第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルス感染症については、今後、収束時期やその他の状況の経過により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間(2022年6月1日~2022年8月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の感染者数の減少に伴い、各種制限が段階的に緩和され、社会経済活動の正常化の兆しが見られました。しかしながら、同感染症の収束が未だ見通せぬほか、ウクライナ情勢や、急激な円安進行による景気減速への懸念が強まり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。一方で、インフレ懸念の高まりから実物資産への需要が増加傾向にあり、日本国内の美術品市場は引き続き取引が活発な状況であると言えます。

そのような状況の中、アート関連事業において、取扱高は前年と比べ、大きく増加いたしました。中でもオークション事業は、前年同期と比し、111%増の11億3600万円となりました。オークション事業の新たな柱となるコンテンポラリーアート(現代美術)は活況をみせ、前年同期143%増の結果となりました。また、前期の半ばより連結子会社となったアイアート株式会社も加わり、オークション事業の強化を推進しております。

プライベートセール・その他事業は、美術品等の相対取引、NFTアートや資産防衛ダイヤモンドを中心に順調に売上を伸ばしております。

その他事業では、自社所有の売電事業は順調に稼働しており、また、新型コロナウィルス感染症対策の緩和措置により、マレーシアでのPKS事業は事業を再開し、再生可能エネルギーに対する世界的な需要拡大の中で、販売を再開しております。

前期から業務を開始したEdoverse株式会社(2022年3月設立)は、当第1四半期には土地NFTの販売やメタバース空間開発等のコンサルテーション業務を積極的に推進しており、第2四半期より売上を計上する予定です。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

①アート関連事業

当第1四半期連結累計期間は、取扱高1,466,128千円(前年同期間比85.8%増)、売上高477,392千円(前年同期間比40.9)、セグメント損失2,108千円(前年同期間は43,792千円のセグメント利益)となりました。

種別の業績は次のとおりです。

 

 

第34期第1四半期連結累計期間

 

自 2022年6月1日

至 2022年8月31日

種 別

取扱高

前年比

売上高

前年比

オークション

オークション

オークション

落札率

(千円)

(%)

(千円)

(%)

開催数

出品数

落札数

(%)

近代美術オークション

413,950

98.5

74,682

80.1

1

127

106

83.5

近代陶芸オークション

166,855

△30.7

27,115

△31.9

1

181

148

81.8

近代美術PartⅡオークション

27,815

△10.2

5,376

△23.5

1

187

163

87.2

コンテンポラリーアートオークション

134,990

143.5

25,340

113.4

1

74

60

81.1

その他オークション

(注)1

92,240

3,589.6

20,456

3,778.1

2

409

366

89.5

アイアートオークション

299,830

-

72,142

-

1

157

108

68.8

オークション事業合計

1,135,680

111.0

225,114

123.5

7

1,135

951

83.8

プライベートセール

253,674

1.4

217,544

△7.2

 

 

 

 

その他

76,774

16,482.0

34,733

839.7

 

 

 

 

アート関連

その他事業合計

330,448

31.8

252,277

6.0

 

 

 

 

アート関連事業合計

1,466,128

85.8

477,392

40.9

 

 

 

 

 

(注)1.その他オークションは、出品の状況により随時開催いたします。

2.取扱高の前年比と売上高の前年比のかい離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に売上高を構成する要素のひとつであり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。

 

 

ⅰ)オークション事業

当第1四半期連結累計期間は、オークションの開催回数は7回(前年度同期開催回数4回)でした。

内訳は、近代美術オークション(前年度同期は1回)、近代陶芸オークション(前年度同期は1回)、近代美術PartⅡオークション(前年度同期は1回)、コンテンポラリーアートオークション(前年度同期は1回)、ワイン・リカーオークション(前年度同期は0回)、MANGAオークション(前年度同期は0回)及びアイアートオークションを各1回です。

近代美術オークションは、前年比で出品点数増減なし、落札点数7.1%増となりました。平均落札単価は86.2%増となり、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率も、199.0%と高水準で推移いたしました。

近代陶芸オークションは、出品点数17.0%減、落札点数20.0%減となりました。エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、179.3%と高水準で推移しましたが、平均落札単価は13.3%減となりました。

近代美術PartⅡオークションは、出品点数15.4%減、落札点数10.9%減となりました。平均落札単価は0.2%増加し、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、148.6%と高水準で推移となりました。

コンテンポラリーアートオークションは、出品点数12.1%増、落札点数3.4%増となりました。良質な作品が出品され、エスティメイト下限価額合計額に対する落札価額合計額の比率は、251.4%と高水準で推移し、売上高は前年比113.4%増となりました。

その他オークションのワイン・リカーオークションは、エスティメイト下限価額合計額は59,505千円、落札合計額は81,840千円となり、エスティメイト下限価額合計額に対する落札価額合計額の比率は137.5%と高水準で推移しました。

 

当社グループは、通常、第1四半期は、当社の顧客基盤である富裕層が夏季休暇シーズンに入り、季節的に事業自体が閑散期となり、8月はオークションを開催しないため、例年、経常利益ベースで黒字を確保することが困難な状況ではありましたが、四半期による季節性を平準化させる事業構築につとめ、当第1四半期は、22,306千円の経常利益を計上することができました。

 

ⅱ)プライベートセール・その他事業

プライベートセール・その他事業では、当第1四半期は、美術品のプライベートセールやNFTアートの販売で 順調に売上を伸ばしました。資産防衛ダイヤモンド販売事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出始めた頃から、資産防衛としてのダイヤモンドの需要が高まり、売上高は前年比85.5%増と当第1四半期も順調に売り上げを伸ばしております。

 結果として、プライベートセール・その他事業は、前年比で取扱高31.8%増、売上高6.0増で推移しました

 

 

②その他事業

子会社保有の太陽光発電施設による売電事業は、9,264千円の売上となり、前年比10.5%増となりました。その他、マレーシアにおけるPKS事業では新型コロナウィルス感染症による影響により事業展開が難しい状況が続いておりましたが、徹底した販管費の見直しや販売先を他国に広げるなどの施策を実施し、為替の影響もありますが、当第1四半期連結累計期間のその他事業のセグメント売上高は48,991千円(前年同期間比352.6%増)、セグメント利益7,450千円(前年同期間は11,297千円のセグメント損失)となりました。

 

 

 結果として、各事業の営業体制を強化することにより、グループ全体で利益をあげる体質の構築に取り組み、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高526,383千円(前年同期間比50.6%増)、営業損失31,066千円(前年同期間は1,795千円の営業利益)、経常損失19,089千円(前年同期間は676千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失30,029千円(前年同期間は21,578千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、4,312,565千円となり、前連結会計年度末に比べ、58,638千円減少いたしました。その主な内訳は現金及び預金の増加147,051千円、商品の増加102,178千円及び流動資産「その他」に含めている未収入金の増加284,770千円によるものであります。

 

(負債)

当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、1,414,621千円となり、前連結会計年度末に比べ、188,557千円減少いたしました。その主な内訳は流動負債「その他」に含めている仮受金の増加320,228千円、短期借入金の減少318,500千円及び未払法人税等の減少164,209千円によるものであります。

 

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は2,897,943千円となり、前連結会計年度末に比べ、129,919千円減少いたしました。その主な内訳は、新株予約権行使による資本金の増加80,302千円及び資本剰余金の増加80,302千円によるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についても重要な変更はありません。

 

(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第1四半期連結累計期間において、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。