【要約中間連結財務諸表注記】
1.報告企業
スズキ株式会社(以下、「当社」という。)は、日本に所在する株式会社です。
要約中間連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに当社グループの関連会社及び共同支配企業に対する持分から構成されています。
当社グループは四輪車、二輪車、船外機の製造、販売を主な事業としています(「5.セグメント情報」参照)。
2.作成の基礎
当要約中間連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定によりIAS第34号に準拠して作成しています。当社グループは、2025年3月31日に終了する連結会計年度の期首にIFRSを初めて適用し、IFRSへの移行日は2023年4月1日です。
また、IFRSへの移行にあたり、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」を適用しています。IFRSへの移行が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響は「10.初度適用」に記載しています。
要約中間連結財務諸表の公表は、2024年11月13日に当社の代表取締役社長である鈴木俊宏によって承認されています。
要約中間連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載する会計方針に基づいて作成されています。資産及び負債残高は、別途記載がない限り、取得原価に基づいて測定しています。
要約中間連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満切捨て)で表示しています。
3.重要性がある会計方針
次の会計方針は、本要約中間連結財務諸表(移行日の連結財政状態計算書を含む)に記載されているすべての期間に適用しています。
子会社とは当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しています。子会社については、当社グループが支配を獲得した日を取得日とし、その日より当社グループが支配を喪失する日まで連結しています。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っています。当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
支配の喪失に至らない連結子会社に対する当社グループの所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失を純損益で認識しています。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営の方針に関する意思決定に対して、重要な影響力を有しているが、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、契約上の取決めにより当社グループを含む複数の当事者が共同して支配をしており、その活動に関連する財務上及び経営上の決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、持分法により会計処理しています。関連会社及び共同支配企業が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社及び共同支配企業の財務諸表の調整を行っています。
当社グループの各企業はそれぞれ機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨で測定しています。
外貨建取引は、取引日における為替レートにより機能通貨に換算しています。外貨建の貨幣性資産及び負債は、連結決算日の為替レートにより機能通貨に換算しています。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レート、収益及び費用は対応する期間の平均為替レートにより、それぞれ円貨に換算しています。
その換算差額はその他の包括利益として認識しています。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の純損益として認識しています。
当社グループは、金融資産について契約の当事者となった時点で当初認識し、デリバティブ以外の資産について償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産以外は、公正価値に当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しています。なお、重要な金融要素を含まない営業債権については、取引価格で当初認識しています。また、金融資産の売買については、約定日において認識又は認識の中止を行っています。
・償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
(a) 契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
(b) 金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
資本性金融商品の内、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をしたものについてはその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。
・純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の区分にあてはまらない金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しています。
・償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については実効金利法による償却原価により測定しています。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しています。当該金融資産の認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には利益剰余金に振り替えています。
なお、当該金融資産からの配当金については当期の純損益として認識しています。
・純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額は純損益として認識しています。
償却原価で測定する金融資産及びリース債権に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しています。
当社グループは、各報告日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しています。当該信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。また、当該信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。ただし、営業債権及びリース債権については、常に、貸倒引当金を全期間の予想損失に等しい金額で測定しています。
金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かは、当初認識時における債務不履行リスクと各報告日の債務不履行リスクを比較して判断しています。これには、利用可能な合理的かつ裏付け可能な将来の見通しに関する情報を織り込み、考慮しています。
当該測定に係る損益は純損益で認識します。
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しています。
当社グループは、金融負債について契約の当事者となった時点で当初認識し、デリバティブ以外の負債について、償却原価で測定する金融負債に分類しています。また、当初認識時に直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しています。
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、金融損益の一部として純損益として認識しています。
金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消、又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しています。
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ純額ベースで決済するか又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で計上しています。
当社グループは、将来における為替及び金利の変動によるリスクをヘッジする目的で、先物為替予約、金利通貨スワップ等のデリバティブを利用しており、これらのデリバティブは公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しています。
一部のデリバティブについては、キャッシュ・フロー・ヘッジの指定を行っています。ヘッジの開始時には、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係並びにヘッジを実施するに当たってのリスク管理目的及び戦略について、文書化しています。また、ヘッジ手段が関連するヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動に対して、高度に相殺効果を有するかどうかの評価をヘッジの開始時とともに、その後も継続的に実施しています。
なお、ヘッジ会計が適用されないデリバティブの公正価値の変動は純損益で認識しています。
(キャッシュ・フロー・ヘッジ)
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分はその他の包括利益で認識し、非有効部分は直ちに純損益として認識しています。
その他の資本の構成要素に累積された金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で組替調整額として純損益に振り替えています。
ヘッジ手段が失効又は売却、もしくはヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合には、将来に向かってヘッジ会計を中止しています。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積コストを控除して算定しています。取得原価の算定にあたっては、主として総平均法を使用しており、購入原価、加工費、及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべてのコストを含んでいます。
有形固定資産は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコスト、解体・除去及び原状回復コストを含めています。
土地等の償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、次のとおりです。
建物及び構築物 :3~75年
機械装置及び運搬具 :3~15年
工具器具及び備品 :2~20年
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
無形資産は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
見積耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
なお、耐用年数を確定できない無形資産はありません。
製品の開発に関する支出は、当社グループがその開発を完成させる技術上及び事業上の実現可能性を有しており、その成果を使用する意図、能力及びそのための十分な資源を有し、将来経済的便益を得られる可能性が高く、信頼性をもってその原価を測定することが可能な場合にのみ、無形資産として資産認識しています。
開発資産は、開発した製品の見積モデルライフサイクル期間(5年)にわたり定額法で償却しています。
研究に関する支出及び上記の認識要件を満たさない開発に関する支出は、発生時に費用として認識しています。
当社グループのその他の無形資産は主にソフトウェアであり、見積耐用年数(2~5年)にわたって定額法にて償却しています。
契約の開始時に、契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判断しています。
リース開始日に使用権資産及びリース負債を認識しています。使用権資産はリース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した取得原価で測定しており、開始日後は、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。償却方法は定額法を採用しています。
原資産の所有権がリース期間の終了までに借手に移転する場合又は、使用権資産の取得原価が借手の購入オプションを行使することを反映している場合には、使用権資産を開始日から原資産の見積耐用年数の終了時まで減価償却しています。それ以外の場合には、開始日から使用権資産の見積耐用年数又はリース期間の終了時のいずれか早い方まで減価償却しています。
リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しており、開始日後はリース負債に係る金利や支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しています。リース負債は実効金利法を用いて償却原価で測定しています。
なお、リース期間が12ヶ月以内の短期リース、及び少額資産のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料総額をリース期間にわたって、定額法により純損益に認識しています。
リースを含む契約について、資産の所有に伴うリスクと経済的価値が実質的にすべて借手に移転するリースをファイナンス・リースに分類し、その他のリースをオペレーティング・リースとして分類しています。
ファイナンス・リースに係る顧客からの受取債権は、リース投資未回収総額を現在価値で認識し、営業債権及びその他の債権に含めています。
オペレーティング・リースとして貸与している資産は、当初認識時に取得原価で測定し、リース契約で定められている期間にわたり、見積残存価額まで定額法によって減価償却しています。
なお、当社グループが中間の貸手の立場である場合、サブリースは、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
棚卸資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く非金融資産について、各報告期間の期末日ごとに、減損の兆候の有無の判定を行っています。何らかの兆候が存在する場合、その資産の回収可能価額を見積っています。
持分法で会計処理されている投資は、減損の客観的な証拠が存在する場合に、投資全体の帳簿価額を単一の資産として減損テストを行っています。
回収可能価額は、資産又は資金生成単位の使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち高い方の金額で算定しています。使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割り引いています。処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しています。
減損損失は資産及び資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に純損益として認識しています。
のれん以外の資産に関しては、各報告期間の期末日ごとに、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候の有無の判定を行っています。そのような兆候が存在し、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れています。減損損失の戻入れについては減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限としています。
給与、賞与及び年次有給休暇などの短期従業員給付については、勤務の対価として支払うと見込まれる金額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定拠出制度と確定給付制度を運営しています。
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
確定給付制度債務の現在価値及び勤務費用を、予測単位積増方式を使用して各制度ごとに個別に算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しています。
確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還又は制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としています。
勤務費用及び確定給付制度に係る負債及び資産の純額に係る利息純額は純損益として計上しています。
数理計算上の差異などの確定給付制度に係る負債及び資産の再測定額は、発生した期にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
過去勤務費用は制度改定又は縮小が発生した時、あるいは関連するリストラクチャリング費用又は解雇給付を認識したときの、いずれか早い方の期において純損益として認識しています。
当社グループは、過去の事象の結果として現在の義務(法的義務又は推定的義務)を有しており、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該義務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しています。
貨幣の時間価値が重要な場合には、義務の決済のために要すると見積られた支出額の現在価値で測定しています。現在価値の算定には、貨幣の時間的価値とその負債に固有のリスクに関する現在の市場評価等を反映した税引前割引率を用いています。
報告期間末日現在において発生可能性のある義務を有しているが、それが報告期間末日現在の義務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、当該義務の履行による経済的資源の流出の可能性がほとんどないと判断している場合を除き、偶発負債として注記します。
(製品保証引当金)
当社グループは、将来の製品保証に関連する費用に対して製品保証引当金を認識しています。
製品保証に関連する費用には、下記の費用が含まれています。
(i) 製品の保証書に基づく無償の補修費用
(ⅱ) 主務官庁への届出等に基づく無償の補修費用
(i)製品の保証書に基づく無償の補修費用は、製品を販売した時点で認識しており、(ⅱ)主務官庁への届出等に基づく無償の補修費用については、費用発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合に、過去の発生状況を基礎にした包括的な見積り及び個別的な見積りに基づき、引当金を認識しています。当該引当金は顧客及び販売店からの請求に応じて、取り崩されます。
これらの引当金の金額は、過去の売上実績、補修実績、製品の不具合に関する過去の経験等、現在入手可能な情報に基づいて予測発生台数及び予測台当り発生費用を見積り算定しており、仕入先への補償請求により回収が見込まれる金額も反映しています。
(12) 収益
当社グループは、四輪車、二輪車、船外機及び電動車いす他の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する物流及びその他のサービス等の事業を展開しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。当該金額には、消費税及び付加価値税等の税務当局の代理で回収した金額は含まれていません。また、顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識し、収益は変動対価を控除した金額で測定しています。
変動対価は主に売上リベートで構成されており、過去の実績等から最頻値法を用いて算定しています。
収益は、顧客との契約における履行義務の充足に従い、一時点又は一定期間にわたり認識しています。車両の販売については、製品の引き渡し時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引き渡し時点で収益を認識しています。また、通常の保証期間を超える期間において顧客が有償で受ける延長保証サービスなど、契約で合意した仕様であることを保証すること以外のサービスを提供している場合、当該サービスは、契約に基づく履行義務を充足する際に発生する費用に応じて、保証期間にわたり収益を認識しています。対価は主に受注時から履行義務を充足するまでの期間内に前受金として受領、又は、履行義務充足後1年以内に受領し、重要な金融要素は含まれていません。
製造業者又は販売業者としての貸手となる場合、製品の販売とみなされる部分について売上収益と対応する原価、販売損益をリース開始日に認識しています。
また、ファイナンス・リースに係る金融収益は、当社グループの正味リース投資未回収額に対して、一定の期間利益率を反映する方法で認識しています。
オペレーティング・リースに係る収益は、リース期間にわたって定額法で認識しています。
利息収益は、実効金利法により認識しています。
政府補助金は、補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な理由がある場合に、認識しています。
発生した費用に対する補助金は、費用の発生と同じ期間に収益として計上しています。
資産の取得に対する補助金は、繰延収益として負債に計上した後、規則的にその他の収益として計上しています。
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されています。これらは、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を除き、純損益として認識しています。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率及び税法は、決算日までに制定又は実質的に制定されたものです。
繰延税金は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越欠損金及び繰越税額控除について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しています。なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を認識していません。
・企業結合ではない取引で、取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される年度の税率を見積り算定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しています。
当社グループの税務処理を税務当局が認める可能性が高くないと判断した場合に、不確実性の影響を財務諸表に反映しています。
当社グループが発行する資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識しています。また、その発行に直接起因する取引コストは資本剰余金から控除しています。
自己株式は取得原価で認識し、資本から控除しています。当社グループの自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識していません。
なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しています。
(16) 1株当たり利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する中間利益は、親会社の所有者に帰属する中間利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する中間利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しています。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した要約中間連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用、資産、負債、収益及び費用の測定及び偶発資産・偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、並びに、見積り及び仮定を用いています。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいています。
しかし、その性質上、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
なお、見積り及び仮定は経営者により継続して見直しています。これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しています。
本要約中間連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断は次のとおりです。
・連結子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲 (注記3(1))
・開発から生じた無形資産の認識 (注記3(7))
・リースを含む契約の会計処理 (注記3(8))
本要約中間連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は、次のとおりです。
・非金融資産の減損 (注記3(9))
・退職給付に係る負債 (注記3(10))
・金融商品の公正価値 (注記3(3)、注記9)
・引当金 (注記3(11))
・偶発負債に係る将来の経済的資源の流出可能性(注記3(11))
・繰延税金資産の回収可能性 (注記3(14))
5.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会等の意思決定機関が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは経営組織の形態と製品及びサービスの特性に基づいて、「四輪事業」「二輪事業」「マリン事業」「その他事業」の4つを報告セグメントとしています。
各セグメントの主要製品及びサービスは次のとおりです。
報告セグメントの会計方針は、「3.重要性がある会計方針」における記載と同一です。
当社グループの報告セグメントごとの情報は次のとおりです。
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
6.配当金
配当金の支払額は、次のとおりです。
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注) 当社は2024年4月1日付で普通株式1株を4株に株式分割しています。1株当たり配当額については、当該株式分割前の配当金の額を記載しています。
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注) 当社は2024年4月1日付で普通株式1株を4株に株式分割しています。1株当たり配当額については、当該株式分割前の配当金の額を記載しています。
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注) 当社は2024年4月1日付で普通株式1株を4株に株式分割しています。1株当たり配当額については、当該株式分割前の配当金の額を記載しています。
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注) 当社は2024年4月1日付で普通株式1株を4株に株式分割しています。1株当たり配当額については、当該株式分割後の配当金の額を記載しています。
7.売上収益
分解した売上収益とセグメントとの関連は、次のとおりです。
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注)1 その他の源泉から認識した収益は、IFRS第16号「リース」に基づくリース収入等です。
2 国又は地域の区分は、物理的近接度によっています。
3 日本以外の区分に属する主な国又は地域
(1)欧 州・・・・・・ハンガリー、イタリア、英国、ドイツ
(2)ア ジ ア・・・・・・インド、パキスタン、インドネシア、タイ
(3)その他の地域・・・・・・米国、オーストラリア、メキシコ、コロンビア、南アフリカ
4 顧客の所在地を基礎として区分しています。
8.1株当たり中間利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する中間利益及びその算定上の基礎は、次のとおりです。
希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する中間利益及びその算定上の基礎は、次のとおりです。
(注) 当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、各数値を算定しています。
9.公正価値測定
当社グループにおける公正価値ヒエラルキーのレベルの定義は、以下のとおりです。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した公正価値
レベル2:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した公正価値
レベル3:重要な観察できないインプットを使用して算定した公正価値
公正価値の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、公正価値の算定における優先順位が最も低いレベルに公正価値を分類しています。
また、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しています。
資産及び負債の公正価値は、関連市場情報及び適切な評価方法を使用して決定しています。
資産及び負債の公正価値の測定方法及び前提条件は、次のとおりです。
(現金及び現金同等物、定期預金、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
これらの公正価値は、短期間で決済されるため、帳簿価額と近似しています。
ただし、割賦債権については、満期までの期間及び予想信用損失などの信用リスクを加味した利率で、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しています。したがって、観察不能なインプットを使用しているためレベル3に分類しています。
(投資信託、その他の負債性金融商品)
その他の負債性金融商品は、債券及び投資事業組合への出資金などで構成されています。
活発な市場のある投資信託については、市場における公正価値に基づいて測定しているため、レベル1に分類しています。
債券及び投資信託について、金融機関等の価格決定モデルに基づき、その価格に使用された観察可能なインプットを用いて測定しているものはレベル2に分類しています。
それ以外の投資信託及び投資事業組合への出資金は、当該投資先資本の公正価値を見積り、当該公正価値の持分相当額で測定しています。これらは観察不能なインプットを使用しているため、レベル3に分類しています。
(株式)
上場株式については、市場における公表価格に基づいて測定しているため、レベル1に分類しています。
非上場の株式については、類似企業比較法などのマーケットアプローチで測定しているため、レベル3に分類しています。
レベル3に分類された非上場株式の公正価値測定に関する重要な観察できないインプットは、類似企業の株価純資産倍率(PBR)及び非流動性ディスカウント(30%)です。公正価値はPBRの上昇(低下)により増加(減少)し、非流動性ディスカウントの上昇(低下)により減少(増加)します。
(デリバティブ)
デリバティブは、為替予約、通貨オプション、金利及び通貨スワップなどから構成されています。
これらの公正価値は、取引先金融機関から提示された価格や為替レート、金利などの市場で観察可能なインプットに基づき測定しているためレベル2に分類しています。
(借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額に近似しています。
長期借入金の公正価値は、条件及び残存期間の類似する債務に対し適用される現在入手可能な利率を使用し、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことによって測定しているため、レベル2に分類しています。
レベル3に分類された金融商品の経常的な公正価値測定は、当社グループの評価方針及び手続に従って、財務部門により行われており、金融商品の個々の資産性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しています。また、財務部門は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証しています。
検証の結果、金融商品の公正価値の毀損が著しい際は、部門管理者のレビューと承認を行っています。
なお、レベル3に分類された金融商品について、観察不能なインプットを合理的に考えられる代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類した、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、次のとおりです。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当中間連結会計期間(2024年9月30日)
経常的に公正価値で測定するレベル3の金融商品について、増減は次のとおりです。
(注)1 純損益に含まれる利得又は損失は、要約中間連結損益計算書上の「金融収益」及び「金融費用」に表示しています。
2 その他の包括利益に含まれる利得又は損失は、要約中間連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に表示しています。
3 前中間連結会計期間のレベル3からの振替は投資先が上場したことによるものです。
償却原価で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、次のとおりです。なお、帳簿価額と公正価値が近似している金融商品については、次の表には含めていません。
(注) 上記の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値ヒエラルキーは、割賦債権はレベル3、長期借入金はレベル2に分類しています。
10.初度適用
当社グループは、2023年4月1日を移行日として当中間連結会計期間の期首からIFRSに準拠しています。
我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準(以下、「日本基準」という。)に準拠して作成された直近の連結財務諸表は2024年3月31日に終了した連結会計年度に関するものです。
IFRSでは、IFRSを初めて適用する会社(以下、「初度適用企業」という。)に対して、原則として、IFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めています。ただし、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下、「IFRS第1号」という。)では、IFRSで要求される基準の一部について強制的に免除規定を適用しなければならないものと任意に免除規定を適用できるものを定めています。
これらの規定の適用に基づく影響は、IFRS移行日において利益剰余金、又はその他の資本の構成要素で調整しています。当社グループが日本基準からIFRSへ移行するにあたり、採用した任意の免除規定は次のとおりです。
初度適用企業は、IFRS移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号「企業結合」(以下、「IFRS第3号」という。)を遡及適用しないことを選択することが認められています。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号を適用しないことを選択しています。この結果、移行日前の企業結合から生じたのれんの額については、日本基準に基づく移行日時点での帳簿価額によっています。
IFRS第1号では、有形固定資産、投資不動産及び無形資産にIFRS移行日現在の公正価値を当該日現在のみなし原価として使用することが認められています。当社グループは、一部の有形固定資産について、移行日現在の公正価値をみなし原価として使用しています。
IFRS第1号では、IFRS移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することが認められています。当社グループは、在外営業活動体の換算差額の累計額を移行日現在でゼロとみなすことを選択しています。
IFRS第1号では、初度適用企業は、契約にリースが含まれているか否かの評価をIFRS移行日時点で判断することが認められています。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実と状況に基づいて、契約にリースが含まれているかを判断しています。
IFRS第1号では、IFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)における分類について、当初認識時点で存在する事実及び状況ではなく、移行日時点の事実及び状況に基づき判断することが認められています。また、移行日時点に存在する事実及び状況に基づき資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定することが認められています。
当社グループは、IFRS第9号における分類について、移行日時点で存在する事実及び状況に基づき判断を行っており、一部の資本性金融商品についてその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しています。
IFRS第1号では、「見積り」「金融資産及び金融負債の認識の中止」「ヘッジ会計」「非支配持分」及び「金融資産の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しています。当社グループは、これらの項目について移行日より将来に向かって適用しています。
IFRSの初度適用において開示が求められる調整表は次のとおりです。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しています。
1.移行日(2023年4月1日)の資本に対する調整
2.前中間連結会計期間(2023年9月30日)の資本に対する調整
3.前連結会計年度(2024年3月31日)の資本に対する調整
4.前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)の包括利益に対する調整
6.資本に対する調整に関する注記
日本基準では「現金及び預金」に含めていた預入期間が3ヶ月超の定期預金については、IFRSでは流動資産の「その他の金融資産」に振り替えています。また、日本基準では、「有価証券」に含めていた短期運用資産(3ヶ月以内のもの)を、IFRSでは「現金及び現金同等物」に振り替えています。
日本基準では流動資産の「その他」に含めていた未収入金については、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」に振り替えており、また、日本基準では流動負債の「その他」に含めていた未払金については、IFRSでは「営業債務及びその他の債務」に振り替えています。
日本基準では区分掲記していた流動資産の「貸倒引当金」については、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」及び流動資産の「その他の金融資産」から直接控除して純額で表示するように振り替えています。
日本基準では流動資産の「その他」に含めていた短期貸付金については、IFRSでは流動資産の「その他の金融資産」に振り替えており、日本基準では区分掲記していた「投資有価証券」及び「長期貸付金」については、IFRSでは非流動資産の「その他の金融資産」に振り替えています。また、日本基準では流動負債及び固定負債の「その他」に含めていたリース債務は、それぞれIFRSでは流動負債及び非流動負債の「その他の金融負債」に振り替えています。
日本基準では「投資有価証券」に含めていた「持分法で会計処理されている投資」については、IFRSでは区分掲記しています。
日本基準では区分掲記していた「短期借入金」及び「1年内返済予定の長期借入金」については、IFRSでは流動負債の「社債及び借入金」に振り替えています。
日本基準では流動負債に区分掲記していた「役員賞与引当金」及び「未払費用」は、IFRSでは「その他の流動負債」に振り替えており、固定負債の「その他」に含めていた資産除去債務は、IFRSでは非流動負債の「引当金」に振り替えています。
日本基準では連結していた一部の子会社について、IFRSでは投資先に対するパワーの観点から実質的な支配関係を考慮し、共同支配企業として持分法を適用しています。
日本基準では「原材料及び貯蔵品」として計上していた事務用消耗品及び販売促進用の物品については、IFRSでは資産の定義を満たさないため利益剰余金に振り替えています。また、同じく日本基準で「原材料及び貯蔵品」として計上していた交換部品、予備器具及び保守用部品については、IFRSでは分類を見直したことにより「有形固定資産」に振り替えています。
日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しています。また、IFRSの適用に伴い、見積耐用年数を見直しています。
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っていましたが、IFRSでは借手リースの分類を行わず、「使用権資産」として計上しています。また、当該リース取引の資産計上に伴うリース負債を「その他の金融負債」に計上しています。
日本基準では、発生時費用処理していた研究開発費について、IFRSでは資産化の要件を満たす支出額を資産計上しています。
主として日本基準からIFRSへの調整に伴い一時差異が発生したことにより、「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」の金額を調整しています。
日本基準とIFRSの間で割引率等の数理計算上の仮定の相違が存在するため、IFRSの規定に準拠し、退職給付債務を再計算しています。数理計算上の差異について、日本基準では発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数により按分した額を発生の翌年度から費用処理していましたが、IFRSでは発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
また、確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額は資産上限額に制限され、その調整をその他包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
(15) 未消化の有給休暇
日本基準では会計処理をしていなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは将来の有給休暇の権利を生じさせる勤務を従業員が提供した時点で負債として、「その他の流動負債」に計上しています。
初度適用に際して、IFRS第1号に規定されている免除規定を選択し、移行日における累積換算差額を全て利益剰余金に振り替えています。
利益剰余金の認識・測定の差異調整の主な項目は次のとおりです。
7.純損益及び包括利益に対する調整に関する注記
日本基準では顧客が製品の支配を獲得したあとに行う出荷に係る輸送コストについて、「売上高」と「販売費及び一般管理費」に総額で表示していましたが、IFRSでは純額で「売上収益」として表示しています。
日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しています。
日本基準では「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目を、IFRSでは財務関係損益については「金融収益」及び「金融費用」として計上し、それ以外の項目については「その他の収益」、「その他の費用」及び「持分法による投資損益」に表示しています。
日本基準では投資有価証券に含まれる一部の負債性金融商品について、公正価値の変動をその他の包括利益で認識していましたが、IFRSでは「金融収益」及び「金融費用」として認識しています。
日本基準では会計処理をしていなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは人件費として認識し、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しています。
日本基準では「法人税、住民税及び事業税」、「法人税等調整額」を区分掲記していましたが、IFRSでは「法人所得税費用」として一括して表示しています。また、IFRSの適用に伴い、全ての繰延税金資産の回収可能性を再検討しています。
8.キャッシュ・フローに対する調整