第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績に関する説明

 当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する中、個人消費の回復に加え、高水準の企業業績を背景に設備投資意欲の高まりなど、景気は緩やかな回復基調にありました。しかしながら、物価上昇が続いていることに加え、国内外の政治情勢や為替変動等の影響やグローバル・サプライチェーンの見直し、人材不足が引き続き国内景気を下押しするリスクがあります。

 このような経済状況の中、当情報サービス業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や生成AIの普及などによるデジタル化が加速する一方、他方では多くの企業で稼働する既存ITシステムの老朽化(「2025年の崖」)や人材不足問題等、喫緊の課題への対応が求められ、IT投資は引き続き底堅く推移いたしました。

 こうした環境の下、当社グループでは長期ビジョン「CANVAS(キャンバス)」に基づく、中期経営計画「CANVAS ONE(2023年3月期~2025年3月期)」の最終年度を迎え、「新たな価値提供への挑戦を続け、彩りのある企業へ~Be Challenging,Be Colorful~」をビジョンに掲げ、人的資本を中心とした価値創造投資を推進すべく、「五方良し」の経営の実践に向け引き続き取り組んでまいりました。

 営業活動全般におきましては、ハードウェア、工事資材などの調達懸念が緩和され、お客さまのITシステム基盤刷新など様々なニーズを取り込み、前期に引き続き収益性が高い、以下の重点ソリューションの販売に注力いたしました。

当社開発製品を中心とした主な重点ソリューション群

ソリューション区分

提案概要

インダストリーソリューション分野

・部品表中心に「モノと情報」の一元化・共有化・リアルタイム化を

 実現するハイブリッド型生産・販売管理ソリューション「rBOM」

・デジタル変革提案を進め、製造業の企業価値向上に貢献する

 PLMソリューション

業務ソリューション分野

・各業種に応じたテンプレートの提供により、効率的なビジネス経営

 を実現するSaaS型ERP「D-Ever flex(ディー エヴァーフレ

 ックス)」

・「WEB給与明細」を基本機能として、各種オプションをラインナップ

 したクラウド型ポータルサービス「i-Compass」などの人事給与・会

 計ソリューション

DXソリューション分野

・現場作業者を支えるソリューションとIoTを組み合わせたIoW

・当社のエンジニアリングサービスとIoTを組み合わせ、オフィス

 環境の改善を一括でサポートするTOS(Total Office Service)

セキュリティリューション分野

・戦略商品「AppGuard®」を中心とした、サイバー攻撃やランサム

 ウェアから企業を守る数多くのセキュリティソリューション

ペーパレスソリューション分野

・電子契約サービス「DD-CONNECT(ディ・ディ・コネクト)」

・電子データ交換機能と、AIを活用したデジタル化機能をセットに

 した統合ペーパーレスサービス「EdiGate DX-Pless」

・調達支援ソリューション「PROCURESUITE」

 

 また、「CANVAS ONE」に掲げるシン・ビジネス創出の一環としまして、2024年4月より販売を開始した、新たなクラウド型ERPサービス「D-Ever flex(ディー エヴァーフレックス)」(株式会社EverジャパンよりOEM提供)により、お客さまの全社のデータを一元的に管理し、業務の見える化と迅速な意思決定を支援する他、様々な素材のビジネス化に向けた企画ならびに実行を継続いたしました。

 グループ運営におきましては、M&Aにより連結子会社化した各社の開発リソースの活用や、シン・ビジネス創出を目的とした連携を強化し、新たなビジネスの探求、企業文化や人財の行動の変革を推進するため組織を横断するタスクフォース活動に引き続き取り組みました。

 この結果、販売面におきましては、引き続き富士通株式会社及び同社グループとの連携強化による新規商談及び既存顧客からの受注に注力しましたが、前中間連結会計期間に大型商談やインボイス制度対応の受注があった影響により、当中間連結会計期間の受注高は、217億89百万円(前年同期比96.1%)と前年同期に比べて減少しました。売上高につきましては、前期末の受注残高(受注後、未売上の契約額)が高水準であったことや大型案件の売上により、208億27百万円(前年同期比101.3%)と増加しました。

 利益面におきましては、前期に利益率の高い大型案件の売上があったため、前年同期に比べて売上総利益率が低下し、売上総利益が減少しました。一方、販管費は「CANVAS ONE」に基づく人的資本投資の一環である従業員の処遇改善や教育投資の継続による増加があったものの、前年同期に実行したM&Aの関連費用やのれん償却費が減少したことなどにより、前年同期比で減少しました。その結果、営業利益は8億49百万円(前年同期比60.9%)、経常利益は8億94百万円(前年同期比62.7%)となりました。

 

 また、法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額を計上した結果、親会社株主に帰属する中間純利益は5億69百万円(前年同期比64.5%)となりました。

 

 事業部門別の業績は次のとおりであります。

 なお、当社グループは、情報通信分野におけるソリューションサービスの提供及び機器の販売を行う単一の事業活動を営んでいるため、事業部門別に記載しております。

 

情報通信機器部門

 情報通信機器部門におきましては、前期に大型案件の獲得があったことから受注高は55億33百万円(前年同期比86.1%)と減少しましたが、売上高は大型案件の売上により56億79百万円(前年同期比102.2%)と増加しました。

 

ソリューションサービス部門

 ソリューションサービス部門におきましては、受注高162億56百万円(前年同期比100.1%)、売上高151億47百万円(前年同期比100.9%)となりました。

 ソフトウェアサービスでは、前期に大型案件の獲得があったことから当期の受注高は107億93百万円(前年同期比94.7%)と減少しましたが、前期に受注した大型案件の売上やストックビジネスが堅調であったことから、売上高は101億96百万円(前年同期比100.0%)とほぼ横ばいとなりました。

 保守サービスでは、情報通信機器販売の増加やストックビジネスが堅調であったことから受注高が増加し、売上高は35億73百万円(前年同期比106.9%)と増加しました。

 ネットワーク工事では、既存顧客を中心に受注高は増加しましたが、前期に大型案件の売上があったことから、売上高は13億78百万円(前年同期比93.9%)と減少しました。

 

<当社グループの四半期業績の特性について>

 情報サービス産業の特性として、ハードウェアならびにシステムの導入及び更新が年度の節目である9月、3月に集中する傾向にあるため、当社グループの売上高及び利益は、第2四半期、第4四半期に増加する特性があります。

 

②財政状態に関する説明

 当中間連結会計期間末の総資産につきましては、前連結会計年度末より17億97百万円減少し、260億31百万円となりました。この主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が13億7百万円、仕掛品が2億52百万円減少したこと等によるものであります。

 負債につきましては、前連結会計年度末より20億22百万円減少し、140億74百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が11億96百万円、退職給付に係る負債が2億91百万円、未払法人税等が2億66百万円減少したこと等によるものであります。

 純資産につきましては、前連結会計年度末より2億25百万円増加し、119億57百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の増加、及び配当金の支払いによる利益剰余金の減少等によるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、3億61百万円の収入(前年同期は20億83百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益8億86百万円、売上債権の減少による13億9百万円の収入と、仕入債務の減少による11億96百万円の支出等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、29百万円の支出(前年同期は5億12百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得による支出によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、4億30百万円の支出(前年同期は4億54百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額3億74百万円等によるものであります。

この結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度の期末残高より98百万円減少し、99億37百万円となりました。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、経営者の問題認識と今後の方針について

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

また、当中間連結会計期間において、当社の財政及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因や問題点と経営戦略および今後の方針について

 当社グループは、コンピュータメーカー各社及び関連ソフトウェア会社、ソフトウェアパッケージ会社、システムインテグレータ、コンサルティング会社など多種多様な企業と競合関係にあり、今後、同業他社あるいは新規参入者との取扱い商品・サービス、業務スキル、技術面等での競争結果によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 このような要因を解消するため、当社グループは「お客さま第一」の基本に立ち返り、「顧客視点」の営業活動を積極的に展開するとともに、コスト削減の推進に加え、会社体質の変革を進めてまいります。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要は、情報通信機器等の仕入、ソフトウェア等の制作及び人件費を主とする販売費及び一般管理費等によるものであり、これらを使途とする運転資金の安定的かつ機動的な確保を資金調達の基本方針としております。この方針に沿い、当中間連結会計期間末現在、短期借入金20億70百万円及び長期借入金11百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む。)を本邦内において調達しております。

 当社グループは、売掛金の回収促進などの営業活動によるキャッシュ・フローの改善に加え、金融機関からの安定した資金調達により、当社グループの成長を維持するための運転資金を確保する方針であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。