進めています。更なる「ラベルレスボトル」製品の拡大やリサイクル素材活用拡大のために「ボトルtoボトル」の水平リサイクルを進めています。後者の取り組みとして、再生事業者である株式会社JEPLANへの融資を行い、アサヒ飲料販売株式会社が管理・運営する首都圏エリア約3万台の自動販売機から使用済みPETボトルを回収、ケミカルリサイクルPET樹脂に再生させ、当社商品に再利用する循環システムを構築し、水平リサイクルを進めています。
2022年4月から、一部の大型ペットボトル(「三ツ矢」「カルピス」「アサヒ 十六茶」「アサヒ おいしい水」「バヤリース」)でこのリサイクルPET樹脂を使用することにより、年間のCO2排出量は従来比で約47%削減され、約18,400tのCO2が削減される見込みです。また、業界の枠を超えた連携体制により使用済のプラスチックを再資源化する会社に共同出資を行い、中長期的なPET調達に向けた取り組みも強化しています。
また、2023年には飲料他社と共同で、複数の地方自治体との間で使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生する水平リサイクル「ボトルtoボトル」事業の連携協定を締結しました。各地で2024年から取り組みを開始し、プラスチック資源循環を推進していきます。
海外では、オーストラリアの子会社Asahi Beverages Pty Ltdが、業界の枠を超えたパートナーシップ構築を通じて、PETボトルのリサイクルを推進しています。リサイクル大手企業や容器メーカーと合弁会社を設立し、2022年にはニューサウスウェールズ州でリサイクルPET樹脂の更なる生産と供給のための工場を稼働しました。さらに2023年にビクトリア州で2拠点目のリサイクル工場の操業を開始しました。オーストラリアでは既に2019年より水ブランドの「Cool Ridge(クールリッジ)」に100%リサイクルPETボトルを使用しCO2排出量を従来の約半分に削減しました。
当社グループ全体として、プラスチックのリサイクル素材、バイオ由来の素材等の更なる活用を推進してまいります。
② 短中期的に顕在化が懸念されるリスク
1)主要原材料の調達リスク
当社がグローバルに事業展開する酒類・飲料・食品の製造においては、原材料の調達に関し、市況悪化による価格高騰、気候変動や自然災害及びパンデミック等による納期遅延や供給停止に陥るリスクがあります。このようなリスクに直面した場合、製造コストが上昇し、また製造数量が計画を下回ることで、グループの業績及び財政に大きな影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対し当社では、原材料毎にヘッジポリシー及びガードレールを定め、原材料商品及び為替市況をつぶさにモニタリングし、状況に応じ複数年での契約締結や、金融商品を活用することで価格高騰リスクを回避し、また必要量の安定確保に努めております。併せて、グローバル各製造拠点で原材料毎に在庫量を定め、安全在庫を確保すると共に、シナジー創出を期待できる品目については、2024年1月に運営を開始したグループグローバル調達組織であるAsahi Global Procurementが、カテゴリーマネジメントとソーシング機能を集約し、スケールメリットを活かしコスト低減に努めております。加えて、グループ間での在庫情報共有による調整機能を活用し、調達困難時でも全製造拠点で十分な在庫量を維持できるよう努めております。
2)地政学的リスク
現在、当社グループは20を超える国に拠点を構え、グローバルに事業を展開しております。世界経済全体の動向に加え、当社グループが事業活動を展開する国・地域における政治、経済、社会、法規制、自然災害等の要素が、各事業に影響を与える可能性があります。
さらに、近年は、地政学的な要因が事業に影響を及ぼす可能性が高まっていると認識しています。例えば、ウクライナ情勢や中東情勢、台湾を巡る緊張の高まり、米国と中国の対立関係などの要因により、当社グループが事業を展開する複数の国・地域において、輸出入制限、差別的な措置、商品不買運動、技術の分断、データに関する規制等の具体的なリスクが想定され、同時に、今後の事業の強化やエリアの拡大を進める上でも影響を与える要素となります。地政学的な要因によりこれらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの中長期経営方針の実行や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、地政学的リスクに関する動向の情報収集と分析をもとに、リスクシナリオの策定及びリスクの把握を行い、その影響を低減するための適切な対策の検討を進めてまいります。また、事業展開国・地域のカントリーリスクの調査、情報収集、評価をもとに、リスクを早期に認識し、顕在化する前に具体的かつ適切な対処をする取り組みも継続しております。
3)情報セキュリティ
当社グループは、高い市場競争力を確保するため、事業活動の多くをITシステムに依存しており、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、あるいはサイバー攻撃によって、事業活動の混乱、機密情報の喪失、個人情報の漏洩、詐欺被害、EU一般データ保護規則(GDPR)等の各国法令違反が発生する可能性があります。
このようなリスクが顕在化した場合、事業の中断、損害賠償請求やセキュリティ対策費用の増加等によるキャッシュアウト、GDPR違反による制裁金等により、当社グループの業績及び財政状態、並びに企業ブランド価値に影響を及ぼす可能性があります。
サイバー攻撃リスクの高まりへの対応としては2022年10月にグループ全体で遵守すべきサイバーセキュリティ基準を制定し、運用の徹底を図っています。当基準に準じて国内・海外グループ会社のサイバー攻撃対策状況を評価し、セキュリティ体制の維持、及び向上に努めており、本件リスクが顕在化しないようにセキュリティの改善に取り組んでいます。また、当基準内でインシデント発生時の報告ルールを明示することでグループ全体でのインシデント情報を集約し、リスク対応の強化を目的とした体制整備も完了しています。
当社グループは、ビジネスの多様な分野における生成AIの活用を積極的に推進しています。我々は、この技術が企業の競争力を高める重要な要素であると認識しており、その有効な活用を通じて、業務効率の向上とイノベーションの促進を図っています。さらに、生成AIの使用に伴うリスクに対処するため、国内・海外グループ会社に適用される包括的なガイドラインを制定しました。このガイドラインは、生成AIの安全かつ責任ある使用を確実にするための運用基準と注意事項を定めており、リスクの軽減と管理に努めています。
4)多様で有能な人材の確保
中長期経営方針の目標達成には、多様な価値観や専門性を持つ社員の貢献が不可欠です。そのため、当社グループは社員の多様性を尊重し、一人ひとりの成長を支援する人材育成プログラムへの投資を増やし、必要に応じて、経営幹部や一般社員を外部から採用する取り組みを進めています。しかし、グローバルな事業の成長に伴う人材需要の増加や必要なスキルの変化、高度化により、多様で有能な経営幹部や一般社員の確保、育成、定着が難しく、中長期経営方針の戦略実行に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは中長期経営方針で「目指す事業ポートフォリオの構築やコア戦略を支える高度な人的資本の確保」を掲げ、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進を通じて、戦略を支える経営基盤を強化し、従業員のエンゲージメントを高める企業文化を醸成しています。定期的にエンゲージメント調査を実施し、望ましい企業文化の実現度を確認しています。
また、経営者候補の育成を計画的に進めるため、グループ全体で共通のコンピテンシーモデルを策定し、将来の経営幹部候補を育成するグローバルリーダーシッププログラムを実施し、人材パイプラインを拡充・強化しています。さらに、各地域の人材を可視化し、国籍や性別に関係なく適材適所で配置するためのタレントレビューを実施し、多様な有能な人材の活用を推進しています。新しいケイパビリティを獲得するために、社外からの人材登用も積極的に行っています。
③ 継続的に顕在化を留意するリスク
1)大規模自然災害
2024年1月に能登半島で発生した地震が甚大な被害をもたらすなど、国内外問わず世界各地で地震、津波、台風、洪水等の自然災害に関連するリスクは年々高まっており、大規模災害が現実のものとなっています。このような大規模自然災害の発生により、従業員の被害、工場損壊、設備故障及びユーティリティー(電気、ガス、水)遮断により製造が停止、倉庫損壊及び保管製品破損により出荷が停止、並びに物流機能停止により原材料資材の調達及び製品の出荷が不能になる可能性があります。更に、事務所施設の損壊、交通機関マヒによる従業員の通勤不能、及びシステム障害に伴う重要データの消失等もあわせて、事業活動が停止する可能性があります。事業活動の復旧に長期を要した場合、施設等の改修に多額の費用が発生した場合、消費マインドが落ち込んだ場合等、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、大規模災害が発生した際に、いち早く従業員及びその家族の安否を確認する仕組みを導入するとともに、大規模地震を含め災害リスクが高い日本においては、早急に被災地の被害状況を把握するため、衛星携帯電話の配備をはじめとした緊急時通信体制の強化を進めています。そのうえで、定期的な訓練を実施することで、有事の対応力を強化するとともに、災害対応意識の啓発に努めています。
また、生産工場では、建物倒壊対策のため、全建物対象に耐震診断を実施しており、対策が必要な物件については、順次計画的に補強工事を実施しています。ボイラー、冷凍機等の大型エネルギー供給設備には大地震(震度5弱相当)を検知すると、安全に自動停止する機能が付属し、大型ビール工場では電力供給が遮断した場合でも、自家発電によりタンクを冷却させることで、半製品の大量腐敗を防止する等2次災害のリスク低減対策を進めています。
また、主要グループ会社において、過去の防災対策の実績及び自然災害の経験を踏まえた「事業継続計画(BCP)」の策定を行い、主要商品の供給を継続するための需給調整機能を早急に復旧する体制を構築するとともに、受発注処理等に関する重要なデータを処理するサーバーセンターのバックアップセンターを設置する等、大規模な自然災害が起こった場合であっても被災地以外での事業活動に支障が無いように備えています。
なお、大規模な災害等が発生した際には、代表取締役社長兼Group CEOを本部長とした「緊急事態対策本部」を設置して対応する危機管理体制を構築しており、平常時のリスクマネジメントにおいて、顕在化した際に即時対応を要するリスクを抽出し、その影響度と必要な対応を想定することで、危機発生時にクライシスマネジメントへ寸断なく移行できるよう準備しています。あわせて、国内を含めた4つのRegional Headquarters(RHQ)体制において、危機の類型に応じてRHQと当社の役割を明確にするとともに、危機発生時の情報ラインの整流化を図り、グローバルなクライシスマネジメント体制の強化も進めています。
これらの事前対策により災害による被害の最小化、当社グループの業績及び財政状態に対する影響の低減に努めています。
2)人権尊重に関わるリスク
格差や貧困の拡大、気候変動等環境問題の深刻化、感染症や紛争の勃発、さらに欧米を中心とした人権尊重に関する法規制強化などを背景に、当社グループにとって人権尊重並びに関連法規制の遵守は特に重要と認識しています。2023年は全社の人権取り組みを強化する目的で、「アサヒグループ人権方針」を改定しました。その中で、脆弱なステークホルダー(例:子ども、女性、移住労働者、先住民族)や人権擁護者の権利尊重や、グリーバンスメカニズムへの通報者保護と救済措置の実行強化を加えました。また「清潔で健康的かつ持続可能な環境に対する権利」へのコミットメントを新たに加え、今後は気候変動や生物多様性の喪失等による人権リスクも理解し、これらを人権デューデリジェンスに組み込んで取り組みを強化していきます。
具体的な取り組みとしては、2019年以降、サプライヤーと自社従業員への人権デューデリジェンスと教育、救済へのアクセスの構築を優先して進めています。サプライヤーについては、2024年1月からAsahi Global Procurementが本格稼働することに伴い、グローバル調達活動を一元化し人権デューデリジェンスの方針や基準整備、計画と実行を同組織の中で担い、今後取組内容を深化させます。新たに2030年までに原材料一次サプライヤー(※既存の原材料及び包装資材の年間10万ドル以上取引のある一次サプライヤー)へのリスクアセスメントを優先的に100%実施することを目標に実施する計画です。また、2021年には現代奴隷リスク分析でハイリスクとの結果が出たエチオピアとタンザニアのコーヒー豆に関わるサプライヤー等を対象とし、2022年はブラジルのサトウキビを対象にデスク・リサーチを行いました。2023年にはブラジルのサトウキビを対象に現地訪問調査を実施しています。これら調査結果を踏まえて人権リスクを特定・評価し、負の影響の是正や発生予防に取組む予定です。
自社従業員については、2030年までに事業展開国(※ディストリビューターを通じた輸出事業を除く)へのリスクアセスメントを100%実施し、各事業会社、機能部門が継続的にPDCAをモニタリングができている状態を目指します。2024年は高リスク国の全生産拠点におけるSedexによるリスクアセスメントと、高リスクと判断した生産拠点への実態把握調査、インタビュー、指摘事項の是正を計画しています。従業員一人ひとりが人権方針を遵守するための人権教育として、2023年は国内全役員・社員を対象にした3つの「ビジネスと人権」eラーニングを実施しました。
救済へのアクセス構築については、「クリーン・ライン制度」へのアンケート結果や人権有識者との対話等を通じて抽出した課題を基に検討を進め、2024年春に新しい通報システムの運用を開始する予定です。
3)法規制とソフトローのコンプライアンス
当社グループは事業の遂行にあたって、食品衛生法、製造物責任法、労働関連規制、贈収賄規制、競争法、GDPR等の個人情報保護規則、環境関連法規等の様々な法規制の適用を受けています。これらの法令が変更される、又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入される等の理由による法令違反や社会規範に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、規制遵守対応のためのコストが増加し、又はお客様をはじめとしたステークホルダーの信頼を失うことにより、レピュテーションやブランド価値が毀損し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業活動を行う全ての国・地域において、適用される法令・ルールを遵守することを含め、「Asahi Group Philosophy」で示したステークホルダーに対する5つのPrinciplesに基づき、企業倫理・コンプライアンスを実践するための「アサヒグループ行動規範」を制定し、グループ全体での実践を推進しています。そして、代表取締役社長兼Group CEOが委員長を務め、代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及び委員長が任命したFunctionのHeadで構成される「コンプライアンス委員会」を設置し、グループ全体の企業倫理・コンプライアンスを推進・監督するとともに、「アサヒグループ行動規範」に関する社員の研修等を通じてコンプライアンスのレベルを高め、法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。
④ 個別戦略リスクのヒートマップ
[評価変更リスク]
②-1)主要原材料の調達リスク
2024年1月に運営を開始したグループグローバル調達組織であるAsahi Global Procurementへのカテゴリーマネジメントとソーシング機能の集約により、グローバルでの安定調達と更なるコストベネフィット獲得につながる体制が整備された。社外環境としては今後も予断を許さない状況が続くと認識するが、前項取り組みの進捗により、当該リスク顕在時の影響度が低減していると評価する。
②-4)多様で有能な人材の確保
引き続き人材獲得が難しい状況が続く国や地域がある中で、当社グループ内の多様で有能な人材を機動的に活用できる体制が整い、またグループ内人材育成の強化や競争力ある報酬制度の導入等により、当該リスク顕在化の蓋然性が低減していると評価する。
⑤ 個別戦略リスクの経営方針・戦略との関連性
(3)その他リスク
1)品質について
当社グループは、研究開発、調達、生産、物流、販売、お客様とのコミュニケーションに至る全てのプロセスにおいて、お客様の期待を超える商品・サービスを提供することで、お客様の満足を追求することをグループ品質基本方針とし、いずれのグループ会社も品質を通して、お客様との信頼関係を築くことに不断の努力を続けています。お客様の健康に密接に関連する事業を展開しているため、万一、不測の事態により、お客様の健康を脅かす可能性が生じたときは、お客様の安全を最優先に考え、迅速に対応します。
しかしながら、万一、品質に問題が生じて、商品の安全性に疑義が持たれた場合には、商品の回収や製造の中止を余儀なくされ、その対応に費用や時間を要するだけでなく、お客様からの信頼を失う可能性があります。このような事象が発生した場合、中長期経営方針に掲げた「既存地域でのプレミアム化とグローバルブランドによる成長、展開エリアの拡大」の未達を含む、当社グループの業績及び財政状態、並びにレピュテーション及びブランド価値に対して影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、品質リスク低減を目的とした品質保証レベル向上の取り組みとして、サプライチェーンの全てのプロセスにおいて、品質に影響を与える業務や注意すべき事項を抽出し、その点検と是正による改善のPDCAサイクルをグローバル共通の仕組みとして展開しています。
また、食の安全に関わる分野においては、研究開発部門を中心に微生物・農薬・カビ毒・重金属・樹脂・放射性物質等多岐にわたる最新の分析技術を開発しており、グループ内の連携によりグローバルでの品質保証活動を展開する体制・仕組みを通じて、技術面からグループ全体をサポートしています。
さらに、各グループ会社の商品特性や製造工場の環境に応じて、国際的な品質・食品安全マネジメントシステムの考え方を取り入れ、必要に応じて外部認証取得しています。
2)財務リスク
為替変動: 当社グループはグローバルに事業を展開しているため為替リスクを負っています。このうち、海外子会社及び関連会社における資産や負債については円高が進行すると在外営業活動体の換算差額を通じて自己資本が減少するリスクがあります。このため、必要に応じて為替リスクのヘッジをする等の施策を実行していますが、完全にリスクが回避できるわけではありません。また、海外連結子会社等の損益の連結純利益に占める割合が比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることから、外国通貨に対して円高が進むと、連結純利益にマイナスのインパクトを与えます。一方、本国で行う輸出入、及び外国間等の貿易取引から発生する、外貨建債権及び債務等は為替レートの変動によるリスクを有しておりますが、このリスクは為替予約等と相殺されるため影響は限定されます。
金利変動: 当社グループは銀行預金や国債等の金融資産及び銀行借入金や社債、リース負債等の負債を保有しております。これらの資産及び負債に係る金利の変動は受取利息及び支払利息の増減、あるいは金融資産及び金融負債の価値に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、金利リスクを回避する目的で、金利を実質的に固定化する金利スワップを利用することがあります。またヘッジ会計の要件を満たす取引については、ヘッジ会計を適用しております。
格付低下: 当社グループに対する外部格付機関による格付けが引き下げとなり、当社グループの資本・資金調達の取引条件の悪化、もしくは取引そのものが制限される場合には、当社グループの業務運営や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
保有資産の価格変動:当社グループが保有する土地や有価証券等の資産価値の下落や事業環境の変化等があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3)税務リスク
当社グループはグローバルに事業を展開しており、本国をはじめとする、各国の税制による適用を受けており、予期し得ない改正や税務当局からの更正処分を受けた場合、大幅なコストの増加、競争環境の悪化、事業活動の制限等が懸念され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4)訴訟リスク
当社グループは、事業を遂行していくうえで、訴訟を提起される可能性があります。万一当社グループが訴訟を提起された場合、また訴訟の結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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該当事項はありません。