当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念である「人に感謝、物に感謝」の精神の下、自然災害の増加、物価高騰、少子高齢化社会の到来といった経営環境の変化に対して、食を通じたホスピタリティの提供を通じて、次世代への食文化の継承と世界へ向けた日本の食文化を発信していく方針としております。
経営方針の実現のためには、人口推移や少子高齢化社会、女性や高齢者労働人口の増加などの変化への対応を行うとともに、外国人労働者への需要喚起を行ってまいります。
また、サステナブルな社会の実現のため、当社グループでは農産物の生産者様と連携した循環型農業の促進や規格外野菜の商品化による廃棄物の削減にも取り組んでおります。また、当社セントラルキッチンでの製造時に発生した規格外商品や店舗において賞味期限間近となった商品を子ども食堂に提供する等、社会貢献に注力してまいります。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
少子高齢化や人口減少時代の到来により日本国内の食のマーケットの縮小に加え、ライフスタイルの変化が事業運営に影響を及ぼしております。
さらにウクライナ情勢の長期化や中東地域の情勢悪化による原材料価格及び資源価格の高止まり、為替相場の円安傾向の長期化、物価上昇並びに人手不足等や世界的な金融引締めや中国経済の先行き不透明感に伴う、海外景気の下振れによる我が国の景気下押し圧力等、依然として先行き不透明な事業環境が続いております。
そのような中、当社グループは、引き続き既存事業における収益構造の見直しによる損益分岐点売上高の低減、外販事業強化によるセントラルキッチンの稼働率の向上及び収益力向上を目的とした新しい設備の導入やDX推進による生産性向上を図り収益力の強化による財務の健全化を図ってまいります。
一方で新型コロナウイルス感染症の収束に伴うインバウンド需要の回復及び雇用・所得環境の改善により、経済活動の回復が続いております。外食産業市場動向調査及び全国百貨店売上概況においては、コロナ禍前には及ばないものの売上高が回復傾向にありますが、原材料価格と資源価格の高止まり、物価上昇に準じた賃上げ、それに伴う価格改定及び人手不足等への迅速な対応が課題と認識しております。
また、引き続き生産者との共存共栄に取り組み、社会貢献活動を目的にセントラルキッチンにおける食品残渣のリサイクルや、CO2削減を目的とした物流部門でのドライアイス使用量の削減に努めております。
企業ブランドの構築及び企業価値の向上を目的として、当社グループ内の様々な部門や職種の中から選抜した中堅社員によりリブランディングプロジェクトを発足し取り組みを開始しております。
株主様との接点強化につきましては、商品・サービス・経営等に対するご意見をいただくことを目的として、外食事業部及びテイクアウト事業部にて株主様限定の公開試食会や京都セントラルキッチンの見学会を開催しております。
取引先様とのコミュニケーション促進の為「梅の花グループ共栄会」を発足し、取引先様との相互発展に取り組んでおります。
「湯葉と豆腐の店 梅の花」等で利用されていたポイントカード顧客のデータを新アプリ「うめのあぷり」へ移行し、従来の業態ごとに管理していた顧客データを当社グループ内の相互送客に繋がるようにアプリの内容充実を図っております。
① 事業展開
(外食事業)
外食事業におきましては、季節の食材を使用した懐石料理やお酒が飲める逸品料理など、幅広い世代をターゲットとした付加価値の高いメニューへリニューアルいたしました。インバウンド需要に対応する為の外国語表記メニューを用意する等、訪日客への対応を行っております。
「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、総合居酒屋から豊洲直送の新鮮な魚介類を提供する業態へリニューアルしてまいります。
また、一部の店舗は、店内改装を実施しお客様の快適性及び従業員の作業環境の改善を行っております。
(テイクアウト事業)
テイクアウト事業におきましては、美味しい、安心・安全に加え、身体にやさしくヘルシーな商品開発、本格的な味から個性豊かなオリジナル寿司等、幅広い世代に合ったお手頃な価格の商品開発を進めております。また、季節感やトレンド感を重視した商品の開発を行い、季節商品や季節イベント商品等の拡充による固定客の来店頻度の向上及び新商品開発による新規顧客層の取り込みを強化しております。
(外販事業)
既存取引先への深耕を行うとともに、新規取引先としてスーパー等の小売業への販売強化を行いました。また、冷凍商品の開発を行いセントラルキッチンの製造量の増加による生産性の改善に加え、ブランド価値及び認知度の向上を目的とした梅の花及び古市庵ブランドの商品の販売、牡蠣フライ等の水産加工品の販売を強化してまいります。
(ストック事業)
大阪セントラルキッチン跡地に賃貸物件及びトランクルームを建設し、ストック事業を開始いたしました。また、当社グループ内の土地や建物等の遊休資産の有効活用を引き続き検討してまいります。
(海外展開)
タイ王国における既存事業におきましては、梅の花ソラリア店及び現地工場の運営管理強化並びに出店強化を行い、収益改善に努めております。
新規展開につきましては、現地の経済状況、インフラ等の環境整備等を総合的に勘案し、慎重に取り組み、タイ王国以外の地域でも現地の状況に応じた業態やブランドを選択し、フランチャイズ運営等柔軟な対応による海外進出を検討してまいります。
(人員対策)
外国人技能実習生共同受入事業、特定技能外国人支援事業並びにそれらの職業紹介事業を行うことを目的としたPlum協同組合により、セントラルキッチンにおける製造人員や飲食店舗での従業員不足の解消に向けて積極的に採用を行い、人員確保に努めております。
(設備投資等)
既存業態からの転換も含めた新業態開発、セントラルキッチンの生産設備等の事業基盤の拡充及び長期安定収益の確保を目的とした土地や既存保有資産の有効活用に取り組むことを想定しております。
(製造・物流)
製造部門におきましては、店舗調理作業の効率化や味・品質の安定を図るため、セントラルキッチンによる内製化の効果を再検証した商品開発を継続してまいります。また、機械化・自動化、類似商品の集約や不採算商品の削減等、生産性向上対策に加え、外部企業に製造を委託していた食材の内製化、商品の保存期間延長のために導入した急速冷凍機の活用強化を図ります。
物流部門におきましては、配送に使用する発泡スチロールやドライアイスを、リサイクルコンテナや再利用可能な高性能の保冷剤へ切り替えを行いコスト削減とCO2削減に努めております。
② 収益改善策
情報システム再構築プロジェクトにてDX推進を進めており、効率化等のコスト削減及び生産性向上の取り組みを継続してまいります。
(3)経営上の目標を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営指標として売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業キャッシュ・フロー、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROE、自己資本比率、PBR、株価を重視しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
少子高齢化に伴い従来の食需要は変容していくことが予想される中、変化に柔軟に対応し、お客様に満足していただくためには、安心・安全な食材を用いた高品質な料理、落ち着いた空間の提供だけでなく、行き届いたサービスや商品の提供による幸福感の醸成が欠かせません。これらは、食のニーズの多様化に応じた国内外への店舗展開、安定した収益源の確保が前提条件となります。
当社グループは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めておりませんが、その基本方針を具体的に策定することにより当社が具体的に対処すべき課題を明確にし、企業の継続的な成長に資するよう検討してまいります。
(1)ガバナンス
サステナビリティ全般につきましては、梅の花グループの主要部門が出席するグループ経営会議において、各部門が提起する課題について実現可能性や投資効果等について多面的に協議を行い、持続可能性を含めた統合的な戦略の検討を行い、必要に応じて取締役会に諮ったうえで対策を実施していく体制としております。
当社グループは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めておりませんが、サステナビリ ティ関連のリスク及び機会を監視し、並びに管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート•ガバナンスの体制と区別しておりません。詳細に関しましては、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
(2)戦略
当社グループは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の戦略における、リスク及びその機会に対処するための重要な取り組みは検討中であります。また、当社グループは継続的な成長及び企業価値向上を実現していくうえで、最も重要なものが人的資本であり、人材の採用と教育体制を整備することにより、人的価値を最大限に引き出す職場環境の整備を目標として取り組んでまいります。
(3)リスク管理
グループ経営会議では、人材確保・収益の確保といった継続的経営課題を企業リスクとして把握するのみならず、世界情勢・資源枯渇といった地政学的リスク、自然災害リスク、感染症リスク等を把握し、短期・中長期的対策の協議と実施を行っております。
当社グループは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めていないことから、現状のリスク管理は、コーポレート・ガバナンスの範疇と体制にて行われており、サステナビリティ関連の戦略におけるリスク及びそれに対処するための重要な取り組みを検討してまいります。
リスク管理の詳細に関しましては、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
(4)指標及び目標
(人的資本に関する方針)
当社グループは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めておりませんが、ステークホルダーのより一層の満足とその向上のため、以下の項目を目標と考えており、この目標に対応することを人的資本に関する方針としています。
・次期経営層の育成
・行き届いたサービス・商品の継続
・国内外への店舗展開
次期経営層の育成につきましては、子会社又は事業部の責任者に積極的に若手人材を配置し、大幅に裁量権を委譲し、自らが決断した経営を行わせ、OJTによる伸長を図ってまいりました。この方針につきましては今後も継続していく予定です。
行き届いたサービス・商品の継続につきましては、必要な人材の確保を行い、店舗責任者のリスキリングを実現し、料理・サービススキルの向上に務め、自らの能力伸張が自覚できる研修制度と納得性のある報酬制度の確立により従業員エンゲージメントを高めることで離職率を低下し、従業員の習熟度を向上し、結果的にお客様に十分満足していただけるサービス・商品を提供してまいります。また、女性のお客様・従業員の比率が多いという状況に対して、女性幹部を登用し、女性目線による、料理、事業運営、従業員の就業環境の向上を図ってまいります。さらに、和食文化の伝統を守りつつも、お客様を飽きさせない料理や商品を提供し続けていくために、料理人の育成と社外からの中途人材の採用も検討してまいります。
国内外への店舗展開につきましては、国内店舗の外国人のお客様、海外店舗のお客様への対応のため、外国語のできる日本人・外国人の従業員の採用、外国語による当社情報の発信を行い、インバウンド需要を取り込むと共に、国内外の外国人のお客様への需要喚起を図ってまいります。
当社グループでは、女性が活躍できる職場環境づくりと社員の仕事と子育ての両立を目的に、以下を目標として取り組んでまいります。
指標 |
2024年4月期実績 |
2026年4月期目標 |
女性管理職比率 |
12.9% |
20.0% |
男性育児休業取得率 |
0.0% |
80.0% |
(注)指標実績はグループ全体であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)継続企業の前提
継続企業の前提に関する重要事象等については、新型コロナウイルス感染症に関する各種制限が解除されたこと等により、損益状況の改善がみられたため、第1四半期連結会計期間において解消したと判断しております。
(2)事業運営上のリスク
① 原材料の高騰
自然災害、異常気象に伴う需給バランスの変動及び為替の変動により食材の安定的確保に支障が生じた場合、世界情勢の影響等で食材価格が高騰し、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては、原材料の調達において複数社、複数産地からの購買及びレシピの変更等によりリスクの分散を図っております。当社グループの店舗におきましては、メニュー構成や商品構成の変更による客単価アップに取り組み、売上総利益の確保を図るとともに価格改定も実施しております。
② 出店
出店につきましては、立地条件、賃借条件及び店舗の採算性等を勘案し、決定しております。希望条件通りの物件が見つからない、店舗運営に必要な人材確保が困難等により出店が不可能な場合や出店先である商業施設等の閉鎖及び極度の集客力低下、近隣への競合店舗の出店等、出店後に環境が大幅に変化した場合におきましては、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては店舗開発部門において随時、開発事業者及び不動産会社から物件や当該物件周辺の状況等の情報を収集し、出店不可能や出店後の環境悪化の回避に取り組んでおります。
③ 新業態開発
当社グループは、「湯葉と豆腐の店 梅の花」「和食鍋処 すし半」「海産物居酒屋 さくら水産」を中心とした外食事業、「古市庵テイクアウト店」「梅の花テイクアウト店」等のテイクアウト事業にて業容拡大を図っております。これらに続く新業態の開発及び事業化が遅れた場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては新業態開発に支障や遅延の発生がないよう、各事業部門とは別に新業態開発部門を設置しております。
④ 店舗の賃借物件への依存
当社グループは店舗展開にあたり、店舗の賃貸人との定期建物賃貸借契約等を締結、その内容に従い敷金・保証金及び建設協力金を差入れております。賃貸人の破産等により敷金・保証金及び建設協力金の回収が不能となった場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人の事情により更新ができない場合があります。それに伴う計画外の退店により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、主に店舗を単位とし、遊休資産は個別の物件ごととし、同様の単位で減損処理の可否の判断をしております。固定資産の収益性低下による投資額の回収が見込めない店舗等の増加により多額の固定資産の減損損失が計上された場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 原状回復費用
店舗等の定期建物賃貸借契約等にて規定される原状回復義務において、原状回復工事費用が高騰した場合は、資産除去債務の再計算により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 有利子負債
当社グループの2024年4月期末の有利子負債残高は、170億6百万円で総資産に対する割合が67.9%と高い水準にあります。今後、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合、当社グループの財政状況に影響を及ぼす可能性がありますが、営業キャッシュ・フローの状況に応じた設備投資総額のコントロール等により必要な対応を実施いたします。
(3)食の安全性
食中毒・健康被害等の重大事故の発生により、食品等の廃棄、営業許可の取消、営業停止、信用の低下等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、コンプライアンス・危機管理委員会の下に食の安全委員会を設置し、グループ各社が品質管理等に関する情報共有をするとともに、内部監査室による定期的なグループ内店舗の衛生状態の点検を実施し、食中毒や異物混入等の事故防止に努めております。
(4)人材の確保
当社グループの円滑な事業運営の継続においては、パートタイマーを含めた人員確保及び人材育成が必要であります。新入社員の採用、中途社員の採用等、継続的な人材確保に注力しておりますが、計画通りの採用ができない場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては、外国人技能実習生共同受入事業、特定技能外国人支援事業並びにそれらの職業紹介事業を行うことを目的としたPlum協同組合を設立し、人材確保に取り組んでおります。
(5)業績の季節偏重
当社グループの主力事業である「外食事業」及び「テイクアウト事業」の需要は、忘新年会や歓送迎会、おせち販売や節分等の季節イベントに合わせて高まることから、当社グループの売上高及び営業利益は下半期に偏重する傾向にあります。なお、2024年4月期における当社グループの四半期毎の業績推移は下記のとおりです。
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
売上高(百万円) |
6,904 |
7,166 |
8,366 |
7,379 |
29,816 |
構成比(%) |
23.2 |
24.0 |
28.1 |
24.7 |
100.0 |
営業利益(百万円) |
74 |
△30 |
617 |
159 |
819 |
構成比(%) |
9.0 |
△3.7 |
75.3 |
19.4 |
100.0 |
(6)顧客情報等のセキュリティ
当社グループの当該顧客情報につきましては、厳重に運用・管理しておりますが、不正及びハッキング等の発生等により顧客情報が漏洩した場合、損害賠償の発生や信用の失墜等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社はグループ全体のセキュリティ対策としてウイルス対策ソフトやソフトウェア更新による脆弱性解消に努めております。
(7)大規模災害、感染症等
地震・台風・集中豪雨等の大規模な自然災害や感染症の発生、事故等による交通の遮断等によって、当社グループの製造、物流、販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害が発生し、製造活動の停止や店舗の休業、交通網の遮断に伴う商品供給の遅延等、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、定期的な防災設備点検を実施、また、セントラルキッチンは4ヶ所、販売拠点については34都道府県に分散し、機能停止回避を意図した体制を構築しております。
(8)法令諸規制について
当社グループは事業活動において、食品衛生法、食品表示法、環境・リサイクル関連法規をはじめ、さまざまな法令諸規制の適用を受けております。これらの法令諸規制は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する各種制限の解除及び政府による各種政策の効果並びに雇用・所得環境の改善により、経済活動の緩やかな回復が続いております。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化による原材料価格及び資源価格の高止まり、為替相場の円安傾向の長期化及び世界的な金融引締め、並びに中国経済の先行き不透明感に伴う海外景気の下振れが我が国の景気の下押し圧力となっております。
外食業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類相当より5類感染症へ移行後初めての制限のない歓送迎会シーズンとなり、数十人規模の団体客が増加するなど外食需要の高まりや価格改定の効果により、業績は概ね好調に推移いたしました。また、入国制限の緩和以降、インバウンド消費が引き続き好調となっております。一方で、コロナ禍を契機としたライフスタイルの変化がもたらした深夜時間帯における飲食需要の減退、慢性的な人手不足、また、それらの要因による企業倒産の増加等、非常に厳しい状況が続く中、物価上昇に伴う賃金上昇の好循環を成し遂げるべく賃上げを打ち出す動きが活発化しつつあります。
当社グループにおきましては、コロナ禍において落ち込んだ業績回復を目指して、引き続き各事業部門の組織運営力の強化及びDX推進による管理業務の合理化による生産性向上に努めるとともに、セントラルキッチンの製造機器の更新や新規導入及び生産管理の精度向上による収益力の向上に尽力しております。また、物価上昇の影響を考慮し当社グループにおいても賃上げを実施いたしました。
環境問題への取り組み及び社会貢献の一環として、京都、久留米及び佐野の3ヶ所のセントラルキッチンにバイオコンポスターを導入し、セントラルキッチンから排出される食品残渣の廃棄量削減を継続しております。食品残渣より発酵分解された生成物を基にした堆肥を生産者に提供し栽培した農作物については、規格外品も含めた全量を当社が生産者より直接買い取るリサイクルシステムの運用を継続しております。今シーズンは、水稲、白菜、大根が店舗へ食材として供給されました。今後は、作付けする農作物の量や種類及び地域の拡大に向けた準備を進めております。
また、北海道においては豆腐用大豆「ゆきぴりか」の生産者との交流を図り全量買い取りを前提とした契約栽培を継続し原料の安定確保に努めております。
脱炭素社会に向けた取り組みとして、物流センターから冷蔵及び冷凍の食材を店舗に配送する際に使用する資材を保冷効果に優れたリサイクルコンテナと再利用可能な保冷材に切り替え、CO2及び経費の削減を継続しております。
リブランディングの取り組みといたしまして、営業・製造・企画などグループ内の様々な部門や職種の中から選抜した中堅社員からなるリブランディングプロジェクトを発足し、企業イメージ及び企業価値の向上に着手し、取り組みを継続しております。この取り組みの一環として、お子様のハレの日にご来店いただいたお客様に思い出を形として残していただくため、絵本作家わらべきみか氏のデザインによるオリジナルフォトフレームを作成し、記念写真と合わせてプレゼントするサービスを一部の飲食店舗において開始いたしました。
オリジナルフォトフレームの素材は、「有機廃棄される備蓄米」や「食べられなくなったお米(非食用米)」を配合して製造された紙を使用することで、フードロス削減の活動支援を行っております。
また、「うめのあぷり」から外食事業及びテイクアウト事業の各ブランドの情報発信を行い、お客様による当社グループの業態を超えた回遊性を高めるべくアプリの内容充実を進め、顧客接点強化に注力しております。
さらに、株主様及び取引先様との接点の強化にも取り組んでおります。
株主様との接点につきましては、商品・サービス・経営等に対するご意見をいただくことを目的とした外食事業及びテイクアウト事業における試食会、京都セントラルキッチンの見学会を継続してまいります。
取引先様との接点につきましては、相互発展を目指した協力及び親睦と交流を図ることを目的として、「梅の花グループ共栄会」を発足いたしました。
出退店につきましては、3店舗出店及び7店舗退店し、当連結会計年度の店舗数は、279店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は298億16百万円(前期比108.6%)となり、営業利益は8億19百万円(前期は営業利益89百万円)、経常利益は7億39百万円(前期は経常利益14百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億20百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4億40百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に詳細を記載しております。
(外食事業)
外食事業におきましては、4年ぶりに新型コロナウイルス感染症による行動制限のない歓送迎会シーズンやインバウンド需要が引き続き好調なこともあり、売上高の回復傾向が継続しております。
「湯葉と豆腐の店 梅の花」につきましては、季節の食材を使用した懐石等のメニューや季節ごとのテイクアウト商品の販売強化を行い、引き続きお客様満足度の向上と売上確保に努めております。一部店舗においては、店内改装を実施しお客様の快適性及び従業員の作業環境の改善を行いました。また、「うめのあぷり」の会員様を対象とした試食会の継続実施に加えて店舗にてお食事をされたお客様を対象に、料理に関するアンケートを実施、お客様の声を商品開発に反映する等、顧客との接点を増やすことに取り組んでおります。また、メニュー価格の改定を行い、原価率の改善等に取り組み営業利益の確保に努めております。
「和食鍋処 すし半」につきましては、お酒が飲める逸品料理や幅広い世代をターゲットとしたメニューへリニューアルいたしました。また、LINEを活用したクーポン発行、近隣企業へのDM発送など集客に努めるとともにメニュー価格を改定したことにより客数・客単価ともに前期を上回っております。
「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、横浜日本大通り店を2023年10月に豊洲直送の新鮮魚介類を中心にお得に楽しめる居酒屋「魚がイチバン 横浜日本大通り店」としてリニューアルオープンし、好調に推移しております。また、さくら水産朝霞台北口店に続きさくら水産イオン新浦安店及び海鮮処魚さま光が丘店にて「まぐろの解体ショー」を行い、集客と認知度向上に引き続き努めております。
「熊本あか牛 しゃぶしゃぶ 甲梅」につきましては、インバウンドの効果が継続して好調なことにより前期の売上高を大きく上回っております。
各業態において取り組んでまいりましたメニューのリニューアル、顧客接点強化による認知度及び来店客数の増加、店舗管理体制の強化並びにコスト削減により、前期のセグメント利益より7億11百万円の改善となりました。
以上の結果、外食事業の売上高は169億99百万円(前期比111.6%)、セグメント利益9億31百万円(前期はセグメント利益2億19百万円)となりました。
店舗数につきましては、梅の花は1店舗退店し71店舗、すし半は9店舗、さくら水産は2店舗退店し20店舗、その他店舗は18店舗、外食事業の全店舗数は118店舗であります。
(テイクアウト事業)
テイクアウト事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症移行後、外出機会の増加に伴い引き続き業績は回復傾向にあります。
梅の花・古市庵ブランドともに節分やひな祭りなどの各種イベント商品の販売が引き続き好調なことにより売上は堅調に推移いたしました。
前期に引き続き、梅の花・古市庵ブランドともに商品の価格改定を実施し原材料価格高騰に対応するとともに、店舗における効率的な商品製造や人員配置などの指導、並びに廃棄及び値引き等のロス抑制による原価率改善等、収益改善により前期のセグメント利益より78百万円の改善となりました。また、株主様に加えて一般のお客様を対象とした公開試食会を開催し、顧客との接点を増やすことに努めております。
以上の結果、テイクアウト事業の売上高は105億41百万円(前期比101.0%)、セグメント利益7億61百万円(前期はセグメント利益6億83百万円)となりました。
店舗数につきましては、古市庵テイクアウト店は2店舗出店及び4店舗退店し104店舗、梅の花テイクアウト店は1店舗出店し52店舗、その他店舗は5店舗、テイクアウト事業の全店舗数は161店舗となりました。
(外販事業)
外販事業におきましては、「古市庵」の冷凍なみはや寿司、「湯葉と豆腐の店 梅の花」の人気商品、冷凍カキフライなど味の定評と独自性を活かし販路の拡大に努めております。
「通販本舗 梅あそび」につきましては、楽天市場等、他社の通販サイトへの出品の強化に加えて、WEB広告の継続による顧客へのアプローチに努めております。
以上の結果、外販事業の売上高は22億54百万円(前期比127.5%)、セグメント損失84百万円(前期はセグメント損失77百万円)となりました。
なお、株式会社丸平商店につきましては、2023年8月1日に当社へ吸収合併をいたしました。
(その他)
当社グループが所有する土地・建物等、有効活用を目的としたストック事業を進めており、大阪セントラルキッチン跡地に賃貸物件を建設し、賃貸事業を開始しております。
その他の売上高は21百万円(前期比137.9%)、セグメント損失1百万円(前期はセグメント損失1百万円)となりました。
当連結会計年度末における資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ2億68百万円減少し、250億36百万円となりました。これは主に、棚卸資産が8億33百万円及び流動資産その他が5億32百万円増加し、現金及び預金が8億98百万円及び投資有価証券が6億38百万円減少したことによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ10億4百万円減少し、217億59百万円となりました。これは主に、借入金の総額が7億11百万円減少したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ7億36百万円増加し、32億77百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益10億20百万円の計上、普通株式及びA種優先株式の配当等により資本剰余金が1億62百万円並びにその他有価証券評価差額金が1億81百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して、3億77百万円減少し、29億39百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は6億90百万円(前期は9億56百万円の収入)となりました。
前期に比べ2億65百万円収入が減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益が14億99百万円増加し、棚卸資産の増減額が5億23百万円、仕入債務の増減額が45百万円、助成金の受取額が5億85百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1億32百万円(前期は8億44百万円の支出)となりました。
前期に比べ7億11百万円支出が減少した主な要因は、投資有価証券の売却による収入が7億11百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は9億34百万円(前期は29億49百万円の支出)となりました。
前期に比べ20億14百万円支出が減少した主な要因は、短期借入金の純増減額が20億20百万円、長期借入れによる収入が2億29百万円増加し、長期借入金の返済による支出が1億26百万円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
外食事業 |
1,613,643 |
110.5 |
テイクアウト事業 |
1,917,624 |
105.1 |
外販事業 |
2,584,306 |
139.4 |
その他 |
- |
- |
合計 |
6,115,574 |
119.0 |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.当連結会計年度において、外販事業の生産実績に著しい変動がありました。その内容等については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 受注実績
当社グループは、店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
外食事業 |
16,999,328 |
111.6 |
テイクアウト事業 |
10,541,219 |
101.0 |
外販事業 |
2,254,918 |
127.5 |
その他 |
21,403 |
137.9 |
合計 |
29,816,869 |
108.6 |
(注)1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、外販事業の販売実績に著しい変動がありました。その内容等については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
④ 地域別販売実績
地域別 |
売上高(千円) |
構成比(%) |
前期比(%) |
福岡県 |
3,757,804 |
12.6 |
107.9 |
佐賀県 |
740,924 |
2.5 |
101.9 |
長崎県 |
409,168 |
1.4 |
114.9 |
熊本県 |
300,656 |
1.0 |
103.6 |
大分県 |
336,247 |
1.1 |
103.3 |
鹿児島県 |
350,785 |
1.2 |
120.8 |
宮崎県 |
34,210 |
0.1 |
96.4 |
愛媛県 |
285,786 |
1.0 |
103.2 |
山口県 |
1,372,778 |
4.6 |
109.3 |
広島県 |
641,201 |
2.2 |
101.5 |
岡山県 |
372,427 |
1.2 |
101.3 |
兵庫県 |
1,552,126 |
5.2 |
107.6 |
大阪府 |
4,862,154 |
16.3 |
110.8 |
和歌山県 |
73,120 |
0.2 |
100.8 |
奈良県 |
328,038 |
1.1 |
101.6 |
京都府 |
814,684 |
2.7 |
113.0 |
滋賀県 |
249,472 |
0.8 |
106.5 |
三重県 |
113,251 |
0.4 |
97.4 |
岐阜県 |
153,689 |
0.5 |
106.2 |
愛知県 |
1,124,969 |
3.8 |
106.7 |
静岡県 |
360,461 |
1.2 |
100.9 |
福井県 |
62,889 |
0.2 |
113.3 |
石川県 |
343,170 |
1.2 |
100.7 |
富山県 |
294,549 |
1.0 |
96.8 |
新潟県 |
145,866 |
0.5 |
104.8 |
東京都 |
5,498,513 |
18.4 |
113.2 |
神奈川県 |
2,359,119 |
7.9 |
104.0 |
千葉県 |
1,137,107 |
3.8 |
108.9 |
埼玉県 |
912,248 |
3.1 |
117.3 |
群馬県 |
28,012 |
0.1 |
94.1 |
茨城県 |
201,397 |
0.7 |
106.4 |
福島県 |
157,454 |
0.5 |
110.9 |
宮城県 |
304,514 |
1.0 |
100.8 |
北海道 |
138,082 |
0.5 |
120.0 |
合計 |
29,816,869 |
100.0 |
108.6 |
(注)福岡県には、ギフト商品等の通信販売を含んでおります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
四半期会計期間別セグメント別売上高及び売上高前年比(売上高は外部顧客売上高)
(単位:百万円、%)
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
外食事業 |
売上高 |
3,997 |
4,017 |
4,781 |
4,201 |
16,999 |
前年比 |
113.8 |
115.8 |
111.7 |
105.9 |
111.6 |
|
テイクアウト事業 |
売上高 |
2,531 |
2,503 |
2,854 |
2,651 |
10,541 |
前年比 |
103.8 |
103.0 |
98.8 |
98.9 |
101.0 |
|
外販事業 |
売上高 |
371 |
640 |
724 |
518 |
2,254 |
前年比 |
131.7 |
126.1 |
135.5 |
116.9 |
127.5 |
|
その他 |
売上高 |
4 |
4 |
5 |
6 |
21 |
前年比 |
151.5 |
112.4 |
123.3 |
170.0 |
137.9 |
|
連結売上高 |
売上高 |
6,904 |
7,166 |
8,366 |
7,379 |
29,816 |
前年比 |
110.7 |
111.8 |
108.5 |
104.0 |
108.6 |
(外食事業)
第1四半期及び第2四半期は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことにより、売上高は前年実績を大幅に上回りました。第3四半期及び第4四半期は、4年ぶりに新型コロナウイルス感染症による制限のない年末年始や歓送迎会及びインバウンド需要の回復により前年実績を上回る結果となりました。
(テイクアウト事業)
当期は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行後、外出機会の増加により百貨店等への来店客数の回復が見られたことにより売上高は前年実績を上回りました。
(外販事業)
当期は、新規取引先の拡大や既存取引先へのセントラルキッチンの既存製品の販売量増加や、冷凍惣菜等の新商品開発による取扱品目の増加並びに量販店向けに販売強化を行い、前年実績を上回りました。
(その他)
当期は、当社グループが所有する土地・建物等、有効活用を目的としたストック事業を開始いたしました。
b.営業利益
四半期会計期間別セグメント営業利益及び前年増減額
(単位:百万円)
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
外食事業 |
セグメント利益 |
153 |
48 |
538 |
190 |
931 |
前年増減 |
+241 |
+235 |
+254 |
△18 |
+711 |
|
テイクアウト事業 |
セグメント利益 |
159 |
143 |
268 |
190 |
761 |
前年増減 |
+43 |
+46 |
+10 |
△21 |
+78 |
|
外販事業 |
セグメント利益 |
△33 |
△37 |
7 |
△21 |
△84 |
前年増減 |
+10 |
△22 |
△5 |
+9 |
△7 |
|
その他 |
セグメント利益 |
0 |
0 |
1 |
△4 |
△1 |
前年増減 |
+1 |
+0 |
+0 |
△2 |
+0 |
|
連結営業利益 |
セグメント利益 |
74 |
△30 |
617 |
159 |
819 |
前年増減 |
+227 |
+216 |
+199 |
+86 |
+729 |
(外食事業)
セグメント利益の確保のため、コスト削減に取り組むとともに賃上げや原材料及び資源価格の上昇に対応するため各業態で販売価格の改定を実施いたしました。
第4四半期は、2025年4月期に計画していた店舗改装の一部を前倒ししたことにより前期より18百万円減少いたしました。
(テイクアウト事業)
セグメント利益の確保のため、適正なシフト管理、店舗内製造の強化と製造量の調整によるロスの削減による売上原価率の改善、売上高に対する販売管理費比率の低減等に努めるとともに、価格改定を実施し人件費上昇や原材料価格高騰の対応を行いました。
また、百貨店への来客数が増加したことや季節イベント等の各種企画商品の販売が好調なことにより、売上高が前年を上回ったことで、セグメント利益は増益となりました。
(外販事業)
新しい試みとして冷凍おせちの製造を受託する等、既存商品の販売強化を行うとともに、冷凍寿司等の冷凍商品の販売強化を目的に、量販店等の新規取引先を開拓したことで売上高が前年実績を上回りましたが、仕入れ原材料の価格の上昇により、セグメント損失は84百万円となりました。
(その他)
当社の保有する土地や建物等の資産を有効活用するため、第4四半期より大阪セントラルキッチン跡地に賃貸物件及びトランクルームを建設し、ストック事業を開始いたしました。建設に係る一時費用を計上したことにより、セグメント損失となりました。
(全社費用)
各セグメントに帰属しない全社費用については、コスト削減や業務の効率化及び生産性の向上により前年より729百万円の改善となりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益3億76百万円を特別利益に計上したことにより、10億20百万円となりました。
d.財政状態
(単位:百万円)
|
当期末 |
前期増減 |
主な増減内容 |
資産合計 |
25,036 |
△268 |
現金及び預金 |
負債合計 |
21,759 |
△1,004 |
借入金の返済 |
純資産 |
3,277 |
736 |
親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び資本剰余金の減少 |
資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ2億68百万円減少し、250億36百万円となりました。これは主に、棚卸資産が8億33百万円及び流動資産その他が5億32百万円増加し、現金及び預金が8億98百万円及び投資有価証券が6億38百万円減少したことによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ10億4百万円減少し、217億59百万円となりました。これは主に、借入金の総額が7億11百万円減少したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ7億36百万円増加し、32億77百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益10億20百万円の計上、普通株式及びA種優先株式の配当等により資本剰余金が1億62百万円並びにその他有価証券評価差額金が1億81百万円減少したことによるものであります。
なお、経営成績及び財政状態の検討課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
|
2020年4月期 |
2021年4月期 |
2022年4月期 |
2023年4月期 |
2024年4月期 |
自己資本比率(%) |
11.0 |
3.6 |
10.4 |
9.9 |
13.0 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
- |
- |
55.8 |
18.6 |
24.6 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
- |
- |
4.4 |
12.5 |
9.0 |
自己資本比率:自己資本/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
2.2020年4月期及び2021年4月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金運用を短期的な預金等に限定し、資金繰り計画に基づき、銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。借入金のうち短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。
また、営業債務や借入金等は、流動性のリスクに晒されておりますが、当社グループではグループ会社や各部署からの報告に基づき担当部署が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業キャッシュ・フロー、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROE、自己資本比率、PBR、株価を重視しております。
また、当社グループは、経済状態や消費動向の変化に対応するために、迅速な意思決定を行うよう努めており、ROEの安定的向上を意識しながら、収益構造の構築に努め、堅実な財務体質を堅持する方針としております。ROEにつきましては、目標としていた5%を達成しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、資産又は資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化等が含まれます。
減損テストは、資産又は資産グループの帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額又は使用価値により測定しております。使用価値は、当社グループに要求される資本コストを考慮した割引率による割引後の将来キャッシュ・フローの合計額としております。
減損損失の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、成長率等について一定の仮定を用いております。これらの仮定は、過去の実績や会社により承認された事業計画等、最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業戦略の変更や市場環境によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5.減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失1億7百万円を計上いたしました。
b. 資産除去債務
当社グループは、主に店舗用の不動産賃借に係る契約に規定された原状回復義務に基づく原状回復費用の見込額を使用見込期間で割り引いた金額を資産除去債務として計上しております。使用見込期間は該当資産の耐用年数を基準に決定しており、割引率は、当該期間における国債利回りを使用しております。
原状回復費用の見込額は、過年度の原状回復費用の実績から異常値を除いた平均値又は退店の意思決定を行った店舗については、個別の見積額を使用しております。
過年度の原状回復費用の平均値について、将来の実績値と大きく乖離する場合は、資産除去債務の履行差額の計上又は資産除去債務の追加計上により翌連結会計年度の損益に影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度、繰り戻し及び繰り越し期間における課税所得を見積っております。当社及び一部の連結子会社はグループ通算制度を適用しており、法人税に係る部分についてはグループ通算制度を適用するグループ全体として見積りしております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。