当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1) 経営成績に関する説明
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、社会活動の正常化がすすみ、雇用・所得環境が改善するなかで、高水準の企業業績に支えられ景気は緩やかな回復基調が続いています。一方で、継続的な物価上昇による影響に加え、長期化するロシア・ウクライナ紛争等によるエネルギー価格や原材料価格の高騰や中東情勢の緊迫化、中国の景気減速等、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
このようななか、当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社の重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、販売チャネルの営業活動強化などに注力したことに加え、堅調なペット飼育需要が継続していることにより、保有契約数は1,236,904件(前期末から43,344件の増加・同3.6%増)と、順調に増加しております。また、E/I損害率 注1)については、新型コロナウイルスの影響が飼い主行動に与える変化の影響も出尽くし、安定化してきましたが、61.4%と前年同期比で0.8pt上昇いたしました。既経過保険料ベース事業費率 注2)は、規模拡大に向けた積極投資や「どうぶつ健活」(腸内フローラ測定+健康診断)の申込数の増加などを踏まえても、32.1%と前年同期比で1.3pt改善いたしました。この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で0.5pt改善し93.5%となりました。
また、当社グループでは、第二期創業期の歩みを更に加速させる取組みを推進しており、あらゆるデータから、病気・ケガを分析し、「健康度」を見る予防型保険会社グループへ成長するため、新規事業の重点施策に対する取組みを加速させております。遺伝子検査事業については、避けられる遺伝病を親と子の遺伝子検査によって回避し、更に科学・技術・データに医療のサポートを加えたブリーディング支援に繋げていきます。加えて、「どうぶつ健活」によるどうぶつの健康チェックの普及、各検査をキーにした口腔・腸内ケア商材の開発・販売、生活習慣コンサル等の事業化を進めております。更に、どうぶつ医療における高度先進医療(細胞治療、再生医療)を実用化し、拡大を図るとともに、カルテ管理システム事業の拡大(予約システム等の機能の充実)等とあわせ、データのさらなる活用による予防法の開発、ペット関連事業の領域拡大を目指しております。
保険引受収益28,787百万円(前年同期比7.5%増)、資産運用収益516百万円(同43.2%増)、新規事業等を含むその他経常収益3,599百万円(同33.2%増)を合計した経常収益は32,903百万円(同10.3%増)となりました。一方、保険引受費用19,930百万円(同8.4%増)、営業費及び一般管理費8,478百万円(同7.8%増)などを合計した経常費用は29,773百万円(同9.3%増)となりました。この結果、経常利益は3,130百万円(同20.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は2,180百万円(同24.1%増)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、“損害保険事業(ペット保険)”、“ペット向けインターネットサービス事業”及び“その他の事業”です。
<損害保険事業>
損害保険事業の経常収益は、前年同期比2,169百万円増(同8.0%増)の29,315百万円となりました。
アニコム損害保険株式会社では、コロナ禍における特需的なペット飼育需要が落ち着いたこと等の影響があったものの、重点施策と位置付けているペット保険の販売チャネルの拡大・強化や当社グループ独自のサービスである「どうぶつ健活」を付帯した保険商品の堅調な増加提供等によるお客様への訴求力が高まったこと等により、新規契約件数は117,552件(前年同期比6.0%増)、保有契約件数は1,236,904件(前期末から43,344件の増加・同3.6%増)と堅調な伸長を継続しています。
E/I損害率 注1)については、新型コロナウイルスの影響が飼い主行動に与える変化の影響も出尽くし、安定化してきましたが、61.4%と前年同期比で0.8pt上昇しました。また、既経過保険料ベース事業費率 注2)は、規模拡大に向けた積極投資や「どうぶつ健活」(腸内フローラ測定+健康診断)の申込数の増加などを踏まえても、32.1%と前年同期比で1.3pt改善しました。この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で0.5pt改善し93.5%となりました。
注1) E/I損害率:発生ベースでの損害率。
(正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料 にて算出。
注2) 既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの保険料(既経過保険料)に対する発生ベースの事業費率。
損保事業費÷既経過保険料 にて算出。
なお、保険引受の状況及びソルベンシー・マージン比率は、以下のとおりです。
アニコム損害保険株式会社における保険引受の実績は以下のとおりであります。
(注)1.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む)
2.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ハ)正味支払保険金
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ⅱ) ソルベンシー・マージン比率
アニコム損害保険株式会社の「ソルベンシー・マージン比率」は、以下のとおりであります。
(注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条及び第87条並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
<ソルベンシー・マージン比率>
・損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。
・この「通常の予測を超える危険」を示す「リスクの合計額」(上表の(B))に対する「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわちソルベンシー・マージン総額:上表の(A))の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたのが、「単体ソルベンシー・マージン比率」(上表の(C))であります。
・「通常の予測を超える危険」とは、次に示す各種の危険の総額をいいます。
・「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(ソルベンシー・マージン総額)とは、損害保険会社の純資産(社外流出予定額等を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、土地の含み益の一部等の総額であります。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
<ペット向けインターネットサービス事業>
ペット向けインターネットサービス事業の経常収益は、前年同期比155百万円増(同16.4%増)の1,105百万円となりました。
株式会社シムネットにおいては、犬や猫を販売するブリーダーと飼い主のマッチングサイトや保護された犬や猫の譲渡の機会を提供する里親マッチングサイトの運営等の「ペット向けインターネットサービス事業」を行っております。同社が運営する「みんなのブリーダー」は日本最大のブリーダーマッチングサイトであり、このプラットフォームを活用することで、当社グループの中核事業である損害保険事業のペット保険契約件数の増加に向けた効果的・効率的な施策につなげるとともに、ブリーダーサポートサービスの拡大につなげています。
<その他の事業>
その他の事業の経常収益は、前年同期比741百万円増(同42.6%増)の2,482百万円となりました。
・動物病院支援事業
アニコム パフェ株式会社において、動物病院経営に必要となる顧客管理、レセプト精算、診療明細書の発行等の機能を有しているカルテ管理システム「アニコムレセプター」の開発、販売、保守等を行っており、当中間連結会計期間における経常収益は172百万円(同6.1%増)となりました。
・保険代理店事業
アニコム パフェ株式会社において、ペット関連の取引先企業等に対して損害保険及び生命保険の募集・販売を行っており、当中間連結会計期間における経常収益は6百万円(同5.4%減)となりました。
・動物医療分野における臨床・研究事業
アニコム先進医療研究所株式会社において、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立及び、予防・先進医療の開発に向けた研究・臨床・開発等を行うとともに、地域獣医療のサポートとしての病院承継を行った結果、当中間連結会計期間における経常収益は1,264百万円(同20.4%増)となりました。アニコム先進医療研究所株式会社では、自ら動物病院を運営し、予防から1次・2次診療を展開しているところ、その過程で得られた医療データ等を活用し、次世代の予防法の確立を目指しています。
・遺伝子検査等事業
アニコム パフェ株式会社において、親と子の遺伝子検査を通じてペットが生まれてくる際の遺伝病を避けるべく、ペットショップ及びブリーダー向けに遺伝子検査の販売を行っております。加えて、どうぶつの健康チェックを目的とした腸内フローラ測定サービス(どうぶつ健活)の販売等を行っておりますが、遺伝子検査の検体受注の減少等により、当中間連結会計期間における経常収益は161百万円(同0.2%減)となりました。
・その他事業
アニコム パフェ株式会社において、上記のほかに、オンラインショップ「アニコムパフェオンラインショップ」、各検査をキーにした口腔・腸内ケア商材の販売、ペットの健康に関する24時間365日の電話相談サービス「アニコム24」の提供、ペットを失った悲しみ(ペットロス)を支えるWEBサイト「アニコムメモリアル」の運営、動物関係者に特化した人材紹介サイト「アニジョブ」の運営等の新たな収益源確保を図ってきましたが、その他事業全体としての経常収益は877百万円(同143.8%増)となっています。
(2) 財政状態に関する説明
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ73百万円増加して66,430百万円となりました。その主な要因は、現金及び預貯金の減少2,607百万円、有価証券の増加1,199百万円、仮払金の増加1,413百万円であります。
負債の部は、前連結会計年度末に比べ165百万円増加して36,369百万円となりました。その主な要因は、保険契約の増加に伴う保険契約準備金の増加191百万円とその他負債の減少72百万円です。
純資産の部は、前連結会計年度末に比べ91百万円減少して30,061百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加1,741百万円と自己株式の取得による1,599百万円の減少であります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益が539百万円増加したこと等により1,495百万円の収入となり、前中間連結会計期間に比べると1,029百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,050百万円の支出となりました。主に有価証券の取得による支出であり、前中間連結会計期間に比べると9,002百万円の支出の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間では1,339百万円の支出、当中間連結会計期間では自己株式の取得等により2,051百万円の支出となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より2,607百万円減少し、18,421百万円となりました。
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。