当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、本半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年3月1日~8月31日)の連結業績は、営業収益が4兆9,994億35百万円(対前年同期比6.1%増)、営業利益は986億円(前年同期より190億22百万円の減益)、経常利益は898億19百万円(前年同期より220億87百万円の減益)となり、営業収益が過去最高を更新しました。親会社株主に帰属する中間純利益は54億88百万円(前年同期より178億29百万円の減益)となりました。
当中間連結会計期間は、世界的な政情不安や戦乱、中国経済の成長鈍化等、先行きへの不透明感が継続しました。国内では、6月には実質賃金が2年3カ月ぶりにプラスに転じたものの、全体的な経済の回復では足踏みしています。8月以降の政府による光熱費の緊急支援策は消費動向には好影響を与えうるものの、日常生活における節約志向と、高付加価値商品・サービスへの積極的な支出への個人消費の二極化傾向には変化がありません。
そのような環境下で、営業収益についてはすべての報告セグメントが増収となりました。営業利益については、高利回りな営業債権残高の増加により、資本収益性が向上した総合金融事業、増床やリニューアル効果で、賃料収入が増加したディベロッパー事業、すべての上場子会社の損益が改善したサービス・専門店事業が増益となりましたが、小売事業を構成するGMS(総合スーパー)事業、SM(スーパーマーケット)事業、DS(ディスカウントストア)事業、ヘルス&ウエルネス事業、国際事業が減益となりました。
<グループ共通戦略>
・ 当社はイオングループ中期経営計画(2021~2025年度)で掲げた5つの変革「デジタルシフトの加速と進化」「サプライチェーン発想での独自価値の創造」「新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化」「イオン生活圏の創造」「アジアシフトの更なる加速」を着実に推進し、「環境・グリーン」の取り組みを進めています。
・ デジタルシフトの加速と進化:
GMS事業のイオンリテール㈱(以下、イオンリテール)では食品売場へのセルフレジの導入がほぼ完了し、お客さま自身が各売場で商品をスキャンしながら合計額を認識し、無人精算機でまとめて支払う「レジゴー」展開店舗が2024年6月に300店を突破しました。9月にはイオンのトータルアプリ「iAEON」に「レジゴー」の組み込みを開始し、各種クーポンに加えて株主さまには優待特典の適用等、より快適な買物体験を提供できるようになりました。現中期経営計画期間中に、当社グループ内各社が個別に認識している顧客IDの共通化を進め、お客さまが使用されるイオンカードや「iAEON」「WAON POINT」「AEON Pay」によってグループ内外に蓄積した販売データと購買履歴情報をもとに、旧来のマスマーケティングから1to1マーケティングへ転換して、顧客体験価値の最大化を目指します。実店舗では、レジの無人化のほか、“その日その時”の最適な値引き率を提示して食品ロスを低減する「AI カカク」、需要を予測して商品発注を最適化する「AI オーダー」等、AIの活用で創出された人時を接客や売場での創意工夫等、お客さま満足に直結する業務に充て、サービスの質を高めます。
オンラインチャネルでは、買物時間短縮の必要性が高く、実店舗への来店機会も限られるお客さまへの対応を強化しています。顧客フルフィルメントセンター(CFC)から商品を出荷するネットスーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」では、多様な品揃えや生鮮食品の鮮度や食べごろの保証、7時から23時まで1時間単位で商品受取を指定できる利便性がお客さまに支持をいただき、従来型の店舗数が限られる首都圏エリアで事業基盤の強化が進んでおり、会員数は約33万人となりました(2024年9月末時点)。2027年度には1都3県の主要エリア最大約1,500万世帯への配送が可能となる見込みです。
・ サプライチェーン発想での独自価値の創造:
当社のプライベートブランド(以下、PB)であるトップバリュは50周年を迎えました。お客さまの声を取り入れた商品開発を進め、国内外のグループ約1万7千店舗のスケールと原材料や商品の調達、物流の共通インフラを活用し、消費の二極化への対応を続けています。トップバリュ(付加価値型)、トップバリュ ベストプライス(価格訴求型)、トップバリュ グリーンアイ(環境配慮型)の3ブランドを中心に、グループ各社が地域生産者と開発を進めるローカルPBや、薬やペット、スポーツといった専門性の高い商品群のPBも展開しながら、2025年度までにPB全体で売上2兆円を目指します。また、持続可能な社会への取り組みとして、消費者の支持が高まるオーガニック食品にも注力しています。商品調達ルートを活用し、豊富な品揃えとお手頃価格を実現することで、2025年度までに国内オーガニック食品市場において「トップバリュ グリーンアイオーガニック」のシェア30%を目指します。さらに、トップバリュのすべての商品をReduce(リデュース=削減化)、Reuse(リユース=再使用化)、Recycle(リサイクル=再資源化)の3Rに対応した開発を行い、お客さまの普段の消費活動が環境負荷低減につながる仕組みをつくります。
商品の企画、製造、販売の内部化や機能会社の活用による収益力強化も進めています。衣料品では、2024年3月にトップバリュコレクションからファミリー向けのデイリーカジュアル「TVC(ティーヴィシー)」へブランドを刷新しました。食品では6月に本格レストランで提供される品質を実現しながら効率的に商品を製造・販売できる次世代型総菜プロセスセンター「Craft Delica Funabashi」(千葉県船橋市)が稼働しました。さらに、7月には新物流センター「イオン福岡XD」(福岡市東区)が本格稼働しました。ここでは、物流センター内作業の改善や最適配送による走行距離の短縮に取り組むとともに、物流作業の自動化を推進しています。作業負荷の軽減や生産性の向上に加え、燃料電池小型トラック導入等を通じてCO2排出量削減にも取り組みます。
・ 新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化:
医療格差、健康格差及び地域間格差の拡大が大きな社会問題となる中、2024年2月、当社と㈱ツルハホールディングス、ウエルシアホールディングス㈱(以下、ウエルシアホールディングス)は経営統合の協議を開始することに合意し、資本業務提携契約を締結しました。日本全国に店舗を展開する最大のドラッグストア連合体を創成し、食品や生活雑貨も含めた買物の利便性を高め、健康サービスの都市部偏在の解消と、ヘルス&ウエルネスのグローバル企業への成長をはかります。また、イオンリテールは、シニアケアや介護に必要となる情報に着目して立ち上げたプラットフォーム「MySCUE」の常設店を都心部にオープンしました。より安心してシニアケアや介護と向き合える環境をつくり、少子高齢化の中、皆さまのより良いくらし(ウエルネスライフ)を実現できるよう取り組んでまいります。
・ イオン生活圏の創造:
当社は、各地域のニーズに応じて現中期経営計画で掲げている「5つの変革」で豊かな生活圏を創造することを目指しています。首都圏では、Green Beansとまいばすけっとにより、ECと実店舗の両面から顧客接点を強化しています。買物の利便性の低い地域において移動スーパーの取り組みに注力し、地域の中核となっているイオンモールでは地方公共団体とも連携しながら、コミュニティの構築や環境保全活動を進めています。さらに、2021年3月に関東地方整備局から開始した国土交通省地方整備局との「災害対応に関する協定」締結は、2024年5月の近畿地方整備局をもって、全国の国土交通省8地方整備局にて完了し、8月には陸上自衛隊東部方面隊と「大規模災害時等の連携強化に関する協定」を締結しました。今後も地域のお客さまのくらしを支えるライフラインとしての社会的責任を果たしてまいります。
ウエルシアホールディングスは、2024年5月に、日本全国約370社と提携しているWAON POINTを基盤とする新たなサービスを強化しました。また、イオンフィナンシャルサービス㈱(以下、イオンフィナンシャルサービス)の子会社である㈱イオン銀行(以下、イオン銀行)では、㈱フジ(以下、フジ)の子会社である㈱フジ・カードサービスのクレジットカード事業を譲り受け、まずは中国・四国・兵庫エリアで、イオン生活圏の拡大に向けて顧客基盤強化を進めていきます。
所得や信用力の違いから生じる利便性の差を埋める金融包摂のニーズが大きいアセアンにおいては、デジタルチャネルを通じて、生活に密着した次世代型のサービスを展開していきます。2024年5月、マレーシアではイスラム金融方式の商品・サービスを採用したデジタルバンクAEON BANK(M) BERHAD(以下、AEON BANK(M))が営業を開始し、預金、デビットカード、QRコード決済のスマートフォンアプリを導入しました。ベトナムでは、イオンフィナンシャルサービスが個人向けローン事業を中心に展開するPost and Telecommunication Finance Company Limited(以下、PTF)を今年度中に完全子会社化し、アジアで30年以上にわたり提供してきたノンバンクとしてのノウハウを活かして、金融包摂に貢献します。
・ アジアシフトの更なる加速:
当社は1984年にマハティール首相(当時)の要請を受けてマレーシアに初出店して以来、40年にわたってアジアで事業基盤を構築してきました。現中期経営計画では、人口ボーナス期にあり消費性向の高いベトナムを最重要国と位置づけ、出店を加速します。9月には中部エリアでは初となる大型モールをフエ省にオープンしました。また、ベトナム以外でも人口動態や交通網の整備状況を考慮し、市場拡大が見込まれる地域に新規出店を行っています。3月にはインドネシア デルタマス、6月には中国浙江省杭州市、9月には同湖南省長沙市で新店を開業しました。また、現中期経営計画の3つ目の柱であるヘルス&ウエルネスの進化について、公的保険制度が整っていないアジアでは民間企業のサービスに大きな成長が期待されるため、グループの既存のインフラも活用しながら、地域生活者のより高いレベルの「ヘルス&ウエルネス」の実現に向けて、積極的に事業を展開していきます。
・ 環境・グリーン:
当社は「イオン脱炭素ビジョン」で掲げた2030年までの中間目標を2023年12月に7年前倒しで達成したことを受け、2024年7月のサステナビリティ・リンク・ボンド起債時には、前回2023年8月の起債時に設定したKPI/SPT(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)の使い捨てプラスチック使用量、食品廃棄物発生量の削減目標に加え、判定日時点のCDP気候変動の最終スコアAの維持を目標に設定しました。イオンモール豊川(愛知県豊川市)では「脱炭素都市づくり大賞」において最優秀賞「環境大臣賞」を受賞し、イオン銀行ではJ-クレジット運営管理業務を開始する等グループ全体で環境・グリーン対応に注力しています。8月には持続可能な漁業を行う漁業者を認証する制度の運営機関であるMSC(Marine Stewardship Council)の日本事務所が主催する「MSCジャパン・アワード2024」にて、小売部門のアワードを受賞しました。今後も「イオン サステナビリティ基本方針」に基づき、2040年までにグループで排出するCO2の総量ゼロの達成等、持続可能な成長に向けた取り組みを推進していきます。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
なお、当中間連結会計期間より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当中間連結会計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
① GMS事業
GMS事業は、営業収益1兆7,552億76百万円(対前年同期比102.6%)、営業損失82億60百万円(前年同期より117億78百万円の減益)となりました。
イオンリテールは、「荒利益額の最大化」「ショッピングセンター収益改善」「デジタル売上拡大」を実行しながら、様々なコスト上昇に耐えうる経営基盤を構築すべく「収益構造改革」を加速しています。荒利益額の最大化について、当中間会計期間は、食品PBを中心にシェアと客数を重視した低価格戦略の結果、荒利益率が低下しました。一方で、期間を限定せずに3月に「厳選28品目」、7月に「厳選32品目」で実施した値下げにおいては、ナショナルブランド対比での価格優位性に対するお客さまの支持を再確認できました。SPA(製造小売業)企業の荒利益率を目標とした改革を進める衣料品では、デイリーカジュアル、ネクストエイジ(若年層)、スポーツライフ、セカンドライフ(シニア層)、オケージョン、雑貨の6つの領域にて、売場環境、品揃え、接客を含めた働き方を改革する「専門店モデル」の導入を進め、当中間会計期間末では累計6店舗に拡大しました。モデル店舗は売上高・荒利益額ともに大きく改善しており、下期にはさらに8店舗に導入を予定しています。住居余暇では、6月の定額減税を受けての販促施策や酷暑対策商品、南海トラフ地震の懸念や気温の上昇に伴う豪雨による水害発生を受けて防災関連商品が好調に推移しました。ショッピングセンター収益改善については、集客策、空床の削減、テナントの一時利用の拡大等に加え、施設の魅力を高めるための大型活性化によりテナント家賃収入が増加し、空床率の改善が続いています。デジタル売上拡大においては、ネットスーパーでは予約企画や非食品の品揃えを強化して客単価の向上をはかり、エリアカバー率の向上と商品のピックアップの多様化に対応すべく、拠点数のさらなる拡大を進めています。収益構造改革においては、デジタルを活用した生産性改善と、店舗・本社の経費削減の両輪で推進しています。なお、同社は9月、従来の再入社制度を「ウェルカムバック制度」に刷新しました。正社員だけでなく時間給従業員や転職者、新卒採用の内定辞退者が退職・辞退理由に関わらず、多様な経験やスキルを活かして再び活躍できる機会を提供することで、人的資本を基盤とした成長戦略を強化していきます。
イオン北海道㈱では、経営ビジョンである「北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業」の実現に向けて、「独自商品の強化」「新オペレーションへの移行と定着」を最重点施策として取り組み、当中間会計期間の売上高は過去最高を更新しました。トップバリュのほかに、一度も冷凍せずに美味しさを追求した「イオン北海道本気!のロースとんかつ」等、同社ならではの商品が好調に推移しています。生産性の向上を目指して電子棚札やセルフレジ、AIが勤務計画を自動立案する仕組みの導入を継続した結果、1店舗当たりの総労働時間は前年同期比98.8%となりました。また、新たな取り組みとして、お客さま自身で商品のスキャンができ、レジでの待ち時間解消が期待できる「iレジ」を実験導入しました。立地特性やお客さまのライフスタイルに合った品揃えを実現すべく、当中間会計期間では4店舗で大型活性化を行いました。低価格商品のニーズに応えてSMのマックスバリュからDSのザ・ビッグへと業態変更した2店舗は好調に推移しています。最も重要な顧客接点と位置付けるiAEONでは、個別のお客さまの志向に合ったクーポンを配布する新たなシステムを導入したほか、道内128店舗で電子レシートを利用可能としました。
イオン九州㈱では、新たに策定した中期経営計画(2024~2026年度)において掲げた「成長領域へのシフト」「商品改革」「既存資産の魅力度向上」「生産性・経営効率の向上」「サステナブル経営の推進」の重点取り組みを通じて経営環境の変化に対応し、企業価値の向上に努めています。インバウンド需要の増加に加え、半導体関連産業を中心とした設備投資の活発化による地域経済への波及効果が生じつつある一方で、九州エリアの経営環境は厳しさを増しています。食品では日常消費に対する節約志向の高まりへの対応として「しあわせプラス(応援価格)」をはじめとした値ごろ感重視の施策に注力し、衣料品、住居余暇では定額減税や猛暑に対応する商品展開、デジタルを活用した販促ではiAEONでのクーポン企画等で需要の喚起に努めた結果、既存店売上高前年同期比が伸長し、営業収益は過去最高を更新しました。新たな顧客接点の創出においては「Uber Eats」「Wolt」を利用した商品配達サービスや「イオンの移動販売」、オフィス向けキャッシュレス無人店舗「スマートNICO」の拠点を拡大し、iAEONで同社をお気に入り店舗とする会員数は当中間会計期間末時点で約70万人まで増加しました。DX関連投資や省エネ投資拡大に伴う減価償却費の増加、賃上げに伴う人件費の増加やイオンウエルシア九州㈱への先行投資により、販売費及び一般管理費が前年同期比106.7%と大幅に増加し、営業利益以下各段階利益が減益となったものの、6月には福岡都市高速6号線の工事ヤード活用の選定事業者としてショッピングセンター敷地内に新たな商業施設を開業する等、地域のお客さまの快適さや居心地を重視しながら、店舗の収益力向上をはかっています。
② SM事業・DS事業
SM事業は、営業収益1兆4,998億13百万円(対前年同期比110.8%)、営業利益103億47百万円(前年同期より61億36百万円の減益)となりました。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱(以下、U.S.M.H)及び同社連結子会社では、当中間連結会計期間に、マルエツ草加デリカセンターを本格稼働させました。伸長する調理食品の品揃えの充実をはかるとともに、店舗作業の軽減化を目指し、同社グループの約500店舗への商品供給を開始しました。㈱いなげや(以下、いなげや)とは、11月の経営統合に向けた準備を推進し、商品の共同調達、物流・プロセスセンターの整備と効率化、バックオフィスのコスト削減、キャッシュレスやポイントカード等の共同施策、ネットビジネスの開発や拡大等、統合効果を最大限に発揮できる体制の模索を進めています。また、事業会社ごとに地域社会の課題解決に向けて、地域の特性やニーズに合わせた社会貢献活動、お客さまとともに取り組む食品支援活動や募金活動、あるいは地域行政との包括連携協定、買物困難地域への移動スーパーの運行等の活動を通じて、地域とのつながりの強化に努めています。同社連結子会社の㈱マルエツでは、客数及び客単価が前年同期を上回り、増収増益となりました。セルフレジを累計229店舗、電子棚札を累計150店舗へ拡大する等、生産性の向上に努め、来店宅配サービスを累計215店舗で実施して接客・サービスを充実させています。同じく㈱カスミ(以下、カスミ)では、消費頻度の高い商品の店頭価格の値下げを行い、新店ではデジタルを利用した鮮魚の加工注文システムを導入する等、顧客サービスの充実に努めた結果、客数が回復傾向となり、客単価も前年同期を上回ったことで増収となりました。同じくマックスバリュ関東㈱では地域のお客さまのライフスタイルに合わせて青果・鮮魚部門での対面販売や、新鮮な素材を店内加工した生鮮惣菜を強化しました。また、8月には食品残渣の再生利用事業計画(食品リサイクル・ループ)について、農林水産省、環境省、経済産業省の大臣認定を取得し、U.S.M.Hグループ内では2021年に取得したカスミに続く2例目となりました。
フジは、同社を存続会社、㈱フジ・リテイリング及びマックスバリュ西日本㈱を消滅会社とする吸収合併を3月1日に実施しました。新生「株式会社フジ」は中国・四国・兵庫エリアを事業基盤として2030年度における目標を営業収益1兆円とする2024~2026年度中期経営計画を新たに策定し、3つの基本戦略「企業文化の確立」「既存事業の改革」「事業インフラの統合とシナジー創出」と「ESG経営の推進」に全社を挙げて取り組んでいます。企業文化の確立においては、経営理念やビジョンの浸透をはかるべく、各種研修や教育を行うとともに、従業員一人ひとりがより自律的に行動する風土や組織づくりに取り組んでいます。既存事業の改革においては、上期に14店舗の活性化を実施し、下期には4店舗のスクラップアンドビルドと15店舗の活性化を予定しています。店舗では、セルフレジや電子棚札の導入が進み、全店舗での導入が完了した需要予測型自動発注システムを活用して、下期は在庫管理の精度向上に取り組んでいきます。事業インフラの統合とシナジー創出においては、サプライチェーンの統合と整備を進めており、自社プロセスセンターでの商品の仕様統一やエリア単位での商品供給体制の再構築を進め、トップバリュの取り扱いアイテム数の拡大や、それぞれの地域に根差したオリジナル商品の開発にも注力しています。ESG経営の推進においては、寄付金贈呈や食育活動、店頭でのフードドライブ活動等を通じて地域社会との共生をはかり、冷蔵ケースの入れ替えといった省エネ施策に加え、自家消費型太陽光発電のPPA(電力販売契約)モデルの導入により環境負荷低減に努めています。
マックスバリュ東海㈱では、ブランドメッセージである「想いを形に、『おいしい』でつながる。」を具現化すべく、中期経営計画(2024~2026年度)で掲げた3つの基本戦略「事業構造の変革」「テクノロジーの活用を通じた付加価値の創造」「サステナビリティ経営の推進」に取り組んでいます。営業面では、時間帯に応じた品揃えや鮮度・出来たて商品の訴求に注力し、デリカ商品や冷凍食品の品揃え拡大に取り組みました。節約志向に対応するため、火水曜市やお客さま感謝デー等の販促強化を実施し、iAEONを活用したクーポン配信に加え、株式上場20周年を記念したセールやキャンペーンも実施しました。また、セルフレジの導入に加え、電子棚札を93店舗で導入したほか、日本気象協会が提供する気象予測データを活用した農産品の自動発注支援システムも合わせて、デジタルを活用してお客さまの利便性と生産性の向上をはかりました。さらに、地域の要望に応えて移動スーパー車両を29台、ネットスーパーを28拠点、無人店舗「Max マート」を71店舗、「Uber Eats」を利用した商品配達サービス拠点数を70拠点までそれぞれ拡大し、買物機会の提供に注力しています。商品面では、じもの食材を活用したトップバリュ商品の拡販やローカルPBとして「富士宮やきそば」を、また健康的な食生活を提案する「ちゃんとごはん」の取り組みでは行政との共同開発弁当を販売しました。持続可能な社会の実現へ向けた取り組みでは、新たに10店舗と本社で自家消費型太陽光発電のPPAモデルを導入して再生可能エネルギーへの転換を進め、移動スーパーの稼働に合わせて高齢者等の買物支援・見守り活動に関する協定を締結する等、地域福祉の増進に努めています。
いなげやは、「まずはお客様ありき」の精神を掲げ、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏エリアにて地域のお役立ち業として事業を展開しています。2023年11月に当社の連結子会社となり、2024年11月のU.S.M.Hとの経営統合実現に向けて協議が進められています。曜日セールやポイント施策の強化、ECチャネルの拡大等を通じて営業収益の伸長をはかっており、2024年6月末時点で、全130店舗中ネットスーパーの拠点は20拠点、提携する移動スーパー「とくし丸」の配車は26台にまで拡大されました。生活様式の変化に対応し、地域のお客さまの困りごとが解消できるよう注力しています。また、セミセルフレジ、セルフレジの全店導入で生産性向上をはかり、電子棚札を活用したドライ商品の賞味期限のチェックシステムを導入することで、お客さまのストレス軽減と安全安心への対応もあわせて行っています。
DS事業は、営業収益2,041億1百万円(対前年同期比101.8%)、営業利益39億96百万円(前年同期より2億52百万円の減益)となりました。生鮮食品を中心とした価格競争力の強化による節約ニーズへの対応に注力し、単位当たりの安さを追求したケース販売や、大容量商品を訴求しながら、iAEONやAEON Payの活用で、お客さまの利便性も向上させています。㈱ビッグ・エーでは、店舗活性化で品揃えとゾーニングの見直しに取り組んだ結果、増収増益となりました。
③ ヘルス&ウエルネス事業
ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益6,574億18百万円(対前年同期比107.1%)、営業利益184億97百万円(前年同期より57億63百万円の減益)となりました。
ウエルシアホールディングス及び同社連結子会社では、2030年のありたい姿として「地域No.1の健康ステーション」の実現を目指しています。6月には、長野県を地盤に21店舗を展開する㈱とをしや薬局、また9月には当社及びいなげやから㈱ウェルパークの株式を取得し、連結子会社としました。地域の有力企業とのグループ化によって質と規模を拡大し、「調剤併設」「カウンセリング」「在宅介護」「深夜営業」の4つの強みを要素とするウエルシアモデルを中心とした施策を推し進めていきます。地域社会の皆さまの健康増進については、昨年度に続いて熱中症対策のためのクーリングシェルターを189の自治体の店舗に設置しました。物販部門では、オリジナルPB「からだWelcia」「くらしWelcia」の開発及び拡販を進め、同社のポイント会員であるウエルシアメンバーがWAON POINTサービスとの連動により1,279万人まで増加しました。調剤部門においては、調剤併設店舗数の増加(当中間連結会計期間末現在2,225店舗)により処方箋受付枚数が増加しており、たばこ取り扱い中止が物販部門の減収要因となる中で、物販及び調剤合計の既存店売上高前年同期比は堅調に推移しました。
④ 総合金融事業
総合金融事業は、営業収益2,552億96百万円(対前年同期比107.4%)、営業利益274億89百万円(前年同期より58億66百万円の増益)となりました。
イオンフィナンシャルサービスはOur Purpose「金融をもっと近くに。一人ひとりに向き合い、まいにちのくらしを安心とよろこびで彩る。」のもと、小売業発の金融グループの強みである「生活者視点」に立ち、展開するアジア各国において、すべてのお客さまのライフステージや生活環境の変化に対応した金融サービスの提供を目指しています。
国内では、日本銀行による金融政策の見直しや金利情勢の変化への対応を進め、5月に円預金及びローン金利の改定を実施しました。イオン銀行では、競争力のある優遇金利の設定に加えて住宅ローン契約者さまのイオングループでのお買物が毎日5%割引となるメリット訴求に努めた結果、住宅ローンの取扱高は3,202億63百万円(前年同期比121.7%)と増加しました。AEON Payにおいては、イオングループ各社に加えて、少額決済や、ドラッグストアや家電量販店等、生活に密着した業態での決済需要への対応を進め、ATMでの現金チャージが可能となる機能拡充により、より幅広い層のお客さまに利用いただけるようになりました。4月に開始した、ゴールド会員に限り毎月20日・30日の全国のイオンモールでのお買物が5%割引となる特典の認知が向上したこともあり、国内カード有効会員数は3,200万人(期首差51万人増)、カードショッピング取扱高は3兆7,054億90百万円(前年同期比106.1%)と堅調に推移しました。
海外では、各展開国におけるお客さまのニーズに対応した金融サービスの導入を強化しています。中華圏では、主要エリアの香港で、中国経済の停滞に加え、物価や住宅ローン金利上昇により生活者負担が継続し、貸倒関連費用が増加しています。このような環境下で収益力改善をはかるべく、訪中ニーズの高まりに合わせてモバイルペイメントを推進、融資や保険等の対面相談ニーズに応えるため鉄道駅直結のモールへ新規出店する等、リアル及びデジタルの顧客接点の強化を進めています。メコン圏では、貸倒関連費用の高止まりが利益を圧迫するタイにおいて、AI等を活用した審査及び途上与信の精緻化を進めるとともに、コード決済「Scan to pay」ではMaster Cardブランドに加え新たにVISAブランドの利用も可能とし、稼働率向上をはかりました。ベトナムでは、従来の自社割賦販売に加え、2023年10月に完全子会社化を決議したPTFを通じて、個人ローンでも事業拡大を目指します。マレー圏では、主要エリアのマレーシアで5月に開業したAEON BANK(M)のデジタルバンクにおいて、お客さまに身近なチャネルであるスマートフォンアプリを通じたイスラム金融方式のサービス提供を進め、口座数及び預金残高が順調に拡大しています。
⑤ ディベロッパー事業
ディベロッパー事業は、営業収益2,467億96百万円(対前年同期比105.8%)、営業利益273億85百万円(前年同期より22億98百万円の増益)となりました。
イオンモール㈱では、当中間連結会計期間の営業収益、営業利益、経常利益が増収増益となりました。2023年5月に策定した2030年ビジョン「イオンモールは、地域共創業へ。」に基づき「つながる」を創造し、広げ、深め、持続可能な地域の未来につながる営みを共創する企業を目指しています。人口動態の変化等により、国・地域ごとに抱える課題が多様化・複雑化している社会において、一律ではなく、地域の生活圏に着目し徹底したマーケット分析・調査を行うことで、各地域が抱える課題やニーズを汲んだ事業展開を進めていきます。
国内では、既存モールの積極的な活性化に加えて、猛暑に対するクールシェアスポットとしての集客施策の実施や、円安を背景として増加傾向にあるインバウンド消費の拡大等の効果で収益力が回復しました。既存モール専門店売上は対前年同期比105.9%(対象92モール)と伸長して増収増益となり、営業利益は3~5月に続いて2桁増益を達成しました。既存モールの収益力強化に向けた取り組みとして、3月にイオンレイクタウンのLake Town OUTLET(埼玉県越谷市)、4月にイオンモール太田(群馬県太田市)を増床リニューアルしました。また、インバウンド消費に加え、国内のお客さまには「安・近・短」のレジャー需要に対応したことで、来店客数が好調に推移しました。新規物件のオープン予定のない当連結会計年度は、出店立地のマーケットに応じた既存モールのリニューアルを積極的に実施し、お客さまへの提供価値の多様化をはかるとともに、共用部における快適な空間や施設環境の整備を目的とした建物修繕を積極的に実施する等、新たな来店動機の創出と来店頻度の向上を実現していきます。
海外では、営業収益は2桁増収したものの、好調のベトナムとインドネシアが中国とカンボジアの減益を補い切れず、営業利益はわずかに減益となりました。最重点出店エリアであるベトナムでは、9月に、中部エリアで初となるイオンモール フエ(フエ省)を開業し、同じく中部エリアにイオンモール ダナン タンケー(ダナン中央直轄市)の出店も決定しました。インドネシアでは、人気の高いローカル専門店やブランドコラボレーションによる新業態提案等によりリーシングを強化した結果、来店客数、空床率とも改善しました。3月に開業したイオンモール デルタマス(ブカシ県)では、世界最大規模の都市開発事業が進められるデルタマスシティのライフスタイル機能の一翼を担い、新たな価値やコミュニティ醸成の場を提供します。中国では、不動産不況の長期化に伴う景気の先行きへの不透明感が根強く、来店客の買い回りが減少傾向にあります。一方で、飲食やアミューズメント等、時間消費型の業種は堅調であることから、買上率や買上単価向上につながる営業施策に注力します。カンボジアでは、中国経済の影響で在柬中国人の消費が低調ですが、周辺道路の工事渋滞の影響を受けていたイオンモール ミエンチェイ(プノンペン都)では、リノベーションによるエンターテインメント機能の強化と、道路工事進捗による現在の渋滞緩和を追い風に、空床率と収益性の改善を進めます。
⑥ サービス・専門店事業
サービス・専門店事業は、営業収益3,668億15百万円(対前年同期比101.1%)、営業利益141億93百万円(前年同期より25億8百万円の増益)となりました。
イオンディライト㈱の当中間連結会計期間は顧客内シェア拡大や新規受託物件の増加に加え、前年度より注力するお客さまとの交渉を通じた単価見直しの推進等により増収増益となりました。人件費の高騰が課題となる中、設備管理事業では、デジタル化によりローコストオペレーション体制を敷きながら、売上高を拡大したことで増益となりました。また、資材関連事業では、各種資材の受注を拡大するとともに、原価上昇分の適正な売価への反映や配送効率の向上を通じた物流コストの抑制に取り組み、大幅な増益となりました。
㈱イオンファンタジーは、「こどもたちの夢中を育み、“えがお”あふれる世界をつくる」というパーパスの実現に向け、『こどもたちの“たのしい”を創造し、「こころ・あたま・からだの成長」を育み続けるファミリー支援企業になる』ビジョンのもと、新中期経営計画(2024~2026年度)を推進しています。当中間連結会計期間は、新業態大型店や戦略的小型店の出店を進めている国内及びアセアン事業が好調に推移し、営業収益、営業利益が過去最高を更新しました。国内事業では、従来のプライズ専門店「PRIZE SPOT PALO」とカプセルトイ専門店「TOYS SPOT PALO」を好収益・高付加価値モデルへと進化させた新業態「クレーン横丁」「カプセル横丁」を導入しました。大型プレイグラウンド「ちきゅうのにわ」や小型業態の「スキッズガーデン」とともに、好調に推移しています。海外について、アセアン事業では売上高、営業利益ともに、中間連結会計期間としては3期連続で過去最高を更新しました。主力のプレイグラウンド業態において「独自の内装や遊具」「高い安全性」「スタッフの接客力」で差別化をはかり、競合優位性を確保しています。また、インドネシアでは大型プレイグラウンド「Kidzooona Safari」の新規出店に加えてアミューズメント「モーリーファンタジー」を再出店する等、地域の市場特性に合った店舗フォーマットを展開しています。なお、当中間連結会計期間に新業態を中心に92店舗を出店する一方で不採算店舗等52店舗を閉店した結果、2024年8月末時点の店舗数は国内737店舗、海外470店舗、合計1,207店舗となりました。
㈱コックスは、「ブランド力強化・MD改革による荒利率の改善」「EC運営改善・DtoC(Direct to Consumer)強化によるEC売上の拡大」「売り方改革・売場改革による店舗売上の回復」を重点施策に掲げています。当中間連結会計期間は、3年目となる著名タレントとの雑誌タイアップ企画をメンズ商品にも拡大することでブランド発信強化・売上拡大策を推進しました。正価販売の徹底と、丁寧な割引販売に加え、猛暑・残暑を見据えた夏物在庫の積み増しも増収に貢献しました。特に、自社ECサイト強化に向けて会員メリットをアプリのリニューアルで強化したことにより、当中間連結会計期間末のアプリ会員数は前年同期比133.8%へ増加しています。また、DtoCでは、SNSを通じた新規顧客獲得策として開始したインフルエンサーとのコラボ商品がブランド認知度拡大と売上拡大の両面で奏功しており、EC限定ブランド「notch.」の売上高は前年同期比136.6%と伸長しました。
⑦ 国際事業(連結対象期間は主として1月から6月)
国際事業は、営業収益2,738億96百万円(対前年同期比107.5%)、営業利益49億53百万円(前年同期より8億65百万円の減益)となりました。
マレーシアでは、生活防衛意識は高水準で継続している一方、昨年来低迷していた輸出が5月以降上向き、従業員積立基金(EPF)で当座の生活資金の確保を容易にする新制度が開始される等、消費の外部環境が好転してきました。AEON CO.(M)BHD.(イオンマレーシア)では、PBや自社で輸入調達した商品を拡販の中心に据え、既存店の大型改装や生鮮・デリカの拡充で収益拡大に取り組んでいます。南部のジョホール州では、物価が高騰するシンガポールからの買物客の流入が続き、店舗、モールとも顕著に増収しました。5月に配送地域を国内全域に拡大したネットスーパーのMyAEON2goでは、取引件数が前年同期比11%増、客単価も同3%増と伸長し、食品、衣料品、住居余暇のすべての売上高が増加しました。
AEON VIETNAM CO.,LTD.(イオンベトナム)では、既存店、新店ともに増収し、特に当中間会計期間では、PBやデリカ等で他社との差別化を進めた食品の売上高が2桁増加しました。GMSと大規模SMを合わせた8拠点で展開しているネットスーパーでは、実店舗のブースやオンラインで積極的に新規登録者の獲得を進めた結果、4~6月だけで会員数が約40%増加しました。スタッフによるライブ配信等、新たなプロモーション施策にも取り組んでいます。
中国においては、不動産不況と消費鈍化が景気の重荷となり、4~6月の前年同期比実質GDP成長率は、1~3月の+5.3%、政府目標の+5.0%前後のいずれも下回る+4.7%と低水準にとどまりました。消費者信頼感指数の下降傾向は変わらず、耐久消費財の低迷が社会消費財小売総額を下押ししています。香港でも、大陸への北上消費の増加を要因として域内消費総額が大幅に減少しました。そのような中でも湖北エリアでは武漢江夏店が好調を維持し、荒利益率も改善しています。7月以降は十元均一販促や独身の日(11月11日)等の催事を強化し、トップバリュ50周年に合わせた売れ筋商品の増量や割引企画、東南アジア生産商品の販売、店舗へのデジタルツールの導入等、利益改善策に一層注力していきます。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末から8,578億84百万円増加し、13兆7,987億53百万円(前期末比106.6%)となりました。前連結会計年度末からの増加の主な要因は、銀行業における貸出金が3,697億99百万円、現金及び預金が2,207億57百万円、有形固定資産が1,475億42百万円、有価証券が719億60百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債は、前連結会計年度末から8,400億12百万円増加し、11兆6,936億80百万円(同107.7%)となりました。前連結会計年度末からの増加の主な要因は、銀行業における預金が3,254億23百万円、支払手形及び買掛金が2,851億26百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が2,571億73百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が196億37百万円増加したこと等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末から178億72百万円増加し、2兆1,050億73百万円(同100.9%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の当中間連結会計期間末残高は、前連結会計年度末から1,977億95百万円増加し、1兆2,618億89百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による結果、増加した資金は2,538億89百万円(前年同期比153.7%)となりました。前中間連結会計期間に比べ887億25百万円収入が増加した主な要因は、仕入債務の増減額が2,210億61百万円増加するとともに、銀行業における預金の増減額が2,164億80百万円増加したことにより資金が増加した一方で、銀行業における貸出金の増減額が2,833億79百万円増加したことにより資金が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による結果、減少した資金は1,115億32百万円(前年同期比40.1%)となりました。前中間連結会計期間に比べ1,665億86百万円支出が減少した主な要因は、支配喪失会社からの貸付金の回収による収入が2,191億円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が233億1百万円増加するとともに、銀行業における有価証券の取得による支出が313億56百万円減少した一方で、銀行業における有価証券の売却及び償還による収入が370億21百万円減少するとともに、投資有価証券の取得による支出が955億74百万円増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による結果、増加した資金は373億75百万円(前年同期は264億15百万円の資金の減少)となりました。前中間連結会計期間に比べ637億90百万円収支が改善した主な要因は、長期借入れによる収入が1,509億79百万円増加するとともに長期借入金の返済による支出が741億97百万円減少した一方で、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が1,591億64百万円減少し資金が減少したこと等によるものです。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。