当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間は、国内において雇用や所得が改善する一方、原材料価格や燃料価格の上昇、為替の変動による物価上昇等が個人消費に影響しました。また、社会情勢や政情の変化等により、国内外とも先行きについては不透明な状況が継続しました。
このような環境の中、バンダイナムコグループは2022年4月からグループの最上位概念となる「パーパス“Fun for All into the Future”」と新ロゴマークの導入を行うとともに、3カ年の中期計画をスタートしました。中期計画においては、「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、バンダイナムコグループが中長期で目指す姿に向け、世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ従業員、そして社会と常に向き合い、広く、深く、複雑につながる存在を目指し「Connect with Fans」を中期ビジョンに掲げ、重点戦略として「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」を推進しています。重点戦略の推進を通じ、IP(Intellectual Property:キャラクター等の知的財産)の世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに進化させていきます。また、「IP軸戦略」のグローバル展開を強化し、ALL BANDAI NAMCOでの一体感と総合力を高め、持続的な成長を目指しています。
当中間連結会計期間につきましては、IP軸戦略を核に各地域や事業を横断・連携しALL BANDAI NAMCOで一体となった取組みを強化しました。事業面では、デジタル事業及びトイホビー事業の業績が、利益率の高い商品・サービスのヒット等により大きく伸長したほか、IPプロデュース事業とアミューズメント事業も好調に推移し、全ての事業が前年同中間期比で増収増益となりました。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高611,391百万円(前年同中間期比21.8%増)、営業利益113,670百万円(前年同中間期比73.6%増)、経常利益115,553百万円(前年同中間期比56.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益80,727百万円(前年同中間期比54.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①デジタル事業
デジタル事業では、ネットワークコンテンツにおいて、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」等の主力アプリタイトルがユーザーに向けた継続的な施策により国内外で引き続き安定的に推移したほか、新作アプリタイトル「学園アイドルマスター」が好調なスタートを切りました。家庭用ゲームにおいては、「ELDEN RING」の大型ダウンロードコンテンツ「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」がワールドワイドでヒットしたほか、同タイトルのリピート販売が好調に推移しました。デジタル事業においては、次期中期計画に向けて、バランスの取れた最適なタイトルポートフォリオの構築、開発体制の強化を行うとともに、クオリティを重視したファンの期待に応えるタイトル開発を目指してまいります。
この結果、デジタル事業における売上高は228,550百万円(前年同中間期比31.1%増)、セグメント利益は44,703百万円(前年同中間期比188.1%増)となりました。
②トイホビー事業
トイホビー事業では、映像配信の普及等によってグローバル市場における日本IPの人気が拡大していることを受け、国内外で展開カテゴリーの拡大、リアルイベントや店舗によるタッチポイントの拡大、生産体制の強化等をはかったことにより、引き続き好調に推移しました。具体的には、「ガンダムシリーズ」のプラモデルやコレクターズフィギュア等のハイターゲット(大人)層向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化により好調に推移しました。また、「ONE PIECE」や「DRAGON BALL」シリーズのトレーディングカードゲーム等のカード商材、カプセルトイ、菓子・食品等が商品ラインナップやターゲット層、展開地域の拡大に加え、顧客とのタッチポイントの強化等により業績に貢献しました。トイホビー事業においては、引き続きグローバル展開の拡大と拡大を支える生産体制や販売網等の強化を推進します。
この結果、トイホビー事業における売上高は291,633百万円(前年同中間期比16.7%増)、セグメント利益は59,743百万円(前年同中間期比30.6%増)となりました。
③IPプロデュース事業
IPプロデュース事業では、ガンダムシリーズ劇場公開作品の中で歴代No.1となった「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の国内興行収入を当第2四半期連結会計期間に計上しました。また、新作劇場作品を公開した「ブルーロック」をはじめ、「ラブライブ!シリーズ」、「転生したらスライムだった件」等のグローバル展開や映像配信、ライセンスビジネスが好調に推移しました。さらに、リアルなエンターテインメント需要の高まりに伴い、ライブイベントや関連グッズの販売等が好調に推移しました。IPプロデュース事業では、今後も映像や音楽を通じIP軸戦略の核となる良質なIPの創出を強化します。
この結果、IPプロデュース事業における売上高は41,289百万円(前年同中間期比23.9%増)、セグメント利益は6,711百万円(前年同中間期比185.9%増)となりました。
④アミューズメント事業
アミューズメント事業では、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同中間期比で108.8%となりました。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携したバンダイナムコならではの施設やアクティビティ施設が好調に推移しました。業務用ゲームにおいては、新製品「湾岸ミッドナイト マキシマムチューン 6RR PLUS」の販売等が好調に推移しました。アミューズメント事業においては、グループの商品・サービスとファンとのタッチポイントの役割をさらに強化するとともに、燃料価格の上昇等の外部環境の変化も踏まえ、引き続き効率化に取り組みます。
この結果、アミューズメント事業における売上高は71,640百万円(前年同中間期比20.9%増)、セグメント利益は7,292百万円(前年同中間期比4.5%増)となりました。
⑤その他事業
その他事業では、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。
その他事業における売上高は17,395百万円(前年同中間期比8.5%増)、セグメント利益は1,245百万円(前年同中間期比88.4%増)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当中間連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ87,352百万円増加し1,059,191百万円となりました。これは主に現金及び預金が29,848百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が31,707百万円、有形固定資産が10,364百万円、投資有価証券が20,809百万円増加したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ33,208百万円増加し305,222百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が26,265百万円、未払法人税等が12,780百万円増加したことによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ54,144百万円増加し753,968百万円となりました。これは主に資本剰余金が9,830百万円減少したものの、利益剰余金が48,008百万円、自己株式の消却等により10,075百万円、その他有価証券評価差額金が12,005百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の72.0%から71.1%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ28,215百万円増加し、339,479百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は84,293百万円(前年同中間期比656.1%増)となりました。これは売上債権の増加額が33,684百万円(前年同中間期は38,305百万円)等の資金の減少要因はありましたが、税金等調整前中間純利益が115,661百万円(前年同中間期は74,004百万円)となったことにより、全体としては資金が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22,234百万円(前年同中間期比4.5%増)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出が18,480百万円(前年同中間期は15,918百万円)であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は33,754百万円(前年同中間期比15.5%減)となりました。これは主に配当金の支払額が32,719百万円(前年同中間期は39,394百万円)であったことによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は16,107百万円であります。また、このほかに、開発部門で発生したゲームコンテンツに係る支出額を仕掛品、売上原価等で計上しております。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)従業員数
当中間連結会計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(9)生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(10)主要な設備
当中間連結会計期間において、主要な設備に著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画から著しい変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。