第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、不安定な国際情勢による世界的な資源高や、徐々に安定化の兆しが見えてきてはいるものの、経済全体に大きな影響を与えている円安により、依然として先行き不透明な状況が続きました。

加えてここ数年頻繁に発生している気候変動による大規模な自然災害などの環境変化、少子高齢化による人口動態の変化と働き方改革への対応など、全産業を取り巻く社会環境は急速に変化しており、企業はこれらの変化をしっかりと見通しながら事業運営を行っていく必要があります。

このような状況の中、当社の祖業であるOA機器市場は、入替サイクルの長期化、ペーパーレス化の浸透等により、市場の成長は鈍化してきております。一方、十数年前より取り組んできた情報セキュリティ機器市場は、中小企業にもIT化が進みつつある近年、ランサムウェアをはじめとしたサイバー攻撃が徐々に高度化し、各企業にもその対策の必要性が認識され始め、ニーズが加速してきました。IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)及びビッグデータを用いた全産業の様々なデジタル化が急速に進行している状況の中、中小企業における情報セキュリティ対策の需要はより一層高まってきております。

以上のような環境において、当社グループでは、2024年4月に「中期経営計画Evolution2027」を発表し、その中で「For Further Evolution!(さらなる進化に向けて)」をテーマに掲げ、経営基盤と事業基盤を盤石とし、個と組織の強化による進化を続け、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。その実現に向けて、「経営基盤、事業基盤の再強化、構造改革」、「事業領域拡大に向けた積極投資」、「収益構造の安定化」、「サステナビリティ経営 人的資本経営の推進」を重点戦略として位置付け、その推進によって更なる企業価値の向上に努めてまいります。

当中間連結会計期間におきましては、主力商品である情報セキュリティ機器などの販売が引き続き順調に推移いたしました。連結子会社である㈱アレクソンにおいても情報セキュリティ機器を中心に好調な販売を維持し、両社共同で開発した商品を当社の販売ルートで拡販するなど、引き続きシナジー効果を発揮することが出来ております。

また、「中期経営計画Evolution2027」で掲げた以下の4つの重点戦略を着実に進捗させております。

〔経営基盤、事業基盤の再強化、構造改革〕

経営人財の育成と社員の生産性向上に向けて、人財育成計画を策定し、取り組みを進めています。また、グループ一体経営の推進や事業ポートフォリオマネジメントの強化の一環として、当期より新たにグループ成長戦略推進本部を設置し、事業基盤の再強化に向けた各種プロジェクトの推進を行っております。

〔事業領域拡大に向けた積極投資〕

事業領域の拡大として、2024年4月に㈱アイ・ティ・エンジニアリング、2024年6月にOZ MODE㈱を当社グループに加え、新規事業としてSES事業に進出し、順調な立ち上がりを見せております。

〔収益構造の安定化〕

「No.1ビジネスサポート」の保有契約件数が堅調に推移し、ARPU(1ユーザー当たりの平均売上)も引き続き向上しております。また、クラウドサービス事業の拡充として「デジテラス」に新サービスを加え、販路拡大を進めております。

〔サステナビリティ経営 人的資本経営の推進〕

若手人財の給与の見直し、営業職に対する営業特別手当を新たに設定、また、奨学金返還支援制度を開始するなど、「人的資本経営」の推進の方針に則り、若手人財の給与水準向上の施策を行いました。その他にも、女性活躍推進をテーマとしたイベントの定期実施(No.1ℒ’S CAFÉ)など、新たな取り組みも積極的に行いました。

以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は6,824,952千円(前年同期比3.7%増)、経常利益は480,110千円(前年同期比2.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は221,707千円(前年同期比37.8%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

(流動資産)

 流動資産は、前連結会計年度末比26,029千円減少し、5,887,792千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加531,778千円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少271,223千円、商品及び製品の減少59,973千円、原材料及び貯蔵品の減少142,698千円、その他の減少84,411千円によるものであります。

(固定資産)

 固定資産は、前連結会計年度末比183,424千円増加し、2,370,269千円となりました。これは主に、のれんの増加64,566千円、投資その他の資産の増加124,837千円によるものであります。

(流動負債)

 流動負債は、前連結会計年度末比430,390千円減少し、2,786,208千円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少148,715千円、短期借入金の減少489,000千円、1年内返済予定の長期借入金の増加150,322千円、未払金の減少81,206千円、未払法人税等の増加130,153千円によるものであります。

(固定負債)

 固定負債は、前連結会計年度末比123,539千円増加し、1,243,906千円となりました。これは主に、長期借入金の増加140,312千円、社債の減少12,000千円によるものであります。

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度末比464,245千円増加し、4,227,947千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加115,760千円、自己株式の減少344,798千円によるものであります。

 この結果、自己資本比率は46.3%から51.0%に増加となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、2,816,853千円と前連結会計年度末と比べ531,778千円の増加となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、880,477千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益480,110千円、減価償却費127,524千円、のれん償却額65,134千円に対し、未払金の減少額104,093千円、仕入債務の減少201,384千円、法人税等の支払額147,569千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、247,238千円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出94,075千円、無形固定資産の取得による支出16,825千円、子会社株式の条件付取得対価の支払額16,720千円、非連結子会社株式の取得による支出47,505千円によるものであります。

上記の結果、当中間連結会計期間におけるフリー・キャッシュ・フローは、633,239千円の収入となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、272,542千円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入500,000千円に対し、短期借入金の返済による支出489,000千円、長期借入金の返済による支出209,366千円、配当金の支払額105,748千円によるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間の研究開発費の総額は2,626千円であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。