第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間における我が国経済は、一部に足踏みもみられますが、緩やかに回復する状況にありました。先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。

 このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取り組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。

 この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は245,690百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は38,151百万円(前年同期比27.9%増)、経常利益は42,117百万円(前年同期比25.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は31,862百万円(前年同期比26.8%増)となりました。

 なお、当中間連結会計期間の為替換算レートは、142.82円/米ドル(前中間連結会計期間は、149.58円/米ドル)であります。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① 水産食品事業

 水産食品事業は、円安による原料価格の上昇等があったものの、既存顧客に対する積極的な営業活動を行い販売数量が伸長したことや、前浜の漁獲量が回復傾向にあったこと等から増収となりました。その結果、売上高は15,120百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は、利益率の高い商材の販売数量の伸長や、原料価格が安定したことで仕入コストを抑えられた商材もあったこと等により541百万円(前年同期比227.4%増)となりました。

② 海外即席麺事業

 海外即席麺事業は、米国では前期において一部得意先の在庫調整による影響で販売数量が減少していたことに加え、当期は主力商品の「Ramen」シリーズが特売等により好調に推移したほか、「Instant Lunch」シリーズも堅調に推移いたしました。メキシコでは主力商品のカップ麺は4月に実施した価格改定後も堅調に推移し、袋麺は拡売により好調に推移いたしました。その結果、売上高は110,541百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は、運送費や人件費等の増加はあったものの、原材料費の減少や売上の拡大等により27,409百万円(前年同期比29.2%増)となりました。

③ 国内即席麺事業

 国内即席麺事業は、2年連続で実施した価格改定が6月で一巡し、改定後の価格が浸透したこともあり、好調に推移いたしました。カップ麺では主力商品の「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」が堅調だったほか、「麺づくり」シリーズにて6月に麺増量企画を実施したことや9月にリニューアル発売をした効果等により増収となりました。袋麺では「マルちゃん正麺」シリーズが引き続き好調に推移し、「マルちゃんZUBAAAN!」シリーズも9月に博多豚骨ラーメンを発売したこと等により増収となりました。その結果、売上高は45,668百万円(前年同期比4.4%増)、セグメント利益は、人件費等の増加はあったものの、5月までの価格改定の効果や売上の拡大等により3,975百万円(前年同期比40.7%増)となりました。

④ 低温食品事業

 低温食品事業は、主力商品の積極的な拡売と新商品の発売により堅調に推移いたしました。生麺では主力商品の「マルちゃん焼そば3人前」シリーズにて旬の野菜に合う味わいをテーマに季節限定商品を春・夏に各2品ずつ発売し、シリーズの活性化を図りました。その他の商品では気温が高かった影響もあり涼味麺が全般的に好調に推移したことに加え、簡便需要に対応した「つるやか」シリーズ等も大幅に伸長いたしました。冷凍食品では産業給食や外食・行楽関係の需要拡大により冷凍麺等の業務用商品が伸長し、惣菜向け商品等の販売も拡大いたしました。その結果、売上高は31,189百万円(前年同期比6.6%増)、セグメント利益は、原材料費や運送費、動力費等の製造経費の増加はあったものの、売上の拡大等により4,291百万円(前年同期比10.8%増)となりました。

 

⑤ 加工食品事業

 加工食品事業は、昨年4月に実施した価格改定が一巡し、改定後の価格が浸透したこともあり、物量の回復が進み、伸長いたしました。米飯商品では米不足等の影響から需要の高い状況が続き、無菌米飯商品、レトルト米飯商品ともに好調に推移したことで増収となりました。フリーズドライ商品では昨年の価格改定や液卵不足問題等の影響による販売の落ち込みから回復し増収となりました。その結果、売上高は10,747百万円(前年同期比16.8%増)、セグメント利益は、原材料費や人件費等の増加はあったものの、売上の拡大等により319百万円(前年同期比109.5%増)となりました。

⑥ 冷蔵事業

 冷蔵事業は、物価上昇や円安の影響等により、輸入品は低調な荷動きとなりましたが、猛暑により、アイスクリーム等を中心とした夏季商品の取扱いが堅調だったことで、関連する配送や付帯作業等の取扱いが増加しました。その結果、売上高は12,668百万円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益は、設備更新等による減価償却費や物価上昇による人件費、運送費の増加等により1,147百万円(前年同期比9.7%減)となりました。

⑦ その他

 その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は19,754百万円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益は769百万円(前年同期比30.6%増)となりました。

 

 当中間連結会計期間末の当社グループの総資産は559,681百万円で、前連結会計年度末に比べ11,313百万円(2.0%)減少しました。当中間連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

① 流動資産

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ12,705百万円(3.5%)減少し、349,838百万円となりました。これは主に、現金及び預金が46,262百万円増加しましたが、有価証券が57,000百万円減少したことによるものであります。

② 固定資産

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,392百万円(0.7%)増加し、209,843百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が2,719百万円減少しましたが、機械装置及び運搬具が2,033百万円、建設仮勘定が772百万円及びのれんが707百万円増加したことによるものであります。

③ 流動負債

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,208百万円(1.7%)減少し、68,638百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が2,880百万円増加しましたが、未払法人税等が1,153百万円、流動負債のその他が1,922百万円減少したことによるものであります。

④ 固定負債

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ162百万円(0.6%)増加し、26,776百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が281百万円減少しましたが、固定負債のその他が649百万円増加したことによるものであります。

⑤ 純資産

 純資産は、前連結会計年度末に比べ10,267百万円(2.2%)減少し、464,267百万円となりました。これは主に、利益剰余金が20,628百万円増加しましたが、為替換算調整勘定が7,000百万円減少し、また自己株式の取得により自己株式が23,941百万円増加したことによるものであります。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,019百万円(16.7%)増加し、49,086百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ6,082百万円(17.8%)増加し、40,219百万円となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益が増加したことによるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べ7,962百万円(93.1%)減少し、590百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が増加しましたが、有価証券の取得による支出が減少、有価証券の償還による収入が増加したことによるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、前年同期に比べ28,974百万円(457.2%)増加し、35,310百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出、配当金の支払額が増加したことによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間の研究開発費の総額は886百万円であります。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。