第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

 当中間連結会計期間の業績は、売上収益では前年同期比7.9%増の3,780億90百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前年同期比6.4%減の445億48百万円、営業利益は前年同期比7.2%減の416億70百万円、税引前中間利益は前年同期比9.3%減の421億65百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は、前年同期比9.2%減の290億50百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益では前年同期比5.7%増の3,703億57百万円、既存事業コア営業利益は前年同期比9.2%減の432億12百万円となりました。(注2)

 当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」に基づき、ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。

 

(注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益および非経常損益としての「その他収支」

を控除したものであり、中長期成長戦略上2022年3月期以降積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用している指標であります。

(注2)2025年3月期の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しております。

 

<連結業績>

 

 

 

(単位:百万円)

区分

2024年3月期

2025年3月期

対前年同期

自 2023年4月1日

至 2023年9月30日

自 2024年4月1日

至 2024年9月30日

金額

売上収益

350,370

378,090

27,720

7.9

既存事業コア営業利益

47,609

44,548

△3,061

△6.4

営業利益

44,903

41,670

△3,232

△7.2

税引前中間利益

46,476

42,165

△4,310

△9.3

親会社の所有者に帰属する中間利益

32,010

29,050

△2,960

△9.2

 

 

      報告セグメント別の業績の概況は、以下のとおりであります。

 

   ①日清食品

 日清食品㈱の販売状況は、カップめん類、カップライス類が売上を伸ばし、前年同期比で増収となりました。カップめん類では、「カップヌードル」、「日清のどん兵衛」、「日清焼そばU.F.O.」ブランドの主力商品は売上が堅調に推移し、さらに2024年7月発売の「フレンチカップヌードル」シリーズや2024年7月発売の「日清のどん兵衛 カップヌードルシーフードうどん」、2024年3月に全国販売へ拡大した「日清焼そばU.F.O.爆盛バーレル」が売上に大きく貢献し順調に推移しています。カップライス類では、「日清カレーメシ」シリーズが引き続き好調を維持しています。袋めん類では、2024年3月発売の「日清ラ王 3食パック」シリーズが順調に売上を伸ばしました。利益面では、原材料価格や物流費の上昇等がありましたが、増収効果により増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比3.1%増の1,111億31百万円、コア営業利益

(注3)は、前年同期比2.1%増の156億61百万円、営業利益は、前年同期比2.2%増の157億26百万円となりました。

 

 

   ②明星食品

 明星食品㈱の販売状況は、多様なニーズに対応したマーケティング戦略が奏功し、カップめん類、袋めん類とも、前年同期比で増収となりました。

 カップめん類では、主力の「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズや「明星 ぶぶか油そば」が大きく伸長したほか、2024年9月に新発売した「明星 青春という名のラーメン」シリーズも貢献しました。

 袋めん類では、「明星 チャルメラ」シリーズが引き続き好調に推移しました。

 利益面では、増収効果により、前年同期比で増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比9.3%増の222億49百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比49.7%増の17億45百万円、営業利益は、前年同期比48.9%増の17億95百万円となりました。

 

   ③低温・飲料事業

 チルド事業は、新商品「チルド 日清焼そばU.F.O.」が売上に大きく貢献したほか、「チルド 日清Spa王」や冷し群が伸長し、前年同期比で増収となりました。利益面では、売上増となったものの原価率の上昇等により前年同期比で減益となりました。

 冷凍事業は、ラーメン類では「冷凍 日清中華 汁なし担々麺」、「冷凍 日清まぜ麺亭 台湾まぜそば」、パスタ類では「冷凍 日清もちっと生パスタ」、「冷凍 日清スパ王プレミアム」の各シリーズの売上が好調に推移し、前年同期比で増収となりました。利益面では、増収効果により前年同期比で増益となりました。

 飲料事業は、「ピルクル ミラクルケア」シリーズの売上を維持しつつ、「ピルクル400」シリーズが前期休売品の販売再開によるプラスオンを含めて好調に推移したほか、「十勝のむヨーグルト」シリーズも好調に推移し、前年同期比で増収となりました。利益面では、原材料費やマーケティング費用等の増加がありましたが、増収効果により前年同期比で増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比8.9%増の509億37百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比3.0%増の52億35百万円、営業利益は、前年同期比3.1%増の52億91百万円となりました。

 

   ④菓子事業

 ㈱湖池屋は「湖池屋プライドポテト」シリーズ等の高付加価値商品に加え、「湖池屋ポテトチップス」などの定番商品や新商品「ランチパイ」、「クラッシュ」等の販売が拡大し、また、国内外での価格改定等が奏功したことで、原材料費増加等を吸収し前年同期比で増収増益となりました。日清シスコ㈱は「ごろグラ」や「シスコーン」シリーズといったシリアルに加え、「ココナッツサブレ」シリーズなどが好調に推移しましたが、ブランド強化を目的としたマーケティング費用の増加により前年同期比で増収減益となりました。ぼんち㈱は「ポンスケ」、「綱揚あられ」等のファミリーパックやバリュープライスアイテムが好調に推移し、前年同期比で増収増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比11.2%増の454億60百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比17.5%増の34億39百万円、営業利益は、前年同期比10.8%増の31億25百万円となりました。

 

   ⑤米州地域

 米州地域全体では、引き続き新たな需要創造に向けた高付加価値商品の提案強化や導入推進に取り組んでいます。

 売上については、米国では底堅い即席めん需要を取り込み堅調な販売を維持したこと、ブラジルでは生産体制の強化により、「Nissin Lamen」等の主力製品を中心に販売が増加したことで増収となりました。

 利益については、増収効果があったものの、米国においてマーケティング費用、物流費用等が増加したことにより、セグメント全体で減益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比10.1%増の844億58百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比17.9%減の108億77百万円、営業利益は、前年同期比18.1%減の108億37百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前年同期比5.4%増の808億25百万円となり、コア営業利益は、前年同期比22.1%減の103億20百万円となりました。(注4)

 

 

   ⑥中国地域

 中国地域においては、販売エリア拡大や中国版カップヌードル「合味道」ブランドの強化、及び高価格帯袋めんの販売拡大に取り組んでいます。中国大陸では景気回復が遅れている中、内陸部への販路拡大によりカップヌードル「合味道BIG」を中心にカップめんの販売が伸長しました。香港では、香港市民の消費行動の変化によって冷凍食品などの非即席めん商品の販売が減少しましたが、出前一丁などの袋めんの販売は堅調に推移しました。また、9月より韓国の菓子事業会社「GAEMI FOOD」が連結子会社としてグループに加わりました。こうした状況の下、売上収益は即席めんの販売増と為替影響が寄与し増収となりました。利益については、本業ベースでは増益となったものの、営業利益ベースでは中国政府による技術革新助成金の減少もあり、前年同期並みの水準となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比7.7%増の354億57百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比4.6%増の36億91百万円、営業利益は、前年同期比1.1%減の37億69百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前年同期比0.0%増の329億43百万円となり、コア営業利益は、前年同期比2.5%減の34億40百万円となりました。(注4)

 

 また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他の事業並びに欧州地域、アジア地域、新規事業を含んだ「その他」の売上収益は、前年同期比14.0%増の283億95百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比17.5%減の62億58百万円、営業利益は、前年同期比17.3%減の62億24百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前年同期比7.6%増の268億10百万円となり、コア営業利益は、前年同期比24.4%減の57億30百万円となりました。(注4)

 

(注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。

(注4)2025年3月期の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しております。

 

(2) 財政状態の状況

 当中間連結会計期間末の当社グループの資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億53百万円増加し、8,146億36百万円となりました。当中間連結会計期間末の資産、負債及び資本の状況は次のとおりであります。

 資産の増加につきましては、主に現金及び現金同等物が200億48百万円、営業債権及びその他の債権が106億31百万円減少した一方、持分法で会計処理されている投資が126億50百万円、有形固定資産が96億40百万円、棚卸資産が71億13百万円、のれんおよび無形資産が39億60百万円増加したことによるものであります。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ97億41百万円増加し、2,871億14百万円となりました。これは主に営業債務及びその他の債務が296億52百万円減少した一方、借入金が435億93百万円増加したことによるものであります。

 資本につきましては、前連結会計年度末に比べ74億88百万円減少し、5,275億22百万円となりました。これは主に利益剰余金が166億24百万円増加した一方、自己株式が203億75百万円増加(資本は減少)したことによるものであります。

 この結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の60.7%から59.7%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、前中間連結会計期間における117億48百万円の増加から、200億48百万円の減少となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

区分

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減額

自 2023年4月1日

至 2023年9月30日

自 2024年4月1日

至 2024年9月30日

営業活動によるキャッシュ・フロー

43,001

13,985

△29,016

投資活動によるキャッシュ・フロー

△27,742

△38,130

△10,388

財務活動によるキャッシュ・フロー

△7,166

7,747

14,914

現金及び現金同等物に係る換算差額

3,655

△3,651

△7,307

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

11,748

△20,048

△31,796

現金及び現金同等物の期首残高

87,388

96,659

9,271

現金及び現金同等物の中間期末残高

99,136

76,611

△22,525

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は139億85百万円(前年同期比290億16百万円の資金の減少)となりました。これは主に運転資金等の増加が258億97百万円となった一方、税引前中間利益が421億65百万円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は381億30百万円(前年同期比103億88百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が337億75百万円となったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の増加は77億47百万円(前年同期比149億14百万円の資金の増加)となりました。これは主に自己株式の取得による支出が204億51百万円、配当金の支払額が121億63百万円となった一方、短期借入金の純増減額が466億58百万円の増加となったことによるものであります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、57億27百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。