第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況の分析

業績の状況

 当グループの当中間連結会計期間の業績は次のとおりです。

 売上収益は、為替影響に加え、事業が堅調に推移した日立エナジー社や鉄道システム事業におけるThales S.A.(以下、「Thales社」といいます。)の鉄道信号関連事業の買収等により増収となったグリーンエナジー&モビリティセグメント、公共分野及びエネルギー分野を中心にシステムのモダナイゼーションやマイグレーション等の大口案件を含むLumada事業が堅調に推移したデジタルシステム&サービスセグメント等の増収要因があったものの、日立Astemo㈱株式の一部売却に伴う減収等により、前年同期に比べて8%減少し、4兆5,459億円となりました。

 売上原価は、前年同期に比べて13%減少し、3兆2,527億円となり、売上収益に対する比率は、前年同期に比べて3%減少して72%となりました。売上総利益は、前年同期に比べて5%増加し、1兆2,932億円となりました。

 販売費及び一般管理費は、前年同期に比べて2%減少し、8,884億円となり、売上収益に対する比率は、前年同期に比べて2%増加して20%となりました。

 持分法による投資損益は、日立Astemo㈱の持分法投資損益の悪化等に伴い、前年同期に比べて285億円減少し、46億円の利益となりました。

 これらの結果、Adjusted EBITA(Adjusted earnings before interest, taxes and amortizationの略であり、売上収益から、売上原価並びに販売費及び一般管理費の額を減算して算出した指標に、企業結合により認識した無形資産等の償却費を足し戻した上で、持分法による投資損益を加算した指標)は、前年同期に比べて661億円増加し、4,670億円となりました。

 その他の収益は、固定資産損益の増加等により、前年同期に比べて329億円増加して545億円となりました。その他の費用は、前年同期に比べて26億円減少して401億円となりました。

 金融収益(受取利息を除く。)は、前年同期に比べて212億円増加して278億円となり、金融費用(支払利息を除く。)は、前年同期に比べて8億円減少して34億円となりました。

 受取利息及び支払利息調整後税引前中間利益は、前年同期に比べて1,084億円増加し、4,483億円となりました。

 受取利息は、前年同期に比べて20億円増加して217億円となり、支払利息は、前年同期に比べて68億円減少して307億円となりました。

 税引前中間利益は、前年同期に比べて1,172億円増加し、4,393億円となりました。

 法人所得税費用は、前年同期に比べて342億円増加し、1,239億円となりました。

 中間利益は、前年同期に比べて830億円増加し、3,153億円となりました。

 非支配持分に帰属する中間利益は、前年同期に比べて1億円減少し、231億円の利益となりました。

 これらの結果、親会社株主に帰属する中間利益は、前年同期に比べて831億円増加し、2,922億円となりました。

 

セグメントごとの業績の状況

 セグメントごとに業績の状況を概観すると次のとおりです。各セグメントの売上収益は、セグメント間内部売上収益を含んでいます。また、当中間連結会計期間の期首より、報告セグメントの区分を、デジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズ、その他の4セグメントへ変更しています。

 

(デジタルシステム&サービス)

 売上収益は、為替影響に加え、公共分野及びエネルギー分野を中心にシステムのモダナイゼーション及びマイグレーション等の大口案件を含むLumada事業が堅調に推移したこと等により、前年同期に比べて10%増加し、1兆3,124億円となりました。

 Adjusted EBITAは、売上収益の増加、プライシングの見直し及びプロジェクトマネジメントの強化等による収益性の改善等により、前年同期に比べて341億円増加し、1,691億円となりました。

 

(グリーンエナジー&モビリティ)

 売上収益は、為替影響に加え、日立エナジー社における受注残からの着実な売上転換や鉄道システム事業におけるThales社の鉄道信号関連事業買収等により、前年同期に比べて33%増加し、1兆7,857億円となりました。

 Adjusted EBITAは、パワーグリッド事業やThales社の鉄道信号関連事業の買収に伴うPMI(Post Merger Integration)に係る関連費用等の増加や鉄道事業における一部の低採算案件による減益影響等があったものの、売上収益の増加や日立エナジー社における収益性の向上等により、前年同期に比べて732億円増加し、1,529億円となりました。

 

 

(コネクティブインダストリーズ)

 売上収益は、生活・エコシステム事業が減収となったものの、為替影響やインダストリアルプロダクツ事業、ビルシステム事業及び計測分析システム事業が堅調に推移したこと等により、前年同期に比べて2%増加し、1兆4,950億円となりました。

 Adjusted EBITAは、売上収益の増加等により、前年同期に比べて213億円増加し、1,670億円となりました。

 

(その他)

 売上収益は、前年同期に比べて2%減少し、2,377億円となりました。Adjusted EBITAは、前年同期に比べて18億円悪化し、60億円となりました。

 

国内・海外売上収益の状況

 国内売上収益は、フロントビジネス事業が堅調に推移したデジタルシステム&サービスセグメントや、原子力事業が堅調に推移したグリーンエナジー&モビリティセグメント等が増収となりましたが、日立Astemo㈱株式の一部売却に伴う減収等により、前年同期に比べて5%減少し、1兆6,790億円となりました。

 海外売上収益は、事業が堅調に推移した日立エナジー社や鉄道システム事業におけるThales社の鉄道信号関連事業買収等によりグリーンエナジー&モビリティセグメントが増収となりましたが、日立Astemo㈱株式の一部売却に伴う減収等により、前年同期に比べて10%減少し、2兆8,669億円となりました

 この結果、売上収益に占める海外売上収益の比率は、前年同期に比べて1%減少し、63%となりました。

 

(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析

流動性と資金の源泉

 当中間連結会計期間において、流動性の維持及び資金の確保の方針、資金管理の効率の改善に向けた取組み並びに資金の源泉及び資金調達の考え方に重要な変更はありません。

 

キャッシュ・フロー

 当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。

 

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

 営業活動に関するキャッシュ・フローは、前年同期に比べて64億円の資金の増加となり、3,233億円の収入となりました。これは、法人所得税等の支払が前年同期に比べて増加したものの、中間利益が増加したこと等によるものです。

 

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

 投資活動に関するキャッシュ・フローは、前年同期に比べて2,015億円の資金の減少となり、3,118億円の支出となりました。これは、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得による支出が、当中間連結会計期間においてThales社の鉄道信号関連事業を買収したこと等により、前年同期に比べて2,587億円増加したこと等によるものです。

 

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

 財務活動に関するキャッシュ・フローは、前年同期に比べて2,933億円の資金の増加となり、990億円の収入となりました。これは、自己株式の取得額が前年同期に比べて増加したものの、短期借入金及び長期借入債務の純収入額(収入額と支出額の差)が前年同期に比べて増加したこと等によるものです。

 

 フリー・キャッシュ・フロー(営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合わせたもの)は、前年同期に比べて1,951億円の資金の減少となり、114億円の収入となりました。

 また、コア・フリー・キャッシュ・フロー(フリー・キャッシュ・フローから、M&Aや資産売却他に係るキャッシュ・フローを除いた経常的なキャッシュ・フロー)は、前年同期に比べて474億円の資金の増加となり、1,686億円の収入となりました。

 これらの結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前年度末に比べて888億円増加し、7,942億円となりました。

 

 

資産、負債及び資本

 当グループの当中間連結会計期間末の資産、負債及び資本の状況は次のとおりです。

 総資産は、為替影響等による減少要因等があったものの、Thales社の鉄道信号関連事業の買収等により、前年度末に比べて3,473億円増加し、12兆5,686億円となりました。

 有利子負債(短期借入金及び償還期長期債務を含む長期債務の合計)は、短期借入金の増加や契約負債(前受金)の増加等に伴い、前年度末に比べて3,490億円増加し、1兆5,290億円となりました。

 親会社株主持分は、前年度末に比べて2,023億円減少し、5兆5,013億円となりました。この結果、親会社株主持分比率は、前年度末の46.7%に対して43.8%となりました。

 非支配持分は、前年度末に比べて16億円減少し、1,542億円となりました。

 資本合計は、前年度末に比べて2,040億円減少し、5兆6,555億円となり、資本合計に対する有利子負債の比率は、前年度末から0.07ポイント増加し、0.27倍となりました。

 

(3)経営方針

 当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。

 

(4)対処すべき課題

①事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。

 

②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。当中間連結会計期間における当グループの研究開発費は、売上収益の2.7%にあたる1,225億円であり、内訳は次のとおりです。

 

セグメントの名称

研究開発費

(億円)

 デジタルシステム&サービス

260

 グリーンエナジー&モビリティ

389

 コネクティブインダストリーズ

465

 その他

4

 全社及び消去

106

  合  計

1,225

 

(6)設備の状況

 当中間連結会計期間において、著しい変動のあった主要な設備は、次のとおりです。

 

国内子会社

(2024年9月30日現在)

子会社事業所名

(主な所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳 簿 価 額 (百万円)

従業員数(人)

土 地

(面積千㎡)

建物及び
構築物

機械装置

及び運搬具

工具、

器具及び

備品

使用権

資産

その他の

有形固定資産

建設

仮勘定

合 計

㈱日立ハイテク

笠戸地区

(山口県下松市)(注)

コネクティブインダストリーズ

半導体関連製造装置等生産設備

321

(15)

2,908

4,945

1,466

1,900

10,164

21,706

648

(注)半導体製造装置事業における生産能力強化を目的とした新製造棟の建設に伴い、「建設仮勘定」の帳簿価額が著しく増加しました。

 

 

(7)設備の新設、除却等の計画

当グループ(当社及び連結子会社)は、多種多様な事業を国内外で行っており、連結会計年度末及び中間連結会計期間末時点では設備の新設及び拡充の計画を個々の案件ごとに決定していません。そのため、セグメントごとの数値を開示する方法によっています。

当連結会計年度の設備投資(新設及び拡充。有形固定資産及び投資不動産受入ベース)の金額は、当中間連結会計期間末において下表のとおり変更されています。なお、変更前の金額は、前事業年度の有価証券報告書提出日時点における設備投資計画の金額です。

セグメントの名称

当連結会計年度

設備投資計画金額

(億円)

変更前

変更後

 デジタルシステム&サービス

700

700

 グリーンエナジー&モビリティ

1,570

1,610

 コネクティブインダストリーズ

1,000

1,000

 その他

170

200

 全社及び消去

160

160

  合  計

3,600

3,670

 

(注)1.上表は、使用権資産の「有形固定資産」への計上額及び投資不動産の「その他の非流動資産」への計上額を含んでいます。

2.設備投資計画の今後の所要資金については、主として自己資金をもって充当する予定です。

3.経常的な設備の更新のための除却・売却を除き、重要な設備の除却・売却の計画はありません。

 

(8)将来予想に関する記述

 「1 事業等のリスク」及び「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」等は、当社又は当グループの今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述を含んでいます。将来予想に関する記述は、当社又は当グループが当半期報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがありえます。その要因のうち、主なものは以下のとおりです。

・主要市場における経済状況及び需要の急激な変動

・為替相場変動

・資金調達環境

・株式相場変動

・原材料・部品の不足及び価格の変動

・信用供与を行った取引先の財政状態

・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国及び欧州)における政治・社会状況及び貿易規制等各種規制

・気候変動対策に関する規制強化等への対応

・情報システムへの依存及び機密情報の管理

・人財の確保

・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社及び子会社の能力

・地震・津波等の自然災害、気候変動、感染症の流行及びテロ・紛争等による政治的・社会的混乱

・長期請負契約等における見積り、コストの変動及び契約の解除

・価格競争の激化

・製品等の需給の変動

・製品等の需給、為替相場及び原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社及び子会社の能力

・コスト構造改革施策の実施

・社会イノベーション事業強化に係る戦略

・企業買収、事業の合弁及び戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生

・事業再構築のための施策の実施

・持分法適用会社への投資に係る損失

・当社、子会社又は持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続

・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等

・自社の知的財産の保護及び他社の知的財産の利用の確保

・退職給付に係る負債の算定における見積り

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において更新した重要な契約は、次のとおりです。

 

相互技術援助契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

日立GEニュークリア・エナジー株式会社

(連結子会社)

GE-Hitachi Nuclear

Energy Americas LLC

アメリカ

原子炉システム

特許実施権の交換

技術情報の交換

自 1991年10月30日

至 2024年12月31日