当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における国内経済は、社会・経済活動の正常化、雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復をみせる一方で、不安定な国際情勢、円安に伴う原材料価格や資源・エネルギー価格の高止まりから依然として先行き不透明な状況が続いています。
また、世界経済におきましても、長期化する中東情勢、ロシアによるウクライナへの侵攻、資源・エネルギー価格の高騰による物価上昇、欧米における高い金利水準の継続や中国経済の不動産不況による景気停滞など、先行き不透明な状況が継続しています。
このような状況のなか、当社は2027年3月期を最終年度とする3カ年の「中期経営計画~持続的な利益創出と成長軌道への変革~」に基づき、①構造改革の完遂②ソリューション事業領域への展開③コーポレート機能の強靭化④ステークホルダーとの信頼関係構築等の施策を実行し、目標の達成と企業価値の向上に取り組んでいます。
当中間連結会計期間において実施した主な内容は、次のとおりです。
・有機ELディスプレイの自社生産終了およびRiTdisplay Corporationへの技術移管の推進
・アウトセルタッチセンサーの事業終息に伴う自社生産の終了
・国内製造子会社およびフィリピン子会社の解散に伴う固定資産の売却を推進
・生産器材事業において中国子会社(昆山市)の事業を停止
・成形・生産合理化機器において、当社の樹脂圧力計測システムにAIを活用した「射出成形AIシステム」を発売
・新たなリスクマネジメント「FERM(Futaba Enterprise Risk Management)」の整備と運用を開始
この結果、当中間連結会計期間における業績は、次のとおりになりました。
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減率 (%) |
売上高 |
29,061 |
24,568 |
△15.5 |
営業損失(△) |
△1,172 |
△474 |
- |
経常利益又は経常損失(△) |
14 |
△357 |
- |
親会社株主に帰属する 中間純損失(△) |
△3,059 |
△1,273 |
- |
米ドル平均レート |
141円/$ |
152円/$ |
11円/$ |
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
① 電子機器
(主な製品:複合モジュール、産業用ラジコン機器、ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、
有機ELディスプレイ、タッチセンサー、蛍光表示管)
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減率(%) |
売上高 |
13,116 |
8,652 |
△34.0 |
営業損失(△) |
△771 |
△289 |
- |
複合モジュールでは、蛍光表示管の事業終息に伴い蛍光表示管搭載モジュールの出荷が減少したことに加え、事務機用途、計測器用途、娯楽用途での需要の一服感から低調に推移し、EMSにおいても、車載用途および計測器用途が低調に推移したことにより、売上げは前年同期を下回りました。
産業用ラジコン機器では、トラッククレーンなどの建機用途、農業用途、FA用途ともに顧客による在庫調整などから受注が減少したことにより、売上げは前年同期を下回りました。
ホビー用ラジコン機器は、欧州での販売が好調であったことに加え、国内でも空用プロポの新製品投入やインバウンド需要などにより販売が好調であったことから、売上げは前年同期を上回りました。
有機ELディスプレイでは、適正売価政策の推進に加えて、車載用途が好調であったものの、海外での映像用途が低調であったため、売上げは前年同期を下回りました。
タッチセンサーでは、事業終息に伴い販売が縮小していることから、売上げは前年同期を下回りました。
営業損失は、アウトセルタッチセンサーや蛍光表示管の事業終息に伴い操業度が悪化したものの、前期より実施している構造改革の効果やコスト統制の継続強化により、前年同期と比べて損失が縮小しました。
② 生産器材
(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器)
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減率(%) |
売上高 |
15,952 |
15,923 |
△0.2 |
営業損失(△) |
△400 |
△185 |
- |
国内では、プレス金型用器材やプレート製品の受注が伸び悩んだことに加え、自動車関連の市況悪化によりモールド金型用器材も低調に推移したことから、売上げは前年同期を下回りました。
海外では、主力の韓国市場において、自動車・家電市場の低迷に加え、競合との価格競争の影響を受けたことから軟調に推移したものの、円安に加えて、アセアン市場では市況の回復がみられたことから、売上げは前年同期を上回りました。
営業損失は、主として前期より実施している構造改革の効果やコスト統制の継続強化により、前年同期と比べて損失が縮小しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の中間期末残高は215億2千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億5百万円増加しました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、28億8千万円(前年同期は2億8千4百万円の使用)となりました。これは主に、売上債権の減少額26億9千2百万円や棚卸資産の減少額15億3千4百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、19億3千9百万円(前年同期は19億1千6百万円の獲得)となりました。これは主に、長期性預金の預入による支出8億9千7百万円や有形固定資産の取得による支出5億1千万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億8千2百万円(前年同期は6億2千8百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額2億1千2百万円などの支出によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5億8千3百万円です。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。