第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業等への影響については、今後、新型コロナウイルス感染症の収束時期やその他の状況の経過により、当社の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)業績の状況

当第3四半期連結累計期間(2022年6月1日~2023年2月28日)における世界経済は、世界的な物価高と金融引き締めによる内需の下振れに加え、新型コロナウィルス感染拡大による中国経済の一時的な失速もあり、緩やかに減速しています。

わが国内の経済においては、新型コロナウィルス感染症の影響が長期化する中、海外からの入国制限の緩和など、経済活動の再開を促す措置が講じられ、小幅ながら景気回復基調が維持されています。しかし、エネルギー価格の高騰や物価高の悪影響による国内の実質所得の減少が続く中、鈍い回復ペースに留まっています。

そのような状況の中、アート関連事業において、取扱高は前年と比べ、大きく増加いたしました。その中でも、オークション事業は、前年同期と比し、64.3%増の50億969万円となりました。オークション事業の新しい柱と位置付けるコンテンポラリーアート(現代美術)も活況をみせ、前年同期と比し、147.7%増の結果となりました。また、前期の半ばより連結子会社となったアイアート株式会社も大きく貢献し、Shinwa Auction株式会社とともにオークション事業の強化を推進しております。

プライベートセール・その他事業は、資産防衛ダイヤモンドを中心に順調に売上を伸ばしております。

その他事業では、自社所有の売電事業及びマレーシアでのPKS事業を継続しております。

前期第4四半期から業務を開始したEdoverse株式会社は、Edoverse Foundationが行うメタバース空間開発やデジタルツインのコンサルテーション業務を積極的に推進し、同Foundationが目指す江戸のメタバース空間構築の早期実現に向け、コンサルテーション業務を進めております。現在、会計処理等に時間を要しておりますが、今年度中に売上を計上する予定です。

セグメント別の業績は次のとおりです。

 

 

 

①アート関連事業

当第3四半期連結累計期間は、取扱高5,997,336千円(前年同期比48.8%増)、売上高1,837,869千円(前年同期比27.0%増)、セグメント利益299,503千円(前年同期比19.9%増)となりました。

 

種別の業績は次のとおりです。

 

 

第34期第3四半期連結累計期間

 

自 2022年6月1日

至 2023年2月28日

種 別

取扱高

前年比

売上高

前年比

オークション

オークション

オークション

落札率

(千円)

(%)

(千円)

(%)

開催数

出品数

落札数

(%)

近代美術オークション

1,293,880

39.7

243,133

50.8

4

282

244

86.5

近代陶芸オークション

395,200

△22.0

68,082

△19.9

3

533

452

84.8

近代美術PartⅡオークション

143,670

54.8

31,949

68.5

4

493

459

93.1

コンテンポラリーオークション

540,720

147.7

101,031

165.7

4

145

126

86.9

その他オークション

818,960

120.9

173,406

120.7

8

2,093

1,921

91.8

アイアート オークション

1,817,265

94.7

345,992

107.4

4

984

795

80.8

オークション事業合計

5,009,695

64.3

963,594

75.7

27

4,530

3,997

88.2

プライベートセール

887,552

△9.1

814,349

△8.1

 

 

 

 

その他

100,089

-

59,925

392.8

 

 

 

 

プライベートセール・

その他事業合計

987,641

0.7

874,274

△2.6

 

 

 

 

アート関連事業合計

5,997,336

48.8

1,837,869

27.0

 

 

 

 

(注)1.取扱高の前年比と売上高の前年比のかい離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に売上高を構成する要素のひとつであり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。

2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。

3.オークション関連事業の事業構造として、オークションが第2四半期及び第4四半期に多く開催される傾向があるため、四半期連結会計期間別の業績には季節的変動があります。

 

ⅰ)オークション事業

当第3四半期連結累計期間は、オークションの開催回数は27回(前年同期は25回)でした。内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション、コンテンポラリーアートオークション、及びアイアートオークションを各4回、近代陶芸オークション、及びワイン・リカーオークションを各3回、MANGAオークションを2回、西洋美術オークション、Bags/Jewellery&Watchesオークション、及びアバターオークションを各1回です。

近代美術オークションは、出品点数29.5%減、落札点数19.5%減となりました。しかし、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で148.9%と例年同様の水準で推移し、平均落札単価は72.9%増となりました。

近代陶芸オークションは、出品点数24.7%減、落札点数27.4%減となりましたが、平均落札単価は前年比で5.6%増となりました。エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で123.4%と高水準で推移いたしました。

近代美術PartⅡオークションは、出品点数20.1%減、落札点数13.6%減となりましたが、平均落札単価は前年比で166.1%増加いたしました。エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で363.0%と高水準で推移いたしました。

コンテンポラリーアートオークションは、出品点数59.3%減、落札点数59.6%減となりましたが、平均落札単価は前年比で613.0%増加し、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で152.7%と高水準で推移いたしました。

その他オークションでは、ワイン・リカーオークションは、開催回数が昨年と比し1回多く、出品点数95.2%増、落札点数101.4%増となりました。2月に行われたワイン・リカーオークションの取扱高は、過去最高の240,970千円となりました。平均落札単価は50.2%増加となり、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は126.8%という高水準で推移しました。

アイアートオークションは4回開催し、出品点数984点、落札点数795点、落札率80.8%という内容になりました。このアイアート株式会社の子会社化により、売上高が179,132千円増となり、連結決算に大きく貢献いたしました。

 

ⅱ)プライベートセール・その他事業

プライベートセール・その他事業では、当第3四半期連結累計期間は、資産防衛ダイヤモンド販売事業と美術品のプライベートセールで売上を伸ばしました。資産防衛ダイヤモンド販売事業は、売上高511,110千円(前年同期比52.4%増)と、資産防衛としてのダイヤモンドの需要の高まりから、引き続き順調に売上をのばしております。

結果として、プライベートセール・その他事業は、前年比で取扱高0.7、売上高2.6で推移しました。

 

②その他事業

子会社保有の太陽光発電施設による売電事業は21,094千円、またマレーシアにおけるPKS事業では164,465千円の売上となりました。

その結果、当第3四半期連結累計期間のその他事業のセグメント売上高は185,560千円(前年同期比783.7%増)、15,705千円のセグメント利益(前年同期間は42,967千円のセグメント損失)となりました。

 

 その他、各事業の販売費及び一般管理費の見直しを行う等、グループ全体の利益体質化に向けた改善に取り組み、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,023,429千円(前年同期比37.9%増)、営業利益196,750千円(前年同期比113.0%)、経常利益214,520千円(前年同期比95.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益121,611千円(前年同期比174.5%増)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、5,006,073千円となり、前連結会計年度末と比べ634,869千円増加いたしました。その主な内訳はオークション未収入金の増加565,046千円、商品の増加207,950千円、前渡金の増加116,366千円、現金及び預金の減少183,689千円であります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、1,964,224千円になり、前連結会計年度末に比べ361,045千円増加いたしました。その主な内訳はオークション未払金の増加674,960千円、その他流動負債の増加245,033千円、未払法人税等の減少117,514千円、短期借入金の減少353,500千円であります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は3,041,849千円になり、前連結会計年度に比べ273,824千円増加いたしました。その主な内訳は利益剰余金の増加121,611千円、資本金の増加80,302千円、資本剰余金の増加80,302千円、その他有価証券評価差額金の減少5,532千円であります。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についても重要な変更はありません。

 

(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第3四半期連結累計期間において、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。