当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業等への影響については、今後、新型コロナウイルス感染症の収束期やその他の状況の経過により、当社の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは前連結会計年度までに3期連続営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。
しかしながら、前連結会計年度の有価証券報告書に記載のとおり、オークション関連事業における新たな取り組み及びエネルギー関連事業における自社保有の太陽光発電設備施設の売却を実施するなど、財務の健全化、収益体制の強化を推し進めてまいりました。これらの施策により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2020年6月1日~2021年2月28日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が内外経済に与える影響に加え、米中通商問題などの海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響も受け、先行きは極めて不透明な状況にあります。
そのような中、オークション関連事業では、日本国内の美術品市場は前年とほぼ同様の市場規模で推移しますが、新型コロナウイルス感染症による経済の落ち込みを下支えする政府の財政政策により、実物資産への需要が拡大し、日本の美術品市場も徐々にではありますが薄日が射し始めているように見受けられます。これまで主力の近代美術オークションで取り扱っていた作品のうち、当社が得意とする高額な良品の流通は市場全体で極めて少なく、オークションへの出品誘致が難しい状況が続いておりましたが、オークションにおける販売状況は、近代美術、近代陶芸そしてワインオークションすべての分野のオークションの落札率の向上や、一部の有名作家の高額な落札等、市場の潮流に変化の兆しが見えてきています。同様に資産防衛ダイヤモンドの需要も堅調で実物資産へのシフトが明らかに進んでおります。
エネルギー関連事業では、自社所有の太陽光発電所を売却する等、当事業の縮小を図っておりますが、自社所有の太陽光発電施設による売電事業は順調に稼働しております。また、PKS事業においては国内のバイオマス発電所が徐々に稼働し需要が拡大し始めておりますが、新型コロナウイルス感染症によるマレーシア国内のロックダウンにより供給体制が滞っていることから当事業は足踏み状態にあります。
各事業の業績は次のとおりです。
①オークション関連事業
当第3四半期連結累計期間は、取扱高2,046,229千円(前年同期比19.0%減)、売上高744,927千円(前年同期比46.1%減)、セグメント損失5,946千円(前年同期間は467千円のセグメント利益)となりました。
種別の業績は次のとおりです。
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第32期第3四半期連結累計期間 |
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自 2020年6月1日 至 2021年2月28日 |
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種 別 |
取扱高 |
前年比 |
売上高 |
前年比 |
オークション |
オークション |
オークション |
落札率 |
(千円) |
(%) |
(千円) |
(%) |
開催数 |
出品数 |
落札数 |
(%) |
|
近代美術オークション |
639,060 |
18.0 |
122,447 |
22.8 |
5 |
492 |
367 |
74.6 |
近代陶芸オークション |
308,570 |
18.4 |
55,492 |
14.6 |
3 |
591 |
531 |
89.8 |
近代美術PartⅡオークション |
190,905 |
19.4 |
47,122 |
34.4 |
5 |
952 |
828 |
87.0 |
その他オークション |
376,850 |
3.9 |
86,175 |
△2.2 |
15 |
1,590 |
1,313 |
82.6 |
オークション事業合計 |
1,515,385 |
14.4 |
311,237 |
14.7 |
28 |
3,625 |
3,039 |
83.8 |
プライベートセール |
529,247 |
△55.8 |
419,724 |
△61.6 |
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その他 |
1,597 |
69.4 |
13,965 |
△12.7 |
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オークション関連 その他事業合計 |
530,844 |
△55.8 |
433,689 |
△60.9 |
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オークション関連事業合計 |
2,046,229 |
△19.0 |
744,927 |
△46.1 |
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(注)1.取扱高の前年比と売上高の前年比のかい離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に売上高を構成する要素のひとつであり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。
2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。
3.オークション関連事業の事業構造として、オークションが第2四半期及び第4四半期に多く開催される傾向があるため、四半期連結会計期間別の業績には季節的変動があります。
ⅰ)オークション事業
当第3四半期連結累計期間は、オークションの開催回数は28回(前年同期は20回)でした。内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各5回、近代陶芸オークション及びワインオークションを各3回、西洋美術オークション、Bags/Jewellery&Watchesオークション及びMANGAオークションを各2回、特別オークションを1回です。
新型コロナウイルス感染症対策のために政府から外出やイベント等の自粛要請及び緊急事態宣言の発令がなされたことを受けて、3月中旬から5月末に開催予定だったオークションの開催を延期いたしました。延期したオークションを第1四半期連結累計期間に開催したため、前年比では、オークションの開催回数、取扱高及び売上高が増加しております。延期したオークションの内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各2回、西洋美術オークション、ワインオークション及びMANGAオークションを各1回の計9回です。
近代美術オークションは、前年比で1開催多かったため、出品点数41.0%増、落札点数38.0%増となりました。エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で117.0%と例年同様の水準で推移いたしましたが、平均落札単価は15.9%減となりました。
近代陶芸オークションは、出品点数11.3%増、落札点数11.6%増となり、平均落札単価も前年比で6.5%増となりました。エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で152.3%と高水準で推移いたしました。
近代美術PartⅡオークションは、前年比で1開催多かったため、出品点数39.8%増、落札点数32.7%増となりました。平均落札単価は前年比で18.5%減少いたしましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で163.6%と高水準で推移いたしました。
その他オークションでは、ワインオークションが引き続き好調を保ちました。
8月には24時間テレビ43 「愛は地球を救う」で行われた緊急チャリティーオークションにおいてオンラインオークションのシステム開発と運営を行い、9月にはアート取引のオンラインプラットフォームを運営するTRiCERAと共同で「TRiCERA PRESENTS SPECIAL PROMOTION」と題した特別オークションを開催いたしました。そして、インターネットを利用してリアルタイムの入札を可能とする「ライブビッディングシステム」の開発を進め、1月から本格的に運用を開始しております。結果として、インターネットからライブでオークションに参加する新しいビッダーの増加により、オークションの販売の幅が大きく広がりました。
また、有名作家の版画贋作問題が社会問題となる中で、当社が販売するアート作品をNFT(代替不可能トークン)に紐付け、管理していくことにより贋作の流通を防ぐための新規事業の本格稼働に向けて準備を進めました。
ⅱ)オークション関連その他事業
プライベートセール部門では、Shinwa Priveの画廊スペースを活用したお客様のニーズにきめ細やかに対応できる体制を整え、高額作品を積極的に取り扱っております。しかしながら、2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症対策として画廊スペースを休業し営業活動を縮小したため、前年比では、取扱高、売上高ともに減少しております。
その他、資産防衛ダイヤモンド販売事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出始めた頃から資産防衛としてのダイヤモンドの需要が高まり、当社グループの安定した収益となっております。また、2020年7月から開始されたアートによる資産形成と新たなコレクターの育成を目的とした、「シンワ資産形成アート投資サロン」は、会員と毎月の定例会を通じてアートの共同購入等の様々なアートイベントを開催し、当社の新たな顧客基盤作りに貢献しています。
②エネルギー関連事業
子会社保有の太陽光発電施設による売電事業は、太陽光発電施設の一部を売却した影響により前年比23.8%減の62,951千円の売上となりました。その他、マレーシアにおけるPKS事業では、継続して収益改善に取り組むとともに販売先の開拓にも注力いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によってマレーシア国内で緊急事態宣言が発令され、事業活動に支障が生じました。
以上により、当第3四半期連結累計期間のエネルギー関連事業のセグメント売上高は926,241千円(前年は88,103千円)、セグメント利益は、60,930千円(前年は43,520千円のセグメント損失)となりました。
その他、各事業の販売費及び一般管理費の見直しを行う等、グループ全体の利益体質化に向けた改善に取り組み、以上により、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,676,470千円(前年同期比13.7%増)、営業損失33,316千円(前年同期間は108,569千円の営業損失)、経常損失46,040千円(前年同期間は125,448千円の経常損失)を計上いたしました。追加工事による特別損失の計上等、また、連結子会社の特別準備金に係る繰延税金負債の取崩しや連結子会社の繰延税金資産の一部取崩したこと等による法人税等調整額(益)を計上し、親会社株主に帰属する四半期純損失150,042千円(前年同期間は147,269千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
(2)財政状態に関する説明
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、2,529,473千円となり、前連結会計年度末と比べ430,641千円減少いたしました。その主な内訳はオークション未収入金の増加54,491千円、前渡金の減少44,197千円と商品の減少423,285千円であります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、1,043,187千円になり、前連結会計年度末に比べ283,036千円減少いたしました。その主な内訳はオークション未払金の増加171,225千円、短期借入金の減少159,860千円と割賦未払金の減少449,525千円であります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,486,285千円になり、前連結会計年度に比べ147,605千円減少いたしました。その主な内訳は利益剰余金の減少150,042千円と為替換算調整勘定の増加2,437千円であります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更をおこなっています。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 会計上の見積りの変更」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についても重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。