第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

 当中間連結会計期間の業績は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

中間連結会計期間

中間連結会計期間

増減額

増減率

売上高

6,356

5,976

△380

△6.0

%

売上原価

5,124

5,128

3

0.1

%

販売費及び一般管理費

964

982

18

1.9

%

営業利益又は営業損失(△)

267

△134

△402

 

経常利益又は経常損失(△)

432

△28

△461

 

親会社株主に帰属する中間純利益

193

223

29

15.2

%

 

 

当中間連結会計期間は、昨年度と同様の地政学リスクを背景とした資源高と円安によるインフレの影響を受けながらも、春闘でのベアを含めた賃上げにより消費者心理が改善し、インバウンド需要に支えられ景気は緩やかに回復いたしました。

一方、中国経済の不動産不況による景気低迷やロシアとウクライナの戦争長期化に加え中東情勢の緊迫化で、世界経済は不透明な状況が続きました。

当社グループの主たる事業である曳船事業を取り巻く状況につきましては、曳船作業対象船舶の東京湾への入出港数は、コンテナ船は中小型を中心に増加傾向となり、堅調を維持していた自動車専用船は減少に転じ、大型タンカーを中心に危険物積載船は弱含みで推移いたしました。

洋上風力発電交通船(CTV)は、前年同期の秋田港・能代港、石狩新港での建設用作業が終了し、富山県入善港と北九州ひびき灘での稼働のみとなり減収となりました。

旅客船事業では、カーフェリー部門で昨年度末に発生した岸壁接触事故による船体損傷の影響で減収となりましたが、横浜港のレストラン船が好調を維持しております。

このような経済環境のなかで、当社グループは総力を挙げて業績向上に努めましたが、売上高は380百万円減少し、5,976百万円(前年同期比6.0%減)となりました。

利益面では、ベースアップにより人件費が66百万円増加し、洋上風力発電交通船(CTV)の新造や建造価額の上昇で減価償却費が139百万円の増加となりましたが、CTV事業の稼働減少に伴い用船料が130百万円減少いたしました。

この結果、曳船事業の減収による影響で134百万円の営業損失(前年同期は267百万円の営業利益)となり、経常損失は28百万円(前年同期は432百万円の経常利益)となりました。

また、特別利益として固定資産売却益が339百万円発生し、親会社株主に帰属する中間純利益は223百万円(前年同期比15.2%増)となりました。

 

 

セグメント別の売上高(上段)及び営業損益(下段)の概況は下記のとおりです。

(単位:百万円)

セグメントの名称

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減額

増減率

曳船事業

4,856

4,479

△377

△7.8

%

243

△115

△358

 

旅客船事業

1,230

1,233

3

0.3

%

14

△10

△24

 

売店・食堂事業

269

262

△6

△2.4

%

△2

△6

△3

 

 

(注)売上高は外部顧客に対する売上高を表示しております。

 

曳船事業

曳船事業は、横浜川崎地区では、作業対象船舶のうち中小型コンテナ船の入出港数が増加となったものの大型コンテナ船が減少いたしました。また、堅調に推移していた自動車船の入出港数は減少に転じ、精油所の定期修繕の影響もあり大型タンカーを中心に危険物積載船の低迷が響き減収となりました。作業対象船舶がコンテナ船中心である東京地区も減少に転じ減収となりました。横須賀地区では、エスコート作業対象外の中小型コンテナ船が増加した上に、大型タンカーやLNG船の減少傾向が響き減収となりました。千葉地区では、大型鉱石船の入出港数が減少しましたが、昨年度低迷していた危険物積載船の入港数が回復し売上高は微増となりました。

一方、洋上風力発電交通船(CTV)は、前年同期の秋田港・能代港、石狩新港での建設用作業が終了し、富山県入善港と北九州ひびき灘でのO&M作業用の稼働のみとなり減収となりました。

この結果、曳船事業セグメントの売上高は377百万円減少し4,479百万円(前年同期比7.8%減)となり、減収が響き115百万円の営業損失(前年同期は243百万円の営業利益)となりました。

 

旅客船事業

旅客船事業は、横浜港における観光船部門では、レストラン船マリーンルージュが好調を維持し増収となりました。

久里浜・金谷間を結ぶカーフェリー部門では、昨年度末に強風による岸壁接触事故で運航休止を余儀なくされました。復帰は8月10日と予想より約2ヶ月早まったものの、運航休止中の減収分をカバーできず営業損失となりました。

この結果、旅客船事業セグメントの売上高は3百万円増加し1,233百万円(前年同期比0.3%増)とほぼ横ばいとなり、カーフェリー部門の運航休止の影響を受け10百万円の営業損失(前年同期は14百万円の営業利益)となりました。

 

売店・食堂事業

売店・食堂事業は、カーフェリー部門の運航休止の影響を受け低迷し、売店・食堂事業セグメントの売上高は6百万円減少し262百万円(前年同期比2.4%減)となり、6百万円の営業損失(前年同期は2百万円の営業損失)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、197百万円増加し29,316百万円となりました。

流動資産の部では、現金及び預金が77百万円減少し、売掛金が48百万円増加し、曳船の売却代金や未収消費税等の回収でその他流動資産が742百万円減少いたしました。固定資産の部では、設備更新と積極的な設備投資を背景に建物及び構築物が291百万円、建設仮勘定が653百万円それぞれ増加いたしました。

負債は、前連結会計年度末に比べ、32百万円増加し6,548百万円となりました。流動負債の部では、支払手形及び買掛金が231百万円減少し、設備投資に伴う未払金等でその他流動負債が437百万円増加いたしました。固定負債の部では、長期借入金が52百万円、リース債務が54百万円、繰延税金負債が70百万円それぞれ減少いたしました。 

純資産は、前連結会計年度末に比べ、165百万円増加し22,767百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定が209百万円増加し、その他有価証券評価差額金が53百万円減少したことによるものです。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と同じ74.2%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ822百万円増加し6,177百万円となりました。

当中間連結会計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ816百万円増加し1,107百万円の資金取得となりました。資金収支の主な内訳は、税金等調整前中間純利益が244百万円となり、減価償却費が777百万円発生したことです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ580百万円支出が減少し57百万円の資金取得となりました。資金収支の主な内訳は、設備更新(曳船の代替)と洋上風力発電交通船(CTV)の建造等により有形固定資産取得による支出が1,608百万円発生しましたが、有形固定資産売却による収入が906百万円発生し、預入期間が3カ月を超える定期預金の解約による収入が預入による支出を900百万円上回りました。
 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ125百万円支出が増加し320百万円の資金支出となりました。資金収支の主な内訳は、リース債務の返済が68百万円、配当金の支払額が198百万円発生いたしました。

 

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。