当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものです。
当中間連結会計期間における当社グループの事業の状況につきましては、自動車の生産が低調であったことから、当社の自動車関連製品及びサービスの受注は減少しました。情報通信関連製品は需要の回復に伴い販売が増加しました。また、新エネルギー関連製品の販売は当中間連結会計期間において調整局面となりました。環境・リサイクル関連サービスは廃棄物処理の受注が堅調でした。相場環境につきましては、前年同期と比較して平均為替レートは円安ドル高となりました。また、金、銀、銅及び亜鉛の平均価格は上昇し、PGM(白金族金属)の平均価格は下落しました。電力代等のエネルギーコストは前年同期と比較して減少しました。
このような状況の中、当社は企業価値の向上と持続可能な社会の実現への貢献に向け、「循環型ビジネスモデルの進化」と「サステナビリティ・マネジメントの強化」を「中期計画2024」の基本戦略とし、引き続き5つのコアビジネスのさらなる強化と経営基盤の充実化のための諸施策を着実に推進しています。
これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は前年同期比4.9%減の352,593百万円、営業利益は同50.5%増の21,471百万円、経常利益は同23.7%増の26,993百万円となりました。また、親会社株主に帰属する中間純利益は同55.6%増の20,520百万円となりました。
主要セグメントの経営成績は次のとおりです。なお、表中の「前中間連結会計期間」は2023年4月1日から2023年9月30日まで、「当中間連結会計期間」は2024年4月1日から2024年9月30日までです。
環境・リサイクル部門
(単位:百万円)
廃棄物処理事業では焼却の処理量及び処理単価は堅調に推移しました。また、溶融・再資源化の処理量は増加しました。土壌浄化事業では土壌浄化の受注が堅調に推移しました。また、不燃性廃棄物の再資源化の処理量は前年同期並みとなりました。リサイクル事業では当社製錬所向けのリサイクル原料の集荷量は堅調に推移し、家電リサイクルの処理量は減少しました。また、平均為替レートが前年同期比で円安ドル高となり、金及び銅の平均価格が上昇したことが業績に寄与しました。東南アジア事業では廃棄物処理の受注が増加しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比18.4%増の86,060百万円、営業利益は同38.3%増の7,704百万円、経常利益は同31.8%増の7,778百万円となりました。
製錬部門
(単位:百万円)
貴金属銅事業ではすずの生産量が増加し、金、銀及び銅の生産量は減少しました。PGM事業ではPGMの平均価格が前年同期比で下落した影響を受け、使用済み自動車排ガス浄化触媒の集荷量が減少しました。また、デリバティブ評価益を計上しました。亜鉛事業では亜鉛の生産量は増加しました。また、電力代等のエネルギーコストは減少しました。加えて、製錬原料の購入条件やヘッジコストが改善しました。一方で、亜鉛の棚卸資産の簿価切下げによる損失幅は拡大しました。営業外損益では、海外亜鉛鉱山にかかる収益が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比28.2%減の132,969百万円、営業利益は同74.7%増の8,420百万円、経常利益は同28.6%増の12,232百万円となりました。
電子材料部門
(単位:百万円)
半導体事業ではウェアラブル機器向け近赤外LED及び受光素子(PD)の販売は低調に推移しました。電子材料事業では太陽光パネル向けの需要は第1四半期連結会計期間においては堅調だったものの、第2四半期連結会計期間において調整局面となったことから、銀粉の販売は前年同期並みとなりました。また、半導体事業と電子材料事業では、平均為替レートが前年同期比で円安ドル高となったことが業績に寄与しました。機能材料事業では磁性粉の販売が低調に推移しました。営業外損益ではサンプル収入が減少しました。また、当中間連結会計期間末にかけて為替相場が円高に推移したことを受けて、外貨建債権の為替換算差損を計上しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比22.0%増の102,439百万円、営業利益は同70.7%増の986百万円、経常利益は同27.3%減の1,293百万円となりました。
金属加工部門
(単位:百万円)
伸銅品事業では自動車の生産が低調であったことから、自動車関連製品の販売は前年同期を下回りました。情報通信関連製品の販売は需要の回復に伴い販売が増加しました。また、銅の価格が第1四半期連結会計期間末にかけて上昇したことが業績に寄与しました。めっき事業では自動車向けの需要が低調に推移しました。回路基板事業の販売は堅調に推移しました。一方で、原材料費などが上昇しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比14.4%増の62,935百万円、営業利益は同82.5%増の3,522百万円、経常利益は同78.6%増の3,802百万円となりました。
熱処理部門
(単位:百万円)
熱処理事業では国内の自動車生産が低調であったことから、熱処理受託加工の受注は減少しました。また、販管費等のコストが増加しました。加えて、前年同期比で一時金収入が減少しました。工業炉事業ではメンテナンスの受注が増加しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比0.9%増の15,012百万円、営業利益は同38.5%減の551百万円、経常利益は同51.4%減の673百万円となりました。
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比較して31,628百万円増加し664,399百万円となりました。流動資産で22,562百万円の増加、固定資産で9,066百万円の増加となります。
流動資産の増加は、棚卸資産の増加49,877百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加2,570百万円、流動資産のその他の増加1,843百万円、及び現金及び預金の減少31,721百万円等によるものです。固定資産の増加は、有形固定資産の増加10,324百万円、及び投資有価証券の減少1,379百万円等によるものです。
負債は、前連結会計年度末と比較して12,326百万円増加しました。これは、借入地金の増加28,159百万円、1年内償還予定の社債の減少10,000百万円、及び支払手形及び買掛金の減少7,046百万円等によるものです。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する中間純利益が20,520百万円となり、配当金の支払い等を行った結果、株主資本が12,435百万円増加しました。また、為替換算調整勘定の増加等により、その他の包括利益累計額が5,913百万円増加した結果、純資産合計では前連結会計年度末に比較し19,302百万円増加しました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末並みの58.9%となりました。
当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より32,111百万円減少し40,938百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は3,054百万円の支出(前年同期比96,142百万円支出増)となりました。主に、税金等調整前中間純利益29,418百万円、棚卸資産の増加50,472百万円、及び借入地金の増加28,159百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は14,571百万円の支出(前年同期比2,251百万円収入増)となりました。主に、有形固定資産の取得による支出20,003百万円、投資有価証券の売却による収入3,138百万円、及び関係会社の有償減資による収入3,009百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は15,825百万円の支出(前年同期比26,475百万円収入増)となりました。主に、社債の償還による支出10,000百万円、配当金の支払7,958百万円、及び有利子負債の増加2,380百万円等によるものです。
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当社は、株式会社の支配に関する基本方針を定めていませんが、基本的な考え方として、次のとおり「情報と時間ルール」を定めています。
当社取締役会は、議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為(以下、大規模買付といいます)を受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると認識しております。その判断にあたっては、当社の事業規模や事業領域に照らして、大規模買付を行おうとする者(以下、大規模買付者といいます)と当社取締役会の双方からの「適切な情報提供」と「十分な検討期間の確保」が必要であると考えます。
このような基本的な考え方に基づき、当社取締役会は、大規模買付を認識したときは、大規模買付者に対し、次の情報(以下、大規模買付情報といいます)を他の株主及び取締役会に提供することを求めます。
① 大規模買付の目的及び内容
② 買付価格の算定根拠及び買付資金の裏付け
③ 大規模買付完了後に意図する当社経営方針及び事業計画
④ その他株主価値に影響する重要な事項に関する情報
当社取締役会は、大規模買付情報を検討したうえで、当該大規模買付に対する評価意見を公表します。その際には、取締役会から独立した第三者により構成される委員会の意見を求めます。
また、当社取締役会は、当社株式の取引や異動状況を常に注視し、大規模買付がなされた場合に迅速かつ適切な対応をとり得る社内体制を整備いたします。
当中間連結会計期間における「開発研究費」の総額は4,414百万円です。これには研究開発費3,411百万円のほか、新鉱床探鉱費等1,003百万円が含まれています。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社グループは、コアビジネスである環境・リサイクル部門、製錬部門、電子材料部門、金属加工部門、熱処理部門を中心に事業を行っており、このうち製錬部門等は、非鉄金属地金相場及び為替相場の変動の影響を受けやすいため、状況に応じて非鉄金属先渡取引及び為替予約取引等によりリスク軽減に努めています。
当社グループでは、今後も収益性の向上及び財務体質の改善に努めていきますが、非鉄金属地金相場及び為替相場の急激な変動、景気動向等の外的要因により業績に影響を受ける可能性があります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。