当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
(※本項末に「用語集」として、専門用語の解説を記載しておりますので、併せてご確認ください。)
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、社会・経済活動の正常化に向けた動きが進む中、雇用・所得環境については改善の方向に向かっております。一方で、日米の金融政策や為替の動向、地政学リスクによる原材料価格やエネルギーコスト高騰の継続、人財採用難による働き手不足や人件費の上昇など、極めて先行き不透明な事業環境が続いております。
このような状況の中で、当社グループにおける当中間連結会計期間の業績は以下の通りとなりました。
(単位:千円)
|
2024年3月期 中間期 |
2025年3月期 中間期 |
対前期増減額 |
対前期増減率 |
売上高 |
2,074,789 |
2,422,655 |
347,866 |
16.8% |
営業利益 |
97,704 |
67,027 |
△30,676 |
△31.4% |
経常利益 |
104,035 |
67,401 |
△36,633 |
△35.2% |
親会社株主に帰属する当中間純利益 |
66,914 |
47,883 |
△19,030 |
△28.4% |
当社グループでは、本事業年度の55期を皮切りにFY2024_2026中期経営計画(Development&Evolution)を策定いたしました。本計画は、「既存事業の価値の最大化と新たな価値の創造」に取り組むべく「資本コストを意識した経営の実践」をグループ全体に浸透を図り、持続的成長を目指すことを骨子としてまいります。加えて、前中期経営計画の反省からの改善を基に、積極的な人財獲得を推し進めつつ、社員のスキルアップも並行して展開する人的資本経営を進めながらDXの活用による生産性向上により、当社グループ全体のアップデートを図ってまいります。また、新たなる事業領域の獲得として、点群データを始めとする三次元データの利活用を中心としたインフラDX事業に挑戦してまいります。
当中間連結会計期間においては、お客様に各種補助金の活用を促し、自社製品や三次元計測機器を中心とする各計測機器への購買動機を高める活動を継続するとともに、展示会への出展を強化した営業活動を行い、商談機会の獲得に努めてまいりました。各子会社を含め、MMS(Mobile Mapping System)機器販売、高精度三次元地図の作成請負業務及び2025年の自動運転サービス実用化に向けた自動運転実証実験請負、自動運転車両の構築請負、公共及び民間からの測量業務委託など、多方面より受注獲得は進んでおり、前年同期と比較し受注件数・規模も増加しております。一方で、モビリティ・DXセグメントを中心に、収益計上が年度末に集中する傾向は、前年と比較し強まっており、当連結会計年度においても、第4四半期に大きく売上が伸長する見込です。
また、昨年度に子会社であるA-Drive株式会社と共に参画した全国各地の地域公共交通確保維持改善事業(自動運転社会実装推進事業)は、国土交通省より昨年度以上となる99か所の採択を行った旨が公表されており、当社グループにおいても25か所の採択状況となるとともに、当該事業以外での自治体、交通事業者との取り組みも行う予定としております。
以上の結果、売上高は前年同期を上回り、計画以上の営業利益を確保した一方で、投資活動等におけるコストの増加に伴い、営業利益は前年同期を下回る実績となりました。
セグメント別においては、次の通りであります。
従来、当社グループの報告セグメントは、「公共セグメント」「モビリティセグメント」「その他」の3区分としておりましたが、当社グループの本部体制変更に伴い、自治体を始め土木・建設・交通・自動車分野を横断的にDX推進する事業を新たに「モビリティセグメント」に追加し、取締役会において適切な意思決定を行うことを目的に、当中間連結会計期間から「公共セグメント」「モビリティ・DXセグメント」「その他」の3区分に変更することといたしました。
なお、前中間連結会計期間のセグメント情報は、当中間連結会計期間の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
a.事業セグメント別の業績
(単位:千円)
|
|
2024年3月期 中間期 |
2025年3月期 中間期 |
対前期増減額 |
対前期増減率 |
公共 セグメント |
売上高 |
1,407,916 |
1,365,734 |
△42,181 |
△3.0% |
セグメント利益 |
300,833 |
264,929 |
△35,903 |
△11.9% |
|
営業利益率 |
21.4% |
19.4% |
|
|
|
モビリティ・DX セグメント |
売上高 |
661,290 |
1,051,338 |
390,048 |
59.0% |
セグメント損失(△) |
△90,023 |
△24,875 |
65,148 |
- |
|
営業利益率 |
△13.6% |
△2.4% |
|
|
|
その他 |
売上高 |
5,582 |
5,582 |
0 |
0.0% |
セグメント利益 |
2,513 |
3,507 |
994 |
39.6% |
|
営業利益率 |
45.0% |
62.8% |
|
|
b.報告セグメント別の当連結会計年度に収益計上する予定の請負契約に係る受注残高
当中間連結会計期間末において、契約締結が完了しており、当連結会計年度に収益計上する予定の請負契約に係る受注残高と、前年同期時点との比較は以下の通りとなります。なお、上記に記載の自動運転社会実装推進事業については、当中間連結会計期間末において契約締結前の案件もあり、それらは以下の表に含めておりません。
(単位:千円)
|
公共セグメント |
モビリティ・DX セグメント |
合計 |
||||||
|
2024年 3月期 中間期 |
2025年 3月期 中間期 |
前期比 (%) |
2024年 3月期 中間期 |
2025年 3月期 中間期 |
前期比 (%) |
2024年 3月期 中間期 |
2025年 3月期 中間期 |
前期比 (%) |
計測機器販売 及び関連サービス |
- |
- |
- |
17,861 |
46,832 |
262.2 |
17,861 |
46,832 |
262.2 |
各種請負業務 及び関連サービス |
125,352 |
103,571 |
82.6 |
489,574 |
1,041,461 |
212.7 |
614,925 |
1,145,032 |
186.2 |
合計 |
125,352 |
103,571 |
82.6 |
507,434 |
1,088,292 |
214.5 |
632,786 |
1,191,864 |
188.4 |
c.報告セグメント別の概要
①公共セグメント
2024年7月にリリースしました点群CADシステムである新製品「ANIST」は、3D点群からの平面図作成での課題を解決する新技術を搭載しており、事前のプロモーションを積極的に行った事で、お客様、販売店からの期待感もあり、計画を上回る販売で推移しております。加えて、主力製品である「WingneoINFINITY」および「WingEarth」「LasPort」は、前連結会計年度における受注残案件の売上計上、補助金制度を活用した販売活動等により、前年同期と同水準の売上高を維持することとなりました。
また、測量機器のリユース・リペア・レンタルの3Rサービスをウェブ展開する測量機器総合マーケット
「GEOMARKET」は、2024年1月に子会社となった有限会社秋測へ事業移管を行いました。技術力やノウハウ、人財
と、測量機器販売のネットワークを融合することで、今まで以上に高品質かつスピーディなサービスをお客様へ提供することが可能となったことに加え、測量機器に係る新たなサポートサービスの提案なども進めております。また、ウェブ広告を積極的に展開することで知名度も向上しております。
子会社である株式会社三和を中心とした測量請負事業は、ここ数年、官公庁における公共測量に係る入札競争が激しさを増しております。このような事業環境へ対策すべく、民間の建設コンサルタント企業を中心とした新規顧客の開拓に努めてまいりました。その結果、前年同期と比べて売上高は僅かに上回りました。また、受注も順調に進んでおり、年度末には前連結会計年度を上回る見通しです。
一方、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に引き続き、中期経営計画に沿ったグループ会社全体での人財投資計画や新製品への研究開発を進めた結果、前年同期と比較して増加しました。
②モビリティ・DXセグメント
モビリティ・DXセグメントにおきましては、政府の掲げる「RoAD to the L4」に伴う2025年度以降の自動運転の社会実装に向けて、国を挙げての取り組みが加速しており、自治体や交通事業者等の課題意識も高まる一方、自動車業界においては投資対象の中心がEVへシフトしている中、継続的に新たな商談発掘に努めてまいりました。加えて、当連結会計年度より、新たなる事業領域の獲得として、当社グループが公共・モビリティの両分野でノウハウを培ってきた点群データを始めとする三次元データの利活用を中心としたインフラDX事業に挑戦してまいります。
三次元計測請負業務及び高精度三次元地図データベース整備は、自動運転の実用化を目的とした整備業務を中心に受注し、随時納品を行っております。品質やコストへの要求が高まっておりますが、生産性向上に向けた体制の見直し、ツールの開発、グループ間でのシナジーを生み出す検証を、前連結会計年度から継続して取り組み、原価低減効果も現れてきております。また、新規顧客の開拓に加え、自動運転社会実装推進事業の採択が増加することで、需要も比例して増加することが見込まれます。
自動運転システムの販売および実用化に向けた実証実験は、前連結会計年度に引き続き、国内の多くの企業や地方自治体などで需要がある状況です。そのような中、自動運転の実用化に向けた実証実験は、特に実用化が期待される地域におけるものを中心に積極的に進めておりますが、その実施の多くが第3四半期以降であることから、その受注に向けた活動を行うとともに、実施主体との協議を進めております。
自動運転の実用化は、政府目標として2025年度に50か所程度、2027年度に100か所以上での社会実装を目指すとされています。当社グループは、株式会社ティアフォー、損害保険ジャパン株式会社、KDDI株式会社等のパートナー企業と連携し、全国自治体との対話を進め、実用化に向け積極的に推進してまいります。それまでの間は、当事業分野は投資フェーズと捉えており、将来の事業モデル確立に向けた先行投資として、前連結会計年度より引き続き、事業推進に必要な人財確保、システム構築や機材などの調達を積極的に行ってまいります。また、大型自動運転バスの実用化に向けた研究に加え、昨年度にアイサンテクノロジー株式会社にて導入した自動運転小型EVバスである「ティアフォーMinibus」は、A-Drive株式会社においても導入しました。これまで積み重ねてきた実証実験の知見を活かし、ニーズが高いバスタイプでの実証や販売に積極的に取り組んでまいります。
加えて、昨年度にA-Drive株式会社と共に参画した全国各地の地域公共交通確保維持改善事業(自動運転社会実装推進事業)は、国土交通省より昨年度以上となる99か所の採択を行った旨が公表されている中、当社グループにおいても99カ所中、25カ所の参画を予定しており、昨年度以上の採択状況となっております。
新たな事業となるインフラDX分野については、現在市場や顧客のターゲットを絞りながら、当社グループがこれまで積み重ねてきたノウハウ・知見を活かし、新たなソリューションの開発・提案を進めている状況です。現時点では投資フェーズとして捉えておりますが、本事業をコア事業に引き上げるべく取り組んでおります。
一方、販売費及び一般管理費は、中期経営計画に沿った人財投資計画や、新たな事業領域への研究開発を進めた結果、前年同期と比較して増加しました。
③その他
自社保有の不動産に係る賃貸収入については、前年同期と同水準の結果となりました。
また、全社費用においては、新中期経営計画に基づき、資本コストを意識した経営を実施する一方で、新卒採用や即戦力となるキャリア採用などの人財投資のほか、7月23日に公表したDX推進のための長崎県への進出、ウェブサイトの継続的なリニューアル、10月23日に実施した名古屋証券取引所への重複上場など、様々な投資を行っております。その結果、前年同期と比較し、増加しました。
d.報告セグメント別の収益分解カテゴリ及び各カテゴリに含まれる主要な製品等
|
公共セグメント |
モビリティ・DX セグメント |
自社ソフトウェア販売 及び関連サービス |
測量土木関連ソフトウェア(「Wingneo INFINITY」「LasPort」等) 三次元点群処理ソフトウェア(「WingEarth」「ANIST」等) 及び関連保守サービス 等 |
|
計測機器販売 及び関連サービス |
測量計測機器販売 及び関連保守サービス 等 |
MMS計測機器及び関連製品・サービス 自動運転車両に係るハードウェア販売 等 |
各種請負業務 及び関連サービス |
土地・河川・海洋に関する各種測量業務 三次元計測・解析業務の請負 等 |
三次元計測・解析業務 高精度三次元地図データベース構築業務 自動運転車両・システム構築 自動運転の実証実験請負 等 |
その他 |
その他関連ハードウェア・サービス |
※「その他」のセグメント区分は報告セグメントに含まれないセグメントであり、不動産賃貸業となります。
e.収益分解カテゴリごとの前年同期との比較
①自社ソフトウェア販売及び関連サービス
前連結会計年度の自社ソフトウェア販売が堅調に推移したことからサポートサービスの新規契約、契約更新による売上が増加しました。また、昨年にリリースした「LasPort」、2024年7月にリリースした「ANIST」なども売上に貢献しております。以上より、自社ソフトウェア販売及び関連サービスの売上高は、前年同期と比較し増加しました。
②計測機器販売及び関連サービス
公共セグメントにおいては、前連結会計年度に有限会社秋測を子会社化したことにより、新品及び中古の測量機器販売に加え、測量機器のリユース・リペア・レンタルの3Rサービスが好調に推移している一方、前年同期において高単価な測量機器の販売が増加した反動により、前年同期と比較し売上高は減少しました。
モビリティ・DXセグメントにおいては、前年度末に遅延が発生していた複数台のMMSの納品を完了しました。1台
あたりの売上金額が大きいことから、前年同期と比較し、売上高は増加しました。
③各種請負業務及び関連サービス
公共セグメントにおいては、子会社である株式会社三和による測量請負業務が中心となりますが、当中間連結会計期間において、納品が完了した案件数が減少したため、前年同期と比較し、売上高は僅かに下回りました。「b.報告セグメント別の当連結会計年度に収益計上する予定の請負契約に係る受注残高」に記載の通り、現時点における受注額は前年同期と比較して減少しておりますが、年度末には前連結会計年度を上回る見通しです。
また、モビリティ・DXセグメントにおいては、自動運転の実用化を見据えた自治体や交通事業者との連携は益々活性化しており、パートナー連携やプロジェクトへの参加、技術研究開発などを推進したことで、新たな案件や商材を獲得した結果、前年同期と比較し売上高が大幅に増加しました。加えて、「b.報告セグメント別の当連結会計年度に収益計上する予定の請負契約に係る受注残高」に記載の通り、受注も順調に進んでおり、地域公共交通確保維持改善事業(自動運転社会実装推進事業)の採択数においても昨年度を上回ったことから、年度末には前連結会計年度の売上高を上回る見通しです。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて780百万円減少し、7,816百万円となりました。その主な要因は受取手形、売掛金及び契約資産が983百万円減少したこと等によります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて727百万円減少し、1,558百万円となりました。その主な要因は買掛金が565百万円減少したこと等によります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて52百万円減少し、6,257百万円となりました。その主な要因は利益剰余金が61百万円減少したこと等によります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は(以下「資金」という。)は、前年同期末と比較して24百万円増加し、4,085百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は414百万円となりました。これは主に、売上債権減少による収入983百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は35百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出64百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は138百万円となりました。これは主に、リース債務の返済による支出30百万円、配当金の支払による支出108百万円等によるものであります。
(4)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
当中間連結会計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等につきましては、2024年5月10日に開示した「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)Development&Evolutionの策定について」から重要な変更はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
なお、前連結会計年度に掲げた課題について、当中間連結会計期間において対処した事項は以下の通りとなります。
①新型コロナウイルス感染症の影響は小さくなっておりますが、今後も新たなパンデミックの発生は想定されます。前連結会計年度の有価証券報告書にも記載の通り、引き続き会社を感染源としない取り組みを優先的に実施するとともに、テレワークを含めた柔軟な働き方は継続しております。ただし、変異株等の感染再拡大に伴い、感染者が飛躍的に増加することにより、会社への出社や営業活動、自動運転の実証実験などの制約を受ける場合は、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
②少子高齢化に関するリスクへの対処としては、人的資本経営として取り組みを開示している通り、当社グループの事業活動においては、社是にある「知恵・実行・貢献」を実践し持続可能な社会を実現するために、持続的な成長と中長期的な価値を創出する源泉は人財であり、社員一人ひとりの活躍が求められています。そのためには、当社グループとマッチする社員を新卒採用やキャリア採用を通じて確保する必要があります。採用した社員はコストではなく、大切な人的資産と考え、継続的なスキルアップを実現する教育プログラムを整えるとともに給与体系の充実と従業員満足度の向上にも努めていきます。また、社員一人ひとりが所属する組織とのミスマッチを防ぎ、「変化・変革」へ果敢に挑戦し続け、活躍機会を増やすことが、生産性向上にもつながり、会社利益・企業価値向上に寄与すると考え、人財開発に投資を行っています。多様性に対する考え方は、さまざまな年齢、性別、国籍、雇用形態や働き方、価値観などを持つ方々を「多様な人財」と捉え、一人ひとりが「活き活き」とその特性を活かし、持てる力を発揮できる職場環境を目指しています。
③サイバーセキュリティに関するリスクに対しては、従来の取り組みに加え、拠点やデータセンターの強化、社員への情報セキュリティ教育やリスク対策委員会による検証を実施するなど、継続的に本リスクへの対応を行っております。
④世界経済、為替変動に関するリスクで記載した、自動車産業に係る課題については、全国各地の地方整備局へのMMS導入効果や自治体における三次元データ流通拡大を背景にした公共事業分野への積極的な営業活動も行うことで、受注の落ち込みを最小限にすべく努めております。
⑤個別の事業分野におけるリスクの一つである「自動運転技術を活用した自動運転実証実験の安全性について」に関しては、2022年2月にリリースをした「自動運転システム提供者専用保険」に加え、「A-Drive株式会社」を共同設立した三菱商事株式会社等の共同パートナー企業とともに、国内全域における計画的かつ安心・安全な自動運転サービス実証を行うため、様々な取り組みを行っております。
⑥労務安全衛生管理体制についての課題への対処としては、顧問社会保険労務士と最新の法令内容の情報共有や確認をするとともに、社員に対し適切な情報開示を継続的に行っております。
⑦グローバルサプライチェーンに関するリスクへの対応として、多方面での事業展開も同時に行うことで、特定の市場環境の影響に偏らないよう、事業活動を行うとともに、将来の取引の見込みより適正な在庫管理を行うなど実施しております。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は39百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、投資有価証券の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金または金融機関からの借入を基本としております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
なお、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は4,085百万円となっております。
<用語集>
用語 |
解説 |
子会社 |
当社グループの子会社である「株式会社スリード」「株式会社三和」 「A-Drive株式会社」「有限会社秋測」の4社を指す。関連子会社はなく、連結子会社 のみ。「A-Drive株式会社」は三菱商事株式会社との共同出資により設立。 |
測量 |
地球表面上の点の位置・関係を決定するための技術・作業の総称。地図の作成、土地の位置・状態調査などを行う事。 日本では国または地方公共団体の実施する基本測量、公共測量等は測量法で規定され、国家資格である測量士又は測量士補でなければ技術者として従事することはできない。一方、不動産登記を目的とした測量は土地家屋調査士でなければ行うことはできない。 |
インフラDX |
インフラ分野においてデータやデジタル技術を活用することで、生産性や安全性向上を図るとともに、国民の生活をより豊かで便利な暮らしに変化するための国土交通省が推進する取り組み。 |
「WingneoINFINITY」 |
当社グループの主力製品。測量・土木設計・登記業界向けCADソリューション。 機能:測量設計・登記・3D点群活用(「WingEarth」と連携)・地籍調査・電子納品・測量用外業端末・その他測量業務支援 |
「WingEarth」 |
測量・土木分野向け大規模点群編集ツール。 |
「LasPort」 |
次世代TS(トータルステーション)コントローラー(外業向けソフトウェア)。 TSに接続し遠隔で操作(観測など)するためのコントローラー。 |
「GrandBase」 |
線形・縦断・横断計画作成三次元ツール。 現況サーフェスや座標点などの三次元測量データを活用し、施工や維持管理へつながる データの取込、作成および出力を行うアプリケーション。 |
「ANIST」 |
2024年7月にリリースした新製品。「点群データと平面図作図をワンストップで完結」というキャッチコピーで販売しているCADソフトウェア。 |
「GEOMARKET」 |
測量機器のリユース・リペア・レンタルの3Rサービスをウェブ展開する測量機器総合マーケット。2024年4月に有限会社秋測に事業移管。 |
トータルステーション (TS) |
目標点に光を発射して、反射して機械に戻った光を電子的に解析して距離を測る光波距離計と角度測定の電子セオドライトを組み合わせた測量機。 1台の機械で、角度(鉛直角・水平角)と距離を同時に測定ができ、測量分野、建築・土木分野にて、幅広く用いられる。 |
測量CAD |
CADとは「computer aided design」の略で、コンピューターを使って設計すること、設計するためのソフト。 測量士や土地家屋調査士の業務では、土地の測量を行い、図面を作成する作業を行うが、測量に特化した測量CADソフトは、測量業務の作業を効率化するための様々な機能を有している。 |
地籍調査 |
土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する調査。 「地籍」とは、いわば「土地に関する戸籍」を指す。 我が国では、土地に関する記録は登記所において管理されるが、土地の位置や形状等を示す情報として登記所に備え付けられている地図や図面は、その半分ほどが明治時代の地租改正時に作られた地図(公図)などをもとにしたものである。そのため登記所に備え付けられている地図や図面は、境界や形状などが現実とは異なっている場合がある。 地籍調査が行われることにより、その成果は登記所にも送られ、登記簿の記載が修正され、地図が更新されることになり、また、固定資産税算出の際の基礎情報となるなど、市町村における様々な行政事務の基礎資料として活用される。 |
外業 |
屋外で行う測量作業。⇔内業:CADの図面作成など |
三次元点群 |
MMSや三次元レーザースキャナーなどで物体や地形を計測した「点」の集合体で、座標値や色の情報を持つ。ポイントクラウドと呼ばれることもある。 |
ATM’S |
当社測量ソフトの会員サービス。 最新バージョンへのバージョンアップ、Webサービス、リモートヘルプなどのメニューが揃っている、年間契約のサービスで、サービス料金の内、バージョンアップに係る部分は年1回、実施時に収益計上される。 その他保守サポートに係る部分は、期間按分して収益計上される。" |
MMS |
「Mobile Mapping System」の略。GPSアンテナ、IMU、カメラ、レーザースキャナーを 一体化したユニットを、天板上に搭載し、道路面や道路周辺の三次元座標データと連続カラー画像を取得することができる。 道路を走りながら計測ができるため、道路交通規制などが必要なく、効率的でかつ高精度の点群データを取得することができる。 |
IMU |
慣性計測装置(Inertial Measurement Unit)のことで、三次元の慣性運動を検出する装置。加速度センサにより並進運動を、角速度(ジャイロ)センサにより回転運動を検出する装置で、自動車の姿勢計測、ドローンの姿勢制御などに活用される。 |
RoAD to the L4 |
正式名称:「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト」。本プロジェクトは、経済産業省・国土交通省の委託事業として、CASE、カーボンニュートラルといった自動車産業を取り巻く大きな動きを踏まえて、持続可能なモビリティ社会を目指すもの。 自動運転レベル4等の先進モビリティサービスを実現・普及することによって、環境負荷の低減、移動課題の解決や、我が国の経済的価値の向上に貢献することが期待されている。 |
Minibus |
株式会社ティアフォーが生産する自動運転小型EVバス。 |
自動運転レベル |
自動運転のレベルは0~5までの6段階に分けて定義されており、各レベルに応じて運転タスクの主体や走行領域が設定されている。米国のSAE(自動車技術会)が基準を示しており、日本では公益社団法人のJSAE(自動車技術会)が日本語訳を発行、最も主流な自動運転レベルの定義として扱われている。 レベル0:運転自動化なし レベル1:運転支援(システムが前後・左右のいずれかの車両制御を実施。加減速または操舵をアシストするどちらか一方の機能を搭載しているタイプ。このほか自動ブレーキもレベル1。) レベル2:特定条件下での自動運転機能(ハンズフリー。特定条件下での自動運転機能。レベル1の組み合わせおよび高機能化。ただし平時同様周囲の状況を常に監視し続けなければならない。) レベル3:条件付自動運転(アイズフリー。特定条件下においてシステムが全ての運転タスクを実施。ただし当該条件を外れるなど作業継続が困難な場合はシステムの介入要求に対して対応が必要。) レベル4:特定条件下における完全自動運転(ドライバーフリー。特定条件下においてシステムが全ての運転タスクを実施するとともに、作動継続が困難な場合もシステムが対応。) レベル5:完全自動運転(ODDの設定なしにシステムが全ての動的運転タスクを担う。原則として、いかなる場所、いかなる状況下においても自動運転システムが全てのタスクを担う完全自動運転。) |
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。