第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における国内経済は、雇用・所得環境が改善する中、エネルギーコストや原材料価格の高騰により実質賃金はマイナスが続いておりましたがプラス基調に転じつつあります。このような中、賃金上昇や定年延長などにより若年層、高齢者層の所得が増加する一方、子育て世代を中心に生活防衛意識が高まるなど、消費の二極化が顕在化しております。

北米経済は、引き続きインフレ、高金利環境に加え雇用環境が悪化しているものの、経済全体では高所得者層の消費により底堅さを維持しました。一方で、消費の二極化が進み、中低所得者層の消費に対する慎重な姿勢がより一層強まりました。

このような環境の中、当社グループは「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」を目指し、アップデートした中期経営計画(2023年3月9日公表)における各事業戦略及びグループ戦略を推進しております。

国内外における消費環境変化に対し、中長期視点はもちろん、短期的な視点からも対応すべく、様々な施策を講じております。

なお、2024年4月10日に公表のとおり、当社グループの企業価値、株主価値の最大化に向けた具体的なアクションプランを策定し、それらの着実な実行に向けて取り組みを推進しております。

これらの結果、当該期間における当社の連結業績は以下のとおりとなりました。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2024年2月期 中間期

2025年2月期 中間期

 

前年同期比

 

前年同期比

営業収益

5,547,013

98.2%

6,035,534

108.8%

営業利益

241,115

102.7%

186,996

77.6%

経常利益

226,867

103.2%

167,220

73.7%

親会社株主に帰属する中間純利益

80,228

59.0%

52,242

65.1%

 

為替レート

U.S.$1=135.00円

U.S.$1=152.36円

1元=19.46円

1元=21.07円

 

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社セブン‐イレブン・沖縄、7-Eleven,Inc.及び

7-Eleven Stores Pty Ltdにおける加盟店売上を含めた「グループ売上」は、9,287,008百万円(前年同期比106.8%)となりました。また、当中間連結会計期間における為替レート変動に伴い、グループ売上は6,361億円、営業収益は5,274億円、営業利益は81億円増加しております。

 

当中間連結会計期間のセグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

(セグメント別営業収益)

 

 

(単位:百万円)

 

2024年2月期 中間期

2025年2月期 中間期

 

前年同期比

 

前年同期比

国内コンビニエンスストア事業

470,786

105.4%

462,368

98.2%

海外コンビニエンスストア事業

4,026,853

96.2%

4,612,501

114.5%

スーパーストア事業

729,091

102.0%

724,543

99.4%

金融関連事業

102,876

107.4%

105,248

102.3%

その他の事業

248,408

104.7%

164,535

66.2%

5,578,015

98.2%

6,069,197

108.8%

調整額(消去及び全社)

△31,001

△33,663

合 計

5,547,013

98.2%

6,035,534

108.8%

 

(セグメント別営業利益)

 

 

 

(単位:百万円)

 

2024年2月期 中間期

2025年2月期 中間期

 

前年同期比

 

前年同期比

国内コンビニエンスストア事業

138,503

109.3%

127,712

92.2%

海外コンビニエンスストア事業

112,832

97.6%

73,325

65.0%

スーパーストア事業

4,430

102.9%

3,514

79.3%

金融関連事業

19,990

103.3%

17,464

87.4%

その他の事業

2,444

1,388.2%

3,834

156.8%

278,202

104.5%

225,851

81.2%

調整額(消去及び全社)

△37,086

△38,854

合 計

241,115

102.7%

186,996

77.6%

 

① 国内コンビニエンスストア事業

国内コンビニエンスストア事業における営業収益は462,368百万円(前年同期比98.2%)、営業利益は127,712百万円(同92.2%)となりました。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、人口減少、少子高齢化の進行及び、物価上昇等の消費の二極化等の外部環境変化がある中で、お客様の消費行動変化へ対応すべく、基本商品の磨きこみをベースに、「マーケットニーズに対応した品揃えの拡充」、「お客様への新たな買い物体験の提供」、「品質と価格を両立した価値の提供」等、客層の拡大と来店頻度の向上に向けた取り組みを進めてまいりました。

また、デリバリーサービス「7NOW」については全国展開に向けた体制構築等の取り組み強化に加え、「7NOWアプリ」の認知度向上等の施策に取り組んでまいりました。

加えて、多様なニーズに対応するため、2024年2月29日に新しいコンセプトの店舗「SIP*ストア」をオープンしました。ここでお客様の潜在的なニーズを特定し、確認された商品やサービスをほかの店舗に展開する取り組みも進めています。

当中間連結会計期間は、既存店売上はやや前年を下回り、営業利益は127,661百万円(同91.9%)となりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は2,729,934百万円(同100.3%)となりました。

 

*株式会社セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)と株式会社イトーヨーカ堂(IY)のパートナーシップ(通称

 SIP)

 

② 海外コンビニエンスストア事業

海外コンビニエンスストア事業における営業収益は4,612,501百万円(前年同期比114.5%)、営業利益は73,325百万円(同65.0%)となりました。

北米の7-Eleven, Inc.は、引き続きインフレと高金利に加えて雇用環境の悪化に伴う労働所得の減少により消費の二極化が進み、中低所得者層を中心に個人消費環境が厳しい状況にある中で、継続的な事業の成長と資本効率の向上を目指し、「オリジナル商品の強化」、「デジタル・デリバリー施策の促進」、「Speedwayとの統合によるシナジー創出」、「店舗網の拡大」という4つの施策を推進してまいりました。

また、2024年4月16日付にて米国Sunoco LP社からのコンビニエンスストア事業及びガソリン小売事業の一部の取得を完了しました。

当中間連結会計期間のドルベースの米国内既存店商品売上は前年を下回り、営業利益(のれん償却前)は130,839百万円(同82.9%)となりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、5,331,059百万円(同110.6%)となりました。

7-Eleven International LLCでは、2025年度までに日本及び北米を除く地域で5万店の店舗網の確立、2030年度までに日本、北米を含めた全世界で30の国と地域での展開を目指すという方針の下、既存展開国と新規展開国の両輪で成長戦略を推進しています。既存展開国については、各市場の特性に合わせた「食のコンビニ」への転換を進めています。その一環として、2024年4月1日付で、オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有するConvenience Group Holdings Pty Ltdの買収を完了しました。

③ スーパーストア事業

スーパーストア事業における営業収益は724,543百万円(前年同期比99.4%)、営業利益は3,514百万円(同79.3%)となりました。

株式会社イトーヨーカ堂は、収益性改善に向けた抜本的変革が計画どおり進捗しており、2024年2月27日に稼働を開始したPeace Deli千葉キッチンを含め、プロセスセンターやセントラルキッチン等の戦略投資インフラを活用し、惣菜の新ブランド「YORK DELI(ヨーク・デリ)」を立ち上げる等、商品の品質向上、店舗の運営効率改善に取り組んでおります。加えて、衣料品の新ブランドとして、株式会社アダストリアが企画開発、生産した「FOUND GOOD」を展開し、利用客層の拡大を図ってまいりました。

当中間連結会計期間は、2023年9月の株式会社ヨークとの合併に伴い売上高は前年を上回りましたが、1,988百万円の営業損失(前年同期は2,834百万円の営業損失)となりました。

株式会社ヨークベニマルにおいては、「地域のお客様の日常の食卓をより楽しく豊かに便利にする」というコンセプトの実現に向けて、既存店の活性化、デリカテッセン等の開発及び販売強化の取り組みを進めております。

当中間連結会計期間では原材料価格高騰への価格対応及び販売促進施策が奏功し、既存店売上は前年を上回り、営業利益は9,296百万円(前年同期比100.6%)となりました。

④ 金融関連事業

金融関連事業における営業収益は105,248百万円(前年同期比102.3%)、営業利益は17,464百万円(同87.4%)となりました。

株式会社セブン銀行における当中間連結会計期間末時点の国内ATM設置台数は27,693台(前連結会計年度末差323台増)となりました。預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引の増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高い水準を維持したことなどにより、1日1台当たりのATM平均利用件数は107.9件(前年同期差3.3件増)となり、当中間連結会計期間のATM総利用件数は前年を上回りました。なお、同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて9,064億円となりました。

⑤ その他の事業

その他の事業における営業収益は164,535百万円(前年同期比66.2%)、営業利益は3,834百万円(同156.8%)となりました。

事業ポートフォリオの見直しによる事業会社の譲渡等の影響により減収となったものの、人流回復に伴い株式会社ロフトをはじめとする事業会社の業績が好調に推移したため増益となりました。なお、2024年5月9日に公表した、当社の完全子会社である株式会社セブン&アイ・ネットメディアが保有する株式会社ニッセンホールディングスの発行済全株式の株式会社歯愛メディカルへの譲渡については、2024年7月1日付で完了いたしました。

 

⑥ 調整額(消去及び全社)

調整額(消去及び全社)における営業損失は38,854百万円(前年同期は37,086百万円の営業損失)となりました。

業務効率化やセキュリティ強化等を目的としたグループ共通基盤システム構築に係る費用等を計上しております。また、顧客接点の拡大に向けた「7iD」会員基盤の整備や、新たな体験価値を創造するデリバリーサービス「7NOW」を支えるラストワンマイルDXプラットフォームの深化を通じ、2030年の目指すグループ像を実現すべく取り組んでまいります。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

総資産は、主に為替レートの変動により前連結会計年度末に比べ1,259,575百万円増の11,851,693百万円となりました。

流動資産は、海外コンビニエンスストア事業におけるConvenience Group Holdings Pty Ltd*(以下、「SEA」という。)の取得に伴う商品及び製品の増加等により、前連結会計年度末に比べ49,209百万円増加いたしました。

固定資産は、主に海外コンビニエンスストア事業におけるSEAの取得に伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加等により前連結会計年度末に比べ1,210,662百万円増加いたしました。

負債は、為替レートの変動とSEAの取得に伴う資金調達等による有利子負債の増加により、前連結会計年度末に比べ939,674百万円増の7,631,166百万円となりました。

純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ319,901百万円増の4,220,526百万円となりました。

 

*オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有する会社

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ92,897百万円減少し1,469,596百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得た資金は、542,422百万円(前年同期比281.1%)となりました。前年同期に比べ349,428百万円増加した主な要因は、預り金の増減額が105,479百万円、銀行業におけるコールマネーの純増減が120,000百万円増加したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は、600,782百万円(前年同期比269.2%)となりました。前年同期に比べ377,641百万円増加した主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が166,364百万円、事業取得による支出が109,835百万円増加したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は、76,534百万円(前年同期比25.9%)となりました。前年同期に比べ218,756百万円減少した主な要因は、社債の償還による支出が154,060百万円増加した一方、短期借入金の純増減額が282,202百万円、長期借入れによる収入が151,280百万円増加したこと等によるものであります。

 

(4)連結業績予想

2025年2月期の連結業績予想につきましては、2024年7月11日発表の業績予想から修正しております。業績予想は、将来の予測を行うために一定の前提を用いており、様々なリスクや不確定性・不確実性を含んでいるため、今後の事業運営や経済情勢の変化等の様々な要因により、現実の業績の数値、結果等と異なる可能性があります。

(連結業績予想)

 

 

 

(単位:百万円)

 

2025年2月期

今回発表予想

(2024年10月10日公表)

前期比

前期差

修正額

営業収益

11,879,000

103.5%

407,246

633,000

営業利益

403,000

75.4%

△131,248

△142,000

経常利益

356,000

70.2%

△151,086

△146,000

親会社株主に帰属する当期純利益

163,000

72.6%

△61,623

△130,000

※前提となる為替レート:U.S.$1=149.00円、1元=19.00円(修正有り)

※株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社セブン‐イレブン・沖縄、7-Eleven, Inc.及び

 7-Eleven Stores Pty Ltdにおける加盟店売上を含めた「グループ売上」の通期予想:18,993,000百万円

 

(セグメント別営業収益予想)

 

(単位:百万円)

 

2025年2月期

今回発表予想

(2024年10月10日公表)

前期比

前期差

修正額

国内コンビニエンスストア事業

915,000

99.3%

△6,706

△28,000

海外コンビニエンスストア事業

9,067,000

106.5%

550,060

657,000

スーパーストア事業

1,439,000

97.4%

△38,384

△9,000

金融関連事業

212,000

102.2%

4,520

2,000

その他の事業

312,000

75.9%

△99,305

2,000

11,945,000

103.6%

410,185

624,000

調整額(消去及び全社)

△66,000

△2,939

9,000

合 計

11,879,000

103.5%

407,246

633,000

 

(セグメント別営業利益予想)

 

 

(単位:百万円)

 

2025年2月期

今回発表予想

(2024年10月10日公表)

前期比

前期差

修正額

国内コンビニエンスストア事業

239,600

95.6%

△10,944

△20,400

海外コンビニエンスストア事業

207,200

68.7%

△94,428

△111,500

スーパーストア事業

13,500

99.3%

△88

△5,100

金融関連事業

30,400

79.6%

△7,772

△5,600

その他の事業

3,600

133.9%

911

1,900

494,300

81.5%

△112,322

△140,700

調整額(消去及び全社)

△91,300

△18,926

△1,300

合計

403,000

75.4%

△131,248

△142,000

 

(5)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(8)研究開発活動

該当事項はありません。

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。