当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、緩やかに回復しているものの、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、このところ足踏みもみられます。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような状況下において当社グループは、2030年に向けた経営ビジョン「Vision2030」を策定しています。
IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスやそれらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指します。
その実現に向け、「提案価値の向上」、「SI×デジタルのコンビネーション」、「新規領域・グローバルへの進出」、「ESGへの取り組み強化」、「自社経営基盤の改革」を重要課題に設定し、取り組んでいます。
また、当期では売上高1,250億円(前年同期比8.0%増)、EBITDA149.5億円(前年同期比10.0%増)を目指しています。
■「提案価値の向上」「SI×デジタルのコンビネーション」
「フォーカスビジネス」(注1)を、当社グループの成長領域として取り組みを強化しており、中期経営計画では、2025年3月期までに売上高に占めるフォーカスビジネス売上高の比率40%を目標として推進しています。当中間連結会計期間のフォーカスビジネス売上高比率は52.3%となり順調に推移しています。
(注1) フォーカスビジネス
デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域。
■「ESGへの取り組み強化」
2024年4月、当社グループが人権を尊重する姿勢を明確に示すため、DTSグループ人権方針を策定しました。今後も人権デュー・ディリジェンスを通じて、人権への負の影響を特定し防止と軽減に努めていきます。
■「株主還元など」
成長投資の機会、資本の状況などを総合的に勘案し、資本効率の向上ならびに株主への一層の利益還元を図るため、2024年4月から12月に約60億円の自己株式取得、およびその消却について、2024年4月の取締役会で決議しました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は、598億54百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加により132億18百万円(前年同期比13.5%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、67億63百万円(前年同期比20.5%増)となりました。売上総利益が増加し、営業利益は、64億55百万円(前年同期比7.0%増)、経常利益は、66億23百万円(前年同期比8.2%増)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、経常利益の増加などにより、44億57百万円(前年同期比7.7%増)となりました。
<売上高の内訳>
各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
業務&ソリューションセグメント
銀行業における案件拡大や新規連結影響などで好調に推移し、売上高は253億8百万円(前年同期比22.2%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、「クラウドアーキテクチャーベースでのAP開発力強化」、「アジャイル/ローコード開発への対応力強化」および「業界特化ソリューション・サービス拡大・さらなる創出」などに努めています。
国内外の最新ガイドラインに対応したマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策のパッケージソフト「AMLion(アムリオン)」は、これまで大手証券会社を中心に導入していただいています。当期では、生命保険業界固有の要件とニーズに対応した「AMLion」を生命保険業界向けに提供を開始しました。
また、国内の中堅金融機関における取引管理の効率化を推進するため、導入コストを抑えたアンチマネー・ローンダリングケース管理ツール(注1)の提供を開始しました。
今後のFATF(注2)第5次審査に向け、生命保険会社への提案を強化し、金融のあらゆる業態のマネー・ローンダリング対策業務の高度化・効率化に貢献していきます。
(注1)アンチマネー・ローンダリングケース管理ツール
金融機関における疑わしい取引データに対する調査履歴などを電子的に管理するツール。
(注2)FATF
Financial Action Task Force(金融活動作業部会)の略称。マネー・ローンダリング対策の国際基準策定・履行を担う多国間の枠組みとして設立された組織。
テクノロジー&ソリューションセグメント
住宅関連などのソリューション案件は減少するものの組込み関連などが堅調に推移し、売上高は207億64百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、クラウドビジネス技術の強化およびビジネスモデルの変革、パッケージ販売拡大に向けた機能強化、ERPビジネス拡大強化、およびエッジAIとサイバーセキュリティ技術の確立などに努めています。
アプリケーション開発を中心とした既存SIのビジネスモデルから進化させ、新規ソリューション・サービスの創出による事業領域の拡大を目指して、「ServiceNow®(サービスナウ)」を注力分野の1つに位置づけています。当期では、豊富な機能をもつServiceNow®から社内ヘルプデスク業務に必要な機能を厳選することにより低コストかつ短期間での導入を実現した「Simple-Start-Pack」の提供を開始しました。
また、ハウジングソリューションでは、構造計算連携を強化した「Walk in home 2024」、サブスクリプション型サービスとして、クラウド環境で物件データの安全な管理を実現した「Walk in home 物件管理WEB」およびモバイルプレゼンテーション機能を強化した「Walk in home 360x」の提供を開始しました。当社グループの安心計画株式会社では、同社の「Walk in home Plus」と連携して安心・安全な家づくりを支援するため、バリアフリーなどのシニア住環境設計・提案支援サービスを実現した「KT-PLAN」のサービスを開始しました。
さらに、サイバーセキュリティ技術を活用した取り組みでは、セキュリティ専門組織を新設するとともに、金融機関の要求レベルに対応したゼロトラストセキュリティの実現を導入から運用までワンストップでサポートする「DXセキュリティ導入・運用監視支援サービス」の提供を開始しました。今後も、セキュリティソリューションを提供することにより、安全で信頼性の高いシステム環境の実現を目指していきます。
プラットフォーム&サービスセグメント
運用、基盤構築案件は拡大したものの、前年同期のハードウエア販売が一時的に増加した反動により、売上高は137億81百万円(前年同期比11.8%減)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、当社のReSM(リズム)/ReSM plus(リズムプラス)を中心とした運用サービスメニューの拡大、HybridCloud、Data Management等の強化・拡販、およびネットワークインテグレーションビジネスの推進などに努めます。
24時間365日のリモート運用監視を行い、システム運用を効率的に支えるReSMの販売拡大に努めています。当期の導入企業においては、当社に一任いただき短期間で運用監視体制を切替えるとともにコスト削減を実現しました。
また、顧客企業のヘルプデスク業務のDX化を実現するReSM plusの販売拡大に取り組んでいます。当期の導入企業においては、社内ITサポート業務の効率化を実現するため、WEBポータルと有人オペレーターを組み合わせ、充実したFAQサービスを提供したことにより利用者の満足度が向上しました。
今後もReSMやReSM plusを通じてお客様のサービス品質向上に貢献していきます。
財政状態としては、総資産は814億32百万円となりました。流動資産のその他に含まれる自己株式買付等に伴う前払金が25億13百万円、投資その他の資産のその他に含まれる投資有価証券が7億23百万円、流動資産のその他に含まれる前払費用が4億3百万円、仕掛品が3億44百万円増加しましたが、現金及び預金が46億37百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が30億58百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ総資産が34億49百万円減少しました。
負債は188億78百万円となりました。流動負債のその他に含まれる未払消費税等が6億61百万円、賞与引当金が4億60百万円、流動負債のその他に含まれる預り金が4億18百万円、買掛金が3億46百万円、未払法人税等が2億82百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ負債が26億円減少しました。
純資産は625億53百万円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益により利益剰余金が44億57百万円、為替換算調整勘定が2億45百万円、非支配株主持分が1億46百万円増加し、また、自己株式の処分により自己株式が1億49百万円減少しましたが、自己株式の取得34億97百万円、剰余金の配当24億88百万円を行ったことなどにより、前連結会計年度末に比べ純資産が8億48百万円減少しました。なお、自己株式の消却により、自己株式および利益剰余金が59億37百万円それぞれ減少しています。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である375億57百万円に比べ47億60百万円減少し、327億97百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況についての前中間連結会計期間との比較は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは50億52百万円となり、前中間連結会計期間に比べ得られた資金が10億14百万円減少しました。主な要因は、仕入債務の増減額の増加5億87百万円などにより増加した一方で、その他に含まれる預り金の増減額が6億41百万円減少、賞与引当金の増減額が6億5百万円減少、その他に含まれる前払費用の増減額が4億1百万円増加したことなどにより、資金が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△13億63百万円となり、前中間連結会計期間に比べ使用した資金が18億86百万円減少しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が3億9百万円増加、有価証券の償還による収入が3億円減少したことにより増加した一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が15億47百万円減少、定期預金の預入による支出が10億37百万円減少したことなどにより、使用した資金が減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは△85億41百万円となり、前中間連結会計期間に比べ使用した資金が37億7百万円増加しました。主な要因は、配当金の支払額が5億65百万円減少したことなどにより減少した一方で、自己株式の取得による支出が23億55百万円増加、自己株式取得のための預託金の支出が20億50百万円増加したことなどにより、使用した資金が増加したことによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
[当社グループの対処すべき課題]
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、73百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、「プラットフォーム&サービス」事業における受注高が前年同期に比べ著しく増加しました。これは、大型案件の受注によるものです。
① 生産実績
当中間連結会計期間における生産実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
当中間連結会計期間における受注実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
当中間連結会計期間における販売実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。