当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)の我が国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に社会経済活動の正常化が進み、緩やかな回復基調で推移する中、物価上昇の影響からか若干の足踏みがみられながらも個人消費も持ち直し傾向となりました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化、エネルギー価格や原材料価格の高騰影響等に加え、外国為替の不安定さによる警戒感も相俟って先行きは依然として不透明な状況で推移しました。
そのような環境の中、長期戦略「ONE DUSKIN」の最終第3フェーズ「中期経営方針2022」(2023年3月期~2025年3月期)の最終年度を迎えた当社は、基本方針である“社会価値向上と持続的成長、双方の実現”に資する各種総仕上げに取り組んでおります。訪販グループにおいては、サステナブルな洗浄・物流体制構築のための最重要戦略投資と位置付けたマット・モップへのRFID(電子タグ)の取り付けを前期中にほぼ完了し、読み取り機を使用した一括読み取りへ移行、運用をスタートさせました。他方、クリーンサービス事業(ダストコントロール商品のレンタルと販売)においては、家庭用営業専任組織の加盟店への拡大展開やWEB施策の強化等、新たなお客様作りに注力しております。また、近年の自然災害の増加に対応するために、レントオール事業(日用品・イベント用品等のレンタル)を中心に、ヘルスレント事業(介護用品・福祉用具のレンタルと販売)、クリーンサービス事業、ケアサービス事業(役務提供サービス)が連携し、災害発生時に自治体への資材供給及び衛生管理をサポートする「防災サポートサービス」を推進し、更には、暮らしの中で起こる鍵のトラブルに対して交換・修理を行う「レスキューサービス事業」の拡大に向けた準備も進めました。
フードグループにおいては、ミスタードーナツは新商品の開発・導入や出店強化に注力し、また、既存ブランドとは異なる立地・客層・利用動機等に対応する業態開発として、健康菜園株式会社(関東を中心にイタリアンレストラン「ナポリの食卓」等を展開する株式会社ボストンハウスの持株会社)を前期に子会社化する等、新たなマーケットの獲得にも注力しております。
一方で、株主還元の基本方針に沿って自己株式の取得を決定し実行する等、株主価値向上に向けた資本収益性を考慮した取り組みにも注力しました。
当中間連結会計期間は、全てのセグメントが増収となったことにより、連結売上高は前年同期から59億6百万円(6.9%)増加し、917億27百万円となりました。利益面につきましては、増収に伴う売上総利益の増加に加えて、RFID取り付けが概ね完了したこと等により原価率が改善し、連結営業利益は前年同期から9億76百万円(33.1%)増加し39億24百万円となりました。また、持分法による投資利益の増加等により営業外損益が改善したことで、連結経常利益は前年同期から13億99百万円(34.1%)増加し55億3百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期から8億41百万円(31.8%)増加し34億90百万円となりました。
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(単位:百万円) |
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前中間期 |
当中間期 |
増 減 |
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(2024年3月期中間期) |
(2025年3月期中間期) |
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増減率 (%) |
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連結売上高 |
85,821 |
91,727 |
5,906 |
6.9 |
連結売上総利益 |
36,887 |
40,971 |
4,083 |
11.1 |
連結営業利益 |
2,947 |
3,924 |
976 |
33.1 |
連結経常利益 |
4,104 |
5,503 |
1,399 |
34.1 |
親会社株主に帰属する 中間純利益 |
2,648 |
3,490 |
841 |
31.8 |
<セグメント毎の状況>
セグメント別売上高 |
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(単位:百万円) |
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前中間期 |
当中間期 |
増 減 |
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(2024年3月期中間期) |
(2025年3月期中間期) |
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増減率 (%) |
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訪販グループ |
53,434 |
53,743 |
309 |
0.6 |
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フードグループ |
25,944 |
31,168 |
5,223 |
20.1 |
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その他 |
7,799 |
8,241 |
441 |
5.7 |
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小計 |
87,178 |
93,153 |
5,974 |
6.9 |
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セグメント間取引消去 |
△1,357 |
△1,425 |
△67 |
- |
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連結売上高 |
85,821 |
91,727 |
5,906 |
6.9 |
(注)各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
セグメント別営業利益 |
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(単位:百万円) |
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前中間期 |
当中間期 |
増 減 |
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(2024年3月期中間期) |
(2025年3月期中間期) |
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増減率 (%) |
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訪販グループ |
2,620 |
3,073 |
453 |
17.3 |
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フードグループ |
3,109 |
3,754 |
645 |
20.8 |
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その他 |
243 |
313 |
69 |
28.7 |
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小計 |
5,973 |
7,142 |
1,168 |
19.6 |
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セグメント間取引消去 及び全社費用 |
△3,025 |
△3,217 |
△192 |
- |
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連結営業利益 |
2,947 |
3,924 |
976 |
33.1 |
(注)各セグメントの営業利益は、セグメント間の取引を含んでおります。
①訪販グループ
訪販グループは、主力のクリーンサービス事業が減収となったものの、ケアサービス事業が増収となったこと等により、売上高は前年同期から3億9百万円(0.6%)増加し537億43百万円となりました。一方利益面につきましては、経費の増加や原材料費等の高騰影響があったものの、RFID取り付けが前期中に概ね完了したことに伴う原価減少により、営業利益は前年同期から4億53百万円(17.3%)増加し30億73百万円となりました。
訪販グループ主力のクリーンサービス事業は、家庭向け、事業所向け共に減収となりました。
家庭向けの中心商品であるモップ商品は、前期3月に発売した新商品「ペット用おそうじモップセット」(ペット用フロアモップとモップクリーナーのセット)が順調に推移したことに加えて、営業専任組織の活動が新たなお客様作りに成果を挙げつつあることやデジタルチャネルでの受注件数の増加により前年同期並みの売上となりました。その他の商品では、前年同期に新発売した「ミッキー&ミニー台所用スポンジ」「ふんわり包まれまくら」「からだ支える快眠マットレス」等の売上が反動により減少しました。
事業所向け商品は、新発売した「抗菌エレクトロン」の売上寄与によりモップ商品売上が増加しましたが、中心商品であるマット商品は、高機能マットが引き続き好調に推移したものの、その他商品の売上は減少し、全体では減収となりました。また2023年5月に新型コロナウイルス感染症が五類移行したことに伴い、大型施設等のエアクリーン商品売上が減少、芳香剤等の化粧室周り商品売上も減少しました。
ケアサービス事業のお客様売上につきましては、「ホームリペア」(住まいのピンポイント補修)は減少したものの、エアコンクリーニングが好調に推移した「サービスマスター」(プロのお掃除サービス)が増加した他、「メリーメイド」(家事代行サービス)、「ターミニックス」(害虫獣の駆除と総合衛生管理)、「トータルグリーン」(緑と花のお手入れサービス)は増加しました。
訪販グループのその他の事業につきましては、レントオール事業は減収にはなりましたが、催事等の各種イベントサービスの売上は、コロナ拡大以前の状況に戻りつつあります。その他、化粧品関連事業、ユニフォーム関連事業、ヘルスレント事業(介護用品・福祉用具のレンタルと販売)、ライフケア事業(ご高齢者の暮らしのお手伝い)、レスキューサービス事業は増収となりました。
②フードグループ
フードグループは、主力事業であるミスタードーナツの全店合計お客様売上が増加し、原材料売上、ロイヤルティ売上及び前期1月に子会社化した健康菜園株式会社の売上計上等により、売上高は前年同期から52億23百万円(20.1%)増加し311億68百万円となりました。利益面につきましては、売上増加に伴う売上総利益の増加等により、営業利益は前年同期から6億45百万円(20.8%)増加し37億54百万円となりました。
“さらにおいしく”にこだわり、7月に定番の人気商品群のリニューアルを実施すると共に、価格改定を行ったミスタードーナツは、その後も来店お客様数、お客様単価とも前年同期を上回っており、1店あたりのお客様売上高は前年同期を上回りました。加えて新規出店により稼働店舗数が増加したことで、全店合計のお客様売上高も前年同期を上回りました。
商品別に見ますと、第1四半期の「misdo meets 衹園辻利」、「MASTER DONUT(マスタードーナツ)」、第2四半期に発売した人気キャラクターとコラボレーションした「‟ミニオン”はちゃめちゃドーナツ」、白いポン・デ・リングが新たな色に進化した「白いポン・デ・いちごみるく」、毎秋恒例の「さつまいもド」、栗のドーナツ「くりド」、人気菓子とコラボレーションした「MISDO HALLOWEEN×ブラックサンダー」等、いずれもお客様の支持を得て売上増加に寄与しました。
フードグループのとんかつレストラン「かつアンドかつ」も増収となりました。
③その他
海外事業は、中国でのダストコントロール商品のレンタルと販売(楽清(上海)清潔用具租賃有限公司)、マレーシアを中心にドーナツ事業を展開しているBig Appleグループともに円安により前年同期の売上を上回ったことに加えて、楽清香港有限公司(清算予定)から当社に移管した貿易売上が増加した結果、全体では増収となりました。国内で展開しているリース及び保険代理業(ダスキン共益株式会社)、病院施設のマネジメントサービス(株式会社ダスキンヘルスケア)も増収となった結果、その他全体の売上高は前年同期から4億41百万円(5.7%)増加し82億41百万円、営業利益は前年同期から69百万円(28.7%)増加し3億13百万円となりました。
(2)財政状態に関する説明
当中間連結会計期間末における総資産残高は、1,961億44百万円となりました。前連結会計年度末(以下「前期末」という。)と比較して59億50百万円減少しております。その要因は、投資有価証券が37億85百万円、有価証券が32億円減少したことに対し、無形固定資産その他が5億82百万円増加したこと等であります。
負債残高は457億58百万円となり、前期末と比較して18億67百万円減少しております。その要因は、未払金が22億76百万円、支払手形及び買掛金が6億88百万円、繰延税金負債が6億38百万円減少したことに対し、未払法人税等が17億68百万円増加したこと等であります。
純資産残高は1,503億86百万円となり、前期末と比較して40億82百万円減少しております。その要因は、自己株式の取得等により、自己株式が31億98百万円増加(純資産は減少)、その他有価証券評価差額金が8億18百万円減少したこと等であります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から9億38百万円減少し190億86百万円となりました。各々のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、63億30百万円の資金収入(前年同期は31億64百万円の資金収入)となりました。その要因は、税金等調整前中間純利益56億58百万円、減価償却費38億86百万円等の資金増加要因に対し、未払金の減少額14億32百万円、仕入債務の減少額7億30百万円、持分法による投資利益7億22百万円等の資金減少要因によります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、7億35百万円の資金支出(前年同期は21億17百万円の資金支出)となりました。その要因は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入68億77百万円等の資金増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出29億47百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出25億43百万円、無形固定資産の取得による支出19億48百万円等の資金減少要因によります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、66億15百万円の資金支出(前年同期は40億45百万円の資金支出)となりました。その要因は、自己株式の取得による支出34億37百万円、配当金の支払額31億41百万円等の資金減少要因によります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、310百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。