独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

 

2023年11月29日

株式会社ライトオン

 

 

 

 

取締役会 御中

 

 

 

有限責任 あずさ監査法人

 

 

東京事務所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

永井 勝

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

冨樫 高宏

 

 

<財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ライトオンの2022年9月1日から2023年8月31日までの第44期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ライトオンの2023年8月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

1.継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断の妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 財務諸表の作成に当たり、経営者は、継続企業の前提が適切であるかどうかを評価することが求められる。また、継続企業の前提に関する評価の結果、期末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合であって、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるときは、当該重要な不確実性について財務諸表に注記することが必要となる。

 不安定な海外情勢や円安の進行による食品等の相次ぐ値上げや、エネルギー価格高騰の長期化などによる節約志向の高まりから、慎重な消費行動が続く中、株式会社ライトオン(以下「会社」という。)の当事業年度の売上高は前事業年度末の見通しを下回り、営業損失及び経常損失を計上している。この結果、当事業年度末の純資産は12,566百万円となり、注記事項「貸借対照表関係※3」に記載のシンジケートローン契約等に付された純資産に係る財務制限条項に抵触した。

 以上から、当事業年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。

 経営者は、当該事象又は状況を解消するための対応策として、不採算店舗の整理による人件費を中心としたコスト削減等、事業計画の達成に向けた施策に取り組んでいる。また、関係金融機関より、シンジケートローン契約等に付された財務制限条項について、期限の利益喪失に関わる条項を適用しない旨の書面による承諾を得ている。さらに、主要株主である有限会社藤原興産より2023年8月31日付で700百万円の資金調達を実行している。加えて、関係金融機関及び有限会社藤原興産に対して、継続的な支援を要請している。

 経営者は、これらの対応策の実行によって、当事業年度末から12ヶ月間の会社の資金繰りに重要な懸念はないと判断しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないとして、財務諸表に注記を行っていない。

 経営者が将来の不確実性を考慮して作成した会社の2024年8月31日までの期間の資金繰り計画には、この期間における収支に重要な影響を及ぼす以下の主要な仮定が織り込まれている。

● 関係金融機関及び有限会社藤原興産による継続的な支援

● 不採算店舗の整理による人件費を中心としたコスト削減策の効果

● 店舗別の将来売上高が営業年数や過年度の実績等に相関して一定率で成長または逓減するという仮定

 これらの仮定には不確実性と経営者の高度な判断を伴い、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての判断に重要な影響を及ぼす。

 以上から、当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断の妥当性の評価が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。

 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。

(1)経営者の対応策についての検討

 経営者の対応策が継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象や状況を解消し、又は改善するものであるかどうか、及びその実現可能性について検討するため、以下の手続を実施した。

● シンジケートローン契約等に付された財務制限条項について、関係金融機関が期限の利益喪失に関わる条項を適用しないことを関係金融機関の支店長及び融資責任者に質問により確認するとともに、関係金融機関が発行した承諾書を閲覧した。

● 関係金融機関による継続的な支援について、経営者及び財務経理部門の責任者に関係金融機関との交渉状況を質問した。その上で、関係金融機関の支店長及び融資責任者に、今後の継続的な支援の姿勢及び内容について質問し、経営者及び財務経理部門の責任者による回答との整合性を確かめた。

● 有限会社藤原興産による継続的な支援について、同社からの念書の閲覧により、その意思を確認した。また、有限会社藤原興産の決算書を閲覧し、支援の実現可能性を確かめた。

● 不採算店舗の整理による人件費を中心としたコスト削減策の効果について、過去の類似施策によるコスト削減実績との比較を行い、その実現可能性を検討した。

(2)資金繰り計画に含まれる不確実性の影響についての検討

 経営者が作成した2024年8月31日までの期間の資金繰り計画を閲覧するとともに、以下の手続を実施した。

● 店舗別の将来売上高について、過年度の売上高実績の趨勢との比較及び当監査法人が独自に入手した第三者機関による消費動向に関するレポートの内容との比較を行い、その実現可能性を検討した。

● 資金繰り計画の基礎となる主要な仮定の適切性についての評価結果や、過年度及び当事業年度の月次の資金繰り実績と計画との差異の分析結果に照らして、主要な仮定の不確実性の程度が資金繰り計画の策定において十分に考慮されているかどうかを検討した。

● 主要な仮定の不確実性を織り込んだ資金繰り計画における各月末の資金残高が、翌月の収支見込み及び各収支項目の月中での入金及び支払時期に照らして十分かどうかを検討した。

 

 

2.店舗固定資産の減損損失の認識の要否についての経営者による判断の妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 株式会社ライトオン(以下「会社」という。)の当事業年度末における減損損失計上前の店舗固定資産の帳簿価額は、注記事項「(重要な会計上の見積り)2.店舗固定資産の減損」に記載のとおり、有形固定資産2,477百万円及び投資その他の資産19百万円であり、総資産の9%を占めている。また、当事業年度の損益計算書において、店舗固定資産の減損損失1,187百万円を計上している。

 会社は減損の兆候を判定するにあたっては、主として各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としており、店舗ごとに減損の兆候の有無を検討している。減損の兆候があると認められる店舗については、各店舗から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と店舗固定資産の帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定している。減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。

 減損損失の認識の要否判定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、取締役会で承認された事業計画を基礎として、将来の不確実性を考慮した翌事業年度以降の店舗別の営業損益予測により算定されている。これには、以下の主要な仮定が織り込まれている。

● 店舗別の将来売上高が、営業年数や過年度の実績等に相関して一定率で成長または逓減するという仮定

● 店舗別の粗利率は、当事業年度と同水準とする仮定

 これらの仮定には高い不確実性と経営者の高度な判断を伴い、店舗固定資産の減損損失の認識の要否についての判断に重要な影響を及ぼす。

 以上から、当監査法人は、店舗固定資産の減損損失の認識の要否についての経営者による判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。

 当監査法人は、店舗固定資産の減損損失の認識の要否についての経営者による判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。

(1)内部統制の評価

 店舗固定資産の減損損失の認識要否の判定に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。

 評価にあたっては、特に割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる翌事業年度以降の店舗別の営業損益予測に関する社内の承認プロセスに焦点を当てた。

(2)割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価

 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる翌事業年度以降の店舗別の営業損益予測に含まれる主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について経営者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。

● 過年度の店舗別の営業損益予測の達成状況及び計画との差異原因について検討し、将来の不確実性が、主要な仮定に適切に考慮されているかどうかを検討した。

● 店舗別の将来売上高について、過年度の売上高実績の趨勢との比較及び当監査法人が独自に入手した第三者機関による消費動向に関するレポートの内容との比較を行い、その実現可能性を検討した。

● 店舗別の粗利率について、過年度の実績粗利率の趨勢との比較を行い、その実現可能性を検討した。

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 

財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<内部統制監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ライトオンの2023年8月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。

 当監査法人は、株式会社ライトオンが2023年8月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。

 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以  上

 

 

 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

 

E03240-000 2024-10-08