当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、2023年7月4日に行われたSARL ROBIN MARINEとの企業結合について前連結会計年度末に暫定的な会計処理を行っておりましたが、当中間連結会計期間に確定したため、前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
当社グループは、2030年までに目指す姿を経営ビジョン「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」として定め、事業ビジョン「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」及び人財・企業風土ビジョン「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」を目指した経営を推進しております。その中で、当社グループは、利益水準の向上、売上規模の拡大による成長投資の資源捻出、サステナブル経営の実行を主な基本施策とする中期経営計画フェーズ2(2024年2月期~2026年2月期)の2年目を迎えました。
当中間連結会計期間の世界経済は、金融引き締め政策の継続による各国経済への影響や、ウクライナ紛争の長期化、中東情勢の緊迫化による地政学的リスクの高まり等、先行きが不透明な状況が続いたものの、緩やかな回復基調となりました。米国は、個人消費、設備投資等が好調に推移したものの、金融引き締めが続く中で労働市場の減速がみられ、軟調に推移しました。欧州は、インフレ圧力の緩和による個人消費の持ち直し等にともない緩やかな回復基調となりました。中国は、不動産投資や個人消費の低迷等により、低調に推移しました。わが国においては、政府消費と公共投資が増加したほか、所得環境の改善に伴う個人消費の増加により、緩やかに回復しました。
このような経済環境の中、当社グループの関連する市場において、舶用事業のうち商船向け市場では、資材価格や人件費の上昇により船価は高止まりしています。しかしながら、GHG(温室効果ガス)排出量削減のための代替燃料船の需要は増加しており、造船会社の受注と手持ち工事量は高い水準を保ちました。漁業向け市場では、欧州の需要は低調であるものの、国内の需要は回復基調で推移しました。プレジャーボート向け市場では、北米の中小型艇を中心に需要の伸びが鈍化しました。
産業用事業のうちITS・GNSS市場では、国内の新車販売台数においては一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響が残りました。一方で、5Gエリア拡大に伴う携帯電話向け基地局の設置は国内外で進みました。ヘルスケア市場では、IVD(体外診断用医療機器)等の機器設置需要は堅調でした。防衛装備品事業における国内の防衛関連市場は、防衛予算の増額に伴い拡大しました。
無線LAN・ハンディターミナル事業における国内の教育ICT市場では、ICT整備に関する通信インフラ機器の更新需要が低調でした。
これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は628億1百万円(前年同期比18.4%増)、売上総利益は264億3千3百万円(前年同期比27.2%増)となりました。営業利益は72億9千9百万円(前年同期比95.7%増)、経常利益は75億1千4百万円(前年同期比66.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は50億6千7百万円(前年同期比54.5%増)となりました。全ての報告セグメントにおいて、増収増益となりました。
なお、当中間連結会計期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ150円及び165円であり、前年同期に比べ米ドルは約11.3%の円安水準、ユーロは約12.1%の円安水準で推移しました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメント利益は、営業利益ベースの数値であります。
①舶用事業
舶用事業では、商船向け市場におけるGHG排出量削減を目的とした新造船需要の高まりから、販売が大きく増加しました。また、需要増加に伴う新造船納期の長期化等を背景に、既存船や中古船の換装需要も高まったことから、新造船向け以外でも機器の販売は好調に推移しました。米州では、プレジャーボート向け機器の販売が減少しましたが、為替の円安影響により増収となりました。欧州では、商船向け機器の販売が大きく増加し、保守サービスの売上も堅調に増加しました。また、プレジャーボート向け機器の販売も増加しました。アジアでは、商船向け市場における新造船案件への販売が増加しました。日本では、商船の新造船案件への販売及び漁業向けの販売が増加しました。
この結果、舶用事業の売上高は538億2千7百万円(前年同期比19.2%増)となりました。セグメント利益は、69億2千4百万円(前年同期比65.9%増)となりました。
②産業用事業
産業用事業では、ITS・GNSS事業においてETC車載器の販売が減少しましたが、携帯電話基地局向けの時刻同期製品や、OEM受託製品の販売は増加しました。ヘルスケア事業では生化学分析装置の販売が増加しました。また、防衛予算の増額を背景に防衛装備品事業の売上は増加しました。
この結果、産業用事業の売上高は69億5千万円(前年同期比15.3%増)となりました。セグメント利益は、2億9千9百万円(前年同期比587.9%増)となりました。
③無線LAN・ハンディターミナル事業
無線LAN・ハンディターミナル事業では需要環境は低調でしたが、無線LANアクセスポイントの販売が増加しました。
この結果、売上高は18億6千万円(前年同期比11.5%増)となりました。セグメント利益は、1億2千7百万円(前年同期は1百万円の損失)となりました。
その他の売上高は1億6千3百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント損失は9千6百万円(前年同期は5千6百万円の損失)となりました。
当中間連結会計期間末における総資産は1,181億7千7百万円(前連結会計年度比3.3%増)となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が24億1千8百万円増加したことによります。
当中間連結会計期間末における負債は495億5千2百万円(前連結会計年度比6.5%減)となりました。これは主に、短期借入金が23億1百万円減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における純資産は686億2千4百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。これは主に、利益剰余金が38億4百万円増加したこと及び為替レート変動の影響により為替換算調整勘定が33億2千1百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の53.4%から57.7%となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、113億2千万円となりました。
営業活動による資金の増加は50億1千7百万円(前年同期は5億7千4百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益によるものであります。
投資活動による資金の減少は20億9千1百万円(前年同期は11億5千4百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。
財務活動による資金の減少は37億6百万円(前年同期は31億2千7百万円の減少)となりました。これは主に短期借入金の減少によるものであります。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は29億5千4百万円であります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。