種類 |
発行数 |
内容 |
普通株式 |
5,909,091株 |
完全議決権株式であり、権利内容に何らの限定のない当社における標準となる株式であります。 なお、単元株式数は100株であります。 |
(注)1 本有価証券届出書に係る普通株式(以下「本新株式」といいます。)の発行(以下「本第三者割当増資」といいます。)は、2024年10月8日開催の取締役会決議によります。なお、本第三者割当増資は、(ⅰ)本第三者割当増資における払込金額が「特に有利な金額」に該当することから、会社法第199条第2項および第3項に規定される手続として、また、(ⅱ)支配株主の異動を伴うことから、株式会社東京証券取引所が規定する有価証券上場規程第432条における株主の意思確認手続として、第45回当社定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)の特別決議事項として本第三者割当増資に係る議案が承認されること及び本有価証券届出書の効力が生じていることを条件としております。
2 また、割当予定先(以下有限会社藤原興産を「割当予定先」といいます。)は、本新株式の割当てを受けた後、現在保有する当社の株式と本新株式を併せて、株式会社ワールド(以下「ワールド」といいます。)及び株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」といいます。)がそれぞれ直接又は間接に50.00%ずつ出資している株式会社W&Dインベストメントデザイン(以下「公開買付者」といい、ワールド、DBJ及び公開買付者を総称して「公開買付者ら」といいます。)が行う当社の発行済普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に応募する予定とのことです。なお、本公開買付けにおける公開買付価格は、本第三者割当増資における払込金額と同額に設定されております。
3 振替機関の名称及び住所
株式会社証券保管振替機構
東京都中央区日本橋兜町7番1号
区分 |
発行数 |
発行価額の総額(円) |
資本組入額の総額(円) |
株主割当 |
- |
- |
- |
その他の者に対する割当 |
5,909,091株 |
650,000,010 |
325,000,005 |
一般募集 |
- |
- |
- |
計(総発行株式) |
5,909,091株 |
650,000,010 |
325,000,005 |
(注)1 第三者割当増資の方法によります。
2 発行価額の総額は、会社法上の払込金額であり、資本組入額の総額は、会社法上増加する資本金の総額であります。また、増加する資本準備金の額は325,000,005円であります。
発行価格 (円) |
資本組入額 (円) |
申込株数単位 |
申込期間 |
申込証拠金 (円) |
払込期日 |
110 |
55 |
1株 |
2024年11月29日(金) |
- |
2024年11月29日(金) |
(注)1 第三者割当増資の方法により行うものとし、一般募集は行いません。割当予定先の概要については、後記「第3 第三者割当の場合の特記事項 1 割当予定先の状況」をご参照ください。
2 発行価格は会社法上の払込金額であり、資本組入額は会社法上の増加する資本金の額であります。
3 申込み及び払込みの方法は、本有価証券届出書の効力発生後に、当社と割当予定先との間で本新株式の総数引受契約を締結し、払込期日までに後記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。なお、払込期日までに、割当予定先との間で総数引受契約を締結しない場合は、本第三者割当増資は行われないこととなります。
4 本第三者割当増資は、(ⅰ)本第三者割当増資における払込金額が「特に有利な金額」に該当することから、会社法第199条第2項及び第3項に規定される手続として、また、(ⅱ)支配株主の異動を伴うことから、株式会社東京証券取引所が規定する有価証券上場規程第432条における株主の意思確認手続として、本定時株主総会の特別決議事項として本第三者割当増資に係る議案が承認されること及び本有価証券届出書の効力が生じていることを条件としております。
店名 |
所在地 |
株式会社ライトオン 管理本部 管理部 |
茨城県つくば市小野崎260-1 |
店名 |
所在地 |
株式会社三菱UFJ銀行 柏支店 |
千葉県柏市柏1-2-5 |
該当事項はありません。
払込金額の総額(円) |
発行諸費用の概算額(円) |
差引手取概算額(円) |
650,000,010 |
8,000,000 |
642,000,010 |
(注)1 発行諸費用の概算額は、主に本第三者割当増資に係る弁護士費用、株主総会関連費用及び登記関連費用の合計です。
2 発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
3 調達資金を実際に支出するまでは、当社預金口座で適切に管理する予定であります。
本第三者割当増資の差引手取概算額642,000,010円の具体的な使途については、次のとおり予定しております。なお、以下の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金で保管する予定です。
具体的な使途 |
金額(円) |
支出予定時期 |
割当予定先に対する借入金の一部の弁済 |
642,000,010 |
2024年11月 |
本第三者割当増資により調達する資金については、下記「第3 第三者割当の場合の特記事項 3 発行条件に関する事項」に記載のとおり、早期の財務体質の改善に向け、下表の借入金(借入金残高及び当該借入金の未払利息)6億4200万10円(以下「本借入金」といいます。)の返済に充当いたします。なお、当該借入金の資金使途は仕入費用や店舗の運営費用等の運転資金の名目で借入れしております。
本借入金の総額は9億円であるところ、割当予定先からは、本第三者割当増資における払込金額の総額との差額の2億4999万9990円について、本公開買付けの開始前に債権放棄を受ける予定です。また、債権放棄を受けた後の本借入金の残額6億5000万10円のうち、発行諸費用概算額相当額の800万円については、当社の既存の運転資金を弁済原資として、弁済を行う予定です。
借入先 |
有限会社藤原興産 |
借入実行日 |
2024年8月30日 |
返済期日 |
2024年11月30日 |
当初借入金額 |
900,000,000円 |
利率 |
0.94727% |
未払利息 |
934,293円 |
担保 |
なし |
資金使途 |
運転資金 |
該当事項はありません。
a.割当予定先の概要
名称 |
有限会社藤原興産 |
本店の所在地 |
東京都渋谷区神宮前6-27-8京セラ原宿ビル6階 |
代表者の役職及び氏名 |
取締役 藤原 英子 |
資本金 |
3,530,000円 |
事業の内容 |
不動産賃貸管理 |
主たる出資者及びその出資比率 |
藤原 政博(32.01%) |
b.提出者と割当予定先との間の関係
出資関係 |
当社が保有している割当予定先の株式の数 |
該当事項はありません。 |
割当予定先が保有している当社株式の数(2024年10月8日現在) |
4,873,106株 |
|
人事関係 |
該当事項はありません。 |
|
資金関係 |
本借入金が存在します。 |
|
技術又は取引等の関係 |
該当事項はありません。 |
c.割当予定先の選定理由
当社は、(ⅰ)本第三者割当増資を実行し、調達した資金を弁済原資として本借入金の一部を弁済した上で、(ⅱ)ワールド及びDBJがそれぞれ直接又は間接に50.00%ずつ出資している公開買付者が、当社の発行済普通株式に対する本公開買付けを行う取引(以下、本公開買付けを含む一連の手続を「本取引」といいます。)の一環として、本第三者割当増資を実行することを予定しているところ、以下、割当予定先の選定理由の前提として、当社が他社とのアライアンスを検討するに至った経緯やアライアンス先の探索及び検討の経緯等についても記載いたします。
(1)当社のアライアンス先の選定について
ア.当社の事業及び財務の状況並びに当社の認識する経営課題
当社は、ジーンズカジュアルショップとして1980年4月に創業し、1995年5月に日本証券業協会に店頭登録、2000年2月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)第一部市場に上場、2022年4月の東京証券取引所における新市場区分への移行を経て、東京証券取引所プライム市場に移行、2023年10月に東京証券取引所スタンダード市場への移行を経て、現在にいたります。また、当社は、2023年6月に非連結子会社であった台灣萊特昂股份有限公司を清算結了したことから、本日現在は当社単独で構成されており、ジーンズセレクトショップの事業を主たる業務としています。
当社は、創業以来消費者ニーズに即した商品展開や日本有数のジーンズショップという強みを訴求し、加速度的な成長を遂げてまいりました。1993年11月には店舗数50、1995年12月には店舗数100を超え、その後も新業態店舗の展開も交えながら順調に成長し、2007年8月期には売上高1066億円(期末時点の店舗数446)、営業利益58億円に達しました。
しかしながら、リーマンショック、及びその前後におけるSPA企業(注)をはじめとした競合の台頭により業績の伸び悩みが続き、2017年8月期には売上高800億円(期末時点の店舗数513)に対し営業損益は▲28億円の赤字に転落いたしました。
(注) 「SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)企業」とは、ファッション商品について、企画、生産及び販売の機能を統合させたビジネスを展開する事業者のことをいいます。
その後、当社は、「顧客満足度NO.1」を掲げ、2025年8月期に向けた3か年の中期経営計画(2022年10月12日公表)を策定し、プライベートブランドを軸とした収益力改善、店舗網の見直しなどの取組みを進めてまいりましたが、コロナ禍に伴う外出控え等による売上の急減、Eコマースをはじめとした消費行動の変化という外部環境下にて魅力的な品揃えが実現できず、業績の浮揚には至りませんでした。
かかる状況を踏まえ、2023年4月より外部アドバイザーであるEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下「EY」といいます。)を起用し中期経営計画の見直し(2023年10月に公表)を行いました。2026年8月期に向けた同計画においては、2024年8月期から2026年8月期に至る3年間を「強みの再定義・磨き込み」のフェーズと位置づけ、価値訴求への本格的シフトによる売上総利益率の改善、成長チャネルへの戦略的投資による売上総利益の伸長といった事業戦略に加え、不採算店舗の整理と人員配置の適正化による販管費の削減、在庫水準の引き下げによる運転資本の圧縮といった財務戦略を掲げており、現在も実行を進めております。
しかしながら、価値訴求への転換に伴う既存顧客離れの速度と新規顧客獲得の速度が釣り合わず、計画した客単価は実現出来ている一方で客数の落ち込みが激しく、計画初年度は大きく未達となりました。具体的には、売上高の計画値が445億円に対して、実績値は388億887万円、営業利益の計画値が1億5000万円に対して、実績値は▲50億56万円、営業利益率の計画値が0.3%に対して、実績値は▲12.9%となっております。加えて、新規ブランドの導入が進み、アメリカンカジュアルを中心とした密度の高い品揃えが実現しつつあると自負する一方で、当社の多様な顧客層のニーズに幅広く合致した商品構成には至っておらず、商品力及び発信力の強化が目下最大の課題と認識しております。また、Eコマースにおいても店舗と同様、客数が想定より落ち込んだことにより、計画を下回る実績となり、改善に向けた一層の取組みが課題であります。
イ.アライアンスの必要性及びアライアンス先探索の経緯
上記のような課題を抱える中で、当社は、当社の業況や財務状況等の当社の置かれた状況を踏まえ、主要取引金融機関とも協議を行う中で、主要取引金融機関から、当社単独で継続的に事業を展開することが困難な可能性があり、自助努力での経営改善に加え、他社とのアライアンスを検討する必要があるとの見解が示され、経営体制の抜本的な改革の検討を要請されるようになりました。そのような状況下において、当社は2023年2月頃より当社の経営課題の解決に資するアライアンス候補先の検討を開始し、同年5月より、当社と取引関係や人的交流のある事業会社4社に対して、当社との提携に関する打診を開始いたしましたが、当社が打診を行った会社からは、異業種への投資方針があることや投資リソースが不足していること、自社の顧客に対する影響が懸念されること等を理由に具体的な協議に進むことはありませんでした。なお、情報管理の観点に加え、事業シナジー創出の可能性及び従業員の雇用確保を重視し、事業会社への打診を優先したことから、プライベートエクイティファンドへの打診は実施しておりません。
上記の結果を受け、当社は、同年7月より、主要取引金融機関において日常的にM&Aに関する情報収集を行っている部署(以下「担当部署」といいます。)と協議の上、再度、アライアンス候補先についての具体的検討を開始いたしました。主要取引金融機関との検討に際しては、まず、①当社のステークホルダー(仕入先等)、②同業種、③周辺業種、④他業種という優先順位で、打診先に関するロングリストを作成しました。その上で、情報管理や当社の信用性維持のため、担当部署との間で協議を重ね、ロングリストの中で特に当社の経営課題の解決が見込まれ、かつ、当社とのアライアンスに具体的な関心を示す可能性が高い候補先として、4社の事業会社を選定しました。
上記のような検討及び協議の結果を経て、当社は、同年12月より、事業会社4社に対して、当社との提携に関する打診を開始いたしました。
かかる状況において、当社は、2024年2月上旬にワールドに対してアライアンス候補先としての打診を行い、2024年2月下旬、当該打診に対し、ワールドから事業再生支援を前提にしたアライアンスである場合には検討可能との回答を受領しました。当社は、打診した候補企業のうち、「ファッション産業の特性に合わせた再生ノウハウ」と「再現性のある支援手法」を強みとして、他業態・他ブランドを擁するワールドとの提携(以下「本提携」といいます。)は上記記載の商品力や発信力の強化という当社の課題解決に繋がり、またワールドが当社の今後の更なる成長を実現させるための戦略的パートナーになり得る可能性が高いものと判断して、同年3月中旬にワールドとの提携の検討を進めることを決定し、ワールドに対して事業再生支援を前提にしたアライアンスについて協議したい旨の返答をいたしました。なお、ワールドを除く当社が打診を実施した3社については、当社の事業領域には関心がないことや当社の財務状況を理由に具体的な協議に進むことはありませんでした。
その後、同年5月上旬及び6月中旬に当社とワールドとの面談を実施し、本提携の意義や目的、本提携後の両社の経営方針や事業戦略の方向性等に関する初期的な協議を通じて、本提携は当社の企業価値向上に資する可能性が高いものであるとの判断に至りました。それを踏まえ、当社は、同年6月中旬頃にワールドに対して、当社との間のアライアンスの実現に向けて、ワールドとして想定している取引手法、本取引の意義・目的、本取引後の経営方針及び本取引に関するスケジュール等についてワールドの考えを示した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)の提出を求めました。
ウ.公開買付者らとのアライアンスの検討
その後、当社及びワールドは、事業再生支援を前提にしたアライアンスのスキーム及び本取引を通じて創出される事業シナジー等について複数回協議を重ねる中で、当社は、本取引についての本格的な検討に当たり、2024年7月上旬、当社のフィナンシャルアドバイザーとしてEYを、また、2024年7月下旬、当社のリーガルアドバイザーとして、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を選任し、助言を受けることといたしました。
かかる状況において、ワールドは2024年7月9日に、当社に対し、当社株式の議決権の過半数を取得することを目的として、当社株式に対して公開買付けを実施したい旨の提案を行うとともに、本意向表明書を当社に提出しました。
その後、当社は本意向表明書の内容について、本取引が当社の企業価値向上に資するものか、本取引による当社株主及び当社従業員に対する影響、当社の資金繰りに鑑み必要な時期までに本取引を完了することができるか等の観点から慎重に検討を行い、2024年7月11日に公開買付者らに対して、本意向表明書に関し、当社既存事業の運営方針、本借入金の処理を含む取引ストラクチャー、スケジュールへの対応可能性、本取引後の当社のガバナンス体制に関する方針、当社従業員の処遇方針等の質問を書面にて行いました。
これに対して、当社は、同年7月17日に公開買付者らより質問に対する回答を書面にて受領しました。具体的には、(ⅰ)当社既存事業の運営方針については、公開買付者らから必要な支援を行い、事業再生に不可欠な改革を断行の上で、当該事業の永続を図ること、(ⅱ)本借入金の処理を含む取引ストラクチャーについては、割当予定先から当社に対する貸付金の全額返済を使途とする当社から割当予定先への第三者割当増資を実施し、当社の主要株主であり筆頭株主である藤原政博氏、当社の主要株主であり第二位株主である割当予定先、当社の代表取締役社長であり第四位株主である藤原祐介氏、及び当社の第五位株主である藤原英子氏(以下総称して「本応募合意株主」といいます。)から、第三者割当増資による発行株式を含む本応募合意株主の所有する当社株式の全てを公開買付けにより公開買付者が取得するストラクチャーを想定していること、(ⅲ)スケジュールへの対応可能性については当社の経営状況を鑑みて、実務上可能な限り早期の本取引の実施を想定していること、(ⅳ)本取引後の当社のガバナンス体制に関する方針については上場企業としてコーポレートガバナンス等で求められる要素も具備しつつ、監督(取締役)と執行(執行役員)を分離した経営体制への移行を検討していること、及び(ⅴ)当社従業員の処遇方針については一定期間は現在の処遇の維持を想定しているものの、抜本的な事業再生の完遂に不可欠と判断する人事諸施策は、ワールド並びにその子会社及び関連会社(以下総称して「ワールドグループ」といいます。)全体での人材活用も選択肢の一つとして排除せず、当社の事業の復活を最優先に、聖域なく事業構造の改革を進める旨の回答を受領いたしました。
その後、当社は、受領した回答について、慎重に検討を行い、当社代表取締役社長であり、当社株主でもある藤原祐介氏とも協議の上、同年7月18日に公開買付者らに対して、追加の質問を書面にて行いました。これに対して、当社は、同年7月22日に公開買付者らより、本第三者割当増資については発行価額も含め当社と割当予定先との間で交渉されるべき事項であること、本取引のスケジュールについては当社の経営状況を鑑みて可能な限り迅速に実施されるべきであり公開買付者らとしても迅速な本取引の実施を前提に検討していること、当社の従業員の処遇方針については、今後のデュー・ディリジェンス等を通じて検討する旨の追加質問に対する回答を書面にて受領いたしました。
同日、公開買付者ら、当社、本応募合意株主から独立した社外取締役及び社外監査役によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)の意見も踏まえて慎重に検討した結果、本応募合意株主におけるスキームの応諾を前提に、公開買付者らへ、同年7月29日から当社に対するデュー・ディリジェンスの機会を提供することを決定いたしました。なお、本取引の取引条件の公正性を担保するとともに、本取引に関する恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、本特別委員会を2024年7月22日に設置しております。なお、本特別委員会に関する詳細は、下記「3 発行条件に関する事項 (1)払込金額の決定の経緯」をご参照ください。
その後、当社は、2024年7月下旬から2024年9月末にかけて、公開買付者らによるデュー・ディリジェンスを受けるとともに、公開買付者ら及び当社との間での面談等を通じて、当社は公開買付者らが当社のアライアンス先として適切であり、本提携が当社の企業価値向上に資するものであり、少数株主に不当な不利益を与えるものではないかとの観点での検討を行いました。
具体的には、公開買付者らと当社は、同年7月30日以降、複数回にわたり本取引成立後の当社の抜本的な改革のための事業再生計画(以下「本事業再生計画」といいます。)の協議を実施いたしました。公開買付者らと協議する中で、当社として、公開買付者らの商流や公開買付者らの商品企画力及び開発力を活用することにより、上記の当社経営課題を解決し、継続的な事業展開を可能にすることが、当社の企業価値向上のために必要であることを認識いたしました。かかる状況において、同年9月9日に公開買付者らより当社に対して、協議中の本事業再生計画に関して、公開買付者らとして、本事業再生計画の基本的な考え、本事業再生計画の必須条件となる、不採算店舗の閉鎖等の具体的な構造改革施策、本事業再生計画達成に向けての資金支援に関する考え等を書面にて受領いたしました。それを受けて、当社は同年9月10日実施の当社取締役会にて、公開買付者らから最終意向表明書が提示されること、本特別委員会において本取引について賛同意見の答申が出されること等を停止条件として、本事業再生計画の発射台となる2024年8月期の構造改革施策について決議いたしました。
また、当社の資金繰りは、2023年2月頃に他社とのアライアンスの検討を開始した当時よりも、2024年6月中旬時点で、大幅に悪化しており、当社は、今後の各取引金融機関に対するスケジュール通りの約定弁済が困難となる可能性があると認識いたしました。そこで、当社は、各取引金融機関との間で、公開買付者らとのアライアンスを前提に今後の弁済スケジュールに関する協議を行ってまいりました。上記の協議の内容を踏まえ、当社は、各取引金融機関からの借入れの弁済を進めていく上でも公開買付者らとのアライアンスを実現することが重要であるものと考えております。
さらに、当社は、公開買付者らと本事業再生計画の協議を進める中で、本事業再生計画の内容及び当社の足元の資金繰り状況に鑑みると、本事業再生計画の必須条件である構造改革施策の実行には、公開買付者らからの支援に加え、各取引金融機関からの資金支援も必須と考えました。それを受けて、当社及び公開買付者らにて、今後の当社の資金に係る協議を実施することを決定し、同年9月13日に当社、公開買付者ら、及び主要取引金融機関にて、初回面談を実施いたしました。その後、当社は、公開買付者らとともに同年9月20日に各取引金融機関とのバンクミーティングを開催し、構造改革施策の具体策を説明するとともに、資金支援に係る協議を開始いたしました。公開買付者らは、各取引金融機関に対して、今後の資金支援について継続的に協議していく方向としたとのことです。
一方で、本特別委員会においても、少数株主の利益を図り、本取引の是非や妥当性、手続の公正性等の確認を目的として、当社、本応募合意株主、公開買付者らに対して、以下のとおり質問を行いました。
まず、本特別委員会は、2024年7月31日に、当社に対し、(ⅰ)当社の経営課題に対する認識、(ⅱ)本取引に至る公開買付者らを含む候補先との交渉過程、(ⅲ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む)、(ⅳ)公開買付者らに対する認識、(ⅴ)本取引が不成立となった場合の当社への影響、(ⅵ)本取引のストラクチャーへの考え等についての質問を書面にて行い、同年8月5日に本特別委員会は当社から上記の質問事項に対する回答を受領し、同年8月6日に口頭での説明も受けました。具体的には、当社は、本特別委員会からの上記質問に対し、(ⅰ)当社の経営課題のうち、業界全体の外部環境に起因するものとしてアパレル小売市場の低迷、当社固有の内部環境に起因するものとして粗利益率の悪化を認識していること、(ⅱ)本項記載の公開買付者らとのアライアンスを検討するに至った経緯、(ⅲ)本意向表明書に記載された公開買付者らが想定している本取引の目的については、当社の理念である「世代を超え、愛され続けるジーンズの魅力を発信」にも通じ、親和性が高いと考えられること、及び、ワールドの企画・生産背景は値入率向上(原価率の低減)に有効と考えられるため、本取引による収益力向上により、多くのステークホルダーに対し、メリットを見いだせると見込まれること、(ⅳ)ワールドは、アパレル製造メーカーとしての生い立ちを持ち、企画・生産ノウハウに定評があると考えていること、(ⅴ)本取引が成立しなかった場合、金融機関をはじめステークホルダーからの一層のご支援が必要になり、予断が許されない状況となること、並びに(ⅵ)本取引のストラクチャーについては、当社の経営状況に照らし本取引成就の必要性・重要性も鑑みつつ、本特別委員会の意見を踏まえ、条件面につき公開買付者らと協議を行っていきたいと考えている旨回答しました。
その後、本特別委員会は、同年8月20日、当社に対し、同年7月31日の当社の説明並びに後記の同年8月13日の本応募合意株主の説明及び同月21日の公開買付者らの説明を踏まえ、(ⅰ)本取引の目的のメリット及びデメリット(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む)、(ⅱ)本取引実行の必要性を含む本取引のストラクチャーへの考えについての追加の質問を書面にて行い、同年9月2日に本特別委員会は当社から上記の追加質問事項に対する回答を受領し、同年9月5日に口頭での説明も受けました。
具体的には、当社は(ⅰ)本取引により、ワールドグループ内のインフラや知見を吸収し、多様性があり活力のある企業になることを期待していること、及び(ⅱ)株主に対しての不便や取引先からの信用面、今後の資金調達を考慮し、上場を維持した状態で再成長を目指すほうが、ステークホルダーにとっても有益と考えている旨回答しました。
また、本特別委員会は、2024年8月7日に、本応募合意株主に対し、(ⅰ)本応募合意株主が創業家として当社の経営において担ってきた役割、(ⅱ)本取引に至る公開買付者らを含む候補先との交渉過程、(ⅲ)創業家から当社に対して貸付けがなされるに至った経緯や背景、(ⅳ)本取引のストラクチャーへの考え、(ⅴ)上記(ⅲ)乃至(ⅳ)を踏まえ、本取引が当社の少数株主に与える影響等についての質問を書面にて行い、同年8月9日に本特別委員会は本応募合意株主から上記の質問事項に対する回答を受領し、同年8月13日に口頭での説明も受けました。
具体的には、本応募合意株主から(ⅰ)藤原政博氏は当社を一代で築き上げ、本応募合意株主には、日本を代表するジーンズ専門店へ当社の事業を発展・成長させた功績が存在すると認識していること、及び本応募合意株主としても一定割合の持株比率を維持し、上場ファミリー企業として長期的な視野で経営に携わってきたと認識していること、(ⅱ)本項記載の公開買付者らとのアライアンスを検討するに至った経緯、(ⅲ)創業家は、本借入金に係る貸付けについて、当社からの依頼に基づき、当社の一時的な資金需要のために実行されたと認識していること(ⅳ)本取引の条件については、公開買付者らとして本取引を実行する上で必要と考えている条件であると認識していること、並びに(ⅴ)本取引は、中長期的には当社の業績回復、企業価値向上、それを踏まえた株式市場の評価を通じて、少数株主の利益に資する取引となるものと考えている旨の回答を受けました。
さらに、本特別委員会は、2024年8月15日に、公開買付者らに対し、(ⅰ)本取引に至る当社との交渉過程、(ⅱ)公開買付者らが認識している当社の経営課題及びこれの解決に対する考え、(ⅲ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む)、(ⅳ)本取引後における当社への資金支援に対する考え、(ⅴ)本取引後における当社従業員の処遇に対する考え、(ⅵ)本取引の検討に当たり公開買付者らが必須と考える条件等についての質問を書面にて行い、同年8月20日に本特別委員会は公開買付者らから上記の質問事項に対する回答を受領し、同年8月21日に口頭での説明も受けました。具体的には、(ⅰ)本取引に至る当社との交渉過程については、ワールドが2024年2月上旬に当社の主要取引金融機関から当社とのアライアンスに関する打診を受けた後に当社との度重なる協議を実施し、2024年7月9日に当社からの求めに応じて本意向表明書を提出したこと、(ⅱ)公開買付者らが認識している当社の経営課題及びこれの解決に対する考えについては、公開買付者らとして、創業家依存型マネジメントの機能不全、内外環境の変化への適応力の不足に伴うブランド価値の毀損、分業体制による現場レベルでのコスト意識の欠如等が当社の主な経営課題と考えており、新たな経営体制の下、ワールドグループの事業マネジメント機能を活かしたマーケットポジションを確立し、さらには抜本的な構造改革として赤字店舗の閉鎖や従業員の配置転換を検討していること、(ⅲ)本取引の目的の合理性については、本取引によるシナジーは現時点ではまだ具体的に検討していないものの、公開買付者らのサポートにより当社の事業の再生への蓋然性が高まり、当社の全てのステークホルダーにメリットをもたらし得ること、及び(ⅳ)本取引の検討に当たり公開買付者らが必須と考える条件等については、当社の事業の再生に向けた計画における運転資金に関して、当社の取引銀行の協力や借入残高の維持の了解の取得を前提として、必要に応じて公開買付者らからの資金調達を検討する旨の回答を受けました。
かかる状況において、本特別委員会は、2024年9月9日、本応募合意株主に対して、本借入金の本取引における取扱いについて、少数株主の保有する当社株式の希薄化率を可能な限り低く抑える観点から、本借入金の一部を債権放棄することを検討いただきたい旨の連絡を書面にて行いました。本特別委員会は、これに対する回答として、同月11日、本応募合意株主より、創業家から当社に対して貸付けがなされるに至った経緯や背景を踏まえて、本借入金の一部を債権放棄しなければならない合理的な理由がない限り、債権放棄は困難であること等を内容とする書面回答を受領しました。
本特別委員会は、上記回答を検討した上で、同月18日、本応募合意株主に対して、(ⅰ)本借入金の全てについて本第三者割当増資による当社株式への転換を行うことは、当社の少数株主には、業績低迷を理由に株式の大幅な希薄化という負担を強いることになる一方で、割当予定先は本借入金の全額について弁済を受けることとなるため、当社の少数株主の利益保護の観点から望ましくないこと、(ⅱ)当社の少数株主による納得を得られない結果、当社の株主総会において本第三者割当増資に係る議案が承認されない可能性があると考えられること等を理由として、再度、本借入金の一部について債権放棄することを検討いただきたい旨の回答を書面にて行いました。
その後、公開買付者は、2024年9月20日に当社及び本応募合意株主に対して電子メールにて本公開買付けにおける公開買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を100円(提案価格である100円は、当該提案日の前営業日である2024年9月19日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値330円に対して69.70%のディスカウント)とする旨の価格提案を行ったところ、2024年9月25日に本応募合意株主から本公開買付価格を120円(要望価格である120円は、当該要請日の前営業日である2024年9月24日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値335円に対して64.18%のディスカウント)とするよう要請を受けたとのことです。また、本特別委員会は、当社がかかる連絡を受領したことを受けて、同月25日、本応募合意株主に対して、同月18日に行った書面回答に加えて(ⅲ)本第三者割当増資の発行価額を公開買付価格(1株当たり100円)と同額とすることを前提とした場合、本借入金全額相当額について本第三者割当増資を行うと、少数株主の保有する当社株式の希薄化率は約30.4%となり、少数株主に多大な不利益を生じさせるものとなること、(ⅳ)当社の少数株主としては、本応募合意株主の経営責任の観点から、本借入金については事業改善によって弁済されるべきものと考えるはずであること等を理由として、本借入金の一部については債権放棄することを検討いただきたい旨の連絡を書面にて行いました。これらに対し、本特別委員会は、同月27日、本応募合意株主より、(ⅰ)本借入金は当社からの依頼に基づいて実行した貸付けに基づくものであり、本来であれば当社より全額返済されるべき性質のものと考えていること、(ⅱ)本応募合意株主は、当社株式の市場価格から大幅にディスカウントされた価格で本公開買付けに応募することが想定されており、少数株主よりも大きな不利益を受け入れるものであると認識していること、(ⅲ)本公開買付価格に関する公開買付者との協議を踏まえて検討の上で改めて回答したいと考えていること等を内容とする書面回答を受領しました。また、同日、公開買付者は、上記の本応募合意株主からの要請を踏まえて、当社及び本応募合意株主に対して、本公開買付けを実施する意向である旨、本応募合意株主との間で応募契約を締結したい旨及び本公開買付価格を110円(提案価格である110円は、最終意向表明書提出日の前営業日である同月26日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値322円に対して65.84%のディスカウント)とする旨を記載した最終意向表明書(以下「最終意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。
そして、本特別委員会は、同月30日に、本応募合意株主より、同月27日に受領した内容に加え、本第三者割当増資の発行価額を公開買付価格(1株当たり110円)と同額とすることを前提とした場合、本借入金全額相当額について本第三者割当増資を行う場合に、少数株主の保有する当社株式についての約28%の希薄化率が生じること及び金融商品取引法及び企業内容等開示に関する内閣府令並びに東京証券取引所有価証券上場規程上においては、希薄化率が25%を上回る場合に「大規模な第三者割当増資」に該当するとされており、25%を上回る希薄化は少数株主に特に多大な不利益を生じさせるものとされていることを鑑みると、それらと同程度の希薄化率を伴う第三者割当増資は少数株主に多大な不利益を生じさせるものであることを考慮し、少数株主保護の観点から、本借入金のうち、2億5000万円を債権放棄し、その残額の6億5000万円について本第三者割当増資による調達資金を原資として弁済を受けたい旨を内容とする書面回答を受領いたしました。
また、公開買付者は、同月30日に、本応募合意株主から再び本公開買付価格を120円(要望価格である120円は、当該要望の前営業日である同月27日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値325円に対して63.08%のディスカウント)とするよう書面にて再度の要請を受けましたが、公開買付者は、同年10月1日に本特別委員会及び本応募合意株主に書面にて価格の引き上げには応じられない旨の回答をしたとのことです。
その後、上記のとおり、本公開買付価格を1株当たり110円とすることで当社との間で合意に至ったことから、改めて同年10月8日に本応募合意株主との間で本公開買付価格を1株当たり110円とする内容の応募契約を締結したとのことです。
また、本第三者割当増資の払込金額の総額すなわち本借入金のうち弁済されるべき額については、当社と本応募合意株主との間で、本第三者割当増資における1株当たり払込金額を本公開買付価格(1株当たり110円)と同額とすることを前提として、これを整数倍した6億5000万10円とすることで合意しました。
その後、当社は、公開買付者に対して、2024年10月7日、当社のフィナンシャルアドバイザーであるEYによる財務的見地からの助言並びに当社のリーガルアドバイザーである西村あさひによる法的見地からの助言を踏まえて審議・検討を行った結果として、本特別委員会において、正式な意思決定は同月8日開催の取締役会で承認されることを条件とし、本公開買付価格の提案に賛同する旨の連絡をいたしました。
なお、本公開買付けの実施にあたり、当社は、同日付で、公開買付者との間で、「公開買付け等の実施に覚書」(以下「本覚書」といいます。)を締結しております。
エ.当社による本第三者割当増資を含む本取引にかかる意思決定(割当予定先の選定を含む)及びその内容
以上の経緯の下で、当社は、本日開催の当社取締役会において、本特別委員会の答申書において示された判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するものか否か等について、慎重に検討・協議を行いました。
上記記載のとおり、当社の業績及び財務の状況を改善するためには、(ⅰ)運転資金の確保や資本の引受を通じた財務基盤の強化、及び(ⅱ)事業基盤の強化を通じた収益力の向上が必要であり、これらを直ちに実行することが当社にとっての喫緊の課題となっております。
以上を踏まえると、当社としては、①公開買付者らによる本取引実行後の運転資金の支援により当社の継続的な事業展開が可能になることや、割当予定先の当社への貸付金弁済を目的とした本第三者割当増資の実行により当社債務が減少することによって、当社の財政基盤を強化することが期待できること、②公開買付者らが当社の今後の更なる成長を実現させるための戦略的パートナーとなることにより、商品力や発信力を高め、事業強化及び収益力の向上が期待できることから、本取引の実施によって前述した当社の喫緊の経営課題を迅速に克服できる可能性が高まるため、本取引は当社の企業価値の維持・向上に資するものと考えております。
具体的には、当社を公開買付者の子会社とすることで実現できる(ⅰ)人材・業務支援面でのシナジー、(ⅱ)MD・仕入・調達面でのシナジー、(ⅲ)情報システム・物流面でのシナジー、(ⅳ)店舗開発・運営面でのシナジー、(ⅴ)新規事業開発面でのシナジー、(ⅵ)マーケティング・顧客管理面でのシナジー、(ⅶ)資本政策面でのシナジーを受けることにより、当社の仕入原価の低減、コスト合理化による費用対効果の向上及びプライベートブランドの企画力強化等により、収益構造の劇的改善が期待でき、継続的な事業の展開を可能にすることができると考えております。なお、当社を公開買付者の子会社とすることで実現できる各シナジーの具体的な内容は、以下のとおりです。
(ⅰ)人材・業務支援面でのシナジー
公開買付者らと当社が相互に協力して、経営層を含む人材、人事・総務・経理等の間接部門の知見・ノウハウを共用化することで、当社に対する間接部門の支援の高度化や重複したコストの削減がなされ、更なるコスト効率性と業務品質を備えたバックオフィスサービスの一層の向上を実現できると考えられます。
(ⅱ)MD・仕入・調達面でのシナジー
MD(商品の品揃え)においてはワールドグループのMD設計、生産販売管理ノウハウの提供と実践によりロス・無駄を排除することで、当社の抱える粗利益率と在庫回転率の課題を解決できると考えられます。
また、より優位な条件を提示しうる取引先や生産背景(生産工場や原料資材の調達等)に関わる情報を共有することで、優位性のある取引先の採用を検討する等、ワールドグループと当社で相互にスケールメリットを活かした商品の仕入・調達コストの改善が期待できると考えられます。
(ⅲ)情報システム・物流面でのシナジー
費用対効果を最大化することを前提に、当社の基幹業務システムを含む情報システム基盤の整備・統合並びにワールドグループ及び当社のインフラを活用した商品物流網の整備・統合を実行できると考えられます。
(ⅳ)店舗開発・運営面でのシナジー
ワールドグループと当社の両者が保有する出店・退店を含む店舗の開発機能及び店舗管理・運営等のノウハウを共有することにより、優れた出店候補地のリサーチやデベロッパーとの交渉力の強化を通じて、より効率的かつ高精度な店舗設計、出退店、店舗運営が可能となり、売上の拡大や機会損失のリスク回避が実現できると考えられます。
(ⅴ)新規事業開発面でのシナジー
ワールドグループの強みであるオリジナル商品の企画・開発・生産、Eコマースを始めとするデジタルインフラに関する事業と当社の強みであるロードサイドを含む路面大型店の開発・運営に関する事業に関する仕組みを相互に活かすことで、ワールドグループのみ又は当社のみでは実現できなかった新規事業開発を相互に実現できると考えられます。
(ⅵ)マーケティング・顧客管理面でのシナジー
ワールドグループの強みであるデジタルインフラで取得した顧客情報と当社の強みである直接的な店舗活動により取得した顧客情報を相互に活用することで、足りない情報を補完し合うことができ、ワールドグループと当社で相互の顧客誘導や相互販売の拡充等、マーケティングの効率化及び顧客管理のシームレス化を実現できると考えられます。
(ⅶ)資本政策面でのシナジー
本取引後、当社の事業運営等に必要となる資金に関し、DBJ並びにその子会社及び関連会社が当社に対してファイナンスをすることを検討しているとのことです。また、当社による財務体質の改善及び経営資源の資産効率の向上並びに、収益構造の抜本的な改革を進めるとともに、公開買付者が当社の安定株主として存在することで、当社の対外的な信用力が強化されると考えられます。
次に、本取引において、当社は、割当予定先に対し、本借入金のうち創業家による一部放棄を踏まえた残額である6億5000万10円を払込金額とする本第三者割当増資を行い、弁済原資を調達することにより、本借入金の一部について、弁済を行うことを予定しております。その後、本応募合意株主が、本第三者割当増資により引き受けた当社株式を、従前保有していた株式と併せ本公開買付けに応募することにより、公開買付者が当社株式の51.93%を取得することを予定しています。
この点に関して、上記のとおり、当社が、継続的な事業展開を可能にし、企業価値を維持するためには、公開買付者らとのアライアンスが必要であるところ、公開買付者らは、上記のとおり、当社の経営課題として、(ⅰ)創業家依存型マネジメントの機能不全、(ⅱ)内外環境の変化への適応力の不足に伴うブランド価値の毀損、(ⅲ)分業体制による現場レベルでのコスト意識の低下等を認識しており、公開買付者らは、本取引後、公開買付者らが認識している上記当社の経営課題を解決するため、短期間に施策を実行に移していくことが重要であることから、当社株式の上場を維持しつつも、当社の経営の主導権を確保する必要があると考えているとのことです。そのため、公開買付者らは、公開買付者が本取引により当社の議決権の過半数を取得することが、当社とのアライアンスの不可欠の前提条件と考えているとの見解が示されました。また、公開買付者らは、本取引後の経営方針として、当社に代表取締役1名を含む取締役2名及び監査役を派遣することを想定しており、それに先立ち、本定時株主総会において、本公開買付の成立を条件として、取締役2名及び監査役を補欠として選任する必要があると考えているとのことです。
当社の経営課題に対する上記公開買付者らの認識を踏まえれば、公開買付者らが、当社において抜本的な改革を行い、企業価値の向上を図るため、各役職において、アパレル業界における事業再生案件に豊富な経験を有する人員を登用することは不可欠であり、迅速かつ確実に当社の事業再生を進めるためには当社議決権の過半数である51.93%を取得する合理性は認められると考えられます。また、本取引の成立前に、公開買付者らから役員の派遣を受けることにより、当社のステークホルダーに対し、本取引の成立後には、公開買付者らが当社の経営を行っていくというコミットメントを示すことができると考えております。そのため、当社は、本取引により、公開買付者らが当社議決権の過半数を取得することの必要性及び合理性は認められるものと考えております。
また、公開買付者は、本取引において、当社株式の100%を取得するのではなく、当社株式の51.93%(ないしは最大で52.96%)を取得し当社の上場を維持することを予定しているとのことです(なお、公開買付者らによれば、万が一本応募合意株主以外の株主からも応募があった場合にも、本応募合意株主が保有する全ての株式を取得できるように、公開買付けの対象とする株式数の上限については、下限として設定した株式数に対して約2%の余裕を持たせた株式数とすることを想定しているとのことです。)。この点に関して、公開買付者らは、当社の上場を維持することにより、(ⅰ)当社の事業再生が果たされた場合、当社の企業価値の向上の利益を少数株主に享受させることができ、(ⅱ)当社従業員が当社の事業再生に従事するモチベーションの維持及び向上を図ることができると考えているとのことです。
当社は、上記のとおり、本取引におけるシナジーとして、仕入原価の低減、コスト合理化による費用対効果の向上及びプライベートブランドの企画力強化等による、収益構造の劇的改善を想定しております。当社は、当社の少数株主が、本取引後においても、当社の上場が維持されることにより、かかるシナジーを享受することができることを踏まえれば、本取引において公開買付者らが取得する当社株式を51.93%(ないしは最大で52.96%)に留め、当社の上場を維持することは合理的であると考えています。
他方、本公開買付けにおける公開買付価格は市場価格を大幅に下回るため、本公開買付けに少数株主が応募することは想定されていません。また、本第三者割当増資前において、本応募合意株主の当社株式保有割合は42.32%に留まっており、本取引の条件を満たすためには、本応募合意株主の当社株式の保有割合を過半数とする必要があり、本第三者割当増資を行う必要があると考えられます。
次に、本第三者割当増資における発行規模に関して、上記のとおり、公開買付者らは、創業家依存型マネジメントの機能不全を当社の経営課題であると認識しているとのことであり、当社と創業家との間での資本関係及び貸借関係の解消を本取引の不可欠の前提と考えているとのことです。そのため、当社は、公開買付者らとのアライアンスを行い、当社の継続的な事業展開を可能にするため、本借入金の全額について、全部又は一部について弁済を行い、若しくは、全部又は一部の放棄を受けることにより、割当予定先との貸借関係を解消する必要があります。
そこで、上記公開買付者らの意向を受け、当社は、上記のとおり、2024年9月9日から同年9月30日にかけ、本応募合意株主との間で、本取引における本借入金の取扱いについて、協議を行いました。
その結果、当社としては、本借入金は、(ⅰ)当社の資金繰りが悪化する中で、創業家としての支援姿勢を示すために行われたものであり、優先的に弁済されるべきであることは否定できないこと、(ⅱ)本借入金は出資ではなく、あくまで貸付であり、本来、弁済期に弁済されるべきものであること、(ⅲ)本応募合意株主の経営責任については、市場価格を大幅に下回る公開買付価格による本公開買付けに応募することにより果たされると評価することも不可能ではないことから、本借入金の一部放棄を踏まえた残額である6億5000万10円について弁済を行うことは不合理ではないと考えるに至りました。加えて、本第三者割当増資を行い、本借入金の弁済原資を調達し、本借入金を弁済することにより、当社の財務状態を改善することも見込まれることも踏まえ、本借入金の一部について本第三者割当増資を行う合理性は認められるとの判断に至りました。なお、本第三者割当増資により、本借入金の弁済原資が捻出される一方で、少数株主の持分は希薄化することになりますが、そのような目的での株式発行が合理的であるかという点については、「第3 第三者割当の場合の特記事項 3 発行条件に関する事項」をご参照ください。
なお、当社株式の希薄化を伴う本取引の公表により株価が下落し、当社の企業価値が毀損する懸念も認められますが、当社としては、仮に株価が一時的に下落することがあったとしても、事業基盤強化を通じた収益性の向上により株価の上昇並びに当社の企業価値の向上が実現可能であると判断しております。
以上より、当社は、公開買付者が当社の議決権の51.93%(ないしは最大で52.96%)を取得して当社を公開買付者の子会社とすることで、公開買付者らの支援を受け、当社の継続的な事業展開を可能にすることが当社の企業価値の向上に資し、当社株主の利益になるとの判断に至ったことから、本日開催の当社取締役会において、(ⅰ)本第三者割当増資における払込金額が「特に有利な金額」に該当することから、会社法第199条第2項及び第3項に規定される手続として、また、(ⅱ)支配株主の異動を伴うことから、株式会社東京証券取引所が規定する有価証券上場規程第432条における株主の意思確認手続として、本定時株主総会の特別決議事項である本第三者割当増資に係る議案が承認されることを条件として、本第三者割当増資を行うことを決議いたしました。
(2)割当予定先に対する本第三者割当を選択した理由
上記「(1)当社とのアライアンス先の選定について」記載のとおり、公開買付者らは、当社の業績低迷の理由として、(ⅰ)創業家依存型マネジメントの機能不全、(ⅱ)内外環境の変化への適応力の不足に伴うブランド価値の毀損及び(ⅲ)分業体制による現場レベルでのコスト意識の低下が挙げられることから、当社の事業再生のためには、創業家依存型マネジメントを解消すること及び公開買付者らから当社の再生に向けて役員を含む経営人材を派遣して構造改革を行うことが必要であると考えているとのことです。そして、上記を達成するために、公開買付者らは、本取引において、①創業家と当社の資本関係及び金銭貸借関係を解消すること及び②本公開買付けのクロージング時点で、当社の議決権比率の過半数を確保することを本取引の必須条件としてとらえているとの見解が示されました。
公開買付者らの提案する創業家との資本関係及び金銭貸借関係の解消という目的の合理性は認められるところ、当社の資金繰りを踏まえると、創業家との金銭貸借関係を解消するために本借入金全額の9億円や割当予定先の債権一部放棄を踏まえた残額の6億5000万10円の弁済原資を捻出することは困難であることから、本公開買付けに先立って、本第三者割当増資を行うことといたしました。
この点について、本第三者割当増資により、本借入金の弁済原資が捻出される一方で、少数株主の持分は希薄化することになりますが、そのような目的での株式発行が合理的であるかという点については、「第3 第三者割当の場合の特記事項 3 発行条件に関する事項」をご参照ください。
d.割り当てようとする株式の数
当社普通株式 5,909,091株
e.株券等の保有方針
割当予定先は本第三者割当増資により引き受けた本新株式を、従前保有していた株式と併せ本公開買付けに応募する予定とのことです。
f.払込みに要する資金等の状況
当社は、割当予定先から、本第三者割当に係る払込金額に関して、同社が所有する当社普通株式を担保とした株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)からの借入れを原資として支払う旨の説明を受けております。当社は、三菱UFJ銀行作成の2024年10月7日付の融資証明書の写しを確認しており、本第三者割当増資にかかる払込みの確実性に問題はないものと判断しております。
g.割当予定先の実態
割当予定先は、当社の代表取締役である藤原祐介氏及び同氏の親族の資産管理会社であり、当社は、同氏及び割当予定先の取締役である藤原英子氏から、割当予定先、その役員及び主要株主が反社会的勢力とは一切関係がない旨聴取しております。また、当社は、反社会的勢力ではなく、又は反社会的勢力と何らかの関係があるか否かにつき、第三者調査機関による調査は行っておりませんが、割当予定先との間で締結予定の引受契約において、割当予定先より、割当予定先、その役員及び主要株主が、反社会的勢力との間に何ら関係がないことに関する旨の表明保証を受けております。これらを通じ、当社は割当予定先が反社会的勢力とは一切関係がないと判断しており、その旨の確認書を株式会社東京証券取引所に提出しております。
該当事項はありません。
(1)払込金額の決定の経緯
本第三者割当増資における払込金額は、本公開買付けにおける公開買付価格と同額である1株当たり110円と設定されているところ、かかる払込金額の決定の経緯は以下のとおりです。
上記のとおり、当社の事業・資金繰りは悪化しており、当社が事業を継続するためには、早急に他社とのアライアンスを実施する必要があり主要取引金融機関も他社とのアライアンスによる経営改善を前提に当社の再建への協力に応じております。このような状況の中で、当社は、2023年2月以降、自力及び主要取引金融機関の担当部署の協力を得て、アライアンス先の探索活動を尽くしたものの、公開買付者らの他に現実的な候補は見つかっておりません。したがって、当社は、事業の継続及び金融機関の協力の前提である他社とのアライアンスを実施し、法的倒産に至る可能性を回避するためには、本取引を実現することが不可欠と考えております。
そして、本取引の実現のためには、公開買付者ら及び創業家双方が取引に応じる必要があるところ、公開買付者らは、本取引の前提として、①当社の議決権の過半数を取得すること及び②当社と創業家の間の資本関係・金銭貸借関係を解消することを求めております。また、創業家は、本取引の前提として、③割当予定先から当社に対する本借入金の一部放棄を踏まえた残額の6億5000万10円について、本公開買付けにより実質的に全額回収することを求めております。
この点に関して、前記のとおり、当社は、①及び②の条件による制約から、割当予定先に対して本第三者割当増資を実施の上、割当予定先から弁済資金を調達した上で、割当予定先に対して、本借入金に係る債務を弁済することとしております。また、上記③の条件を踏まえると、仮に本第三者割当増資において、払込金額を公開買付価格よりも高額にした場合、創業家は払込金額と公開買付価格の差額について損失を被ることになり、本借入金に係る債権の一部放棄を踏まえた残額の6億5000万10円について、本公開買付けにより、実質的に全額回収するという③の条件を達成することができません。(念のため付言すると、③の条件を達成するという前提の下では、仮に払込金額を公開買付価格よりも高額とした場合であっても、それに応じて払込金額の総額を高額とする必要があるため、少数株主の希薄化率には実質的な影響を及ぼしません。)。上記のとおり、当社の事業の継続のためには、本取引を実現することが不可欠であるから、仮に本取引が成立しない場合には、当社は法的倒産に至る可能性も否定できず、その場合には、少数株主は、保有株式の希薄化以上の不利益を被ることとなります。
加えて、仮に、上記①乃至③の条件の下、本取引の中で本借入金の全額について弁済を行う場合には、当社の株式の希薄化率は約28%となるのに対し、本第三者割当増資においては、上記(4)記載の経緯により、創業家が本借入金に係る債権の一部放棄に応じたことで、当社の株式の希薄化率は20%に留まります。
そこで、当社は、本取引の実現に不可欠な上記①乃至③の条件を達成するため、本第三者割当増資における払込金額を本公開買付けにおける公開買付価格と同額に設定することといたしました。
なお、当社は、本取引に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、2024年7月22日、当社、本応募合意株主及び公開買付者らとの間で利害関係を有さず、独立性が高く、また、当社の社外役員のうち、当社の顧問弁護士を務めていた当社の社外監査役である平出晋一氏を除いた、当社の社外取締役である、中澤歩氏及び多田斎氏並びに当社の社外監査役である永井俊博氏の3名から構成される本特別委員会を設置しました。また、当社は、本特別委員会より、2024年10月7日付で、本第三者割当増資を含む本取引の実行条件について不合理とはいえない旨の答申書を取得しており、本第三者割当増資に係る発行条件の決定に際しては、同答申書の内容を十分に尊重して判断しております。なお、本公開買付けにおける公開買付価格については、当社は、その公正性・妥当性を疑わせる事情は不見当であると結論付けております。
すなわち、本公開買付けにおける公開買付価格について、公開買付者らは、専門家に依頼の上、当社に対する各種のデュー・ディリジェンスを実施しております。また、公開買付者らは本公開買付けにおける公開買付価格の決定に際して、赤坂国際会計から株式価値算定書を取得し、それらを参考にしたとのことです。そして、当該株式価値算定書においては、当社の株式価値はDCF法により94円から125円と算定されているとの報告を受けております。また、公開買付者は、本公開買付価格が公開買付者にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオンを赤坂国際会計から取得したとのことです。これらの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオン自体は当社又は本特別委員会は確認していないものの、公開買付者は、これらについて公開買付届出書等の開示書類において詳細に記載し、関東財務局に対してこれらの書類を提出したとの報告を受けております。
さらに、公開買付者らは、本応募合意株主に対して、公開買付価格について、当初、1株100円とすることを打診していたところ、本応募合意株主が外部アドバイザーに相談の上、公開買付者らと交渉を重ねた結果、1株110円という条件で最終的に妥結したとのことです。
以上、あくまで当社及び本特別委員会は独自に株式価値算定書等を取得したわけではなく、公開買付者との間で公開買付価格について価格交渉を行ったものでもありませんが、1株当たり110円という公開買付価格は、公開買付者らにおいて取得した株式価値算定書の算定結果のレンジの範囲内であることや、財務の専門家からのフェアネス・オピニオンも発行されていること、また、独立当事者である本応募合意株主と公開買付者の間での価格交渉も行われた結果妥結された価格であることを踏まえると、本公開買付けにおける公開買付価格の公正性・妥当性を疑わせる事情は不見当であると結論付けております。
(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠
①本第三者割当増資による調達をもって本借入金を弁済することやその規模の合理性について
上記のとおり、本第三者割当増資は、本借入金の弁済原資を調達することを目的としており、発行数量は、調達資金により弁済すべき本貸付債権本借入金の金額に合わせて決定されることになります。
しかしながら、当社は、そもそも、本第三者割当増資を実施するに際して、本借入金について、経営者責任の一環として本応募合意株主に、これを放棄させる必要性はないかを検討する必要があると考えました。
この点に関して、本応募合意株主のうち当社相談役の藤原政博氏や代表取締役の藤原祐介氏らは、長年、経営者として、当社の経営を主導してきたものであり、当社の現在の経営課題についても経営者として一定の責任を負うと考えられるところ、そのような経営者責任を負う者が有する本借入金に係る債権の弁済原資が捻出される一方で、本借入金の弁済のために少数株主の保有株式の希薄化を伴う資金調達を実施することが許容されるか、が問題となります。
もっとも、藤原興産から当社に対する本貸付金は、2023年8月末に当社が業績悪化による資金不足が懸念された際に、主要取引金融機関から、取引を継続する上で創業家としての当社に対するバックアップ体制を示すよう依頼されて、貸付けを開始したという経緯によるものであり、当該貸付けがなければ、当社は、資金不足、ひいては法的倒産に陥っていた可能性がありました。したがって、当社の少数株主は、藤原興産による貸付けにより、その時点での当社の倒産(すなわち、保有株式の無価値化)を回避し、当社が他社とのアライアンスの検討及び候補先の探索を行うための時間を確保できたものともいいうるのであって、少数株主が割当予定先による貸付けを通じて回避した不利益の大きさに鑑みれば、当社が、少数株主に対し、保有株式の希薄化という一定の不利益を与えながら、本借入金の弁済を行うことは必ずしも不合理とはいえないと考えられます。
加えて、本応募合意株主は、本特別委員会を通じた当社との協議の結果、少数株主の保有株式に係る希薄化率に配慮し、本借入金のうち2億4999万9990円を放棄する旨の意向を示しているところ、本借入金の全額について弁済を行う場合、当社の株式の希薄化率は約28%となるのに対し、本第三者割当増資において、は、本応募合意株主が本貸付債権本借入金の一部放棄に応じたことで、当社の株式の希薄化率は20%に留まることからすれば、本応募合意株主は、可能な限り本特別委員会の要請した水準まで債権放棄に応じたといえ、一定の経営責任を果たしているものと評価することができます。
したがって、当社は、少数株主に対し保有株式の希薄化という一定の不利益を与えながら、債権放棄を踏まえた本借入金を弁済することは不合理とはいえないものと結論付けました。仮に本第三者割当増資において、払込金額を公開買付価格よりも高額にした場合、創業家は払込金額と公開買付価格の差額について損失を被ることになり、割当予定先から当社に対する本借入金の一部放棄を踏まえた残額の6億5000万10円について、本公開買付けにより実質的に全額回収するという創業家から提示された本取引の条件を達成することができないこととなります。当社の事業の継続のためには、本取引の成立が不可欠であるため、仮に本取引が成立しない場合には、当社は法的倒産に至る可能性も否定できず、その場合には、少数株主は、保有株式の希薄化以上の不利益を被ることとなります。
以上の本借入金に係る貸付けが実行された経緯とそれを踏まえた本借入金に係る債権の性質及び創業家との交渉の経緯を踏まえれば、本第三者割当増資の発行数量及び株式の希薄化の規模は不合理とはいえないものと結論付けました。
②本第三者割当増資における発行数量及び株式の希薄化の規模の合理性について
上記(1)のとおり、当社は、本第三者割当増資における1株当たりの払込金額を本公開買付けにおける公開買付価格と同額に設定することとしました。この1株当たり払込金額を前提とすると、藤原興産から当社に対する本借入金の一部放棄を踏まえた残額の6億5000万10円を弁済するためには、5,909,091株の発行が必要となり、当社の発行済株式に20%の希薄化をもたらすことになります。
当社としては、上記のとおり、本第三者割当増資における1株当たりの払込金額を本公開買付けにおける公開買付価格と同額に設定することは、本取引を実現するべく公開買付者ら及び本応募合意株主の求めに応じたものであり、仮に本取引が成立しない場合には、当社は法的倒産に至る可能性も否定できず、その場合には、少数株主は保有株式の希薄化以上の不利益を被ることとなること、また、本借入金の性質や本応募合意株主との交渉の経緯を踏まえれば、本第三者割当増資における1株当たりの払込金額を本公開買付けにおける公開買付価格と同額に設定すること、及び、本第三者割当増資の調達資金により藤原興産から当社に対する本借入金に係る債権の一部放棄を踏まえた残額の6億5000万10円を弁済することは合理的であり、したがって、本第三者割当増資発行数量及び株式の希薄化の規模は不合理とはいえないものと考えております。
本第三者割当に伴い発行される本新株式5,909,091株(議決権数は59,090個)は、2024年10月8日現在の当社の発行済株式総数29,579,033株(自己株式を除く。2024年10月8日現在の総議決権数295,790個)の19.98%(議決権における割合19.98%)に相当し、割当予定先、藤原政博氏、藤原祐介氏及び藤原英子氏の本第三者割当増資後の議決権における割合は51.93%となり、支配株主の異動を伴うこととなります。
したがって、本第三者割当は、「企業内容等の開示に関する内閣府令 第二号様式 記載上の注意(23-6)」に規定する大規模な第三者割当に該当します。
氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
総議決権数に対する所有議決権数の割合 (%) |
割当後の所有株式数 (千株) |
割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合(%) |
藤原 政博 |
東京都渋谷区 |
5,234 |
17.69 |
5,234 |
14.75 |
有限会社藤原興産 |
東京都渋谷区神宮前6-27-8 |
4,640 |
15.69 |
10,782 |
30.38 |
豊島株式会社 |
愛知県名古屋市中区錦2-15-15 |
2,128 |
7.19 |
2,128 |
6.00 |
藤原 祐介 |
東京都渋谷区 |
1,737 |
5.87 |
1,737 |
4.89 |
藤原 英子 |
東京都渋谷区 |
674 |
2.28 |
674 |
1.90 |
株式会社三菱UFJ銀行 |
東京都千代田区丸の内1-4-5 |
627 |
2.12 |
627 |
1.77 |
株式会社常陽銀行(常任代理人:日本マスタートラスト信託銀行株式会社) |
茨城県水戸南町2-5-5 (東京都港区浜松町2-11-3) |
528 |
1.79 |
528 |
1.49 |
JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人;株式会社みずほ銀行決済営業部) |
25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON,E14 5JP,UNITED KINGDOM |
460 |
1.56 |
460 |
1.30 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) |
東京都港区赤坂1-8-1 |
400 |
1.35 |
400 |
1.13 |
計 |
― |
16,430 |
55.54 |
22,570 |
63.60 |
(注)1 「所有株式数」は2024年8月31日現在の株主名簿に基づき記載しております。「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2024年8月31日現在の株主名簿に記載の発行済株式総数29,631,500株から自己株式数52,467株を控除した株式数29,579,033株に係る総議決権数(295,790個)で除して算出しております。
2 「割当後の所有株式数」のうち、有限会社藤原興産の所有株式数は、2024年8月31日現在の当社所有株式4,640,106株に日本証券金融株式会社との株式貸借契約に基づき2024年8月30日に貸し付け、同年9月2日に返済された233,000株を加算して算出しております。
3 「総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
4 「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、「割当後の所有株式数」に係る議決権の数を、2024年8月31日時点における「総議決権数に対する所有議決権数の割合」の算出に用いた総議決権数(295,790個)に、本新株式の発行により増加する議決権の数(59,090個)を加えた数(354,880個)で除して算出しております。
(1)大規模な第三者割当を行うこととした理由
前記「1 割当予定先の状況 c 割当予定先の選定理由」及び「3 発行条件に関する事項 (2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠」記載のとおり、当社は、当社の事業の状況に鑑みた本取引の必要性、本取引の成立に不可欠な公開買付者ら及び創業家から提示された前提条件、本第三者割当増資による既存株主への影響と本取引が成立しなかった場合に想定される既存株主への影響の比較等を踏まえ、本第三者割当増資において、大規模な第三者割当を行うことといたしました。
(2)大規模な第三者割当による既存株主への影響についての取締役会の判断の内容
前記「3 発行条件に関する事項」記載のとおり、当社取締役会は、本第三者割当増資による大規模な第三者割当による既存株主への影響について、貸付けの経緯とそれを踏まえた貸付債権の性質及び創業家との交渉の経緯を踏まえれば、本第三者割当増資発行数量及び株式の希薄化の規模は不合理とはいえないものと結論付けました。
(3)大規模な第三者割当を行うことについての判断の過程
上記「4 大規模な第三者割当に関する事項」に記載のとおり、支配株主の異動を伴うことから、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条に定める独立第三者からの意見入手又は株主の意思確認手続が必要となります。そこで、当社は本定時株主総会において、特別決議をもって本第三者割当について当社の少数株主の皆様の意思確認手続を行う予定です。
さらに、本第三者割当は、大規模な希薄化と支配株主の異動を伴うのみならず、本第三者割当の発行条件が割当予定先に特に有利なものであることから、当社の少数株主の皆様へ与える影響の大きさを踏まえて、当社の意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保すべく、2024年7月22日付の当社取締役会決議に基づき、割当予定先及び当社の経営者から一定程度独立した者として、当社の独立役員として東京証券取引所に届け出ている社外取締役である中澤歩氏並びに多田斎氏、及び当社の独立役員として東京証券取引所に届け出ている社外監査役である永井俊博氏の3名で構成される本特別委員会を設置いたしました。
そして、当社は、2024年7月22日付で、本特別委員会に対して①本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、②本取引の取引条件の公正性・妥当性(第三者割当増資を行う必要性及び相当性を含む。)、③本取引の手続の公正性、④本取引が当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、⑤上記①ないし④を踏まえて本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明することの是非(以下、かかる①乃至⑤の事項を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問し、以下の内容の答申書を2024年10月7日付で取得しております。
(本特別委員会の答申書の概要)
(a)答申内容
ⅰ 本取引は、当社の企業価値向上に資するものと認められ、本取引の目的の正当、かつ合理的であると考えられる。
ⅱ 本取引の取引条件は公正、かつ妥当であると考えられる。
ⅲ 本取引に係る手続は公正であると考えられる。
ⅳ 本取引を行うことの決定は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
ⅴ 本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明する一方で、本公開買付けへの応募推奨については中立的な立場をとることは妥当であると考えられる。
(b)答申の理由
ⅰ 本諮問事項(ⅰ)(本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。))に対する答申
以下の点より、本諮問事項(ⅰ)について、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は正当性・合理性を有するものと考えられる。
ア 本取引の理由・背景
本特別委員会が検討した各書類及び本特別委員会の質問に対する当社、本応募合意株主、公開買付者らのからの回答等に基づき本特別委員会が理解した、当社が本取引を実施する理由・背景は以下のとおりである。
(ア)当社は、2007年8月期には売上高1066億円(期末時点の店舗数466)に達したものの、リーマンショック及びその前後におけるSPA企業をはじめとする競合他社の台頭により業績の伸び悩みが続き、当社がその後行ったプライベートブランドを軸とした収益力改善、店舗網の見直し等の取組みについても、コロナ禍に伴う外出控え等による売上の急減、Eコマースをはじめとした消費者行動の変化という外部環境の影響もあり奏功せず、業績の浮揚には至らなかった。
(イ)かかる状況を踏まえ、2023年4月により、EYをアドバイザーとして起用し中期経営計画の見直しを行ったものの、価値訴求への転換に伴う既存顧客離れの速度と新規顧客獲得の速度が釣り合わず、計画初年度は大きく未達となった。
(ウ)上記のような課題を抱える中で、主要取引金融機関から、当社単独での継続的な事業展開について困難な可能性があるため、自助努力での経営改善に加え、他社とのアライアンスを検討する必要があるとの見解が示され、経営体制の抜本的な改革の検討を要請された。当社は、主要取引金融機関のかかる見解を受け、ワールドに対し、アライアンスを打診し、2024年3月からワールドとの間の協議を開始した。なお、当社は、ワールド以外に、3社に対してアライアンスを打診したものの、そのいずれからも謝絶された。
(エ)公開買付者らは、当社とのアライアンスにより①人材・業務支援、②MD・仕入・調達、③情報システム・物流、④店舗開発、⑤新規事業開発、⑥マーケティング・顧客管理、及び⑦資本政策の点におけるシナジー創出を期待しているとのことであり、当社は、かかるシナジーに加え、価値訴求の品揃えを行う上で、ワールドの企画・生産背景は原価率の低減に有効と考えている。
(オ)当社は、本取引によるデメリットとして、事業構造改革の推進に伴う店舗集約による人員削減や本部人員の統合等に伴い、従業員の雇用継続について不透明感を有しているとものの、公開買付者らは、配置転換等を実施することで、当社の従業員の雇用維持に最大限配慮する方針とのことである。
(カ)当社は、構造改革に伴う費用を2024年8月期に計上しており、その内容は減損等を中心とした非資金的費用が中心であると考えられる。もっとも、店舗退去に伴う費用については、敷金の返還で回収する計画ではあるものの、費用支払が先行する形となる。また、2025年8月期の赤字継続等に伴う追加資金が必要となると考えられる。これらの資金手当について、公開買付者らは、主要取引金融機関の当座貸越枠の更なる活用やDBJグループからのファイナンスについて今後協議・検討を進めるとのことである。
イ 検討
上記のとおり、当社の直近の業績や資金繰り及び各取引金融機関との協議状況等に鑑みれば、当社が単独で事業を継続することは困難であるところ、本取引は、公開買付者らとのアライアンスを通じて当社の業績や財務基盤を改善し、当社による事業の継続的な展開を可能にすることを目的としていると認められる。
したがって、当社は、他社とのアライアンスを通じて業績や財務基盤を改善することにより、当社の企業価値を向上させることを本取引の目的としているといえる。
また、公開買付者らは、多業態・多ブランドを擁するワールドグループが持つ、生産から販売、デジタル、空間創造といった、多様な事業支援プラットフォームの活用に加え、DBJがこれまで培ってきたファイナンスノウハウも活かした、ファッション業界での事業再生ノウハウを有する上、上記のとおり、公開買付者らと当社のアライアンスにおいては、各種のシナジーを期待することができることや、公開買付者らが本事業再生計画の策定や本取引の実行のために相応の資金・労力を投入してコミットメントを示していることにも鑑みれば、当社及び公開買付者らが本取引を通じて実現しようとしている事項は、当社の企業価値の向上に資するものであるといえる。
以上より、本取引は、企業価値の向上を目的としており、本取引が、企業価値の向上を含む本取引の目的に資するものであるといえるから、本取引の目的の正当性・合理性が認められる。
ⅱ 本諮問事項(ⅱ)(本取引の取引条件の公正性及び妥当性(本第三者割当増資を行う必要性及び相当性を含みます。))に対する答申
以下の点より、本諮問事項(ⅱ)について、本取引の取引条件は公正、かつ妥当であると考えられる。
ア 本取引の取引条件の概要
(ア)当社は、本借入金のうち6億5000万10円について、本第三者割当増資を行い、上記金額を株式に振り替える。
(イ)公開買付者は本公開買付けにより当社の株式の51.93%(ないしは最大で52.96%)を取得し、当社については、上場を維持する。
(ウ)上記(ア)における1株当たりの払込金額及び上記(イ)における公開買付価格はいずれも110円とする。
イ 検討
(ア)上記(ア)の条件に係る公正性及び妥当性について
公開買付者らによれば、当社の業績低迷の理由として、①創業家依存型マネジメントの機能不全、②内外環境の変化への適応力の不足に伴うブランド価値の毀損、及び③分業体制による現場レベルでのコスト意識の低下が挙げられることから、当社の事業再生のためには、創業家依存型マネジメントを解消し、公開買付者らから経営人材を派遣して構造改革を行うことが必要であると考えているとのことである。そして、上記を達成するために、公開買付者らは、本取引において、①創業家と当社の資本関係及び金銭貸借関係を排除すること及び②本公開買付けのクロージング時点で、当社の議決権比率の過半数を確保することを本取引の必須条件として認識しているとのことである。
公開買付者らにおいては創業家依存型マネジメントの機能不全を当社の業績低迷の一因として考えているとのことであり、そうすると、創業家との資本関係及び金銭貸借関係の排除という目的の合理性は認められる。そして、創業家の資産管理会社である割当予定先は当社に対し、本借入金を有するところ、当社の資金繰りを踏まえると、本借入金全額の弁済原資を捻出することは困難であり、本公開買付けに先立って、本借入金9億円に係る貸付債権を消滅させるために、本第三者割当増資を行うことの合理性が認められる。
もっとも、本第三者割当増資により、本借入金の弁済原資が捻出される一方で、少数株主は持分の希薄化という不利益を被ることになる。創業家のうち当社相談役の藤原政博氏や代表取締役の藤原祐介氏らは、長年、経営者として、当社の経営を主導してきたものであり、当社の現在の経営課題についても経営者として一定の責任を負うと考えられるところ、そのような者の本借入金の弁済を少数株主の利益に優先させる必要性があるかが問題となりうる。
本借入金は、2023年8月末に当社が業績悪化による資金不足が懸念された際に、主要取引金融機関から、取引を継続する上で創業家としての当社に対するバックアップ体制を示すよう依頼されて、短期間で全額返済することを前提に貸付けを開始したという経緯によるものであり、当該貸付けがなければ、当社は、資金不足、ひいては法的倒産に陥っていた可能性があった。したがって、当社の少数株主は、本借入金に係る貸付けにより、その時点での当社の倒産を回避し、当社が他社とのアライアンスの検討及び候補先の探索を行うための時間を確保できたものといえ、少数株主が割当予定先による貸付けを通じて回避した不利益の大きさに鑑みれば、当社が、少数株主に対し、保有株式の希薄化という一定の不利益を与えながら、本借入金の弁済を行うことは必ずしも不合理とはいえないと考えられる。
以上の事情を踏まえれば、当社が、割当予定先の当社に対する本借入金を弁済するために本第三者割当増資を実施することは不合理とはいえない。
加えて、本応募合意株主は、本特別委員会を通じた当社との協議の結果、本借入金に係る債権のうち、2億4999万9990円を放棄する旨の意向を示しているところ、本応募合意株主は、可能な限り債権放棄に応じたといえ、一定の経営責任を果たしているものと評価することができる。したがって、当社が、少数株主に対し、保有株式の希薄化という一定の不利益を与えながら、本借入金のうち債権の一部放棄を踏まえた残額を弁済することは不合理とはいえない。
また、唯一のアライアンス候補先である公開買付者らは、創業家と当社の資本関係を排除することを本取引の必須条件としており、他方で、創業家が本借入金の回収を求めているのであるから、本借入金の弁済を実施しない場合には、公開買付者らとのアライアンスを断念せざるを得ないことになり、当社は、資金繰り等を踏まえた適切な時期に、他社とのアライアンスを組むことができなくなり、事業の継続が困難となる可能性がある。そうだとすると、少数株主の利益の観点からも、本借入金の弁済を実施せずに本取引を断念するよりは、本借入金の弁済のために本第三者割当増資による希薄化を受け入れる方が不利益は小規模に抑えることができるといえる。
そして、上記のとおり、当社の事業の継続のためには、本取引の成立が不可欠であるから、仮に本取引が成立しない場合には、当社は法的倒産に至る可能性も否定できず、その場合には、少数株主は、保有株式の希薄化以上の不利益を被ることとなる。
以上の貸付けの経緯とそれを踏まえた本借入金の性質及び創業家との交渉の経緯を踏まえれば、本公開買付けに先立って本第三者割当増資を行うことの公平性・妥当性が認められる。
(イ)上記(イ)の条件に係る公正性及び妥当性について
上記(ア)記載のとおり、公開買付者らは、当社の業績低迷の理由として(ⅰ)創業家依存型マネジメントの機能不全、(ⅱ)内外環境の変化への適応力の不足に伴うブランド価値の毀損、及び(ⅲ)分業体制による現場レベルでのコスト意識の低下が挙げられると考えているとのことであり、当社の事業再生に当たっては、創業家依存型マネジメントの解消が必要と考えているとのことである。
また、公開買付者らは、当社の事業再生のため、役員を含む経営人材を派遣して構造改革を行う必要があり、このような重要な人材の派遣を正当化するためには議決権比率で過半数の株式の保有が必要であると考えているとのことである。
そして、公開買付者らは、当社の迅速且つ確実な事業再生のため、各役職において、アパレル業界における事業再生案件に豊富な経験を有する人員を登用することは不可欠であり、本取引の実行後、速やかに役員を含む経営人材を当社に派遣して一気呵成に構造改革をやりきるためにも、議決権比率で過半数の保有が不可欠であると考えているとのことである。
この点につき、公開買付者らの認識している当社の業績低迷の理由を踏まえると、創業家との資本関係及び金銭貸借関係の排除という目的の合理性は認められる。また、当社が抜本的な改革を行い、企業価値の向上を図るための手段として、各ポジションにおいて、公開買付者らのアパレル業界における事業再生案件に豊富な経験を有する人員を登用することに不合理な点はない。そのため、本取引において、公開買付者らが当社の株式の過半数を取得することの必要性及び合理性が認められる。
次に、本公開買付けにおいて、公開買付者が当社を完全子会社化せずに当社株式の51.93%(ないしは最大で52.96%)の株式の取得に留める理由として、当社株式の上場を維持し、①当社の事業再生を達成することができた場合に、少数株主に、株式価値の向上を享受させ、②当社単独での上場を維持することによる従業員の当社の事業再生に従事するモチベーションの維持・向上を図ることができると考えられる。
また、当社としても、取引先からの信用を維持することや今後の資金調達を容易に行うために、上場を維持した状態で事業を継続することにはメリットがあると認識している。
他方で、上記のとおり、本取引は、当社が事業再生局面を迎える中で、当社の経営に携わってきた本応募合意株主のみが、保有する当社の株式を売却し、当社との資本関係を断つものであるところ、事業再生局面という緊迫した状況下では、経営責任を負う創業家に先立って少数株主に当社を退出させるべきであるとも考え得る。
もっとも、上記のとおり、本取引によって、当社の企業価値が向上することが見込まれるところ、本取引において少数株主のスクイーズアウトを実施せずに、創業家以外の当社の少数株主が本取引後の当社の株式価値の向上を享受する余地を残すことは、当社の少数株主の利益に資する。他方で、本公開買付価格のような大幅にディスカウントされた金額で、少数株主に当社を退出することを強制することの方が、むしろ少数株主の利益を害するおそれがある。したがって、本公開買付けにおいて、公開買付者が当社を完全子会社化せずに当社株式の51.93%(ないしは最大で52.96%)の株式の取得に留めることは、不合理とはいえないと考えられる。
以上を踏まえ、本公開買付けにおいて、公開買付者が当社を完全子会社化せずに当社株式の51.93%(ないしは最大で52.96%)の株式の取得に留めることの公正性・妥当性は認められる。
(ウ)上記(ウ)の条件に係る公正性及び妥当性について
本取引においては、公開買付価格及び本第三者割当増資における払込金額が1株当たり110円(本答申日前営業日の市場終値価格から64.40%のディスカウント)と設定されている。
本公開買付けはいわゆるディスカウントTOBであり、公開買付者と本応募合意株主との間で応募契約が締結され、本応募合意株主のみが応募することが企図されている。一般に、ディスカウントTOBにおいては、①公開買付価格が市場株価を大幅に下回る価格であり、少数株主の公開買付けへの応募は想定されないこと、及び②公開買付け成立後も対象会社の普通株式の上場が維持される方針であるため、株主としては公開買付け成立後も普通株式を所有するという選択肢をとることも十分な合理性が認められることから、対象会社としては、第三者算定機関に株式価値の算定を依頼せず、公開買付価格が当社の企業価値を適正に反映したものであるか否かについて独自に検証を行わないことが多く、本件でもこれらの事情が妥当すると考えられる。
もっとも、本件において、公開買付価格及び払込金額は、本公開買付けに少数株主が応募する場合には公開買付価格が当該少数株主の利害に関わるほか、本公開買付け及び本第三者割当増資における払込金額は本第三者割当増資による当社株式の希薄化率に影響することから、本特別委員会においても、これらの価格に関する公正性・妥当性について、以下、意見を述べておく。
まず、本公開買付けにおける公開買付価格について、公開買付者らは、専門家に依頼の上、当社に対する各種のデュー・ディリジェンスを実施したとのことである。また、公開買付者らは本公開買付けにおける公開買付価格の決定に際して、赤坂国際会計から株式価値算定書を取得し、それらを参考にしたとのことである。そして、当該株式価値算定書においては、当社の株式価値はDCF法により94円から125円と算定されているとのことである。また、公開買付者は、赤坂国際会計からフェアネス・オピニオンを取得したとのことである。
以上、あくまで当社及び本特別委員会は独自に株式価値算定書等を取得したわけではなく、公開買付者との間で公開買付価格について価格交渉を行ったものでもないが、1株当たり110円という公開買付価格は、公開買付者において取得した株式価値算定書の算定結果のレンジの範囲内であることや、財務の専門家からのフェアネス・オピニオンも発行されていること、また、独立当事者である創業家と公開買付者の間での価格交渉も行われた結果妥結された価格であることを踏まえると、本公開買付けにおける公開買付価格の公正性・妥当性を疑わせる事情は不見当である。
次に、本第三者割当増資における払込金額は、本公開買付価格と同額に設定されているところ、以下のとおり、本取引において不可欠な公開買付者ら及び本応募合意株主から提示された条件を踏まえると、払込金額についても、公正性・妥当性が認められる。
すなわち、上記のとおり、当社が事業を継続するためには、早急に他社とのアライアンスを実施する必要があるものの、公開買付者らの他に当社のアライアンス先の現実的な候補は見つかっていない。そのため、当社は、本取引を実施することができない場合、事業の継続ができず、法的倒産に至る可能性も想定される。
そして、本取引の実現のためには、公開買付者ら及び本応募合意株主双方が取引に応じる必要があるところ、上記のとおり、公開買付者らは、本取引の前提として、①当社の議決権の過半数を取得すること及び②当社と創業家の間の資関係・金銭貸借関係を解消することを求めている。また、本応募合意株主は、本取引の前提として、③割当予定先から当社に対する貸付金の9億円のうち、6億5000万10円について、本公開買付けにより回収することを提示している。
この点について、前記のとおり、当社は、①及び②の条件による制約から、割当予定先に対する本第三者割当増資を実施の上、割当予定先から弁済資金を調達した上で、割当予定先に対して、本借入金に係る債務を弁済することとした。また、上記③の条件を踏まえると、仮に本第三者割当てにおいて、払込金額を公開買付価格よりも高額にした場合、本応募合意株主は払込金額と公開買付価格の差額について損失を被ることになり、割当予定先から当社に対する貸付金の9億円のうち6億5000万10円について、本公開買付けにより回収するという本応募合意株主から提示された本取引の条件を達成することができない。そして、上記のとおり、当社の事業の継続のためには、本取引の成立が不可欠であるから、仮に本取引が成立しない場合には、当社は法的倒産に至る可能性も否定できず、その場合には、少数株主は、保有株式の希薄化以上の不利益を被ることとなる。
以上を踏まえると、本取引において不可欠な公開買付者ら及び本応募合意株主から提示された条件を踏まえると、払込金額についても、公正性・妥当性が認められる。
ⅲ 本諮問事項(ⅲ)(本取引の手続の公正)に対する答申
以下の点より、本諮問事項(ⅲ)について、本取引に係る手続は公正であると考えられる。
ア 特別委員会の設置
以下のような特別委員会の設置及び運用の状況からすれば、本特別委員会は公正担保措置として有効に機能していると認められる。
(ア)本特別委員会は、当社がワールドから一次意向表明書を受領した直後の段階から設置されており、本取引に係る取引条件の形成過程の初期段階から、本取引に関与していたこと
(イ)本特別委員会は、経済産業省作成の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」において、最も特別委員会の委員としても適格性があるとされる社外取締役と、社外取締役を保管するものとして適格性を有するとされる社外監査役のみによって構成されていること
(ウ)本特別委員会については、本特別委員会の設置、権限及び職責、委員の選定や報酬の決定の各過程において、当社の独立社外取締役及び独立社外監査役が主体性をもって実質的に関与する形で行われる体制が確保されていること
(エ)本特別委員会は、本取引の取引条件の交渉過程について、事前に当社の交渉方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことにより、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与してきたこと
(オ)本特別委員会においては、独立性を有するアドバイザーとして、フィナンシャルアドバイザーであるEY及びリーガルアドバイザーである西村あさひから、本取引に関する検討過程において適時に専門的な助言・意見等を取得しながら、本取引の取引条件の公正性・妥当性について慎重に検討及び協議を行う体制が確保されていたこと
(カ)本特別委員会は、当社、本応募合意株主及び公開買付者らに対して質疑応答等を行うとともに、当社、EY及び西村あさひから適時に報告を受けており、非公開情報も含めて重要な情報を入手し、本取引の是非や取引条件の妥当性について検討・判断を行うことのできる体制を整備していたこと
(キ)本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず、固定報酬を支払うこととしており、成功報酬制は採用されていないこと
(ク)当社は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないこと決議していること
(ケ)本取引の検討に際しては、当社代表取締役である藤原祐介氏は、本取引に関する取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者らとの協議・交渉には一切参加していないこと
イ 外部専門家の独立した専門的助言等の取得
上記のとおり、当社は、2024年7月上旬から、EYをフィナンシャルアドバイザーとして選任し、本取引のストラクチャーや代替手段、代替取引の検討、価格交渉等についての助言を得るとともに、同月下旬から西村あさひをリーガルアドバイザーとして選任し、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けていた。
ウ 他の買収者による買収提案の機会の確保
当社は、本取引の実施を予め公表することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)にも対抗的な買付け等を行う機会を確保している。また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っていない。
他方、当社は、本取引の公表に先立って本覚書を締結するところ、本覚書においては、①当社が本覚書上の義務について違反した場合及び②当社が本公開買付けに賛同する(但し、当社の株主による本公開買付けに対する応募については中立とする)旨の取締役会決議の撤回等を行った場合で、本公開買付けが不成立になった場合には3億500万円の違約金が発生する旨規定されている(以下当該違約金について定める条項を総称して「本違約金条項」という。)。本違約金条項が本取引における間接的なマーケット・チェックを妨げるものではないかが問題となる。
まず、本違約金条項に基づく違約金が発生する場合について、それぞれ検討すると、本取引が当社の事業の継続のために必要不可欠であることに鑑みれば、上記①のような当社の義務違反が生じることは想定し難い。
次に、上記②について、3億500万円という本違約金条項による違約金の金額は、公開買付者らが本取引の検討に費やした専門家費用等を基準に設定されたとのことであり、仮に本取引が成立しない場合には公開買付者らが本取引の検討に費やしたコストは水泡に帰すことに鑑みれば、本違約金条項による違約金の金額は不合理なものとはいえない。
加えて、公開買付者らは、当社との本覚書の条項に関する協議の過程で、本違約金条項を設けることを強く希望していたとのことであり、仮に、当社が本違約金条項を設けることを拒絶し続けた場合には、本取引が成立しない事態に陥る可能性も否定できない。そうすると、当社の事業の継続が困難となる結果、当社の少数株主は、本違約金条項が規定されることよりも大きな不利益を被ることになるから、当社が公開買付者との間で本違約金条項を設けることに合意することは不合理とはいえない。
なお、本違約金条項に関連して、公開買付者と本応募合意株主の間でも、仮に対抗的買収提案者が現れた場合に、本応募合意株主が保有する株式を公開買付者ではなく対抗買収提案者に売却したときは、本応募合意株主が3億500万円の違約金を負う旨合意される予定であるとのことである。そして、公開買付者・当社・本応募合意株主の間では、当社と本応募合意株主の双方が違約金債務を負う場合には、当該違約金債務は連帯債務となる旨合意されており、その内部負担割合については、当社の負担割合は2割を上限とする旨合意されており、対抗的買収提案者が現れた場合において、当社が本公開買付けへの賛同意見を撤回し、本公開買付けが不成立になったときには、最終的に、当社が最大で3億500万円の2割に相当する額の経済的負担を負うことになる。
この点に関して、当社は、本応募合意株主との間で、当社の最終的な負担が0になるように交渉を行ったが、本応募合意株主は、本違約金条項に基づく違約金について一定の負担を当社も負うように求めてきた結果、上記の最大2割の負担という帰結となったものである。現時点ではどのような対抗的買収提案がなされるかは必ずしも予測できないが、当該提案の内容次第では、当社の少数株主も利益を受ける場合がないわけではなく、そのような場合には、本違約金条項に基づく違約金債務について当社が一定の負担を負うことは必ずしも不合理ではないと考えられる。また、上記のとおり、あくまで当社の負担は、最大でも3億500万円の2割とされており、金額として不相応に過大とまではいえない。
したがって、以上のとおり、本違約金条項は、実質的に当社の株主に対して、本取引を承認することを強制する効果を持つような不合理なものではなく、本取引における間接的なマーケット・チェックを妨げるものではないといえる。
ⅳ 本諮問事項(ⅳ)(本取引を行うことの決定が当社の少数株主にとって不利益でないものと考えられること)に対する答申
本取引を行うことの決定は当社の少数株の保有株式について相応の希薄化を伴うものであるものの、当社の少数株主にとって不利益なものとまではいえないと考えられる。
ⅴ 本諮問事項(ⅴ)(上記を踏まえ、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び本公開買付けへの応募推奨については中立的な立場をとることの是非)に対する答申
本取引の目的は正当且つ合理的と考えられること、本取引の条件が公正且つ妥当なものであると考えられること及び本取引における手続は公正なものであると考えられることからすると、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明し、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて中立の立場をとることは妥当であると考えられる。
また、当社取締役会は、公開買付者らから本公開買付けの提案を受け、当社の企業価値向上に関する検討、公開買付者らの意向、当社のリーガルアドバイザーである西村あさひから受けた法的助言及び本特別委員会の答申書に記載の内容等を踏まえ、公開買付者による本公開買付けに関する諸条件について慎重に検討した結果、上記「(ⅳ)当社における意思決定の内容」に記載のとおり、本日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付価格の妥当性については意見を留保し、株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。
上記取締役会においては、取締役4名のうち、利害関係を有しない取締役全員が参加し、参加した取締役の全会一致により決議しております。また、当社の上記取締役会においては、監査役3名全員が、上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
なお、藤原祐介氏については、本応募合意株主として、本公開買付けに応募することが予定されているため、本公開買付けに関する意思決定において、公正性、透明性及び客観性を高め、利益相反を回避する観点から、上記決議及びこれに係る審議には参加しておりません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
1 事業等のリスクについて
「第四部 組込情報」に記載の有価証券報告書(第44期、提出日2023年11月29日)及び四半期報告書(第45期第3四半期、提出日2024年7月12日)(以下「有価証券報告書等」といいます。)の提出日以降、本有価証券届出書提出日(2024年10月8日)までの間において、当該有価証券報告書等に記載された「事業等のリスク」について、変更及び追加すべき事項はありません。
また、当該有価証券報告書等に記載されている将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日(2024年10月8日)現在においても変更の必要はないものと判断しております。
2 臨時報告書の提出について
「第四部 組込情報」に記載の有価証券報告書(第44期)の提出日(2023年11月29日)以降、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年10月10日)までの間において、以下の臨時報告書を関東財務局長に提出しております。
(2023年11月30日提出の臨時報告書)
1 提出理由
2023年11月29日開催の当社第44回定時株主総会において、決議事項が決議されましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
2 報告内容
(1)当該株主総会が開催された年月日
2023年11月29日
(2)当該決議事項の内容
議案 取締役4名選任の件
取締役として、藤原祐介、大友博雄、多田斎及び中澤歩を選任するものであります。
(3)当該決議事項に対する賛成、反対及び棄権の意思の表示に係る議決権の数、当該決議事項が可決されるための要件並びに当該決議の結果
決議事項 |
賛成(個) |
反対(個) |
棄権(個) |
可決要件 |
賛成割合 (%) |
決議結果 |
議案 |
|
|
|
(注) |
|
|
取締役4名選任の件 |
|
|
|
|
|
|
藤原 祐介 |
201,481 |
22,150 |
- |
|
89.98 |
可決 |
大友 博雄 |
204,110 |
19,521 |
- |
|
91.16 |
可決 |
多田 斎 |
204,074 |
19,557 |
- |
|
91.14 |
可決 |
中澤 歩 |
206,110 |
17,521 |
- |
|
92.05 |
可決 |
(注) 議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席及び出席した当該株主の議決権の過半数の賛成による。
(4)議決権の数に株主総会に出席した株主の議決権の数の一部を加算しなかった理由
本定時株主総会前日までの事前行使分及び当日出席の一部の株主から議案の賛否に関して確認できたものを合計したことにより可決要件を満たし、会社法上適法に決議が成立したため、本総会当日出席の株主のうち、賛成、反対及び棄権の確認ができていない議決権の数は加算しておりません。
(2024年10月9日提出の臨時報告書)
1 提出理由
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象が発生いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
2 報告内容
(1)当該事象の発生年月日
2024年10月8日(取締役会決議日)
(2)当該事象の内容
特別損失(減損損失)の計上
当社は、2024年8月期第4四半期会計期間(2024年6月1日~2024年8月31日)において、閉店を決定した店舗及び収益性の低下がみられた店舗に加え、共用資産を含むより大きな単位について将来の回収可能性を検討した結果、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスであることから、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損損失を特別損失として計上いたしました。
特別損失(店舗閉鎖損失)の計上
当社は、2024年8月期第4四半期会計期間(2024年6月1日~2024年8月31日)において、事業構造改革における店舗の閉鎖に関連する店舗閉鎖損失を特別損失として計上いたしました。
特別損失(契約解除損失引当金繰入額)の計上
当社は、2024年8月期第4四半期会計期間(2024年6月1日~2024年8月31日)において、事業構造改革におけるシステム投資計画の廃止による契約の解除に伴う損失に備えるため、契約解除損失引当金繰入額を特別損失として計上いたしました。
(3)当該事象の損益に与える影響額
特別損失(減損損失)の計上
当該事象により、2024年8月期第4四半期会計期間(2024年6月1日~2024年8月31日)において、減損損失4,607百万円を特別損失に計上いたしました。なお、2024年8月期第3四半期累計期間までに既に計上しております減損損失を含めた2024年8月期の減損損失は、5,043百万円となりました。
特別損失(店舗閉鎖損失)の計上
当社は、2024年8月期第4四半期会計期間(2024年6月1日~2024年8月31日)において、事業構造改革における店舗の閉鎖に関連する店舗閉鎖損失1,529百万円を特別損失に計上いたしました。なお、2024年8月期第3四半期累計期間までに既に計上しております店舗閉鎖損失を含めた2024年8月期の店舗閉鎖損失は、1,562百万円となりました。
特別損失(契約解除損失引当金繰入額)の計上
当社は、2024年8月期第4四半期会計期間(2024年6月1日~2024年8月31日)において、事業構造改革におけるシステム投資計画の廃止による契約の解除に伴う損失に備えるため、契約解除損失引当金繰入額422百万円を特別損失に計上いたしました。
3 最近の業績の概要
2024年10月8日に同日開催の取締役会にて承認された、2024年8月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)に記載されている第45期(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)会計年度の財務諸表は、以下のとおりであります。
ただし、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人の監査は終了していないため、監査報告書は受領しておりません。
財務諸表及び主な注記
(1)貸借対照表
|
|
(単位:百万円) |
|
前事業年度 (2023年8月31日) |
当事業年度 (2024年8月31日) |
資産の部 |
|
|
流動資産 |
|
|
現金及び預金 |
3,482 |
1,155 |
売掛金 |
1,314 |
1,278 |
商品 |
10,479 |
5,111 |
前渡金 |
35 |
94 |
前払費用 |
144 |
121 |
未収入金 |
249 |
499 |
その他 |
66 |
19 |
流動資産合計 |
15,773 |
8,281 |
固定資産 |
|
|
有形固定資産 |
|
|
建物 |
12,151 |
9,630 |
減価償却累計額 |
△10,711 |
△9,630 |
建物(純額) |
1,440 |
0 |
構築物 |
197 |
126 |
減価償却累計額 |
△196 |
△126 |
構築物(純額) |
1 |
0 |
工具、器具及び備品 |
9,888 |
9,478 |
減価償却累計額 |
△9,510 |
△9,478 |
工具、器具及び備品(純額) |
378 |
0 |
土地 |
475 |
- |
リース資産 |
17 |
15 |
減価償却累計額 |
△13 |
△15 |
リース資産(純額) |
4 |
0 |
建設仮勘定 |
6 |
0 |
有形固定資産合計 |
2,306 |
0 |
無形固定資産 |
|
|
ソフトウエア |
342 |
0 |
ソフトウエア仮勘定 |
191 |
0 |
その他 |
5 |
0 |
無形固定資産合計 |
539 |
0 |
投資その他の資産 |
|
|
投資有価証券 |
343 |
0 |
長期前払費用 |
62 |
10 |
前払年金費用 |
258 |
272 |
敷金及び保証金 |
7,644 |
6,741 |
その他 |
83 |
0 |
貸倒引当金 |
△8 |
△6 |
投資その他の資産合計 |
8,383 |
7,018 |
固定資産合計 |
11,228 |
7,018 |
資産合計 |
27,002 |
15,300 |
|
|
(単位:百万円) |
|
前事業年度 (2023年8月31日) |
当事業年度 (2024年8月31日) |
負債の部 |
|
|
流動負債 |
|
|
買掛金 |
1,096 |
1,248 |
電子記録債務 |
3,721 |
2,669 |
短期借入金 |
2,015 |
1,100 |
1年内返済予定の長期借入金 |
1,788 |
1,341 |
リース債務 |
1 |
0 |
未払金 |
608 |
545 |
未払費用 |
682 |
675 |
未払法人税等 |
267 |
235 |
前受金 |
6 |
5 |
預り金 |
134 |
147 |
賞与引当金 |
163 |
- |
店舗閉鎖損失引当金 |
14 |
1,064 |
買付契約評価引当金 |
- |
286 |
契約解除損失引当金 |
- |
422 |
資産除去債務 |
372 |
1,585 |
その他 |
3 |
7 |
流動負債合計 |
10,876 |
11,336 |
固定負債 |
|
|
長期借入金 |
1,341 |
- |
リース債務 |
2 |
1 |
店舗閉鎖損失引当金 |
- |
496 |
繰延税金負債 |
150 |
82 |
資産除去債務 |
2,018 |
3,024 |
その他 |
46 |
42 |
固定負債合計 |
3,558 |
3,647 |
負債合計 |
14,435 |
14,984 |
純資産の部 |
|
|
株主資本 |
|
|
資本金 |
6,195 |
6,195 |
資本剰余金 |
|
|
資本準備金 |
1,481 |
1,481 |
その他資本剰余金 |
3,769 |
3,769 |
資本剰余金合計 |
5,251 |
5,251 |
利益剰余金 |
|
|
利益準備金 |
78 |
78 |
その他利益剰余金 |
|
|
別途積立金 |
4,000 |
4,000 |
繰越利益剰余金 |
△3,061 |
△15,203 |
利益剰余金合計 |
1,017 |
△11,125 |
自己株式 |
△66 |
△66 |
株主資本合計 |
12,397 |
254 |
評価・換算差額等 |
|
|
その他有価証券評価差額金 |
93 |
0 |
繰延ヘッジ損益 |
0 |
△3 |
評価・換算差額等合計 |
94 |
△3 |
新株予約権 |
75 |
64 |
純資産合計 |
12,566 |
315 |
負債純資産合計 |
27,002 |
15,300 |
(2)損益計算書
|
|
(単位:百万円) |
|
前事業年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) |
当事業年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) |
売上高 |
46,926 |
38,808 |
売上原価 |
|
|
商品期首棚卸高 |
11,466 |
10,479 |
当期商品仕入高 |
23,389 |
17,693 |
買付契約評価引当金繰入額 |
- |
286 |
合計 |
34,855 |
28,459 |
他勘定振替高 |
20 |
4 |
商品期末棚卸高 |
10,479 |
5,111 |
商品売上原価 |
24,356 |
23,343 |
売上総利益 |
22,570 |
15,465 |
販売費及び一般管理費 |
23,492 |
20,465 |
営業損失(△) |
△922 |
△5,000 |
営業外収益 |
|
|
受取配当金 |
9 |
5 |
受取家賃 |
34 |
34 |
受取手数料 |
1 |
4 |
受取保険金 |
8 |
- |
その他 |
8 |
8 |
営業外収益合計 |
62 |
53 |
営業外費用 |
|
|
支払利息 |
105 |
54 |
支払手数料 |
20 |
66 |
賃貸費用 |
37 |
37 |
控除対象外消費税等 |
9 |
44 |
その他 |
14 |
17 |
営業外費用合計 |
187 |
219 |
経常損失(△) |
△1,048 |
△5,166 |
特別利益 |
|
|
固定資産売却益 |
0 |
21 |
投資有価証券売却益 |
- |
172 |
新株予約権戻入益 |
2 |
10 |
償却債権取立益 |
- |
8 |
子会社清算益 |
19 |
- |
受取保険金 |
- |
33 |
助成金収入 |
12 |
- |
移転補償金 |
13 |
- |
特別利益合計 |
47 |
247 |
特別損失 |
|
|
固定資産除却損 |
87 |
33 |
店舗閉鎖損失 |
33 |
1,562 |
減損損失 |
1,198 |
5,043 |
契約解除損失引当金繰入額 |
- |
422 |
その他 |
40 |
8 |
特別損失合計 |
1,360 |
7,070 |
税引前当期純損失(△) |
△2,361 |
△11,989 |
法人税、住民税及び事業税 |
186 |
179 |
法人税等調整額 |
△2 |
△26 |
法人税等合計 |
184 |
153 |
当期純損失(△) |
△2,545 |
△12,142 |
(3)株主資本等変動計算書
前事業年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本 |
|||||||
|
資本金 |
資本剰余金 |
利益剰余金 |
|||||
|
資本準備金 |
その他資本剰余金 |
資本剰余金合計 |
利益準備金 |
その他利益剰余金 |
利益剰余金合計 |
||
|
別途積立金 |
繰越利益剰余金 |
||||||
当期首残高 |
6,195 |
1,481 |
3,769 |
5,251 |
78 |
4,000 |
△515 |
3,562 |
当期変動額 |
|
|
|
|
|
|
|
|
剰余金の配当 |
|
|
|
|
|
|
|
|
当期純損失(△) |
|
|
|
|
|
|
△2,545 |
△2,545 |
自己株式の取得 |
|
|
|
|
|
|
|
|
自己株式の処分 |
|
|
|
|
|
|
|
|
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) |
|
|
|
|
|
|
|
|
当期変動額合計 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
△2,545 |
△2,545 |
当期末残高 |
6,195 |
1,481 |
3,769 |
5,251 |
78 |
4,000 |
△3,061 |
1,017 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
株主資本 |
評価・換算差額等 |
新株予約権 |
純資産合計 |
|||
|
自己株式 |
株主資本合計 |
その他有価証券評価差額金 |
繰延ヘッジ損益 |
評価・換算差額等合計 |
||
当期首残高 |
△66 |
14,943 |
15 |
- |
15 |
77 |
15,036 |
当期変動額 |
|
|
|
|
|
|
|
剰余金の配当 |
|
- |
|
|
|
|
- |
当期純損失(△) |
|
△2,545 |
|
|
|
|
△2,545 |
自己株式の取得 |
△0 |
△0 |
|
|
|
|
△0 |
自己株式の処分 |
|
- |
|
|
|
|
- |
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) |
|
|
77 |
0 |
78 |
△2 |
75 |
当期変動額合計 |
△0 |
△2,545 |
77 |
0 |
78 |
△2 |
△2,469 |
当期末残高 |
△66 |
12,397 |
93 |
0 |
94 |
75 |
12,566 |
当事業年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本 |
|||||||
|
資本金 |
資本剰余金 |
利益剰余金 |
|||||
|
資本準備金 |
その他資本剰余金 |
資本剰余金合計 |
利益準備金 |
その他利益剰余金 |
利益剰余金合計 |
||
|
別途積立金 |
繰越利益剰余金 |
||||||
当期首残高 |
6,195 |
1,481 |
3,769 |
5,251 |
78 |
4,000 |
△3,061 |
1,017 |
当期変動額 |
|
|
|
|
|
|
|
|
剰余金の配当 |
|
|
|
|
|
|
|
|
当期純損失(△) |
|
|
|
|
|
|
△12,142 |
△12,142 |
自己株式の取得 |
|
|
|
|
|
|
|
|
自己株式の処分 |
|
|
|
|
|
|
|
|
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) |
|
|
|
|
|
|
|
|
当期変動額合計 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
△12,142 |
△12,142 |
当期末残高 |
6,195 |
1,481 |
3,769 |
5,251 |
78 |
4,000 |
△15,203 |
△11,125 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
株主資本 |
評価・換算差額等 |
新株予約権 |
純資産合計 |
|||
|
自己株式 |
株主資本合計 |
その他有価証券評価差額金 |
繰延ヘッジ損益 |
評価・換算差額等合計 |
||
当期首残高 |
△66 |
12,397 |
93 |
0 |
94 |
75 |
12,566 |
当期変動額 |
|
|
|
|
|
|
|
剰余金の配当 |
|
- |
|
|
|
|
- |
当期純損失(△) |
|
△12,142 |
|
|
|
|
△12,142 |
自己株式の取得 |
△0 |
△0 |
|
|
|
|
△0 |
自己株式の処分 |
|
- |
|
|
|
|
- |
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) |
|
|
△93 |
△3 |
△97 |
△10 |
△108 |
当期変動額合計 |
△0 |
△12,142 |
△93 |
△3 |
△97 |
△10 |
△12,251 |
当期末残高 |
△66 |
254 |
0 |
△3 |
△3 |
64 |
315 |
(4)キャッシュ・フロー計算書
|
|
(単位:百万円) |
|
前事業年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) |
当事業年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
税引前当期純損失(△) |
△2,361 |
△11,989 |
減価償却費 |
695 |
481 |
減損損失 |
1,198 |
5,043 |
有形固定資産売却損益(△は益) |
0 |
△21 |
投資有価証券売却損益(△は益) |
- |
△172 |
償却債権取立益 |
- |
△8 |
固定資産除却損 |
87 |
33 |
店舗閉鎖損失 |
33 |
1,562 |
子会社清算損益(△は益) |
△19 |
- |
貸倒引当金の増減額(△は減少) |
△1 |
△1 |
賞与引当金の増減額(△は減少) |
85 |
△163 |
買付契約評価引当金の増減額(△は減少) |
- |
286 |
契約解除損失引当金の増減額(△は減少) |
- |
422 |
前払年金費用の増減額(△は増加) |
△25 |
△13 |
助成金収入 |
△12 |
- |
移転補償金 |
△13 |
- |
受取保険金 |
- |
△33 |
受取利息及び受取配当金 |
△9 |
△5 |
支払利息 |
105 |
54 |
売上債権の増減額(△は増加) |
△45 |
35 |
棚卸資産の増減額(△は増加) |
987 |
5,367 |
未収入金の増減額(△は増加) |
50 |
△126 |
仕入債務の増減額(△は減少) |
△1,848 |
△985 |
未払金の増減額(△は減少) |
△268 |
△107 |
その他 |
△91 |
△30 |
小計 |
△1,453 |
△373 |
利息及び配当金の受取額 |
9 |
5 |
利息の支払額 |
△109 |
△57 |
助成金の受取額 |
12 |
- |
移転補償金の受取額 |
13 |
- |
保険金の受取額 |
- |
33 |
法人税等の支払額 |
△192 |
△187 |
法人税等の還付額 |
1 |
1 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△1,719 |
△577 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
有形固定資産の取得による支出 |
△446 |
△140 |
有形固定資産の売却による収入 |
0 |
446 |
無形固定資産の取得による支出 |
△148 |
△197 |
敷金及び保証金の差入による支出 |
△41 |
△7 |
敷金及び保証金の回収による収入 |
407 |
668 |
投資有価証券の売却による収入 |
- |
383 |
子会社の清算による収入 |
19 |
- |
その他 |
△250 |
△129 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△460 |
1,023 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
短期借入金の純増減額(△は減少) |
△725 |
△915 |
長期借入金の返済による支出 |
△1,808 |
△1,788 |
その他 |
△22 |
△68 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△2,556 |
△2,772 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
△4,736 |
△2,326 |
現金及び現金同等物の期首残高 |
8,218 |
3,482 |
現金及び現金同等物の期末残高 |
3,482 |
1,155 |
(5)財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
当社は、当事業年度まで2期連続で営業損失、経常損失及び6期連続で当期純損失を計上し、当事業年度において重要な営業損失5,000百万円、経常損失5,166百万円及び当期純損失12,142百万円を計上しております。この結果、当事業年度末の純資産合計は315百万円となりました。
また、一部の取引金融機関からの借入については、現時点では期限の利益喪失に関わる条項を適用する旨の通知を受けていないものの財務制限条項に抵触しております。
さらに、翌事業年度以降の構造改革による事業収支改善が不可欠であるものの、その遂行に必要な資金は、現時点で確保できておりません。
これらの事象又は状況は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に該当しております。
当該事象又は状況を解消すべく、(重要な後発事象)に記載のとおり株式会社W&Dインベストメントデザイン(以下、「W&DiD」という。)が当社の支配権を獲得することを前提とし、新たに2025年8月期を初年度とする5ヵ年の新中期経営計画を策定いたしました。当該中期経営計画においては、抜本的な構造改革を軸に、持続的成長に向けた事業基盤の確立に向けて、聖域なきコスト構造改革の貫徹を掲げ、利益を出しやすい体質への転換とコスト意識の徹底を進めてまいります。翌事業年度以降は、不断のコスト合理化と共に競争力を強化し、再成長への挑戦と事業安定化を目指し、最終年度までに着実な利益成長を実現し、永続的な収益基盤の構築を図ります。
コスト構造改革の主な内容は以下のとおりです。
①不採算店舗の大規模な退店による収益性の向上。
②本部組織のスリム化と店舗人員最適化による人件費の削減。
③本部拠点の集約による賃借料及びその他の販売費及び一般管理費の削減。
④PB企画力の向上と生産背景見直しによる仕入原価率の低減。
⑤滞留在庫及び回転率の低い継続在庫の大幅圧縮による在庫水準の適正化。
また、当事業年度末日において、一部の借入金は財務制限条項に抵触しておりますが、取引金融機関と資金計画等の協議を行い、引き続き取引金融機関と緊密な関係を維持し、継続的な支援をいただけるよう努めております。
さらに、(重要な後発事象)に記載のとおり、2024年10月8日開催の取締役会において、当社の創業家の資産管理会社である有限会社藤原興産を引受人とする第三者割当増資を実施することを決議し、株式公開買付けに当社の創業家及び有限会社藤原興産が応募することにより、W&DiDが当社の支配権を獲得後に同社の共同支配株主である日本政策投資銀行(以下、「DBJ」という。)グループが資金支援を行なうことを検討いただいております。
なお、本第三者割当増資は、2024年11月29日開催の株主総会の特別決議事項となっており、取引金融機関及びDBJグループからの支援は、当該議案の承認が得られることを条件としております。
以上の施策をもって、必要な資金の確保及び維持を図っておりますが、アパレル小売業の競争環境が厳しくなっている中で収益力を強化すること、及び本部組織のスリム化と店舗人員最適化により人件費を削減すること、並びに取引金融機関及びDBJグループからの支援を得ることの可能性は未だ不透明であることを踏まえ、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。
(会計上の見積りの変更)
(資産除去債務の見積りの変更)
当事業年度において、店舗施設に係る不動産賃貸契約に伴う原状回復義務として計上していた資産除去債務について、新たに構造改革による収益性の改善を目的とした店舗の再編をすすめる方針となり、将来の退店計画や、直近の退店実績等による新たな情報を入手し分析した結果、店舗の退去時に必要とされる原状回復費用に関しての見積りの変更を行いました。
この見積りの変更による増加額2,509百万円を資産除去債務に計上しております。
なお、当該見積りの変更に伴って計上した有形固定資産について減損損失を計上したため、当事業年度の税引前当期純損失が2,509百万円増加しております。
(持分法損益等)
該当事項はありません。
(セグメント情報等の注記)
[セグメント情報]
当社は、商品の内容・調達方法、顧客の種類の類似性等から判断して、区分すべき事業セグメントの重要性が乏しいため、報告セグメントは単一となっていることから、記載を省略しております。
(1株当たり情報)
|
前事業年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) |
当事業年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) |
1株当たり純資産額 |
422円31銭 |
8円49銭 |
1株当たり当期純損失(△) |
△86円06銭 |
△410円52銭 |
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
2.1株当たり当期純損失の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
|
前事業年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) |
当事業年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) |
1株当たり当期純損失(△) |
|
|
当期純損失(△)(百万円) |
△2,545 |
△12,142 |
普通株主に帰属しない金額(百万円) |
- |
- |
普通株式に係る当期純損失(△)(百万円) |
△2,545 |
△12,142 |
普通株式の期中平均株式数(株) |
29,579,362 |
29,579,164 |
希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に含めなかった潜在株式の概要 |
2015年(第8回)ストック・オプション 2017年(第9回)ストック・オプション 2018年(第10回)ストック・オプション |
2015年(第8回)ストック・オプション 2017年(第9回)ストック・オプション 2018年(第10回)ストック・オプション |
(重要な後発事象)
当社は、2024年10月8日開催の取締役会において、同日公表の「株式会社W&Dインベストメントデザインによる当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する意見表明及び有限会社藤原興産を割当予定先とする第三者割当による新株式発行、並びに主要株主である筆頭株主及び支配株主の異動に関するお知らせ」のとおり、株式会社ワールド及び株式会社日本政策投資銀行(以下、「DBJ」という。)が共同で出資し、設立した株式会社W&Dインベストメントデザイン(以下、「W&DiD」という。)による当社を子会社化することを目的とした当社の普通株式に対する公開買付けに関して賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の創業家である応募合意株主の資産管理会社であり、当社株式の15.7%を保有している有限会社藤原興産を引受人として第三者割当増資を実施することを決議いたしました。(以下、W&DiDが当社を子会社化するための一連の取引を「本取引」という)
Ⅰ.本取引の目的
当社は、2023年10月に公表した中期経営計画において、価値訴求への本格的シフトによる売上総利益率の改善、成長チャネルへの戦略的投資による売上総利益の伸長といった事業戦略に加え、不採算店舗の整理と人員配置の適正化による販売費及び一般管理費の削減、在庫水準の引き下げによる運転資本の圧縮といった財務戦略を掲げており、現在も実行を進めております。
しかしながら、価値訴求への転換に伴う既存顧客離れの速度と新規顧客獲得の速度が釣り合わず、計画した客単価は実現できている一方で客数の落ち込みが激しく、計画初年度は大きく未達となりました。
加えて、新規ブランドの導入が進み、アメリカンカジュアルを中心とした密度の高い品揃えが実現しつつあると自負する一方で、当社の多様な顧客層のニーズに幅広く合致した商品構成には至っておらず、商品力及び発信力の強化が目下最大の課題と認識しております。
W&DiDはファッション産業の再生投資に精通した投資会社であり、同社の再生支援を受けることが、かかる商品力や発信力の強化という当社の課題解決に繋がり、また株式会社ワールドが当社の今後の更なる成長を実現させるための戦略的パートナーになり得る可能性が高いものとの判断に至り、賛同表明しました。
本取引はW&DiDが当社を子会社化することを目的とするものであり、本取引の概要は以下のとおりとなります。
①有限会社藤原興産を引受人として第三者割当増資を実施すること
②第三者割当増資の払込金額により、有限会社藤原興産に借入金を返済すること
③公開買付者が当社株式に対する公開買付けを実施すること
④創業家及び有限会社藤原興産が公開買付けに全保有株式を応募すること
Ⅱ.本第三者割当による普通株式の発行について
1.募集の概要
(1) |
払込期日 |
2024年11月29日 |
(2) |
発行新株式数 |
普通株式5,909,091株 |
(3) |
発行価額 |
普通株式1株につき110円 |
(4) |
発行価額の総額 |
650百万円 |
(5) |
募集又は割当方法 (割当予定先) |
第三者割当の方法により、割当予定先に発行新株式の全てを割り当てます。 |
(6) |
その他 |
普通株式の発行は、2024年11月29日開催の定時株主総会において、第三者割当増資に係る議案の承認が得られることを条件としております。なお、第三者割当増資における払込金額が「特に有利な金額」に該当することから、株主総会における特別決議が必要です。 |
2.調達する資金の額、使途及び支出予定時期
(1)調達する資金の額
① |
払込金額の総額 |
650百万円 |
② |
発行諸費用の概算額 |
8百万円 |
③ |
差引手取概算額 |
642百万円 |
(注)発行諸費用の概算額の内訳は、登記費用、弁護士費用、その他諸費用等の合計額であります。
なお、消費税等は含まれておりません。
(2)調達する資金の具体的な使途
具体的な使途 |
金額(百万円) |
支出時期 |
藤原興産への借入金の返済 |
642 |
2024年11月 |
Ⅲ.本公開買付けに関する意見表明について
1.公開買付者の概要
(1) |
名称 |
株式会社W&Dインベストメントデザイン |
(2) |
所在地 |
東京都港区北青山三丁目5番10号 |
(3) |
代表者の役職・氏名 |
廣橋 清司、栗本 興治 |
(4) |
事業内容 |
他の会社(株式会社及び合同会社等)の株式、社債又は持分等に対する投資業務 |
(5) |
資本金 |
3百万円 |
(6) |
設立年月日 |
2017年6月19日 |
(7) |
大株主及び持ち株比率 (2024年10月8日現在) |
株式会社ワールドインベストメントネットワーク 50% 株式会社日本政策投資銀行 50% |
(8) |
公開買付者と当社の関係 |
|
|
資本関係 |
該当事項はありません。 |
|
人的資本 |
該当事項はありません。 |
|
取引関係 |
該当事項はありません。 |
|
関連当事者への該当状況 |
該当事項はありません。 |
2.買付け等の期間
2024年12月上旬開始予定
3.買付け等の価格
普通株式1株につき、110円
次に掲げる書類の写しを組み込んでおります。
有価証券報告書 |
事業年度 (第44期) |
自 2022年9月1日 至 2023年8月31日 |
2023年11月29日 関東財務局長に提出 |
四半期報告書 |
事業年度 (第45期第3四半期) |
自 2024年3月1日 至 2024年5月31日 |
2024年7月12日 関東財務局長に提出 |
なお、上記書類は、金融商品取引法第27条の30の2に規定する開示用電子情報処理組織(EDINET)を使用して提出したデータを開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について(電子開示手続等ガイドライン)A4-1に基づき本有価証券届出書の添付書類としております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。