1 報告企業
㈱リクルートホールディングス(以下「当社」)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業です。当社の登記されている本社及び主要な事業所の住所は、ホームページ(https://recruit-holdings.com/)で開示しています。当社及びその子会社(以下「当社グループ」)の事業内容及び主要な活動は、「5 事業セグメント」に記載しています。
要約中間連結財務諸表は、2024年11月11日に代表取締役社長 兼 CEO 出木場 久征、取締役 兼 常務執行役員 ファイナンス本部担当 瀬名波 文野及び執行役員 ファイナンス本部 財務・経理・税務担当 森 暁彦によって承認されています。
2 作成の基礎
要約中間連結財務諸表は、IAS第34号に準拠して作成しています。当社は、連結財務諸表規則第1条の2第2号の「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、連結財務諸表規則第312条の規定を適用しています。なお、要約中間連結財務諸表は、年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報が含まれていないため、前年度の連結財務諸表とあわせて利用されるべきものです。
要約中間連結財務諸表は、公正価値で測定している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
要約中間連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しており、百万円未満の端数を切捨てています。
要約中間連結財務諸表の承認日までに新設又は改定が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当中間期において当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりです。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
3 重要性がある会計方針
本要約中間連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様です。
表示方法の変更
要約中間連結キャッシュ・フロー計算書関係
前中間期において、営業活動によるキャッシュ・フローのその他の増減に含めて表示していた受取利息及び受取配当金並びに財務活動によるキャッシュ・フローのその他の増減に含めて表示していたデリバティブの決済による収入は、金額的重要性が増したため、当中間期より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前中間期において、営業活動によるキャッシュ・フローのその他の増減に含めて表示していた△19,368百万円は、受取利息及び受取配当金として、また、財務活動によるキャッシュ・フローのその他の増減に含めて表示していた6,990百万円は、デリバティブの決済による収入として組み替えています。
4 重要な会計上の判断、会計上の見積り及び仮定
要約中間連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定の設定を行っています。
見積り及び仮定は、過去の実績や、合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。しかし実際の結果は、その性質上、見積り及び仮定と異なることがあります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しています。
要約中間連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び仮定は、前年度に係る連結財務諸表と同様です。
5 事業セグメント
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているセグメントです。当社グループは、事業の種類別にHRテクノロジー事業、マッチング&ソリューション事業及び人材派遣事業の3つを事業セグメントとしており、報告セグメントもこれらと同一です。
HRテクノロジー事業は、米国、日本及びその他の地域の3つの事業領域で構成されています。マッチング&ソリューション事業は、人材領域及び販促領域の2つの事業領域で構成されています。人材派遣事業は、日本並びに欧州、米国及び豪州の2つの事業領域で構成されています。
報告セグメントの利益は調整後EBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)+株式報酬費用±その他の営業収益・費用)です。
調整額の外部顧客からの売上収益には、特定の報告セグメントに配分されない収益が含まれており、セグメント利益には、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれています。全社費用は、主にセグメントに帰属しない一般管理費です。セグメント間の内部売上収益又は振替高は市場実勢価格に基づいています。なお、セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはなっていないため記載していません。
前中間期(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注)減価償却費及び償却費は、使用権資産の減価償却費を除いた金額です。
当中間期(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注)減価償却費及び償却費は、使用権資産の減価償却費を除いた金額です。
6 売上収益
分解した収益とセグメント収益の関連
主要な財・サービスのライン及びセグメント収益の関連は以下のとおりです。
HRテクノロジー内の日本地域における戦略的重要性を考慮し、当中間期より当事業における売上収益を米国、日本及びその他の地域の3つに分解して表示しています。
当社グループはHRテクノロジー事業、マッチング&ソリューション事業及び人材派遣事業の3つの事業を当社の取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために定期的に検討を行う対象としていることから、これら3事業で売上収益を計上しています。
これらの事業から生じる収益は顧客との契約に従い計上しており、売上収益に含まれる変動対価等の金額に重要性はありません。また、約束した対価の金額に含まれている重要な金融要素はありません。
(1) HRテクノロジー事業
オンライン求人マッチングプラットフォームを運営し、個人ユーザーの求職活動及び顧客の求人活動を支援するサービスを提供することで、顧客より対価を得ています。オンライン求人情報専門検索サイトにおいて、顧客が有料広告を出稿し、個人ユーザーが有料広告を通じて当該顧客の求人情報にアクセスした時点で当該履行義務は充足されるため、同時点で収益を認識しています。
(2) マッチング&ソリューション事業
人材領域
当社グループは、社員のキャリア採用を希望する顧客に対し、求める人材要件を整理した上で、職務経歴・スキル・志向の合った候補者を選定し、転職希望者を紹介する人材紹介サービスを提供しています。当社グループは、紹介した転職希望者の入社をもって、顧客から紹介料を得ています。人材紹介サービスについては、契約に基づき個々の採用の成立に関するサービスの提供を行う義務を負っています。当該履行義務は、個々の入社時点で充足されるため、同時点で収益を認識しています。
また、新卒社員・中途社員等の採用を希望する顧客に対して、当社グループが運営するインターネットサイトや情報誌への広告掲載により募集から採用までの活動を支援することで、顧客より広告掲載料を得ています。インターネットサイトへの広告掲載については、期間保証型の広告サービスについて、契約で定められた期間にわたり、広告を掲示する義務を負っています。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、当該契約期間に応じて均等按分し収益を認識しています。
情報誌への広告掲載サービスについては、契約に基づき顧客に対し、掲載期間を定めない広告関連サービスを提供しており、特定の紙面に広告を掲載する義務を負っています。そのため、情報誌の発売日(発行日)において、広告が掲載された情報誌が店頭に陳列され、消費者が購入・閲覧可能、もしくは読者に情報誌が到着した時点が履行義務の充足時点となると判断し、同時点で収益を認識しています。
販促領域
住宅、美容、旅行、結婚及び飲食等に関する情報を、当社グループが運営するインターネットサイトや情報誌に掲載し、サービス利用・商品購入を検討する個人ユーザーへ提供することで、顧客より広告掲載料を得ています。インターネットサイトへの広告掲載については、期間保証型の広告サービスについて、契約で定められた期間にわたり、広告を掲示する義務を負っています。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、当該契約期間に応じて均等按分し収益を認識しています。
情報誌への広告掲載サービスについては、契約に基づき顧客に対し、掲載期間を定めない広告関連サービスを提供しており、特定の紙面に広告を掲載する義務を負っています。そのため、情報誌の発売日(発行日)において、広告が掲載された情報誌が店頭に陳列され、消費者が購入・閲覧可能、もしくは読者に情報誌が到着した時点が履行義務の充足時点となると判断し、同時点で収益を認識しています。
(3) 人材派遣事業
当社グループは、事務職、製造業務・軽作業、各種専門職等の人材を顧客に派遣する人材派遣サービスを提供しています。人材派遣サービスについては、契約に基づき労働力を提供する義務を負っています。当該履行義務は、派遣スタッフによる労働力の提供に応じて充足されると判断し、派遣スタッフの派遣期間における稼動実績に応じて収益を認識しています。
7 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。
8 自己株式
(1)自己株式の取得
前中間期(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当社は、2023年5月17日開催の取締役会決議に基づき、2023年5月18日から2023年6月14日を買付けの期間として、公開買付けの方法により自己株式の取得を行いました。
これにより、自己株式が62,621百万円(18,827,759株)増加しました。
当中間期(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
当社は、2023年12月13日開催の取締役会決議に基づき、2023年12月14日から2024年7月17日を買付けの期間として、市場買付けの方法により自己株式の取得を行いました。
これにより、当中間期において、自己株式が91,300百万円(12,697,600株)増加しました。
また、当社は、2024年7月9日開催の取締役会決議に基づき、2024年7月10日から2025年7月9日を買付けの期間として、市場買付けの方法により自己株式の取得を行っています。
これにより、自己株式が436,777百万円(48,706,400株)増加しました。
なお、当該自己株式の取得の詳細については、「12 後発事象」に記載しています。
(2)自己株式の内訳
要約中間連結財政状態計算書に計上している自己株式には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式が含まれています。
自己株式の内訳は以下のとおりです。
9 配当金
配当金の支払額は以下のとおりです。
前中間期(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注)配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金745百万円が含まれています。
当中間期(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注)配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金630百万円が含まれています。
基準日が当中間期に属する配当のうち、配当の効力発生日が当中間期の末日後となるものは、以下のとおりです。
(注)配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金817百万円が含まれています。
10 1株当たり利益
11 公正価値測定
(1) 公正価値の測定方法
①資産
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権については、短期間で決済されるものであり、帳簿価額が公正価値に近似しています。その他の金融資産の公正価値は以下を除き、将来キャッシュ・フローを、資産の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、帳簿価額は公正価値に近似しています。
資本性金融資産及び負債性金融資産
資本性金融資産のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は、市場価格に基づいて算定しています。資本性金融資産及び負債性金融資産のうち活発な市場が存在しない銘柄の公正価値は、主に直近の独立した第三者間の取引価格又は割引キャッシュ・フロー法に基づいて評価しています。
デリバティブ資産
デリバティブ資産の公正価値は、主に取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しています。
②負債
営業債務及びその他の債務、短期借入金については、短期間で決済されるものであり、帳簿価額が公正価値に近似しています。長期借入金の公正価値は、将来キャッシュ・フローを、新規に同様に借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しています。その他の金融負債の公正価値は以下を除き、将来キャッシュ・フローを、負債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、帳簿価額は公正価値に近似しています。
デリバティブ負債
デリバティブ負債の公正価値は、主に取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しています。
当社グループにおける公正価値の測定レベルは、市場における観察可能性に応じて次の3つに区分しています。
レベル1: 活発に取引される市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接、又は間接的に使用して算定された公正価値
レベル3: 重要となる観察不能なインプットを含む評価技法から算定された公正価値
公正価値測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しています。
前年度及び当中間期においてレベル1、2及び3の間の重要な振替はありません。なお、当社グループは、各ヒエラルキー間の振替を、振替を生じさせた事象が発生した報告期間の末日において認識しています。
金融商品の公正価値ヒエラルキーのレベル別の内訳は、以下のとおりです。
前年度 (2024年3月31日)
当中間期 (2024年9月30日)
レベル1の資本性金融資産は、主に活発な市場が存在する株式です。
レベル2のデリバティブ資産及びデリバティブ負債は、主に金利スワップ、通貨スワップ及び先物為替予約等のデリバティブ金融商品です。
レベル3の資本性金融資産は、主に活発な市場が存在しない非上場株式です。負債性金融資産は活発な市場が存在しない転換社債です。
当中間期において、公正価値ヒエラルキーレベル3に区分される金融資産の重要な変動はありません。
② 償却原価で測定する金融資産及び金融負債
償却原価で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額と公正価値は近似しているため、開示を省略しています。
12 後発事象
自己株式の取得
当社は、2024年7月9日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式の取得について決議し、以下のとおり実施しました。
(1) 自己株式の取得を行う理由
当社は、持続的な利益成長と企業価値向上に繋がる戦略投資を優先的に実行することが、株主共通の利益に資すると考えています。
今般当社は、当社のキャピタルアロケーションの方針に則り、資本効率の向上と株主還元の充実を目的として、今後の投資余力、株価水準、市場環境及び財務状況の見通し等を勘案し、自己株式取得の実施(以下「本自己株式取得」)を決議しました。
本自己株式取得により取得した自己株式は、新株予約権行使時の株式の交付、当社グループの従業員を対象とした当社普通株式を用いた株式報酬、当社普通株式を対価とした戦略的M&Aに活用する可能性や、消却する可能性があります。
(2) 2024年7月9日開催の取締役会での決議内容
(3) 2024年10月1日以降に取得した自己株式の内容
(4) 上記取締役会決議に基づき取得した自己株式の累計(2024年10月31日現在)
2024年5月15日開催の取締役会において、2024年3月31日の株主名簿に記録された株主に対し、以下のとおり期末配当を行うことを決議しました。
(1) 配当金の総額 18,393百万円
(2) 1株当たりの金額 11円50銭
(3) 支払請求権の効力発生日及び支払開始日 2024年6月21日
また、2024年11月11日開催の取締役会において、2024年9月30日の株主名簿に記録された株主に対し、以下のとおり中間配当を行うことを決議しました。
(1) 配当金の総額 18,696百万円
(2) 1株当たりの金額 12円00銭
(3) 支払請求権の効力発生日及び支払開始日 2024年12月9日