第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間会計期間におけるわが国経済は、急激な為替変動や人手不足を背景とする物価上昇や、国際情勢の不安定な中でありながらも、横ばいの状況が続いております。また、各社でランサムウェアによる被害やシステム開発の遅延のニュースも頻発し、情報セキュリティの重要性、システム開発におけるトラブルが事業に与える影響の大きさを再認識する状況でありました。

当社を取り巻く環境においては、企業のDX推進への取り組みが継続していることを背景に、法人向け製品のうちロイヤリティ収入やパッケージ製品に加えて消防・防災向けライセンスが堅調に推移し、また、2023年9月1日付で吸収合併したコエステ株式会社のクラウドサービス「コエステーション」の売上と受託案件および自社IPである琴葉茜・葵の10周年記念ライブの開催や、A.I.VOICE2新規製品発売などが寄与し、前中間会計期間を大きく上回る結果となりましたが、受託案件が期初計画を下回ったことにより、売上高は期初計画を下回る結果となりました。

費用面においては、琴葉茜・葵の10周年記念ライブの開催費用や株式会社フュートレックとの2024年10月1日付け合併に向けた新たなコーポレートロゴ及びミッション・ビジョン・バリューの策定をはじめとした合併関連費用の発生が生じたものの、受託案件が計画を下回ったことにより原価の発生が抑えられ、また、広告宣伝費の抑制により、利益面においては計画より上振れた着地となりました。一方で、合併に向けたオフィス統合の為の本社増床工事に伴う固定資産除却損と繰延税金資産の減少が生じております。

この結果、当中間会計期間末の財政状態及び当中間会計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。

 

①財政状態

(資産)

当中間会計期間末の資産合計は、前事業年度末と比較して175,265千円減少し、1,534,781千円となりました。これは主に、現金及び預金が183,049千円減少したことによるものです。

(負債)

当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末と比較して174,799千円減少し、234,462千円となりました。これは主に、短期借入金が90,000千円、契約負債が44,859千円、社債が15,000千円減少したことによるものです。(純資産)

当中間会計期間末の純資産合計は、前事業年度末と比較して465千円減少し、1,300,319千円となりました。これは、利益剰余金が465千円減少したことによるものです。

この結果、自己資本比率は84.7%(前事業年度末は76.1%)となりました。

 

②経営成績

当中間会計期間の売上高は400,452千円(前年同期比33.7%増)、営業利益は9,660千円(前年同期比95.4%増)、経常利益は8,578千円(前年同期比77.2%増)、中間純損失は465千円(前年同期は中間純損失9,303千円)となりました。

なお、当社は音声合成事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、特性に応じた3つの区分別の売上高につきましては、法人向け製品184,267千円(前年同期比45.1%増)、法人向けサービス112,641千円(前年同期比17.7%増)、コンシューマー向け製品103,543千円(前年同期比34.6%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の中間期末残高は、前事業年度末と比較して183,049千円減少し、392,148千円となりました。

当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間において営業活動により支出した資金は、45,610千円(前年同期は34,693千円の獲得)となりました。これは主に、税引前中間純利益1,579千円の計上と、非資金項目として固定資産除却損6,999千円、減価償却費7,837千円があったものの、未払金の減少額23,056千円、契約負債の減少額44,859千円等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間において投資活動により支出した資金は、32,033千円(前年同期は1,069,544千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出24,666千円、無形固定資産の取得による支出7,366千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間において財務活動により支出した資金は、105,406千円(前年同期は171,198千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の減少額90,000千円、社債の償還による支出15,000千円等によるものです。

(3)経営方針・経営戦略等

当中間会計期間において、当社の経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当中間会計期間における研究開発活動の金額は、37,321千円であります。なお、当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)従業員数

当中間会計期間において、当社の従業員数について重要な変更はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

②受注実績

当社は、提供する主要なサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

③販売実績

当社は音声合成事業の単一セグメントのため、当中間会計期間の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当中間会計期間

(自 2024年4月1日

至 2024年9月30日)

前年同期比(%)

法人向け製品      (千円)

184,267

145.1

法人向けサービス    (千円)

112,641

117.7

コンシューマー向け製品  (千円)

103,543

134.6

合計      (千円)

400,452

133.7

 

(8)主要な設備

当中間会計期間において、当社の主要な設備について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

吸収合併契約

 当社は、株式会社フュートレック(以下「フュートレック」)との顧客基盤や技術・ソリューションを共有し、「音声合成」及び「音声認識」双方に強みを持つ音声関連技術のトップランナーを目指し、フュートレックのCRM事業を中心としたデジタルマーケティング事業と音声関連技術事業の2つを事業の両輪とした企業価値の更なる向上を図り、かつ、経営統合による経営基盤の強化、管理部門の統合による経営機能のスリム化による収益力の向上を目的として、2024年5月14日開催の取締役会において、フュートレックと合併することを決議し、同日付で、2024年10月1日を効力発生日とする合併契約を締結いたしました。同契約は、2024年6月20日開催の当社の第21回定時株主総会及び2024年6月18日開催のフュートレックの第24回定時株主総会において、承認可決されております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。