第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間における新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、入手可能な情報に基づいて判断したものです。

 

(1) 経営成績の概況

国内においては、医師会員33万人以上が利用する医療従事者専門サイト「m3.com」を中心に様々なサービスの展開をしています。

メディカルプラットフォームでは、「m3.com」のプラットフォーム上で会員医師が主体的、継続的に高頻度で情報を受け取れる「MR君」ファミリーの各種サービスに加え、会員医療従事者を対象とした調査サービス、会員へ医療情報以外のライフサポート情報を提供する「QOL君」等の一般企業向けマーケティング支援サービス等、顧客の意図や用途により選べるサービスメニューを提供しています。また、次世代MR「メディカルマーケター」の提供、医療系広告代理店等の事業を、グループ各社を通じて展開しています。

エビデンスソリューションでは、臨床開発業務の支援及び大規模臨床研究の支援を行うCRO、治験実施医療機関において治験業務全般の管理・運営を支援するSMO、臨床開発・臨床研究等の実施に必要な被検者の募集並びに周辺業務の支援を行うPRO等の事業を、グループ各社を通じて展開しています。

キャリアソリューションでは、エムスリーキャリア株式会社において、医師、薬剤師向けの求人求職支援サービスの展開を進めています。

サイトソリューションでは、医療機関の運営をサポートする各種サービスを展開しています。

さらに、一般の方々からの健康や疾病に関する質問に「m3.com」登録医師が回答する「AskDoctors」(https://

www.AskDoctors.jp/)や医療福祉系国家試験の対策等の事業を行うエムスリーエデュケーション株式会社等を通じてさまざまなサービス展開を進めています。

海外においては、米国で、医療従事者向けウェブサイト「MDLinx」を運営し、この会員基盤を活かした製薬企業向けサービスの他、医師向けの転職支援サービスや治験支援サービスも展開しています。欧州では、英国で医師向けウェブサイト「Doctors.net.uk」において製薬企業向けサービスの展開を進める他、Vidal Groupを通じてフランス、ドイツ、スペインで医薬品情報データベースの提供を行うとともに、eDoctores Soluciones, S.L.を通じて医療従事者向け診療現場モバイルアプリiDoctusをスペイン及び中南米で提供しています。アジア地域においても順調に事業を拡大しています。

また、日本、米国、欧州、中国、韓国をはじめ、当社グループが世界中で運営する医療従事者向けウェブサイト及び医師パネルに登録する医師は合計で約650万人となっており、医師パネルを活用したグローバルな調査サービスの提供も行っています。

 

当中間連結会計期間の業績は、以下の通りです。

(当期の業績)                                   (単位:百万円)

 

2024年3月期

中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

2025年3月期

中間連結会計期間

(自 2024年4月1日

至 2024年9月30日)

比較増減

(参考)

2024年3月期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

売上収益

115,795

124,819

+9,023

+7.8%

238,883

営業利益

34,559

28,982

△5,577

△16.1%

64,381

税引前

中間(当期)利益

37,322

29,074

△8,248

△22.1%

68,840

中間(当期)利益

25,136

19,589

△5,547

△22.1%

48,549

 

 

 

(セグメント別業績)                                 (単位:百万円)

 

2024年3月期

中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

2025年3月期

中間連結会計期間

(自 2024年4月1日

至 2024年9月30日)

比較増減

メディカル

プラットフォーム

セグメント売上収益

45,503

42,474

△3,030

△6.7%

セグメント利益

18,426

14,590

△3,835

△20.8%

エビデンス

ソリューション

セグメント売上収益

13,843

11,940

△1,903

△13.7%

セグメント利益

3,581

1,893

△1,688

△47.1%

キャリア

ソリューション

セグメント売上収益

9,033

11,617

+2,584

+28.6%

セグメント利益

3,337

4,099

+761

+22.8%

サイト

ソリューション

セグメント売上収益

15,346

21,611

+6,265

+40.8%

セグメント利益

1,776

3,047

+1,271

+71.6%

海外

セグメント売上収益

32,655

37,984

+5,328

+16.3%

セグメント利益

7,299

6,636

△663

△9.1%

その他エマージング事業群

セグメント売上収益

1,201

1,123

△78

△6.5%

セグメント利益

16

370

+354

調整額

セグメント売上収益

△1,787

△1,931

セグメント利益

125

△1,652

合計

売上収益

115,795

124,819

+9,023

+7.8%

営業利益

34,559

28,982

△5,577

△16.1%

 

① メディカルプラットフォーム

医療現場のDX化支援等の事業が堅調に推移した一方で、製薬企業の継続的な予算圧縮及び新型コロナウイルス関連プロジェクトの減少影響により製薬マーケティング支援関連の売上が前年同期比で減少したため、セグメント売上収益は42,474百万円(前年同期比6.7%減)、セグメント利益は14,590百万円(前年同期比20.8%減)となりました。

 

② エビデンスソリューション

新型コロナウイルスに関連した治験プロジェクト等の貢献が前年同期比で減少したことに加え、全体的な受注動向がやや低調に推移したことより、セグメント売上収益は11,940百万円(前年同期比13.7%減)、セグメント利益は1,893百万円(前年同期比47.1%減)となりました。

 

③ キャリアソリューション

医師向け及び薬剤師向けの求人求職支援サービスがいずれも好調に推移したことを主因に、セグメント売上収益は11,617百万円(前年同期比28.6%増)、セグメント利益は4,099百万円(前年同期比22.8%増)となりました。

 

④ サイトソリューション

ホスピス事業において前年度以前に開設した施設の稼働率が上昇したこと等に加え、2024年1月に買収した米国における足病クリニック運営事業等の影響により、セグメント売上収益は21,611百万円(前年同期比40.8%増)、セグメント利益は3,047百万円(前年同期比71.6%増)となりました。

 

⑤ 海外

主に欧州・その他地域の堅調な実績や前年度に買収した事業の新規連結効果により、セグメント売上収益は37,984百万円(前年同期比16.3%増)となった一方で、固定費が比較的大きいビジネスである北米治験事業における売上減少が前年度から継続したこともあり、セグメント利益は6,636百万円(前年同期比9.1%減)となりました。

 

⑥ その他エマージング事業群

セグメント売上収益は1,123百万円(前年同期比6.5%減)、セグメント利益は、持分法による投資損益の改善により、370百万円(前年同期は16百万円の利益)となりました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間における当社グループの売上収益は124,819百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益は28,982百万円(前年同期比16.1%減)、税引前中間利益は29,074百万円(前年同期比22.1%減)、中間利益は19,589百万円(前年同期比22.1%減)となりました。

 

(2) 財政状態の概況

資産合計は、前連結会計年度末比689百万円増の491,469百万円となりました。流動資産については、営業債権及びその他の債権が2,417百万円減少したこと等により、前連結会計年度末比2,350百万円減の238,389百万円となりました。非流動資産については、有形固定資産が3,220百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比3,039百万円増の253,080百万円となりました。

負債合計は、前連結会計年度末比2,940百万円増の127,019百万円となりました。流動負債については、営業債務及びその他の債務が3,251百万円減少したこと等により、前連結会計年度末比3,014百万円減の64,154百万円となりました。非流動負債については、借入金が5,222百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比5,954百万円増の62,864百万円となりました。

資本合計は、前連結会計年度末比2,251百万円減の364,450百万円となりました。剰余金の配当14,259百万円を行った一方で親会社の所有者に帰属する中間利益17,294百万円を計上したこと等により、利益剰余金が3,030百万円増加したものの、在外営業活動体の換算差額の減少等により、その他の資本の構成要素が5,679百万円減少したこと等によります。

 

(3) キャッシュ・フローの概況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高より1,549百万円減少し、148,112百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、23,595百万円の収入(前年同期は26,821百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税引前中間利益29,074百万円であり、支出の主な内訳は、法人所得税の支払額9,193百万円です。

投資活動によるキャッシュ・フローは、11,325百万円の支出(前年同期は28,321百万円の支出)となりました。主に定期預金の預入による支出から払戻による収入を差し引いた純支出4,080百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,238百万円、有形固定資産の取得による支出2,512百万円等が発生しています。

財務活動によるキャッシュ・フローは、12,639百万円の支出(前年同期は15,320百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、借入による収入6,960百万円であり、支出の主な内訳は、親会社の株主への配当金の支払額14,252百万円です。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

特記事項はありません。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因、今後の方針等について

当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。